粗大ごみは引越しのときに悩みとなるものの一つです。可燃ごみや燃えないゴミであれば、自治体で定期的な回収があるので問題ありません。ただ、粗大ごみとなるとどのように出せばいいのか分かりませんし、重い荷物を指定の日時・場所までもっていかなければいけません。

また、引越し日が意外と近いため、指定の日時に粗大ごみの廃棄が間に合わないこともあります。そうした場合、どのように対処すればいいのでしょうか。

粗大ごみを放置したままの状態で新居へ引っ越すことはできません。必ず粗大ごみを含めて片付けをしておく必要があります。

そこでここでは、粗大ごみの捨て方について解説していきます。

引越しで出る大量の粗大ごみ

あなたの家には、使わなくなった家具や家電製品はないでしょうか。こうした家具類では、燃えるごみとして出すことができません。粗大ごみという分類になります。

日本で粗大ごみとは、「たて、または横の長さが30cm以上のもの」を指します。そのため、意外と粗大ごみに分類されるものは多いです。家の中に存在する「故障してしまった家電製品」「いまでは使わなくなった家具」の多くは粗大ごみに分類されるのです。

そのため、引越しのときに大量の粗大ごみが出てくる人は多いです。一人暮らしの単身引越しであったとしても、粗大ごみが出てくるのは普通です。

このとき出てくる粗大ごみの種類としては、例えば以下のようなものがあります。

  • 冷蔵庫
  • 洗濯機
  • 電子レンジ
  • ベッド
  • テレビ
  • エアコン
  • タンス類
  • ソファー
  • テーブル類

もちろん、これ以外にもたくさん存在します。いずれにしても、このような大型の家具や家電製品が粗大ごみに分類されると考えてください。

粗大ごみの放置や不法投棄は不可

このとき、粗大ごみを放置して旧居を出ることができれば非常に便利です。ただ、粗大ごみを部屋に放置したまま出ていくことはできません。

賃貸マンション・アパートでは、退去時に「原状回復」という決まりがあり、部屋に入居したときと同じ状態に戻す必要があります。そのため、賃貸不動産を出ていくときは空の状態にしなければいけません。少しでも荷物が残っていると、退去時の立会いでその状態を拒否されてしまいます。

以下のように、部屋に何もない状態にしなければいけません。そのため、粗大ごみの放置は認められません。

当然ですが、不法投棄もしてはいけません。不法投棄は犯罪です。個人が他人の土地に不法投棄した場合、30万円ほどの罰金になることが多いです。罰金は高額です。絶対に、不法投棄をしないようにしましょう。

粗大ごみの廃棄処分方法は6つある

それでは、実際に粗大ごみの捨て方としてはどのような方法があるのでしょうか。処分方法としては、主に6つ存在します。

それぞれの方法は以下の通りです。

  • 自治体による粗大ごみ回収
  • 友人・知り合いにあげる
  • ネットオークションの利用
  • リサイクルショップによる買取
  • 不用品・廃品回収業者に依頼
  • 引越し業者による処分代行

これらのうち、どれかを選択しなければいけません。そこで、具体的な処分方法を確認していきます。

自治体の粗大ごみ回収

あなたの住んでいる自治体では、必ず粗大ごみの回収を行っています。自治体ごとに粗大ごみの出し方は異なりますが、多くは事前申し込み制になっています。つまり、粗大ごみを出したいことをメールまたは電話で伝える必要があるのです。

このとき、「自治体名 粗大ごみ」などでネット検索するようにしましょう。例えば、「横浜市 粗大ごみ」などで検索します。そうすると、自治体での粗大ごみ回収の申し込み画面が出てきます。

以下は東京都の粗大ごみ受付センターの公式サイトです。ここから、ネット予約をしたり電話をかけたりして粗大ごみ回収の予約をします。

その後、粗大ごみ処理券のシールを購入します。粗大ごみの大きさによって金額は異なりますが、粗大ごみを処理してもらうために必要なお金を収めるのです。

例えば、以下は東京都新宿区の粗大ごみ処理券のシールになります。

粗大ごみ処理券のシールについては、コンビニなどで購入することができます。近くにあるコンビニに出向き、粗大ごみを捨てる前に貼り付けるようにしましょう。「粗大ごみ処理券を購入して貼っている」という出し方が手数料支払いの証明になります。

手数料の料金は自治体ごとに異なりますが、一点につき300~1,000円が一般的です。比較的安い値段で処分できます。

その後、指定の場所へ粗大ごみを出すようにしましょう。

・引き取りできないゴミがある

ただ、自治体が行う不用品回収では、すべての粗大ごみを引き取りしてくれるわけではありません。まず、家電リサイクル法に関わる電化製品は引き取り出来ません。これには、冷蔵庫、洗濯機・衣類乾燥機、エアコン、テレビがあります。

また、自動車やオートバイ、ピアノ、消火器、ガスボンベ類、タイヤなども引き取りできないようになっています。

粗大ごみの捨て方を考えるとき、真っ先に思い浮かぶ方法が自治体を活用する方法です。ただ、意外と制限が多いというデメリットがあります。また、捨てられる日も決まっているので捨てるタイミングを逃したり、引越し日までに間に合わなかったりすることがよく起こります。

友人・知り合いにあげる

意外と効果的な方法として、友人など知り合いにあげる方法があります。あなたは無駄な粗大ごみを減らすことができ、友人は無料で必要な家具を手にすることができます。双方にとってメリットがあります。

例えば私の場合、過去に会社を辞めて実家に戻るために引越しをしたことがあります。その際、後任の後輩(新卒入社で初めて一人暮らしをする人)へ引継ぎを含めて仕事を教えることになったのですが、同時に不要になる私の荷物を贈呈することにしました。

当時は物流会社に勤めていたため、会社の台車を一時的に借り、私の家から後輩の家まで運んだことがあります。家の距離が50mほどと近かったために可能でした。

ただ、小さい家具だったり、家が近かったりすればいいですが、大型家電を家が離れている場所に自分で運搬するのは現実的ではありません。そうしたとき、引越し業者の力を借りるといいです。例えば、クロネコヤマトであれば家具や家電製品を一点だけ送れるというサービスがあります。

サービス名を「らくらく家財宅急便」といいますが、こうした引越し業者のサービスを利用すると安い値段で荷物を送ることができます。このときは荷造りや梱包、運び出しまで業者側が行ってくれます。

ネットオークションの利用

いまではインターネットを活用して、家にある不用品を売るのが普通になっています。友人にあげる場合は無料で贈呈することになりますが、ネットオークションであればお金に換えることができます。引越しによる断捨離をするとき、できるだけネットオークションを利用してお金にする人は多いです。

ただ、基本的に買ったときの値段よりも大幅に売値が少なくなることは覚悟しましょう。本来であれば、廃棄処分をするためにはお金がかかります。そのため、そこまで高額な買取値段にはならなくても、「良し」とするのです。

また、ある程度の手間が必要なことに加えて、スケジュール管理も重要になってきます。いつ売れるのか分からないため、ある程度のタイミングで「処分方法を他の方法に切り替える」などのように決断しないと、引越し日の当日までの処分に間に合わないことが多くなります。

このとき、有名なネットオークションのサービスとしては、ヤフオクとメルカリがあります。

・ヤフオク(ヤフーオークション)

最も有名な個人間の買取マッチングサービスとして、ヤフオクが知られています。長くからサービスが行われており、知名度は非常に高いです。多くの人が利用しているため、出品したときに買取者が見つかりやすいです。

初めてネットオークションをしたいのであれば、ヤフオクから始めるようにしましょう。簡単に誰でも始めることができます。

【利用料金】

  • 出品時の手数料は無料
  • 落札時の手数料は以下のどれか
    • 販売金額の8.64% + Yahoo!プレミアムの月額会員462円(税別)
    • 販売金額の10%

・メルカリ

アプリを活用した個人売買のマッチングサービスとして、非常に手軽に商品を出品できるのがメルカリです。引越しの際、断捨離をするときにメルカリを利用する人は多いです。

ヤフーオークションのように、何でも出品できるわけではありません。ある程度、カテゴリーが決められています。そのため万能ではないですが、すぐに自宅にある商品をアプリ上に提示して、買取者を探せる優れたアプリになります。

【利用料金】

  • 出品時の手数料は無料
  • 落札時の手数料は販売金額の10%

リサイクルショップによる買取

あなたの保有している家具や家電製品が新しかったり、それなりに高かったりする必要はありますが、リサイクルショップを活用して買取をしてもらうという方法があります。これであれば、ネットオークションの利用と同じようにお金を生み出すことができます。

例えば洗濯機の買取をしてもらうとき、通常の洗濯機だとお金になりにくいです。無料引き取りになるか、回収費用を請求されることになります。洗濯機で買取できるのは、以下のようなドラム式洗濯機になります。単純に高級品だからです。

また、基本は購入して5年以内の製品が対象になります。すべての家具や家電製品を買取してくれるわけではありません。買取の値段がつかず、無料引き取りになることはよくあります。ただ、見積もり査定を受けること自体は無料なので、いくらの価格が付くのか聞いてみるのは問題ありません。

このとき、リサイクルショップとはいっても家の近くにあるどこの買取店を利用すればいいのか分かりません。そうしたとき、「地域名 リサイクルショップ 買取」で検索するようにしましょう。例えば、「大阪 リサイクルショップ 買取」になります。

出張買取をしてくれるリサイクル会社を選ぶことで、無料で見積もり査定をしてくれます。

また、引越し業者に見積もり依頼をしたときに業者が手渡してくれるパンフレットを活用しても問題ありません。パンフレットには、必ずリサイクルショップ名に加えて「どの地域に対応しているのか」「買取できる家具などの内容や種類」が記載されています。

引越し業者が提供してくれるこうしたパンフレットを利用すれば、リサイクルショップを探す手間を省けるようになります。

リサイクルショップは基本的に特定の地域にのみ対応しています。そうしたとき、これらのパンフレットがあると便利です。

不用品・廃品回収業者に依頼

ある程度の費用は必要になりますが、不用品(廃品)回収業者に依頼するという方法もあります。自治体を頼る捨て方とは異なり、基本的にはあらゆる粗大ごみに対応できます。また、即日対応にも可能という利点があります。

廃品回収業者だと基本料金や出張費用は無料になっています。ただ、粗大ごみとして処分したい荷物の量に応じて、個別料金が加わるようになります。さらにエアコンやベッドの解体など、作業が必要になるとオプション代が必要になります。

そこで多くの場合、不用品回収業者ではパック料金を設定していて、それを利用します。一般的な値段については、以下のようになります。

  • 軽トラパック:25,000~30,000円

より大きなサイズのトラックを依頼することは可能ですが、多くは軽トラサイズになると思います。こうした費用相場にはなりますが、ある程度の価格になることがわかります。決して、安くはありません。そのため、実際に利用するかどうかはあなたの財布と相談するようにしましょう。

実際に廃品回収業者を利用する場合、「地域名 不用品回収業者」で検索するといいです。例えば、「東京 不用品回収業者」などのようになります。

引越し業者による処分代行

そして、粗大ごみの捨て方として最もおすすめの方法が引越し業者を利用した処分代行です。私が引越しをするとき、粗大ごみの廃棄処分はいつもこの方法にしています。引越し業者によっては処分代行に3,000~5,000円ほどのオプション料金を取ることはありますが、これを利用する方が圧倒的に楽です。引越し日の当日まで、何もアクションを起こさなくても問題ありません。

もちろん、少しでもお金を手にしたいという場合はネットオークションやリサイクルショップによる買取を活用しても問題ありません。ただ、私の場合は引越し業者を利用しています。

例えば以前、私は電子レンジやソファーなどの廃棄を引越し業者に依頼したことがあります。賃貸マンションから運びだすとき、以下のようにガムテープでバツのマークをされ、そのままトラックに運ばれていきました。

また、以下は分かりにくいですがソファーにバツをつけられた様子です。引越しの最中、私の妻がソファーで寝そべっているときに撮影したものです。

新居に運び込む荷物と同時にこれらの粗大ごみもトラックへ運搬するわけですが、当然ながら廃棄する家電製品については、新居に搬入されずトラックに置いたままになります。

以下のように、不用品はトラックの中へ放置することになりました。

なお、引越し業者では「アート」「日通」「サカイ」「アリさん」「クロネコヤマト」といろいろ種類があります。このうち、すべての引越し業者が処分代行に対応しているわけではないことに注意が必要です。

ちなみに、確実に処分してくれる引越し業者としては、大手では以下の業者があります。

  • サカイ引越センター
  • 日通(日本通運)
  • アリさんマークの引越社

もちろん他にも、引き取りをしてくれる業者はあります。しかし、例えばアート引越センターでは「家電リサイクル法に引っかかる製品については引き取り対象としない。その他の製品なら問題ない」などのように制限を設けていることがあります。

そのため、訪問見積もりのときにどの範囲まで引き取り可能なのか聞くようにしましょう。

当日に間に合わないときはどうするのか

ここまで述べた方法が粗大ごみの出し方になります。捨て方の中でおすすめなのが引越し業者の活用ですが、いろいろな出し方があるので、あなたに合った方法を選択するようにしましょう。

ただ、このとき粗大ごみを出すのが引越し日の当日までに間に合わないことがあります。急な引越しであったり、ネットオークションでうまく売れなかったりして、粗大ごみを出すタイミングを逃してしまうのです。

こうしたとき、どうするのが適切なのでしょうか。これら緊急事態の場合、以下の2つを選択するようにしましょう。

  • 引越し業者に廃棄を代行してもらう
  • 新居へ粗大ごみをもっていく

最も良い捨て方としては、引越し業者に依頼することがあります。最初から処分をお願いしているのであれば問題ありませんが、そうでない場合は営業所に電話して「粗大ごみを出すのが間に合わなかったため、廃棄処分を代行してくれないか」と聞くのです。

どこに電話すればいいのかというと、見積書に電話番号が記載されています。ここへ連絡するようにしましょう。

しかし前述の通り、業者によって対応できる範囲が異なります。もし、引越し業者に廃棄代行を断られたらどうするのがいいのでしょうか。

これについては、仕方ないので新居へ粗大ごみをもっていってもらうようにしましょう。その後、自治体やネットオークション、リサイクルショップ、廃品回収業者などを活用して廃棄するのです。そうすれば、問題なく引越しできます。

粗大ごみの出し方を理解する

たとえ一人暮らしの単身引越しであったとしても、粗大ごみが大量に出てくるのは普通です。使わなくなった家具や家電製品を含め、家の中に不用品が転がっているのです。これらを放置することはできないため、事前に処分方法を検討するようにしましょう。

このとき粗大ごみには適切な出し方があります。多くの人が想像するものとして、自治体を利用した粗大ごみの処分があります。ただ、事前申請が必要だったり、回収日が決まっていて「いつ出せばいいのか」を確認する必要があったりして面倒です。捨てるタイミングを逃すことも多いです。

ただ、粗大ごみにはいくつもの廃棄処分する方法が存在します。その中で自分に適切な方法を選ぶようにしましょう。

その中でも私が最もおすすめする方法として、引越し業者の活用があります。引越し日の当日まで何も準備する必要がなく、すべて業者が運び出し作業を行ってくれて非常に楽だからです。特に捨て方を考える必要もありません。

そうして、これら粗大ごみの廃棄方法を理解したうえで引越し作業を進めるようにしましょう。捨て方に悩む粗大ゴミですが、どのように対処すればいいのか把握しておけば引越し作業がより円滑になります。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

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さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。

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