引越しではわからないことが多いです。そして、引っ越し準備の中でも悩みやすいものがベッドの荷造りです。単身者の多くが使うシングルベッドであったとしても、家具の中でベッドは非常に大きな部類に入ります。引越しのとき、これらのベッドはどのようにして運べばいいのでしょか。
ベッドでは、業者の種類によってそれぞれ引越しをするときの方法が異なります。ベッドについて確認しておかないと、引越し当日になって新居に運ぶことができなかったり、追加料金が必要になったりします。
大きな家具であるベッドは引越しのときに気を付けるべき点が多いため、どのように取り扱うのかについて確認していきます。
もくじ
ベッドの荷造り・運び方を理解する
まず、どのようにしてベッドを運べばいいのでしょうか。そのままの状態で運ぶにしても、一人暮らしのベッドであっても大きいので運搬が大変です。
通常、ベッドの引越しでは解体します。普通のベッドであっても、ロフトベッドであってもいったんは解体して引越し先へ運び、新居の部屋で再び組み立てるのです。
ベッドをそのままの状態で運ぶとなると非常に大きなスペースを取りますし、そもそも部屋に入りません。ドアから入れることができなかったり、階段・エレベーターの中に収まらなかったりするのです。そのままの状態では「ベッドが入らない」という状況があるため、ベッドは解体した状態で持ち運びをします。
ベッドを解体した後、自ら組立をするとなると非常にハードルが高いです。そのため、ベッドの引越しがある場合はほとんどの人が引越し業者にお願いします。引越し業者であれば、ベッドの解体から運版、組立までをしてくれます。
ただ、引越し業者によって対応は異なります。引越し業者の中でも、赤帽など個人事業主として活動している場合であると、ベッドの解体まではしてくれないことがほとんどです。これについては事前に確認しなければいけませんが、赤帽であると高確率で断られます。
一方で大手の引越し業者であればベッドの解体までしてくれます。例えば、以下のような引越し業者があります。
- アート引越センター
- 日通
- サカイ引越センター
- アリさんマークの引越車
- ヤマトホームコンビニエンス(クロネコヤマト)
- アーク引越センター
これらの引越し業者であれば、見積もりのときにベッドがあることを伝えましょう。ベッドの大きさから見積もりを出してくれます。
ベッドの解体や梱包では費用が必要になるのか
そのまま運べばいい家具とは異なり、ベッドでは解体して梱包し、新居での組立が必要になります。このとき、解体や組立では別料金が発生するのでしょうか。
一般的には、単身パックを利用したときなどを含めて解体・梱包・組立の費用は別料金になります。引越しの荷物をもっていくだけでないため、プラス料金が必要になると考えてください。
一般的な料金相場としては、ベッドの種類によって以下のようになります。
ベッドの種類 | 料金相場 |
シングル | 5,000円 |
セミダブル | 5,500円 |
ダブル | 6,000円 |
クイーン、キング | 7,000~8,000円 |
ロフトベッド | 16,000円 |
このように、クイーンサイズベッドやキングサイズベッド、ロフトベッドとベッドが大きくなって複雑になるほど、解体・組立の費用が高くなると考えてください。
この費用が無駄だと考える場合、引越し日までにベッドを解体しておき、当日に引越し業者に梱包してもらって運んでもらい、自ら新居で組み立てをするという方法もあります。ただ、これは非常に大変ですし元通りに直せない可能性が高いため、多くの人は引越し業者に頼むのが普通です。
また、自分一人だけでの運搬では壁にぶつけて傷や穴をあけることもあります。賃貸マンション・アパートで壁に傷をつけると、それだけで修理代が1万円以上になるので自分でのベッド引越しは適切ではありません。
実際の解体作業はどうする?
解体をしなければいけないことはわかりましたが、解体作業はどのような手順で行われるのでしょうか。私が実際に引越し業者をお願いしたときの様子を以下に記します。
このときは単身者用のシングルベッドを解体してもらいました。ネットショップから注文した商品であるため、解体することは問題なく行えます。ただ、既に説明書などは捨てていますし部品をなくす恐れも高いため、専門家を頼ったわけです。
ベッドの様子は次下のような感じです。ここから、解体していきます。
畳の部分はそのまま取り外し、ベッド下の収納スペースも取っていきます。すると、底が見えるようになります。
ここから、ネジを回して分解していきます。当然、部品については業者側が小さい袋にまとめて入れ、保管することになります。
解体後、部品は次々と梱包されて運び出されます。ベッドフレームや土台を含め、すべて分解されてコンパクトになりました。
ニトリやIKEA(イケア)などの組み立て式ベッドであれば、必ず解体することができます。コンパクトになった後であれば、搬入のとき階段やエレベーターで確実に上の階へ昇ることができます。
ただ、ニトリやIKEAなどの製品の中には、分解を前提としていないことがあります。その場合、解体した後はメーカー補償がなくなり、引越し業者側としても分解の補償をしてくれないことがあります。これについては、理解しておくといいです。
ニトリやIKEAに限らず、無印良品や大塚家具などベッドを購入できる店は数多く存在します。こうした店舗であれば、購入後は店の人が運送してくれてすべての段取りをしてくれます。ただ、引越しのときは業者による解体作業があることを理解しなければいけません。
なお、新居へ運送してもらったあと、組立のときは逆の工程で行うようにします。分解時にあらかじめ番号を振っておき、部品ごとにまとめて梱包しておくと組み立てやすくなります。
ただ、引越し業者にお願いしている場合はこれらの作業をすべて代行してくれるため、かなり楽になります。
解体できず、ベッドが入らないときはクレーンを使う
ただ、場合によっては解体・組立できないタイプのベッドがあります。シングルサイズやセミダブル、ダブルベッドでは少ないものの、クイーンサイズベッドやキングサイズベッドなど、大きなベッドになると「最初から完成されており、解体できない」ことがあるのです。
特に店頭で購入した商品については、既に組み立てられている可能性が高いです。こうした商品を引越しするとき、どうするかというとクレーンで吊り上げて行います。
分解できたり、1階からベッドを搬入したりする場合は問題ありません。ただ、2階へベッドを配置したり、マンション・アパートで部屋が2階以上にあったりするとき、クレーンを使って窓から運ばなければ入らないのです。
これは、部屋から出せないときも同様です。解体できないと部屋から出せないことは多く、その場合もクレーンが必要になります。
クレーンによる吊り上げであると、クレーンによる吊り上げ費用が発生します。このときの料金相場は2~3万円ほどです。
人力で吊り上げることもありますが、大きいサイズのベッドは重くなるのでクレーンを使った方が無難だといえます。
ベッドマット(マットレス)を折りたためない場合も吊り上げとなる
ベッドを解体できない場合は当然として、ベッドマット(マットレス)についても吊り上げなければいけないことがあります。ベッドマットには折りたためるものと折りたためないものがあります。
特にクイーンサイズベッドやキングサイズベッドであったり、値段が高いベッドマットだったりする場合、ベッドマットが分厚く折りたためないことが多いです。以下のようなマットレスがこれに該当します。
ベッドが大きいと必然的にベッドマットも大きくなります。これが玄関ドアや階段、エレベーターなどに入ればいいですが、入らないことも多いです。その場合、クレーンを含め吊り上げ作業になります。ただ、マットレスの吊り上げ作業については、人力で済ませることがあります。
なお、ベッドマット(マットレス)を運搬するときはシーツを外し、マットカバーをかけてトラックや地面に触れて汚れないようにします。マットカバーは当日に引越し業者が用意してくれるため、心配する必要はありません。雨の日であっても汚れないようになっています。
ちなみに、上記のベッドは高級ベッドで知られるシモンズです。シモンズのベッドについては解体することが可能です。ただ、ベッドマットは折りたためないのでエレベーターなどに入らない場合は吊り上げるしかありません。
・タワーマンションの高層階は諦めも肝心
なお、中にはタワーマンションの高層階へ引越しをするなど、非常に高い場所へ引越しする人がいます。そのため、ベッドを解体できないときはクレーンでの吊り上げが難しくなりますし、それでも吊り上げをしたいとなると値段は非常に高額になります。
そのためベッドの引越しは諦めて処分し、ニトリやIKEAなどで新たにベッドを買うものが適切です。タワーマンション(高層マンション)の場合、引越しでは制約が出てきます。
ベッドを処分し、買い替えるという選択も可能
荷造りをするとき、ベッドについては引越し業者に任せればいいことがわかりました。当日に分解して運搬してくれるため、自力での運び方を研究したり、梱包の方法を調べたりする必要はありません。
ただ、ベッドの解体・組立を業者がするとなるとそれだけ費用が発生してしまいます。また、分解できないタイプのベッドであると、クレーンによる吊り上げ作業が発生するなどして引越し料金が高くなってしまいます。
特にロフトベッドなど2階のあるベッドであると、解体・組立だけで新品のロフトベッドを購入できてしまいます。
そうしたとき、「いま使っているベッドを廃棄処分して引越し先で新たに購入する」という選択を考える人がいます。ベッドの買い替えをするわけですが、もちろん古いベッドは捨ててしまっても問題ありません。また、結婚のときなどであると昔のベッドを捨てて、購入するのが普通です。
ベッドは粗大ごみになります。燃えるゴミとして捨てることはできないため、適切な方法で処分しなければいけません。
不用品の回収業者へ依頼する
ベッドの処分方法としては、自分で解体して梱包し、粗大ごみとして出すという方法を選ぶのが最もわかりやすいです。組み立て式の簡単なシングルベッドやロフトベッドの場合、粗大ごみにすることを考えましょう。
ただ、ベッドは非常に大きいので少しでも複雑な場合、自ら分解して粗大ごみとして出すのは慣れている人でない限り難しいです。ベッドフレームや土台を含め、すべてを分解した後に梱包し、ゴミ捨て場までもっていく必要があるからです。専用器具が必要になりますし、労力もかかります。
そうしたとき、不用品の回収業者へ依頼するようにしましょう。家まで取りに来て解体してくれて、家の外へ運び出してくれます。ベッドの大きさによって処分費用は異なりますが、シングルベッドで4,000円ほどの値段になります。
引越し業者に処分してもらう
ただ、不用品の回収業者へ処理をお願いするとなると、わざわざ電話をして日程調節しなければいけません。そこで、引越し業者へ不用品の廃棄処分をお願いすると効率的です。
引越し業者であれば、回収業者よりも安い値段でベッドを捨ててくれます。また、引越し業者によっては無料で処分してくれることもあります。
その逆に、粗大ごみを代わりに捨てるのを断る引越し業者もあります。特に赤帽などの個人事業主ではほぼ確実に断られます。業者によって対応が異なるため、複数社から見積もりを取って確認してみてください。
リサイクルによるベッドの買取・売却は難しい
なお、中にはリサイクル業者にお願いして回収してもらうことを考える人がいます。ただ、寝具は本人が寝る場所であるため、基本的にはリサイクル業者であっても買取してくれないことが多いです。
買取するにしても解体作業が必要です。ベッドのリサイクル品が買取されたとしても、新しいお客様への輸送・組立も必要になります。ベッドはリサイクルに適していないため、買取業者というよりも廃棄処分してくれる業者へお願いするのが適切です。ベッドの売却は厳しいと考えてください。
もちろん、中には無料で引き取りをしてくれる買取業者は存在するため、そうした業者を頑張って探しても問題ありません。
買い替えるときは解体可能な安いベッドを選ぶ
家を購入して一生その場所に住む場合であれば、高級ベッドや解体できない寝具を買っても問題ありません。
ただ、賃貸マンションに住んでいる場合は引越しする確率が非常に高いです。その場合、必ず解体可能で値段の安いベッドを選ぶ必要があります。ベッドにこだわりがあるにしても、高すぎるベッドはお勧めしません。
ベッドは必ず引越しのときに解体または吊り上げ作業が必要になります。特殊なベッドだとこれらの費用が高くなりますし、買い替えるにしても値段が安ければ「捨ててしまおう!」という選択もできます。
こうしたことを考えると、持ち家でない限り高級ベッドを購入するのは適さないのです。
当日までにしておく荷造りの注意点
なお、基本的にベッドは当日に解体してもっていくものの、何もせずに引越し日を迎えるわけではありません。それまでに行うべき荷造りが存在します。
ベッド周りの荷造りをしなければいけませんが、このときは布団とベッド下の荷造りを忘れないようにしましょう。
ベッドを運ぶとなると、解体・組立(または処分)の作業が発生するので、よほどのことがない限りは引越し業者へ依頼します。引越し業者は布団カバーをもっており、無料で配布してくれるので事前に布団の荷造りを済ませておくようにしましょう。
また、ベッドの下には多くのケースで服を収納できるスペースがあります。こうしたスペースにある服の荷造りを忘れることが多いため、事前に梱包を済ませておくようにしましょう。
例えば、以下は解体前の先ほどのベッドです。収納スペースに服があったわけですが、これについては既に荷造りを済ませています。
ベッドフレームの部分に荷物を忘れていることがありますし、ベッドの周囲に実は大切な荷物が落ちてほこりをかぶっていることもあります。ベッド周りについては、前日までによく確認して荷造りを済ませておくといいです。
複数の業者で見積もりをもらうと良い
引越しの荷物にベッドが含まれる場合、引越し業者に頼む必要があるものの、複数の業者に見積もりを依頼するとあなたが望む引越しを実現しやすいです。
これは、業者によって対応や値段が大きく異なるからです。例えば、以下のような違いがあります。
・解体や組立の費用が異なる(中にはベッドの分解に対応していない業者もある)
・クレーンの吊り上げ作業が必要な場合、料金が業者ごとに違う
・ベッドを捨てる場合、廃棄処分費用が異なる(中には粗大ごみの引き取り不可の業者もある)
・何人の作業スタッフが派遣されるのか(組立作業で完成時間が大きく異なる)
単に荷物を運んでもらうだけの場合、料金の安い業者を自分で探して依頼すればいいです。ただ、ベッドのような分解が必要で複雑な作業が必要な荷物がある場合、単純に引越し料金だけでは比較できなくなります。
ベースとなる引越し料金は少し高かったとしても、解体・組立の料金や廃棄処分費用などのオプションまで考慮すると、総額では安くなることがあります。そのため、何社もの見積もり比較が必要になります。
準備は少ないが、事前の確認が必要になる
ベッドを引越しするとき、「現在の部屋から出せないし、運搬先の場所が2階以上のマンションなので持ち運びはどうするのか」など多くの疑問が生まれます。
ただ、基本は引越し業者に運搬を丸投げすることになります。自力では壁に傷をつけたり、解体後に組み立てられなくなったりするからです。そのため事前に運び方を知る必要はありませんし、引越し準備にしてもベッド周りの荷造り・梱包をするだけで問題ありません。
しかし、引越し業者によって解体費用や処分費用が異なりますし、対応もさまざまです。そこで、見積もりを依頼するときは何社かにお願いするとスムーズです。
見積もりが完了してオプションまで含めて総額料金に納得した後、当日までには布団の梱包やベッド周辺の荷造りを完了しておきましょう。そこまで済ませれば、後は引越し業者にベッドの運び出しをお願いするだけです。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
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