引越しをするとき、多くの作業が発生するようになります。住民票を移動させたり、荷造りをしたりと準備に忙しいです。

その中で気になるものとして、郵便物があります。当然ながら、何も手続きをしなければ郵送されたものは旧住所に届きます。ただ、それでは必要な郵便物が新住所に届かなくなり、開封することができません。大切な案内が届かなくなるため、これでは困ってしまいます。

そこで、郵便局での転送設定(転居届の提出)をするようにしましょう。郵便物を転送してもらうようにすれば、旧住所宛ての郵便物は新居に届くようになります。これであれば、引越しによって住所変更をしたとしても安心です。

それでは、どのようにすれば郵便物を転送することができるのでしょうか。また、いつから設定を行えばいいのでしょうか。中には転送できないケースもあるため、これらについても理解しておく必要があります。

ここでは、郵便物が適切に新居に届くために必要な転送設定の方法について確認していきます。

まずは郵便局へ行けばいい

郵送されたものについて心配になったら、まずは郵便局へ行くといいです。郵便局へ行けば、郵送設定をすることができます。または、現在はインターネットから申請することもできます。

手続きをすれば、1年間は旧住所から新住所へ自動転送されるようになります。そのため、引越しをして住む場所を変える場合は必ず実施するようにしましょう。注意点としては、「届出から1年間」というものがあります。転送の開始日から1年間ではありません。

郵送物の転送については、「郵便局で設定してもらう」「専用の用紙に記載して郵送する」「インターネット上から手続きをする」の三つがあります。

それぞれについて、確認していきます。

郵便局で設定してもらう

まずは近くにある郵便局へ出向くようにしましょう。県外の旅行先を含め、どの郵便局でも問題ありません。全国、あらゆる郵便局で対応してくれます。

郵便局の窓口に行った後、「引越しをして住所が変わるため、郵送の転送設定をしたい」と伝えるだけで問題ありません。

このときは書類(転居届)を渡されるため、それに記入することになります。

必要書類として、本人確認書類を持参するようにしましょう。運転免許証や健康保険証など、本人であることを証明する必要があります。会社(事務所)の移転については、社員証(名刺)や健康保険証など、会社との関係が分かるものを持参しなければいけません。

さらには、旧住所の確認ができるものをもっていく必要があります。運転免許証やパスポート、官公庁が発行した書類(旧住所の記載があるもの)など、何でも問題ありません。

専用の用紙に記載して郵送する

ただ、実際のところ私は郵便局での窓口で郵送設定をすることはありません。必要となる本人確認書類を用意できないからです。

本人確認書類については多くの人は問題ありません。ただ、私は何度も引越しをしていますし、特にそのつど住民票を移し、運転免許証の住所変更手続きをしているわけではありません。そのため、運転免許証には「旧居の住所」が記載されているわけではなく、実家の住所が記載されています。

また、旧住所の記載がある官公庁の書類とはいっても既に捨てています。

そこで、そうした確認手続きが不要な他の方法で転送の届出をしています。その一つが「専用の用紙に記載して郵送する」ことがあります。郵便局で以下のような用紙(転居届)をもらえるため、これに記載して郵便ポストに投函するのです。

特に本人確認書類などは必要ないため、これに記載して近くにあるポストへ入れるようにしましょう。

ネット申請する

インターネット上から申請することも可能です。郵便局まで行く必要がないため、自宅や会社などからでも手続きをすることができます。

このときは郵便局のホームページへ行って手続きをするようにしましょう。以下のように、郵便局の公式サイトには転居専門のページがあります。「e転居」へ行けば、このページが出てきます。

ここから、パソコンまたは携帯電話を使って申請していきます。以下のように、名前やメールアドレスを入れていきましょう。

これらの手続きを進めていくことで、特に郵便局へ出向かなくても作業を完了させることができます。

郵送設定するうえで理解するべきこと

これらの届出を忘れると、すべての郵便物が届かないようになります。新居ではなく、旧居へ郵送されるままです。そのため、確実に手続きするようにしましょう。県外の引越し先へ既に移動してしまったとしても、どの郵便局でも転送設定可能ですし、ネット上からも申請できるので気づいたら早めに行うといいです。

いつ行えばいいのかというと、引越しの1ヵ月前くらいで問題ありません。早めに済ませておくと安心です。転送開始希望日を選ぶことができるため、いつ手続きをしてもいいのです。

ただ、直前すぎるのはダメです。転送設定が完了するまで数日かかるため、設定されるまでの間は適切に転送されません。そのため、遅くても引越しの3日前までには届出を済ませておきましょう。

間に合わない場合、数日ほど転送されないのは諦めるといいです。いますぐ手続きを行い、その他の郵便物については確実に転送されるように手続きをしましょう。

なお、郵便物の転送では他にも理解するべきことがあります。

特定の人だけ転送することが可能

家族の中でも、特定の人だけ引越しをするのは普通です。例えば、実家暮らしの高校生が卒業し、大学生として新生活を始めるときがこれに当たります。転勤により、単身赴任することになるときも同様です。

このように、家族の中で「特定の人だけ郵便物を転送したい」ということはよくあります。

これについても、問題なく対応しています。転送設定をするとき、転居者の氏名だけを記載すれば問題ありません。結婚による転居であっても、旧姓を記載することができるので確実に特定の人だけ転送できるようになっています。

これまで実家にいた人が住所変更して新生活をスタートさせるときであっても、問題なく郵便物を受け取ることができます。ゆうパックなどの荷物を含め、郵便局のサービスについてはこれで安心です。

郵送できないものを確認するべき

上記の手続きをすれば、問題なく郵便物が新住所に届くようになります。以下は私が引越しをした後、郵便局から転送された郵便物です。このように、シールを貼られて新住所へ届くようになります。

転送期間についても記されているため、いつ転送設定が切れるのかについてもわかります。

ただ、郵便局などで転送設定をしたからといって安心してはいけません。すべての郵便物が問題なく、新居の郵便受けに投函されるわけではないからです。

・宅配便は転送の対象外

郵送設定というのは、あくまでも郵便局が行うサービスだけです。郵送物やゆうパックの荷物などが対象です。そのため、クロネコヤマトの宅急便や佐川急便など郵便局とは関係ない宅配サービスについては適応されません。

あなたが宅配便を利用して定期購入している商品がある場合、それらの会社のホームページへ行き、ログインして住所変更をするようにしましょう。

例えば私であれば、妻が妊娠したので葉酸サプリ(赤ちゃんが元気に育ってくれるためのサプリメント)を定期購入していました。その途中に引越しをしたのですが、葉酸サプリ会社の管理画面へログインして住所変更するのを忘れていました。

そのため旧住所に商品が届けられてしまい、新住所へ送ってもらうための手続きをすることになったのです。さらにこのとき、本来は送料無料の商品だったのですが、「新住所へ転送するための料金」を負担することになり、1,000円ほどを余分に支払う必要がありました。

私のような失敗をしないためにも、クロネコヤマトなど郵便局以外から送られてくる商品はないかを考えましょう。引越しの2週間前には、定期購入している商品の会社へ電話したり、サイトへログインしたりして住所変更しなければいけません。

・転送不要の書類は転送できない

また、郵便局のサービスであったとしても転送されないものがあります。それが「転送不要」と記載のある郵便物です。

郵便物としては、ただポストに投函するだけの書類だけではありません。例えば、以下は「簡易書留」とある書類ですが、これは配達記録が残るように設定された郵便物を指します。無事、配達されたら「確実に配達しました」という記録が残るようになります。そして、単なる書留郵便は転送の対象となります。

これと同じように、「転送不可」「転送不要」という郵便物があります。クレジットカードやキャッシュカードなど、不正利用を防ぐために転送できないようにしているものは転送不可の書類として郵送されます。

こうした転送不可の書類の場合、いくら郵便局で転送設定していたとしても新居の住所に届けられることはありません。その郵便物に表示された住所にいない場合は「不在」とみなされ、送り主の元に返送されてしまうのです。

重要書類については届かないことを認識し、引越しの前後ではクレジットカードなどに申し込まないようにするといいです。再配達になり、面倒な手続きをすることになります。

なお例外として、転送不要の郵便物であっても、旧住所が実家であれば転居届を提出せず親などが受け取ることができます。その親族の居住確認ができれば本人以外が受け取ることのできる郵便物は多いです。

1年間の転送期間を延長することは可能

このとき、郵便物の転送設定を伸ばしたい場合は問題なく可能です。郵便局へ出向いたり、ネット上から手続きをしたりすることで、何度でも回数制限なく期間を延長することができます。

もちろん料金が発生することはなく、無料で郵便物を転送させることが可能です。1年間では心配な場合、期間を延長させるといいです。

延長させない場合、転送期間が切れると旧居である賃貸マンション・アパートの新たな住人へあなたの郵便物が届くようになります。これが嫌な場合、期間を延長させましょう。

なお、賃貸マンション・アパートに住むと前の住人の郵便物が届くことはよくあります。これは、以前の住人の転送設定が切れたときに起こります。これを止めることは無理なので、諦めるしかありません。

特定のDMだけ受取拒否はできない

必要な郵便物については受け取りをしたいが、家に来てほしくない郵便物もあります。こうしたものに、DM(ダイレクトメール)があります。

例えば、過去にサプリメントや化粧品のお試しセットを購入したことがある場合、DMが届きます。要は、チラシやパンフレットが来るようになるのです。以下のようなものがDMです。

こうしたDM(ダイレクトメール)を受取拒否して、必要なものだけ受け取りたいと考えるのは普通です。

しかし、特定の郵便物だけ受取拒否をすることはできません。もちろん転送設定しなければ、すべての郵便物が届かないようになるため、ダイレクトメールが家に来ないようになります。ただ、それでは多くの場合で不都合です。

DM(ダイレクトメール)など無駄な広告だけを停止することはできません。ただ、DM(ダイレクトメール)については無視し続けていればいつの日か届かなくなります。そのため、DMやチラシ類は時間が経つまで待つのが得策です。

転送設定の特徴・やることを理解する

引越しのとき、やることの一つが郵便局での転送設定です。何日前までに行えばいいのかというと、1ヵ月前などには済ませておくといいです。いつまでも放っておくと、引越し日のギリギリになって転送設定が間に合わないことがあります。

「県外の旅行先で届出する」「市内にある会社近くで手続きをする」など、手続き自体はどこでも可能です。ネット上からも申請できます。転送の更新(延長)も何度でもできるため、忘れないようにして引越し準備を進めていきましょう。

もちろん、賃貸マンション・アパートだけでなく、まだ表札のかかっていない新築の家であっても問題なく転送することができます。新築であっても、早めに郵送での住所変更届を出すといいです。

転居届の提出手続きを忘れたら、郵便物は新住所に配達されません。そのため一人暮らしの引越しから家族の引越しまで、引越し時はすべての人でやることが郵送設定(転居届の提出)です。ただ、郵送設定しても「転送不要の書類など、特殊な郵便物」は新住所へ再配達されないので注意が必要です。

電話などでは手続きできないため、「郵便局へ行く」「専用の書類を記入し、ポストに投函する」「ネット上から手続きをする」のどれかで住所変更をするようにしましょう。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

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