日本に国籍のある人は、18歳以上になると選挙権を持ちます。ただ、「18歳以上の日本人であれば、必ず選挙に参加して投票できる」というわけではありません。
選挙は住んでいる組織の代表を決めるものであり、その地域で生活している人しか投票できない仕組みになっています。そのため引越しのタイミングや地域などによっては、選挙で投票できないケースがあるのです。
それでは、どのような引越しだと選挙で投票できなくなるのでしょうか? また引越し後に投票するためには、どのような点に注意すればいいのでしょうか?
ここでは引越しによる選挙権への影響と、選挙に参加して投票できるようにするための引越しでの注意点について解説していきます。
もくじ
引越し後の地域で選挙権があるのはいつから?
まず、どのような選挙であっても、選挙で投票するためには選挙人名簿に名前が載っている必要があります。選挙人名簿に載っていない人は、日本国籍で18歳以上の人であっても、選挙において投票することはできません。
選挙人名簿は市区町村の選挙管理委員会が管理しており、住民票に準じて作成されます。そのため市議選などの「市区町村で行われる選挙」は、その地域に住民票がないと参加することができません。例えば大阪市議選は、大阪市に住民票がある人のみ投票できます。
また、国や都道府県などの選挙も、住民票の登録がある地区で投票を行うことになります。例えば東京都民が東京都知事選に投票する場合、足立区民であれば足立区でのみ投票が可能です。同じ東京都内であっても、他の区で投票を行うことはできません。
このとき引越し後の住民登録は、転入届や転居届などを役所へ提出すれば、その日のうちに登録手続きが完了します。ただ住民票を移しても、すぐに選挙人名簿に登録されるわけではありません。
選挙人名簿への登録は、転入届(転居届)の提出から3ヶ月以上経過してから行われます。これは、選挙投票のために引越しする人が発生するのを防ぐための仕組みです。そのため引越し後3ヶ月未満だと、新居地域で行われる選挙には参加できないことになります。
引越し後3ヶ月未満で投票できる選挙
引越し後の地域で選挙人名簿に登録されるのは転入・転居届の提出から3ヶ月後であるのに対して、引越し前地域の選挙人名簿からあなたの名前が抹消されるのは、転出届・転居届を提出した4ヶ月後です。そのため引越し後4ヶ月以内であれば、旧居地域の選挙人名簿にあなたの名前が登録された状態となっています。
こういう状態のため、引越し前の地域であれば投票できるように思ってしまいます。ただ選挙人名簿に載っていても、居住していない地域の選挙には投票できません。
例えば東京から大阪に引越した場合、引越しから4ヶ月間は東京の選挙人名簿に登録されたままとなりますが、東京の議員を選ぶ選挙に投票することはできません。
一方で異なる都道府県へ引越して3ヶ月未満であっても、衆議院選挙や参議院選挙など国の選挙であれば投票が可能です。この場合、旧住所で投票することになります。
また、例えば東京都の大田区から世田谷区に引越した場合、引越し後3ヶ月以内は区の選挙には投票できません。ただ引越し後も東京都民であることには変わらないため、東京都知事選や東京都議会議員の選挙には投票できます。この場合も、旧住所(大田区)で投票することになります。
ただこのとき、引越し前の住所で投票したいと考えても、旧居地域の投票所へ出向くのが難しい人がほとんどでしょう。そのため旧居地域の選挙のために投票する際には、不在者投票で対応するのが基本です。
旧住所へ不在者投票する方法
不在者投票によって対応するためには、まず投票用紙を旧住所の選挙管理委員会に請求する必要があります。
手元に選挙のはがき(投票所入場券)がある場合、はがきの「不在者投票宣誓書及び投票用紙交付請求書」という部分に必要事項を記入して、旧住所の選挙管理委員会へ郵送します。なお選挙不正の発生リスクを避けるため、電話での請求は受け付けられないので注意しましょう。
選挙はがきが手元にない場合、最寄りの選挙管理委員会で入手するほか、旧住所にある自治体・選挙管理委員会のホームページで投票用紙の請求書をダウンロード・印刷できます。
投票用紙の請求書を送ると、あなたの新住所へ投票用紙が送られてきます。その後、届いた投票用紙を新居地域の選挙管理委員会へ持参して現地で投票します。
このとき、手元に届いた投票用紙は封を開けずにそのまま選挙管理委員会へ持っていきましょう。投票用紙が入った袋を開けてしまうと、投票が無効となってしまいます。
また、引越し先地域の選挙管理委員会に提出した投票用紙は、旧住所地域の選挙管理委員会に郵送されます。このとき、旧居の選挙管理委員会に届いたタイミングで不在者投票が完了します。
つまり、選挙当日までに投票用紙が旧居地域の選挙管理委員会に届かなければ、あなたの1票が選挙結果に反映されません。そのため不在者投票を行う際には、選挙当日までに投票した用紙が旧住所地域の選挙管理委員会あてに届くように、早めに手続きを進めましょう。
選挙権を失わないための引越しの注意点
なお引越しをする際、住民票を移さない人は多いです。ただ前述のように、選挙人名簿は住民票に準じて登録されます。そのため引越し後に住民票を移していないと選挙権を失います。
例えば「旧住所で転出届を出したが、転入届の提出を忘れた」という場合、新居地域の選挙人名簿にあなたの名前が掲載されません。旧住所での選挙人名簿は転出後4ヶ月で抹消されるため、引越しから4ヶ月が経過するとすべての選挙に投票できなくなります。
また住民票を実家や単身赴任元の住所のままにしている場合、住民登録そのものはある(=選挙人名簿に載っている)ため選挙はがきが実家・単身赴任元に届きます。そのため選挙期間に実家などへ帰れば、旧住所での投票自体は可能です。
ただ選挙のために旧住所へ戻る必要があり、選挙の為だけに長い時間をかけて戻る人はほぼいないのが現状です。
郵便局に転居届を出しておかないと投票所入場券(選挙はがき)が届かない
なお前述のように、引越し後3ヶ月未満だと旧居地域で投票することになります。このとき、住民票を新居に移していたとしても、選挙はがきが届くのは選挙人名簿に登録されている住所です。つまり、引越し前の住所に選挙はがきが届くのです。
旧居に届くあなた宛ての郵便物を新居で受け取るためには、郵便局に転居届を出しておく必要があります。以下は郵便局に備え付けられている転居届の届出用紙です。
このような用紙に旧居と新居の住所、あなたの名前などを記入して提出すれば、旧居宛ての郵便物が1年間は新居へ転送されます。そのため旧居宛ての選挙はがきを新居で受け取ることができるようになります。
引越しから3ヶ月未満は旧住所での選挙権となる
日本国民は18歳以上になると選挙権が与えられます。ただ実際に投票できるのは選挙人名簿に名前が載っている人だけです。選挙人名簿は市区町村が管理しており、住民票に準じて作成されます。そのため住民票がない人(住民登録していない人)は、18歳以上であっても投票することはできません。
また引越しをした場合、転入届・転居届の提出から3ヶ月以上経過しないと選挙人名簿に名前が掲載されません。選挙投票のための引越しを防ぐため、引越し直後には統一地方選挙などで投票できない仕組みになっているのです。
ただ引越し後3ヶ月未満であっても、旧居地域の選挙人名簿には名前が残ったままとなります。そのため衆議院選挙など、国の選挙であれば旧居地域で投票が可能です。引越し前後で同一の自治体に居住しているのであれば、該当する自治体の地方選挙にも投票できます。
ただいずれの場合も、引越し後3ヶ月未満では旧居地域で投票することになります。また選挙はがきも旧居に届くため、引越し後3ヶ月未満で選挙に参加したいのであれば郵便の転送申し込みを忘れずに行いましょう。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
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引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
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この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。
安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備
見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。
ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。
見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか
実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。
ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。