地方の田舎に住む場合、家賃が安いので独身の場合は基本的に一人暮らしをします。ただ、東京や大阪など賃貸マンションの家賃が高い場合、他の人と一緒に住むことで家賃を浮かせようとする人が非常に多いです。

そうしたとき、赤の他人と一緒に同じ家に住むケースがあります。いわゆる寮のように同じ会社や学校の人がいるわけではなく、職業や年齢を含めすべてがバラバラの人が一つ屋根の下で生活するようになります。こうしたものにシェアハウスがあります。

シェアハウスでは、同じ家に男性や女性がごちゃ混ぜで住むことになります(女性専用のシェアハウスもあります)。シェアハウスには外国人が住んでいることもあります。いろんな人がシェアハウスで生活しているのです。

いまでは、関東や関西などの都市部でシェアハウスは一般的です。安く家を借りることができるからです。

ただ、シェアハウスに引越しをするとき、シェアハウスならではの注意点があります。そこで、シェアハウスへ引越しをするためにどのように考えて荷物を準備し、手続きをすればいいのか解説していきます。

シェアハウスなら東京都内でも月5万円代で住める

安く住みたいのであれば、シェアハウスは非常に優れています。シェアハウスの場合、多くは一軒家やアパートのような形となっており、一つの家に10人など多くの人が住むようになります。

例えば以下のシェアハウスであれば、男女共有で13人(13世帯)が同じ場所に住むことになります。

このとき男女共用のシェアハウスがあれば、女性専用のシェアハウスもあります。また、多くは個室タイプですが、他の人と部屋を共有して住むようになるタイプもあります。いろんなタイプのシェアハウスが存在するのです。

たとえ東京都内であったとしても、月5万円代であればそれなりのシェアハウスに住むことができるようになります。ここに管理費などは加わるものの、非常に安い値段となります。

・ルームシェアよりシェアハウスの方が気軽

なお、友人や恋人同士で賃貸マンションを借り、一緒に住むことをルームシェアといいます。赤の他人同士ではなく、知っている者同士で普通の賃貸契約をします。

ただ、ルームシェアではトラブルになることがよくあります。ルームシェアは必ずどこかの時点で終わりがあるため、そのときに賃貸契約をどうするのか話し合わないといけません。また、ゴミ出しを含めて事前のルールを決める必要があります。

一方でシェアハウスであれば、既にルールが明確化されています。シェアハウスを出ていくタイミングも自由ですし、好きなようにできます。ルームシェアよりも気軽に入居できるため、シェアハウスは多くの人に人気です。

シェアハウスへ引越したいときの手続き

それでは、シェアハウスへ引越しをするときはどのような手続きになるのでしょうか。これについては、賃貸不動産の仲介会社を訪れるようにしましょう。

賃貸マンション・アパートを借りるとき、必ず利用するのが賃貸不動産の仲介会社です。あなたの街にも、以下のような賃貸不動産を斡旋している会社がいくつもあるはずです。こうした会社を訪ねて「シェアハウスで家を借りたいので、賃貸物件を一緒に探してほしい」と伝えれば問題ありません。

そうすれば、一緒になって候補となる賃貸物件を探してくれて、内見(ないけん:実際に不動産を見て回ること)を実施してくれます。

良さそうな賃貸物件が見つかったら、仲介会社経由で正式な申し込みをします。手続き自体は特に難しくなく、普通に賃貸マンションの契約をするのと同じ流れになります。シェアハウスに興味がある場合、ひとまず賃貸不動産の仲介会社を訪ねるようにしてみてください。

シェアハウスにあるものを確認する

ただ、通常の引越しに比べてシェアハウスならではの特徴があります。そのため、シェアハウスに引越しをしたいと考える場合、どのように考えて荷物の準備をすればいいのか確認する必要があります。

シェアハウスへの引越しをするとき、チェックポイントとして最も重要なのは荷物です。自分で新たに部屋を借りるときとは異なり、シェアハウスでは既に家具や家電製品が一通り揃っています。具体的には、以下のようなものがシェアハウスに備え付けられています。

【共用スペース】

  • 冷蔵庫
  • 洗濯機(使うときは有料が多い)
  • 乾燥機(使うときは有料が多い)
  • 電子レンジ
  • テレビ
  • フライパン
  • 皿・コップ
  • ソファー

【居室】

  • 机・イス
  • エアコン

基本的なものはそろっているため、シェアハウスではスーツケース一つあれば生活できるといわれています。

そのため、シェアハウスを利用する場合はできるだけ荷造りの量を少なくして、現在保有している家具や家電製品を状況によっては捨てるようにしましょう。一般的には引越しで荷造りを頑張りますが、シェアハウスの場合は入居準備として断捨離が必要になるのです。

基本は共有スペースに生活できるものが揃っているため、もっていく荷物は自分の部屋に運び込む家具・荷物だけに絞るようにしましょう。それまで一人暮らしをしている場合、例えば洗濯機などは不要になることが多いです。

運び込む荷物や持ち物を理解する

ただ、シェアハウスへの引越しでは、引越し業者を利用する人がほとんどです。これは、実際にはスーツケース一台だけの荷物では無理だからです。具体的には、以下のような荷物や持ち物が必要になります。

  • テレビ
  • ベッド(布団)
  • パソコン、プリンター
  • 洋服、靴
  • タンス(洋服ケース)
  • ドライヤー
  • ハンガー
  • 洗面用具

シェアハウスによってはベッドが備え付けられていることがあります。これについては、賃貸不動産によって異なります。他には、基本的に収納スペースがないことが多く、タンスや棚をもっていかなければいけません。机やイスがない物件であれば、これらの運搬も必要です。

また、以下のような家具・家電製品をシェアハウスにもっていくようになるケースもあります。

  • 冷蔵庫
  • 空気清浄機
  • 化粧用具(女性の場合)

冷蔵庫は捨てずにもっていく人も意外とたくさんいます。シェアハウスの共有スペースに冷蔵庫があるとはいっても、何人もの人が利用するので自分の飲み物を気軽に置くことができません。すぐに冷蔵庫がいっぱいになるため、好きなように利用できないのです。

また、飲み物を飲むためにわざわざ共有スペースまで向かうのは非常に面倒なので、部屋に一人暮らし用の小型冷蔵庫を置きます。

シェアハウスは何でも揃っているイメージがあるものの、一人暮らしに必要な最低限の荷物についてはもっていく必要があります。

シェアハウスへの引越しでも業者を利用する

ちなみに、この中でも洋服類は意外と場所を取ります。以下は夏服を詰めただけですが、ダンボールはいっぱいになりました。

当然、冬物のコートを含めて梱包していくと、それだけでダンボールがいくつも積み重なるようになります。ここにドライヤーや小物類を含めると、ダンボールは5~8箱になります。

これに、テレビや冷蔵庫などが加わります。

私の場合、実家から出て初めて一人暮らしをするときであっても、荷物量は少ないながらも引越し業者を利用しました。机やイス、ソファーなどを現地調達するにしても、洋服や布団、テレビなどを含めると意外と荷物量が多くなるからです。

また、シェアハウスでは多くの人が共同で利用するため、これらの荷物を自力で運搬するのは避けなければいけません。家電を運ぶとき、養生がなければ壁に穴をあけたり、床を傷つけたりする恐れがあるからです。

賃貸マンションでは、引越しのときに養生を必須としていることが多く、これはシェアハウスでも同様です。養生がないと、共用部分を傷つける可能性が非常に高いからです。そのため、引越し業者を有効に利用して作業を完了させるようにしましょう。

なお、赤帽などの個人事業主を活用してもいいですが、赤帽は養生がありません。これについては理解しておくといいです。

住民票や挨拶など、その他の注意点

なお、シェアハウスへ引越しをするとき、他にも認識しておくべきことがあります。これについて、いくつか記します。

・住民票の移動は可能

シェアハウスには何人もの人が住むことになりますが、住民票の移動は問題なく可能です。同じ家に異なる世帯主が何人も住んでいるのは普通です。例えば、二世帯住宅がこれにあたります。

当然、シェアハウスに住所変更しても問題ありません。住民票を移動させるとき、問題なく受け付けてくれます。

ただ、住民票が実家にある場合などであれば、できるだけ住所変更はしないようにしましょう。住民票を移動させることで運転免許証の住所変更手続きが必要になり、印鑑登録をし直さなければいけないなど、面倒な手続きが発生するからです。

・シェアハウスで必要な挨拶

通常の引越しでは挨拶は不要です。ただ、場合によっては挨拶をしなければいけない人も存在します。そうした人として、シェアハウスへ引越しをする人がいます。

シェアハウスでは一つの家に住むことになります。そのため、何度も顔を合わせるようになります。共有スペースで会った場合、談笑することは珍しくありません。そうしたとき、部屋は違ったとしても同居人のような形になるため、引越しの初日に挨拶が必要になります。

シェアハウスでは多くの場合、管理人がいます。引越し日が確定したらその日を管理人に伝え、引越し初日に挨拶ができるように段取りを整えておくようにしましょう。

もちろん、全員を集めての挨拶とは限りません。共同生活の輪に入ることにため、一人ひとりに挨拶をするのが基本になります。

なお、シェアハウスによっては「5階建てのマンションがすべてシェアハウスになっている」などのように、規模の大きいシェアハウスもあります。そのときは挨拶不要ですが、10人ほどの規模の小さいシェアハウスの場合、住人への挨拶が必要です。

引越しに必要な初期費用

それでは、シェアハウスへ引越しをするときに必要なお金としてはどのようになるのでしょうか。一般的な賃貸マンションであれば、「月額家賃 × 5倍」の初期費用が必要になります。敷金・礼金や前家賃などを合わせると、これだけの費用が掛かるようになるのです。

一方でシェアハウスであると、以下のような初期費用になります。

  • デポジット:家賃半月分
  • 前家賃:家賃一か月分
  • 賃貸不動産の仲介会社への仲介料:家賃一か月分

シェアハウスの場合、一般的には家賃の2.5~3倍が初期費用の相場です。家賃6万円なら、15~18万円ほどのお金が最初に必要になります。ただ、シェアハウスの場合は初月家賃半額などのキャンペーンが頻繁に行われており、初期費用を安くできることがあります。

また、共有スペースには備え付けの家具も多く、引越しに伴う家具代も少ないです。一般的な賃貸マンションに比べると、シェアハウスへの引越しは初期費用が大幅に安くなります。

引越しの見積金額の料金相場

ただ、シェアハウスの家賃を払うだけでは引越しが完了することはありません。他にも、引越し業者へ依頼するためのお金が必要になります。単身引越しでは、どれだけの値段になるのでしょうか。

一般的には、一人暮らしの荷物が少ない引越しであると、以下のような料金相場になります。

近距離(50km以内)中距離(200km)長距離(500km)
閑散期3~4万円4~5万円5~6万円
繁忙期5~6万円7~8万円9~10万円

※「東京-大阪:約500km」「東京-名古屋:約350km」「大阪-名古屋:約200km」です。

オプションがあれば価格は高くなりますが、オプションが発生するのは主に「洗濯機の設置」「エアコンの脱着」「ベッドの解体・組み立て」です。シェアハウスでは洗濯機があり、エアコンも備え付けられているため、ベッドを運び込む人だけオプション代が加算されるようになります。

このとき、以下のような2tショートトラック(たたみ三畳分)を利用することになります。

引越し代はトラックの大きさや引越し時期によって変動します。そのため、トラックがスカスカであっても、いっぱいに詰めても金額は変わりません。シェアハウスへの引越しであれば、荷物は多くないので荷台に荷物が入らないようなことはありません。

安い引越しを実現するコツ

ただ、シェアハウスへの引越しのように、荷物を厳選する場合は安い引越しを考えるようにしましょう。具体的には軽トラックを活用したり、引越し業者が提供しているパック料金を利用したりします。

・軽トラックを利用する

例えば軽トラックの場合、先ほどの2tショートトラックに比べると、荷台の大きさは半分ほどになります。そのため積み込める荷物は非常に少ないですが、引越し価格はその分だけ安くなります。

赤帽などの個人事業主の引越し業者に限らず、大手引越し業者でも軽トラックを利用した引越しが可能です。例えば、以下はサカイ引越センターのパンフレットですが、このように軽トラックによる引越も可能になっています。

引越し業者によって保有しているトラックが異なるため、何社もの業者に見積もりを取ってみるといいです。

・パック料金を活用する

また、業者によってはパック料金を提供していることがあります。例えば日通であれば、ワンルームパックというものが存在します。

ワンルームパックでは、以下のようなときに適用されます。

  • 1R~1LDKの部屋(2tショートトラック)
  • 移動距離が30km以内
  • 総作業時間が4時間以内

近距離引越しであるという条件は必要ですが、平日引越しなら29,800円(税込)以下になります。休日・祝日の引越しでも34,800円(税込)以下です。引越し業者ごとにパック内容は異なるため、いろんな業者に聞いてみるといいです。

・見積もりを比較するべき

このように業者によって保有トラックが異なり、提供しているパック内容が違うことから、必ず複数業者に見積もりを依頼するようにしましょう。何社もの業者に依頼するだけで、見積価格が下がるようになります。

引越しの値段を安くするコツは見積もりの比較です。安い引越しを実現するため、何社もの見積もりをもらうようにしましょう。

業者に家具や家電製品を捨ててもらう

なお、引越し業者に対して大型の家具や家電製品を代わりに捨ててもらうといいです。

実家から出て一人暮らしをする場合であれば、最初から荷物が少ないので問題ありません。ただ、既に単身で一人暮らしをしている場合、洗濯機や電子レンジなど不要な家具・家電製品がたくさんあると思います。

これらを粗大ごみに出し、一人で捨てるのは大変です。そうしたとき、引越し業者に依頼すれば問題なく代わりに捨ててくれることが多いです。

例えば私が引越しをしたとき、電子レンジを代わりに捨ててもらったことがあります。このとき、以下のようなマークをされました。

粗大ごみの廃棄をいくつも依頼する場合、軽トラックでの運搬はできず、2tショートトラックを依頼することになります。ただ、そうなったとしても粗大ごみの廃棄を自ら行う手間を省けるため、非常に便利な方法だといえます。

シェアハウスへの引越しを検討している場合、業者に粗大ごみを代わりに捨ててもらうことを含めて検討しましょう。もっていくものと廃棄処分するものを分け、スムーズに引越しを実現するといいです。

シェアハウスへ引越し、生活をスタートさせる

普通の賃貸マンションを借りるときに比べて、シェアハウスでは他にも住人がいるため、特殊な引越しになります。

シェアハウスでは初期費用が少なく、それでいて共有スペースには一通りの家具・家電製品がそろうことになります。個人の居住スペースについても、ある程度のものはそろっています。

ただ、居住スペースであっても場合により「机・椅子」「ベッド(布団)」「テレビ」「冷蔵庫」「洋服タンス」など必要になるものが多いです。これらについては、引越し業者に依頼して運搬してもらうようにしましょう。養生まで実施してくれる通常の引越し業者に依頼し、引越しを完了させるといいです。

これに加えて、洗面用具など必要最低限の持ち物があると生活できるようになります。

金銭的な負担が少ないことがシェアハウスのメリットです。ただ、シェアハウス独自のルールもあるため、どのような手続きを行い、準備をすればいいのか理解したうえで引越しをするようにしましょう。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

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