住んだことのない地域へ引越しする場合、土地勘がないため物件探しに悩みがちです。中でも、大阪は関西最大の都市であるため人口が多く、エリアによって家賃や周辺環境、治安などが大きく異なります。

このとき「なるべく家賃の安い物件に住みたい」と考える人は多いです。家賃が安いと毎月の金銭的負担だけでなく、物件の契約費用も安くなるためです。

ただ大阪のような人口の多い都市では、家賃だけで居住エリアを決めると不便な生活となるだけでなく、トラブルに巻き込まれるリスクが高くなります。そのため大阪への引越しでは、さまざまな観点から物件探しを行う必要があります。

それでは大阪に引越しするとなったとき、どのようにして物件を探せばいいのでしょうか? また大阪への引越しで費用を節約したい場合、どのようにしたらいいのでしょうか?

ここでは大阪へ引越しする際の物件探しや、引越し費用を節約するコツなどについて解説していきます。

大阪中心部を避けて居住地を決めるのが基本

一般的に、引越し先の新居は職場や学校などに近く、通いやすいエリアで物件を探すのが基本です。そのため、市街地周辺や文教地区で新居を探すケースが多いです。

ただ東京や大阪などのように人口が多い地域では、市街地や文教地区の家賃が非常に高くなります。

例えば大阪駅のある北区や、大阪駅に近い西区などは家賃相場が高く、単身向けでも月10万円ほどの物件が多いです。また、商業施設やオフィスビルなどが多く立ち並ぶ浪速区や中央区、文教地区である天王寺区なども家賃相場が高くなっています。

金銭的な余裕があるのであれば大阪中心部で引越し先を探しても問題ありません。ただ一般的には、このような地域を避けて居住地を決めることになります。

一方で大阪中心部から離れると、その分だけ家賃相場が下がっていきます。特に大阪市外に隣接する区だと、大阪中心部の半分ほどの家賃で部屋を借りられるケースが多いです。

そのため大阪への引越しでは、職場や学校などに乗り換えなしの電車1本で行けるエリアを中心に物件を探しましょう。例えば勤務地が梅田である場合、大阪メトロの御堂筋線や谷町線、JR大阪環状線沿いの駅周辺が候補に挙がります。

このとき、不動産情報サイトでは駅や路線から物件を探すことができます。例えば以下は、不動産情報サイトの検索画面です。

このサイトでは、駅や路線から大阪の賃貸物件を探すことができます。また、乗り入れ路線や家賃相場、目的駅までの所要時間を知ることができるため、あなたの希望に合った物件を探しやすいです。

そのため大阪への引越しで新居を探す際には、このようなサイトの機能を活用して、通勤・通学地に電車1本で行けるエリアから物件を探していきましょう。

自転車などで通勤・通学する場合、2つ隣の区以内で物件を探す

なお大阪への引越しでは、自転車や原動機付自転車などでの通勤・通学も可能です。大阪は東京23区に比べて面積が狭いため、区をまたぐ移動にそれほど時間がかからないためです。

具体的には自転車や原動機付自転車で通勤・通学する場合、目的地の2つ隣の区まで新居の候補エリアに挙げることができます。

例えば北区と旭区は2つ隣の区ですが、これら区の中心部同士の距離は5kmほどです。旭区は市外に面した区であるため家賃相場が低めですが、自転車で20分、原動機付自転車で10分ほどでビジネス街へ通うことができます。

また自転車や原動機付自転車での通勤・通学であれば、駅の近くに住む必要性が低くなるため、家賃の安い物件を見つけやすくなるメリットもあります。

実際に5年ほど大阪に住んでいた私の友人は、駅から離れた地域に安価で住んでいました。職場である大阪中心部までは自転車で30分ほどであり、帰宅時にはさまざまなスーパー・ドラッグストアに寄れたので、生活には困らなかったそうです。

このように、大阪では自転車や原動機付自転車での通学・通勤も可能です。これら手段で移動可能なのであれば、2つ隣の区までを目安に目的地までの距離で物件を探しましょう。

なお区を2つまたぐと10kmほどの通勤・通学となるため、自転車での移動は難しくなっていきます。原動機付自転車での移動であれば30分以内に到着できるので、主な移動手段に合わせて候補エリアを選定しましょう。

大阪への引越しでおすすめの引越し地域

それでは実際に大阪へ引越しする場合、具体的にはどのようなエリアを選べばいいのでしょうか。

まずファミリーで大阪へ引越しする場合、北区や中央区、浪速区などは避けた方がいいです。前述のように、これらの地域は家賃が非常に高く、ファミリー向け物件だと月15~20万円ほどを想定する必要があります。また繁華街やビジネス街が多いため、治安の面でも心配な点が多いです。

一方で大阪市外であれば、ファミリー向けであっても家賃が手ごろな物件が多く、住宅街や公園など静かで暮らしやすい環境が整っています。

特に大阪市の北に位置する吹田市や豊中市、高槻市は治安が良く、子育てしやすい環境が整っているためファミリー世帯に人気が高いです。またこれら地域は北区や中央区など大阪中心部とのアクセスが良く、30分ほどで中心部へ出ることができます。

そのためファミリーで大阪へ引越しするのであれば、勤務地が大阪市内であっても、大阪市外で物件を探すのがおすすめです。

単身引越しでおすすめのエリア

一方で単身引越しの場合、利便性を重視する必要があります。具体的には、通勤・通学しやすいだけではなく、スーパーやコンビニエンスストアが多い地域が好ましいです。生活スタイルによっては、飲食店の多さも重要な点となるでしょう。

このとき、もっとも利便性が高いのは中央区や北区など大阪市の中心部です。これら地域は主要な路線が通るためアクセスが抜群に良く、お店が多いため買い物や食事にも困りません。そのため会社から家賃補助が出る場合など、予算に余裕があるのであればこれら地域を選ぶといいです。

一方で利便性を重視しながらも家賃を抑えたいのであれば、大阪中心部の南側で大阪市外に面した区がおすすめです。

例えば平野区は大阪市の端に位置する区であるため、単身向け物件の家賃相場が月3~5万円と安めです。それでいて大阪南地域の市街地である天王寺まで5分、難波まで15分ほどであるため交通の便がいいです。また同様に、住吉区あびこ駅も家賃が安く、大阪中心部までのアクセスがいいです。

また勤務地などが新大阪や梅田など大阪市北側にあるのであれば、大阪市の北部に位置する茨木市がおすすめです。単身向け物件が多く、梅田まで30分ほど(急行だと20分)で行くことができます。

女性や帰宅時間が遅くなる人は治安を考える

一方で女性や帰宅時間が遅くなる人は、治安の良さも重視する必要があります。

一般的に、大阪は「大阪駅から北側よりも南側の方が、治安が悪めである」といわれています。特に簡易宿泊所や飲み屋街などの多い西成区は、治安が悪いことで有名です。

他にも、大阪の南側地域には外国人が多いエリアや飲み屋街の多いエリアが多数存在します。そのため土地勘がない中で治安の良いエリアを選択したいのであれば、大阪の北側を中心に物件を探しましょう。

例えば吹田市や豊中市は、大阪中心部へのアクセスが良く治安もいいため、ファミリーだけではなく女性の一人暮らしにも人気が高いエリアです。またファミリー世帯が多いエリアなので、買い物にも困りません。

また大阪市内であれば、城東区の蒲生四丁目や中央区の谷町四丁目などがおすすめです。これら地域は警察署が近く、監視カメラも多いため治安がいいです。そのため女性など治安がいい地域を選ぶ必要がある人は、このようなエリアで物件を探しましょう。

毎月の支払いを抑えたいなら、大阪ガスが使える物件を選ぶ

なお、家賃は毎月支払う固定費であるため、安価であるほど家計への影響が少なくなります。そのため「なるべく家賃が安い物件を選びたい」と考える人は多いです。

ただ毎月の固定費を減らしたいなら、家賃だけではなくガスの種類にも注目する必要があります。プロパンガスの物件だと、大阪ガス(都市ガス)に比べて1.5倍ほどガス料金が高くなるためです。

そのため大阪で家賃の安い物件を探す際には、大阪ガスが使える物件を中心に探しましょう。例えば以下は、不動産検索サイトの検索ページです。

このサイトでは、都市ガス(大阪ガス)を使用できる物件を検索することができます。このようにして大阪ガスの物件を選べば、毎月の生活費を抑えることができます。

大阪へ引越しする際のコツ

このようにして新居の候補エリアを選定したら、家賃や間取りなどから希望の部屋を選びます。その後、希望物件を3~4件に絞り込み、内見を経て物件の契約へと進みます。

このとき近距離の引越しであれば、時間や日にちをずらして内見物件の様子を見に行くことができます。そのため、夜間の騒音やゴミの日の様子などから住民の質を確認することが可能です。

ただ遠方から大阪へ引越す場合、内見以外で物件を訪れる機会がなく、どのような人が住んでいるのかを確認することができません。そこで遠方から大阪へ引越しする場合、共有部分とゴミ捨て場、郵便受けの3点について必ずチェックしましょう。

例えば、共有部分に私物が多かったりゴミ捨て場が汚れていたりする場合、ルールを守らない住人が住んでいる可能性が高いです。このような物件を選ぶと、ニオイや虫、騒音などに悩まされる可能性が高くなります。

また空き物件の郵便受けにチラシが多数入ったままの物件は、管理会社の管理がずさんである可能性が高いです。そのため、このような物件を選ぶと、入居後にトラブルが起こっても対応してもらえない可能性があります。

遠方からの引越しでは短い時間に複数の物件を回ることになるため時間的な余裕がありません。ただ、入居後のトラブルを避けるためにも上記3点を必ずチェックするようにしましょう。

複数の引越し業者に見積もりを取る

なお引越しの際には、物件の契約費用が家賃5ヶ月分ほどかかります。また新居に合わせて収納を揃える必要がありますし、遠方からの引越しだと交通費や宿泊費などもかかります。そのため、引越し業者の契約料金はなるべく低く抑えたいところです。

そこで大阪へ引越しする際には、複数の引越し業者に見積もりを依頼しましょう。見積もり依頼の件数を増やせば、その分だけ業者間で価格競争が起こります。

特に東京など遠方から大阪へ引越しする場合、引越し費用の総額がかなり高くなります。そのため見積もり件数を増やすことで、業者間の差額が大きくなりやすいです。

実際に私が200kmほどの遠距離引越しを行った際、見積もり金額の最安値と最高値では10万円ほどの差がありました。遠距離引越しでは複数業者へ見積もりするだけで費用をかなり抑えることができるのです。

そのため大阪へ引越しする際には、必ず複数の引越し業者に見積もりを取った上で契約する会社を決めましょう。

大阪への引越し方法を理解し、希望通りの物件へ安く入居する

大阪など人口の多い地域へ引越す場合、学校や勤務地へ乗り換えなしで通えるエリアで物件を探すのが基本です。また大阪では自転車や原付にて目的地へ通うことも可能なので、通勤・通学の手段に合わせて居住エリアを選定しましょう。

このとき金銭的に余裕のある単身引越しであれば、北区など大阪中心部がもっとも利便性が高いです。一方で家賃を抑えながら便利な地域へ引越したいのであれば、大阪市外に面する区や大阪市外は家賃相場が手ごろです。特に大阪市南部の市外に面する区は、単身向け物件が多く家賃が安い特長があります。

またファミリーや女性の引越しでは、大阪北部に位置する吹田市や豊中市などがおすすめです。これら地域は、中心部へのアクセスや治安が良く、商業施設も多い傾向にあります。このようにして大阪の物件探しを進めていきましょう。

なお引越し業者を選ぶ際には、複数の会社に見積もりを依頼するだけで料金が安くなります。特に、遠方引越しだと業者間の差額が大きくなりやすいため、なるべく多くの業者に見積もりを依頼しましょう。これらが大阪への引越しのコツです。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

引越し侍

引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。

さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。

SUUMO引越し見積もり

一般的に引越しの一括見積もりでは登録直後、たくさんの電話がかかってきます。こうした電話が嫌でメールだけで完結したい場合、SUUMO引越し見積もりを利用しましょう。

SUUMO引越し見積もりでは「電話番号の登録が任意」なので、メールだけで見積もりの日程調節が可能です。電話が嫌な場合、リクルート社が運営するSUUMO引越し見積もりが最適です。

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