できることなら、安い引越しが可能な時間帯を狙って引越しをしたいと考えるのが普通です。引越し代を値切ることができれば、それだけ節約につながります。高い引越し代を支払って良いことは一つもありません。
そこで、引越し時間を考えるようにしましょう。午前と午後では、引越しするときの価格が異なります。午後に変更するだけで、5,000円以上の値引きがあるのは普通です。朝や昼、夕方、夜と引越しの時間帯が違えば価格も異なるのです。
また、時間指定のないフリー便を利用すればもっと引越し代を抑えることができます。ただ、格安引越しができるというメリットはあるものの、デメリットもあるのでこれについても理解しなければいけません。
同じ日に引越しをするにしても、どのような時間帯で引越しをすれば割引できるのかについて詳しく確認していきます。
もくじ
安い引越しを実現できる時間帯
引越しをするとき、多くは時間指定をします。あなたにとって都合の良い時間にスタッフに来てもらい、引越しをするのです。ただ、時間帯によって引越し価格が異なることを多くの人が知りません。
そこで、営業マンに訪問見積もりしてもらったとき、好きな時間を指定するのではなく、時間帯によって引越し代がどれくらい異なるのか聞いてみるようにしましょう。
例えば、以下は実際の見積もりです。
同じ2/12に引越しをするにも関わらず、「AM(午前) 39,960円」「PM(午後) 32,400円」となっていることが分かります。午前と午後で引越し価格が7,560円も違うのです。
非常に荷物の少ない近距離引越しでしたが、それでもこれだけの価格差があります。
午前より、午後の方が安い
一般的には、昼から引越し作業をするよりも、朝の時間を指定したほうが引越し代は高くなります。なぜ、午後便よりも午前便の方が高額になるのでしょうか。これは、朝の引越しだと時間が確定するからです。
引越しをするとき、午後からであると開始時間が遅れることはよくあります。14:00開始予定であったとしても、3時間ほど遅れることは普通です。午前中に入っていた他の引越しが長引いてしまった結果、午後の開始時間が遅れてしまうのです。
そのため午後からだと、当日に時間変更の連絡をもらうのは普通だと考えてください。時間変更が当たり前のように起こり、引越しの開始時間が読めないので午後からの引越しでは値段が安くなるのです。
また、午前であれば「早めに作業を開始して引越しを終えることができる」「遅くても夕方までには作業終了するため、そこから引越し先で荷解きを頑張ることができる」などの利点があります。作業開始時間が遅くなるほど、夜遅くまで作業をしなければいけません。
・夕方や夜の時間指定は高くなる
なお、遅めの時間であれば値段が安いのかというと、そういうわけではありません。あくまでも午後の時間を選択したときだけになります。
昼からの引越しにも関わらず、時間変更があって夕方や夜の引越しになった場合、そのままの料金で引越しをすることになります。
ただ、最初から夕方や夜を時間指定する場合、引越し内容によっては深夜まで及びます。当然ながら、引越し業者としては夜遅くまで働きたいとは思いません。そのため、自ら夕方や夜からの作業をお願いする場合は値段相場が高くなるのです。
フリー便にするとさらに安くなる
なお、午後の引越しよりもさらに安い価格を引き出せる引越しプランとしてフリー便があります。フリー便とは、時間指定なしの引越しを指します。時間指定なしのため、引越し日は決まっているものの、どの時間帯に引越し業者が訪れ、作業開始するのか分かりません。
引越し業者からすれば、いくら作業開始時間が長引いて遅い到着になったとしても問題ないため、フリー便では確実に後回しにされます。繁忙期に限らず、閑散期でも休日などいくつか引越しが重なった場合は夕方や夜に作業が開始となり、引越し作業が深夜にまで及ぶのも普通だと考えてください。
フリー便では午前中での作業開始になることは少なく、フリー便を選ぶとその日の引越しの中で最後になります。作業が深夜になってもいい場合、フリー便を選択するといいです。
デメリットのあるフリー便ですが、午後を時間指定する場合に比べると非常に値段が安くなるというメリットがあります。
一人暮らしの単身引越しであれば、荷物量は少なく引越しにかかる作業時間は少ないです。フリー便でもそこまで大きな影響はないため、一人暮らしで引越しを考えており、時間帯をそこまで気にしない場合は時間指定なしの引越しを選択するといいです。
また、家族で引越しをする場合であっても、フリー便にすることで大幅な値引きを実現できます。少しでも安い料金相場での引越しを実現したい場合は時間指定なしを検討するといいです。
・深夜だと近隣住民の迷惑になることがある
フリー便だと引越し業者の都合によって何時間も作業が遅れ、「来ないのでは?」と思ってしまうほど開始時間が後になることがあります。
特に深夜に引越しが開始されるとなると、近隣住民には迷惑になります。真夜中に引越しの運搬による振動や音が伝わるようになるからです。そのため、苦情が出てしまうことがあるデメリットは理解しておくようにしましょう。
賃貸マンションでも新築でも、当初から隣人との仲が悪いと大変な事になりかねないので、ここら辺りのことは考慮しておく必要があります。
・休日や繁忙期のフリー便は深夜になりやすい
なお、最も後回しの引越しにされるフリー便ですが、引越し業者が忙しい時期であるとトラックの到着時間が非常に遅くなりがちになります。
引越し業者では、平日と休日では当然ながら休日の方が忙しいです。平日よりも、休日に引越し依頼が来るのです。そのため、前述の通り休日にフリー便を入れると多くの引越しが入っているため、結果として夕方以降の作業になるケースが多いです。
また、3月と4月は引越し業者の繁忙期になります。この時期では、平日や休日に限らずいつの日も引越し価格が高騰します。そのためにフリー便を考える人は多いですが、非常に多くの引越しが詰まっているのでほぼ確実に夕方以降の作業になり、夜遅くに引越し作業を進めることは覚悟しなければいけません。
一方で閑散期である5月から翌年2月の平日であれば、比較的トラックや人員が空いています。そのため、フリー便であったとしても午前中の引越しになることもあり、遅くても午後便になります。夕方以降の引越しはよほど運が悪かったときです。
閑散期の平日だと、引越し代金がもともと安いです。これをフリー便にすれば、より大きな値引きをしながら午前中の引越しになることもあるのです。
実際の引越し時間や流れ
ただ、午後便やフリータイム(時間指定なし)を使えば引越し代が安くなるとはいっても、引越しの搬入や搬出にどれくらいの時間がかかるのか理解していないと予定を立てづらいです。実際のところ、積み込みや積み下ろしにはどれくらいの作業時間を目安として考えておけばいいのでしょうか。
これについては、荷物量が多かったとしても積み込みに平均2時間ほどだと考えてください。そこから移動し、新居での積み下ろしは1時間ほどになります。トラックへの搬入よりも、搬出の方が早いのです。
もちろん、一人暮らしの単身引越しなど荷物量が少ない場合、積み込み・積み下ろしの時間はより短くなります。
例えば私が以前に2人暮らしで引越しをしたとき、14:00スタートの予定でした。実際には1時間ほど遅れて、15:00から引越し開始です。ここから作業を始めて、2時間が経過した17:00くらいにトラックへの積み込みが終わりました。
そこから新居へ1時間ほどかけて向かいます。近距離引越しなので、当日中にすべての作業を終わらせます。新居へ到着したのは18:00なので、そこから作業を開始することにしました。
このときの積み下ろしは1時間も経たずに終わり、最終チェックも完了しました。荷物はものすごく多いわけではありませんでしたが、搬出・搬入の作業時間の合計は3時間(移動時間を入れたら4時間)ほどでした。
また、これが荷物量の多い4人や5人家族での引越しだったとしても、基本的にはトラックへの搬入に2~3時間ほどかかると考えてください。
例えば、私が友人の引越し(賃貸マンションから新築への引越し)を手伝ったとき、4人家族で荷物量が多く、以下のようにトラックも大きいサイズを頼む必要がありました。
このときの作業については、トラックへすべての荷物を積み込むまでに3時間ほどかかりました。朝8:00からスタートして、11:00に搬入が終わったのです。
近距離引越しだったため、午前中に積み込みが終わったら、午後からは新居への搬出です。2時間ほどですべての荷物の積み下ろしが終わり、すべての作業が終わったのは15:00でした。搬出・搬入のみの作業時間で考えると合計5時間ほどです。
どのくらい時間がかかるのかについては、あなたの荷物量によって異なります。そのため一概にはいえませんが、次のように考えるといいです。
引越し人数 | 単身・一人暮らし | 2人 | 3人 | 4人 |
部屋サイズ | ワンルーム~1K | 1LDK~2LDK | 2LDK~3LDK | 3LDK |
作業の平均時間 | 2時間 | 3時間 | 4時間 | 5時間 |
上記にある「作業の平均時間(搬出・搬入のみ)」に加えて、移動時間が加算されます。同じ市内や県内よりも、当然ながら移動距離が長くなるほど引越し時間はかかります。全体の流れは「荷物の運搬・搬出 → 移動 → 荷物の搬入」となるのです。
こうした作業時間を考慮し、引越しを開始する時間帯を考えましょう。深夜の作業が嫌な場合は午前に依頼すればいいし、夜の作業でも大丈夫な場合はフリー便(時間指定なし)を利用するといいです。
長距離引越しでは2日に分けて引越しをする
なお、近場の引越しであると当日中に搬出・搬入を行いますが、長距離の引越しであるとトラックへの積み込みと積み下ろしの作業が別の日になります。例えば、東京から大阪へ引越しをする場合、必ず2日に分けて作業を行うことになります。
ただ、このときはどのようにして移動するのかを考える必要があります。
・当日中に引越しをして退去まで済ませる場合
引越し作業を行い、賃貸マンションを空にして退去の立ち会いまでを当日中にすべて行いたい場合、午後便やフリー便は利用することができません。そうした引越しであると、作業開始時間が遅れて退去時間に間に合わない可能性があるからです。必ず午前中に作業を完了させなければいけません。
その後、新居の住所へ移動するために新幹線や飛行機、夜行バスなどに乗って移動します。
・引越し日はホテルに宿泊する場合
それに対して、引越し日は旧居の住所にあるホテルに宿泊して、次の日に新居へ移動することを考えている場合、午後便やフリータイム(時間指定なし)の引越しをしても問題ありません。
近距離引越しの場合、トラックへの積み込みから新居への運び入れを含めて当日中に行う必要があるので大変です。一方で長距離移動の場合、初日に行うのはトラックへの搬入だけになります。そのため作業時間は短く、たとえフリー便で深夜の作業になったとしてもそこまで負担はありません。
引越しではすべての荷物を運搬するため、旧居の賃貸マンションにはベッドも布団もない状態です。「実家から引越しをする」という人以外、当日中に新居へ移動しない場合はホテルへ宿泊するのです。
引越し日は旧居の住所にあるホテルに宿泊するのであれば、タイムスケジュールが詰まっているわけではないため、落ち着いて引越しをすることができます。
新居へいつトラックが到着するのかについては、おおよその時間を教えてくれます。新幹線や飛行機を使えばこちらの方が先に着くため、長距離引越しの場合はトラックが到着する時間までに新居で待機していれば問題ありません。
ただ、間に合わない場合も考えられるため、引越し業者との入念な打合せを事前に実施しておきましょう。
引越しの作業時間や安い時間帯を知る
引越しには作業時間がかかります。引越し業者による積み込みや積み下ろしにかかる時間を知れば、どのような引越しプランにすればいいのかを理解できるようになります。
このとき、できれば引越し代を安くするために午後便やフリー便を考えるようにしてみてください。
もちろん、引越し業者による作業時間や移動時間などを考えると、午前中の引越しでなければ都合が悪いケースもあります。その場合、多少は引越し代が高くなったとしても、朝の午前便を利用するようにしましょう。
ただ、そうでない場合は引越し代を節約するために時間帯をズラしてみるといいです。
同じ日であっても、時間帯が違えば引越しの料金相場が下がります。営業マンに訪問見積もりをしてもらうとき、午前中の作業開始時間で見積もりを出してもらった後に「午後便やフリー便だといくらになりますか?」と尋ねるといいです。
尋ねるだけで大幅に値引きできることを考えると、非常に効果的な方法だといえます。複数の業者から見積もりを取り、安い値段での引越しを実現してみてください。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
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・引越し料金を値切り、最安値の引越しを実現する時期や価格交渉術
引越し価格を安くするためには、適切な方法が存在します。見積もりを比較するのは当然として、例えば休日ではなく平日の引越しにするだけで、1万円以上の値引きは簡単です。
また、同じ日であっても午前の引越しを午後にするだけでも値引きが可能です。こうした価格交渉術について解説しています。
・引越しの割引制度(早割、紹介割引、社員割引)に意味がない理由
多くの場合、引越し業者は割引制度を設けています。ただ、残念ながらこうした割引はまったく意味がありません。引越しには定価が存在しないからです。
この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。
安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備
見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。
ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。
見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか
実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。
ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。