引越しにおいて、最も面倒に感じる作業の一つにインターネット関係の手続きがあります。プロバイダやインターネット回線など、「聞いただけでも面倒」だと思う人も多いと思います。
しかし、インターネット関係の手続き作業を怠ってしまうと、引越し先でインターネットを使うことができません。そのため、インターネットの手続きは必須といえます。
ただ何をすればいいのか手順や方法が分からない人は多いです。
そこでここでは、インターネット関係の引越しをどうすればスムーズにできるのかを分かりやすく説明します。
もくじ
回線業者やプロバイダを理解しないといけない
インターネットを使用するために必ず必要なのが回線業者とプロバイダです。インターネットをパソコンやスマホにつなぐためには、必ずこの2つが必要になります。つまり引越しでは回線業者やプロバイダとの契約が必ず必要なのです。
ただ、「回線業者やプロバイダが何か分からない」という人もいると思うので簡単に説明します。
・回線業者
回線業者は電線からアナログ信号を部屋まで引いてくれます。アナログ信号を届ける回線にはさまざまなものがありますが、具体的には以下の3種類が主流です。
- 光回線
- ADSL回線（電話回線）
- ケーブルテレビ回線
インターネット回線としては、例えばNTTが提供するフレッツ光があります。いわゆる光回線ですが、こうした回線を提供する業者と契約することで電線からアナログ信号を部屋に引いてもらえるようになります。
実際に回線業者が工事をすると、どのような回線であっても以下のような形跡があります。
反対に、このような形跡が全くなければ回線が引かれていないことになります。引越し先に回線を引いた跡が無い場合、回線を引く工事から依頼しないといけません。
・プロバイダ
一方でプロバイダとは、インターネットに接続するサービスを提供する接続事業者です。回線業者は電線からアナログ信号を部屋に届けてくれますが、このときのアナログ信号をデジタル化しないとインターネットを使用することができません。
そこでアナログ信号をデジタル化し、インターネットに接続できるようにしてくれるのがプロバイダです。
インターネット回線にはレンタル品が存在する
ここまで、回線業者やプロバイダについて説明しました。ここで問題になってくるのが、契約している回線業者やプロバイダはモデムやルーター（無線LAN機器）を貸し出している場合があることです。
モデムとはアナログ信号（回線からの信号）をデジタル信号に変換する装置です。例えば以下の機器がこれに該当します。
こうしたモデムについては、ほぼ確実に回線業者からの貸し出しがあります。
またルーター（無線LAN機器）では、複数のインターネットを同時使用したいときに使います。いまでは一人暮らしであっても、パソコンやスマホと複数機材の接続が普通なため、ルーター（無線LAN機器）は必要な機材です。以下のようなものがルーター（無線LAN機器）です。
仮に、上のようなインターネット機器をレンタルしている場合は引越し時に返却しなければいけません。
引越しではレンタル品は返却するのが基本
ただ近場の引越しでも県外への引越しでも、借りているモデムやルーター（無線LAN機器）は返却しなければいけせん。返却方法は契約しているプロバイダや回線業者によって異なるので、ホームページや電話にて確認しましょう。
また同じプロバイダを引き継ぎ、通信業者を利用するにしても、ほとんどの場合で移転手続きと移転工事が必要になります。以下はフレッツ光の場合ですが、他社でも2～3週間は工事がかかると考えたほうがいいです。
現在では、引越し先にインターネット回線が既に引いてある場合がほとんどです。ただそれでも移転工事は必要になります。光回線といっても配線方式が複数あり、全く同じ配線でないと引き継げないからです。そのため、今まで使用していたモデムは使えません。
近所の引越しで、同じプロバイダや回線業者を引き継ぐにしても、レンタル品は一度返却して移転費用を払い、新たに工事をしてもらうのが一般的です。
しかし、同一の機器を継続で利用できるケースもあります。この場合については、先ほど述べたように「引越し先の光回線が全く同じ配線」のときです。
このように稀にですが、引越し先の光回線の配線が同一である場合もあります。
ただ同一配線かどうか分かりませんし、いずれにしても引越し先でセッティングが必要になります。そのため、回線業者への連絡は早めに行うようにしましょう。
引越し先の回線状況を電話などで回線業者に確認してもらってから、レンタル品を返却するようにしましょう。もし、継続して使用できれば、返却不要となるので作業は楽になります。
回線業者やプロバイダの調べ方
ここまで、「回線業者やプロバイダとは、どのようなものか」について説明をしました。しかし、現在どこの回線業者やプロバイダを使用しているのか分からないと先に進めません。
実際のところ、現在どこの回線業者やプロバイダを使用しているか把握しておらず、さらには調べ方が分からない人もいると思います。
そうしたとき、現在使用している回線業者やプロバイダの簡単な調べ方が存在します。
・スマートフォンやパソコンからIPアドレスを見てプロバイダを確認する
プロバイダについては、最も手軽に確認できる確認方法はスマートフォンやパソコンからIPアドレスを確認するやり方です。
やり方は簡単であなたのパソコンや携帯電話から「確認くん」にアクセスするだけです。このホームページにアクセスするとあなたのパソコンや携帯電話のIPアドレスを以下のように調べることができます。
ここで調べたIPアドレスを以下のサイトで確認すれば、契約しているプロバイダが分かります。
IPアドレスを入力すればプロバイダを調べることができます。しかし、上記のような確認方法はインターネットが利用できる状況でないと活用できません。
・通帳やクレジットカードの利用明細から調べる
回線業者やプロバイダを確認する方法として、通帳やクレジットカードの引き落とし項目から探してみるのもいいでしょう。例えば、NTTぷららの場合「ぷらら利用料」で引き落とされているはずです。
もちろん引き落とし項目をみても、プロバイダの名前だとはっきり分からない場合もあります。そうしたケースでは、引き落とし項目の中に不明なものがあればプロバイダである可能性が高いです。不明な引き落とし口座があれば、そこへ直接電話で確認してみましょう。
また、回線業者だと引き落とし項目に「エヌティティヒガシニホン」などと記載されています。しかし、実際はNTTが代理で請求しているだけで、「回線業者はソフトバンクだった」ということもあります。
つまり、「引き落とし項目の名前が回線業者かもしれない」と思っていても、本当の回線業者ではないケースもあるのです。
他の業者に代理で支払って貰っている場合もあるので、この場合は引き落とし先の「料金に関するお問い合わせ窓口」に電話すれば、本当の回線業者を確認できます。
例えば、今回の場合だと「エヌティティヒガシニホン」の料金お問い合わせ窓口に電話すれば、本当の回線業者（今回はソフトバンク）を確認することができるのです。こうして通帳やクレジットカードの利用明細を利用すると、このような書類関係から回線業者やプロバイダを調べることができます。
・契約書類から調べる
回線業者やプロバイダに契約すると、契約書類が必ず送られてきます。例えば、以下のような書類がこれに該当します。
ただし、言うまでもないですが契約書類を紛失した場合は確認が不可能になります。
引越し後、すぐインターネットを使用できるように調節する
なお引越しにおいて、インターネットを使用できない期間ができてしまうことはかなりのストレスになります。しかし、インターネット回線業者やプロバイダについては、引越し先での対応が必要なので引越し直前に申し込みしてもダメです。
もし引越し先にインターネット回線が引かれていなくて工事が必要な場合、何も対処していない場合だと1ヵ月以上はインターネットを利用できない事態に陥ります。
また、現在のプロバイダや回線業者を引き継いで引越し先に回線が引かれていたとしても、移転工事の対応に2~3週間かかってしまいます。引越し先の家でモデムなどのセッティングが必要なため、アポを取らなければいけないからです。
そのため、引越し先のインターネット環境に関わらず、早めに連絡しましょう。引越し直前の連絡だと、自宅を訪問しての機器類の取り換えやセッティングが1ヵ月先などになる可能性があります。
もちろんそのようなときは、モバイルWi-Fiを利用したり、携帯のテザリング機能でその場を凌いだりすることによって、差し迫った危機を乗り越えられます。ただ、そうした事態が起こらないように事前に準備・連絡をしておくと引越し日の当日からインターネットが使えるようになります。
引越しはインターネット回線・プロバイダを見直すチャンス
なお引越しをきっかけにして、インターネット回線・プロバイダを見直すと大きな節約につながることもあります。
インターネット回線・プロバイダについて、引継ぎと新規契約では手間はそれほど変わりません。前述の通り、同じプロバイダや回線業者を使用するにしても移転工事が必要だからです。工事の日では以下のように回線業者が本人の立ち合いのもと、工事をしてくれます。
このことも踏まえて、引越しという機会を利用して自分に合ったインターネット回線・プロバイダを見直すといいです。そのほうが、今後の費用を抑えられる可能性があります。
インターネット回線新規登録でキャッシュバックが貰えることもある
ただ現在使用しているインターネット回線を解約すると、多くの場合約1万～2万ほどの解約金がかかります。インターネット回線業者を変更しなくても、例えば引越しによってNTT西日本管内からNTT東日本管内に移る場合などでは解約が必要になるケースもあります。
しかし、ここでインターネット回線業者を見直して別の会社に新規登録したとき、新規登録でキャッシュバックが5万円ほどもらえる場合があります。以下のような感じです。
つまり解約金は相殺され、むしろキャッシュバックの分だけ得をします。さらに、割引プランが用意されていることもあります。引越しをきっかけにインターネット回線業者を乗り換えるとお得なことが多いのです。
また、いまではインターネット回線業者とプロバイダがセットになったサービスが多くなっています。先に乗り換えをするインターネット回線業者を決めて、そのインターネット回線業者とセットで受けられるプロバイダサービスを選択すると、さらにお得になる可能性もあります。
引越しを契機にインターネット関係の見直しを考える
インターネット関係の手続きは「めんどくさい」と考えられがちです。こうした面倒だと思う気持ちから、回線業者やプロバイダへの連絡を後回しにしがちです。
しかし、後回しにするとレンタル機器の返却を忘れてしまったり、引越し先でインターネットが使用できなかったりというトラブルが発生します。
たとえ近場の引越しであったとしても、インターネット関係では引越し先の回線業者によるセッティングが必要です。そのため、早めの連絡が必須となります。
ここでは、非常に分かりにくい引越しでのインターネット関係についてどう対処すればいいのか、利用業者の調べ方を含めて解説してきました。インターネット関係の引越し手順を理解した上で、引越し日からインターネットを使えるように準備しましょう。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
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引越し価格を安くするためには、適切な方法が存在します。見積もりを比較するのは当然として、例えば休日ではなく平日の引越しにするだけで、1万円以上の値引きは簡単です。
また、同じ日であっても午前の引越しを午後にするだけでも値引きが可能です。こうした価格交渉術について解説しています。
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多くの場合、引越し業者は割引制度を設けています。ただ、残念ながらこうした割引はまったく意味がありません。引越しには定価が存在しないからです。
この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。
安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備
見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。
ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。
見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ！料金はいくら安いのか
実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。
ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。
