引越しを検討する人の多くは引越し業者に依頼します。私も引越しをするときは必ず業者に見積もりをお願いします。このときは複数業者に依頼すると、引越し料金を大幅に安くすることができます。

そうした引越し業者の一つに「アリさんマークの引越社」があります。大手の引越し業者であり、私もアリさんマークの引越社にお願いして作業してもらったことがあります。

それでは、実際のところアリさんに引越しを頼むと、どのような引越しになるのでしょうか。ネット上の口コミや評判だけでなく、私の実体験を踏まえて解説していきます。

アリさんマークの引越社の特徴

アート引越センターやサカイ引越センターなどと同じように、大手引越し業者の一角としてアリさんマークの引越社が知られています。

大手引越し業者の中でも、アリさんマークの引越社は珍しく全国展開していません。東北エリアには出店していませんし、中国・四国地方、北陸では支店が非常に少ないです。

それでは、なぜ大手にも関わらず全国展開していないかというと、自社便や自社スタッフにこだわっているからです。「フランチャイズ展開する」「引越し作業を下請けに投げない」などを徹底しているため、全国展開をしていないのです。

引越し専門業者であるにも関わらず、大手で全国展開していないのはこうした理由があるのです。

丁寧な梱包がアリさんマークの引越社の強み

私は当サイトを運営している関係上、いろんな引越し業者を利用したり、取材したりしていますが、その中で思うのは「アリさんマークの引越社は梱包が非常に丁寧」だということです。

例えば、以下はタンスを梱包しているときの様子です。毛布を敷いた後に専用の資材を用いて梱包してくれました。

引越し作業は迅速であるものの、大量の毛布や梱包材を活用して、電化製品や家具を守るように丁寧に梱包してくれます。

また、訪問見積もりのときに営業マンへ「大型家具の廃棄処分は可能か?」「家具を積むとき、順番を考えてくれるか」などいろいろ聞いたところ、細かく要望をくみ取ってくれました。大手ではあるものの、柔軟性は問題ありません。

対応サービス

引越し業者によって対応しているサービスがあれば、そうでないサービスもあります。そこで、事前にアリさんマークの引越社の対応サービスについて知っておく必要があります。

・引越し終了後のリクエスト要望

新居へ荷物を運搬した後、「大型家具を必要な場所に移動してもらいたい」「照明を取りつけてほしい」「すぐ寝られるようにベッドの組み立てをしてほしい」などの要望が必ずあると思います。そうした要望について、アリさんマークの引越社は対応しています。

ただ、洗濯機の取り外しや取り付け、ベッドの解体&組立など、特殊な作業が必要になる場合はオプションとして別料金になります。しかし、これらの費用がオプションとして別途取られるのは、どの引越し業者でも同様です。

一方で照明の取り付けなど、すぐに終わる作業については特に別料金にはなりません。荷物の移動や照明の設置を含め、特にオプション代を請求されることはありませんでした。

・不用品の廃棄処分を行ってくれる

引越し業者によっては、冷蔵庫や洗濯機を含め大型の家電製品・家具の廃棄処分を代わりに行ってくれません。引越しでは必ず捨てるものが出てくるため、粗大ごみとしてこれらを出すとなると非常に大変です。

ただ、アリさんマークの引越社であれば不用品の廃棄処分を代行してくれます。私も以下のように、電子レンジを廃棄してもらいました。

このとき、上の写真のようにガムテープで「×」が書かれ、そのままトラックに積まれて廃棄されることになりました。

不用品の廃棄処分をするためには、当然ながら別料金が必要になります。ただ、粗大ごみとして出す手間を省くことができ、廃棄処分費用もそこまで高くならないことを考えるとお願いしたほうが圧倒的に便利です。

・エアコンの設置、ピアノの移動

引越しのとき、特に特殊な作業が必要になるものとしてエアコンの取り外しや取り付けがあります。専用器具を用いるため、自分でエアコン設置を行うのは不可能です。アリさんマークの引越社ではエアコンの取り外し・取り付けも行ってくれます。

エアコンについては、引越し代とは別にオプションの値段が必要になります。ただ、アリさんマークの引越社ではパック料金を用意しているため、こうしたものを活用すると値段を安く抑えることができます。

また、同じようにピアノの移動もかなり特殊な作業ですが、別料金で運搬が可能になっています。ピアノは作業内容によって料金がかなり異なるため、訪問見積もりのときに営業マンとの相談が重要です。

・ダンボール回収

引越し後は大量の不要なダンボールが出てきます。そこで、アリさんマークの引越社では引越し後のダンボール回収を行ってくれます。

営業所のエリア内であれば、1回につき1,000円(税別)と有料にはなってしまうものの頼めばダンボールを回収してくれます。

なお、私の場合はダンボールを資源ごみとして出し、無料で捨てました。ダンボール引き取りを依頼するのは面倒ですし、お金がかかってしまうからです。

・家財破損での保険

大手の引越し業者であるため、アリさんマークの引越社では保険に入っています。そのため、引越し作業によって電化製品が壊れたり、家具が破損したりした場合に保険で補ってくれます。

引越しのときのトラブルがあると、苦情やクレームを言いたくなってしまいます。そうしたときでも、補償制度があるので安心して引越し作業を依頼できます。

・自動車、オートバイの輸送

長距離の引越しをするとき、自動車やオートバイを保有しているとなると、どのように運搬すればいいのか気になります。まさか、車に乗って何百キロもの距離を移動するわけにはいきません。

ただ、アリさんマークの引越社では自動車やオートバイの運搬にも対応しています。このときは専用のトラックを活用して運びます。

・階段が狭くても無料で引き上げ

家具によっては、階段やろうかを通過できないことがあります。その場合、専用のロープやはしごを使って無料で引き上げ(吊り上げ)をしてもらえます。

通常、吊り上げをするには2~3万円など高額なオプション代が必要になります。ただ、それを無料で行ってくれます。

もちろん、高層マンションなど物理的に不可能な場合は諦めなければいけないケースもあります。

・荷物の一時預かりサービス

アリさんマークの引越社では自社倉庫を保有していません。そのため、トランクルームなど別業者を紹介してもらう形にはなりますが、荷物預かりサービスを利用することもできます。

引越しに伴い、人によっては一時的に荷物預かりサービスを活用したいことがあります。そうしたときでも、有料にはなりますが問題なく対応してもらえます。

ただ、引越し業者を利用した荷物預かりは「預けた荷物の中から少量の荷物だけを取り出す」などに対応しておらず、通常は預けた荷物を運び出すことはできません。そのため、利用する場合は短期間に限定しましょう。

・その他のサービス

細かいオプションやサービスを含めると、「パソコンの取り外し・取り付け」「海外への引越し」「ペットの運送」などもあります。これらのうち、必要なものを選ぶといいです。

対応していないサービス

一方で対応していないサービスもあります。これには、以下のようなものがあります。

・単身パックはない

引越し業者の中には、単身パックを用意していることがあります。一人暮らしの人など、運搬したい家具が非常に少ない場合、単身パックとしてコンテナを用意してもらい、コンテナの中に荷物を詰め込むようにします。

ただ、単身パックは「日通やクロネコヤマトなど、運送業をしている会社」が提供しているサービスになります。アリさんマークの引越社は運送業をしておらず、引越しの専門業者なので単身パックのサービスはありません。

・専用のテレビカバー

多くの引越し業者では用意してくれるものの、アリさんマークの引越社では存在しない資材としてテレビカバーがあります。なぜ、用意されていないのかは不明です。

ただ、以下のように毛布を含めてテレビを丁寧に梱包してくれるのでそこまで大きな問題ではありません。

ただ、いずれにしてもなぜかテレビカバーについては用意がないことを理解しましょう。

用意してくれる資材

アリさんマークの引越社では、「荷造り・梱包、荷解きは自分で行う」「荷造りだけ行ってもらい、荷解きは自分でする」「荷造り・梱包から、新居での荷解きまで行ってもらう(おまかせパック)」の3パターンから選ぶことができます。

ただ、引越し費用がかなり高くなってしまうため、多くの人は「荷造り・梱包、荷解きは自分で行う」ようにします。このとき、どのような資材を用意してくれるのかというと、ダンボールや布団袋、ガムテープになります。

訪問見積もりしてもらって正式に契約した後、アリさんマークの引越社からダンボールをもらって以下のように荷造りをするようにしましょう。

また、ハンガーにかけている服についてはそのままの状態で問題ありません。当日、ハンガーボックスを用意してくれるので、洋服をそのまま移動させれば大丈夫です。

新居へ移動した後、ハンガーボックスにかかっている服をそのまま洋服ダンスに移すだけなので非常に楽です。

靴についても、当日にシューズボックスを用意してくれます。ただ、靴については軽いですし梱包でそこまで問題にならないため、事前にダンボールへ詰めておくといいです。

当日の見積もり体験談

それでは、実際の訪問見積もりではどのようにして料金が算出されるのでしょうか。ネット上の口コミや評判だけを見てもわからないため、実際の体験談を記したいと思います。

引越しでは複数社の見積もりを取ることが料金値引きのコツですが、このときはアート引越センターやサカイ引越センターなど、いくつもの業者に見積もりを依頼していました。二人暮らしでの引越しだったので、6~7万円ほどで可能だったらいいと考えていました。

これまではオプションを含めアート引越センターが最安値であり、このときの価格は74,800円でした。

そうした中、アリさんマークの引越社による訪問見積もりが来ました。訪問見積もりでは家の中を案内して持ち出す家財を詳細に伝えます。その後、洗濯機の取り付けやベッドの解体、不用品の廃棄処分などオプションまで含めた金額を算出してもらいます。

このときはアート引越センターの値段よりは割引できなかったのですが、引越し時の条件を良くしてもらいました。まず、アート引越センターよりも大きいトラックを手配してくれるようにしてもらい、当日に「荷物がいっぱいになって追加費用が必要になった」という事態を避けるようにしてもらいました。

また、当日のスタッフ(作業員)の数について、アート引越センターでは2人だったのですが、アリさんマークの引越社では「3人のスタッフを用意します。3人の方が作業スピードは迅速ですし、より丁寧な引越し作業になります」と提案してくれました。

引越し価格は200円高い75,000円の提示でした。

値引きではなく、引越し内容をかなり良くしてもらったため、私はアリさんマークの引越社へ仕事を依頼することに決めました。

・キャンセルは問題ない

なお、どの引越し業者でも共通しますが、訪問見積もりを実施してもらって依頼した後にキャンセルするのは問題ありません。前日などの直前でなければ、キャンセル料は徴収されません。

しかし、既にダンボールや布団袋などの資材を受け取っている場合については「ダンボールの買取料金」が発生します。または、ダンボールを営業所までこちら負担で送らなければいけません。これはどの引越し業者でも共通です。

見積もりはもらったものの、「まだ引越しをするかどうか確定ではなく、キャンセルする可能性が残っている」という場合はダンボールをもらうのを後回しにするといいです。

なお、キャンセルの電話については「見積書に書かれている営業所の電話番号」にかけるといいです。訪問した営業マンではなく事務の人が電話口に出るので、後ろめたいことを心配する必要はありません。電話でキャンセルを伝えれば大丈夫です。

・クーポンは意味がない

ちなみに、すべての引越し業者に共通しますが、「10%を値引きします」などのクーポン券は意味がありません。引越し価格には定価が存在せず、既に値段が決まっているものではないからです。すべて、価格は業者の言い値です。

そのため、「クーポン券を利用する」「紹介による割引を利用する」などは期待しないようにしましょう。それよりも、ネットからの一括見積もりを含め複数の業者に見積もりを依頼することが一番効果的な方法になります。

前日までに荷造りをして、当日に作業員にお願いする

私の場合、高い引越し費用を捻出できなかったので、おまかせパック(梱包から荷解きまで、すべてお願いするプラン)ではなく、自分たちで荷造り・梱包、荷解きをすることにしました。そのため、食器類の梱包を含め引越し準備を行います。食器類の梱包は非常に面倒ですが、そうしたことも含めて自分たちで行いました。

そうして、引越し日の当日を迎えることになります。作業開始時間は14:00~16:00だったのですが、14:00ではなく15:00に作業員が到着しました。スタッフ3人にあいさつされ、引越し作業が始まりました。

壁が養生され、ダンボールや家具類が次々と運び出されていきます。

冷蔵庫や洗濯機などの大型家電や、タンスなどの家具類も毛布にくるまれます。専用資材を活用し、運搬していきます。

なお、冷蔵庫については中身をすべて出しておく必要があるものの、タンスの中身についてはそのままの状態で問題ありません。

また、ベッドの解体・組立を自分一人で行うのは現実的ではありません。ネジを紛失する可能性がありますし、解体したベッドを元通りにできる自信もありません。そのため、作業員の方にお願いすることになります。

二人暮らしでの引越しだったので、単身のときに比べて2倍の荷物があります。ただ、3人での作業なので非常にスムーズです。2時間もしないうちに、すべての荷物が運び出されることになりました。

その日のうちに荷物を運んでもらう

今回は近場での引越し(50km以内)だったので、旧居の荷物をすべて運び出してもらった後はすぐに新居に荷物を運び入れることになります。

そのためトラックを見送った後、電車に乗って新居へ移動することになりました。

同時スタートで向かったのですが、電車で移動した私の方が先に新居へ到着しました。部屋の鍵を開けて、トラックが到着するのを待ちます。

そうして、新居にトラックが到着した後は再び養生され、荷物の運搬が始まりました。

旧居での作業に比べると、運び入れるだけなので新居での作業は早いです。1時間もしないうちに、すべての搬入が完了しました。

なお、このときは同時にガスの開通やインターネット回線の工事を含め、他の業者を招き入れて同時並行で引越し作業が進んでいきました。それでも、作業は滞ることはありませんでした。

すべての作業が完了した後、「引越し作業が終わった」ことを証明する書類にサインします。その後、社内のコールセンターの方と電話でつないでもらい、そこでも作業が完了したことを告げます。

そうして、支払いに移ります。引越し業者はクレジットカード払いが可能であるものの、クレジットカード決済の場合は事前にカード決済しておく必要があります。

ただ、見積もりをもらうときに「値引きする代わりに現金決済でお願いします」といわれることが多く、今回も現金での支払いでした。そのため、その場で現金をスタッフに手渡ししました。最後に作業員へお礼を言い、引越し作業がすべて完了することになりました。

なお、作業員への心づけ(チップ・祝儀)などは必要ありません。心づけを差し出しても確実に断られるので、そこまで気にしなくても大丈夫です。

その後、1週間ほどの時間をかけて少しずつ荷解きの作業を行っていきました。

アリさんマークの引越社で引越しをする

ネット上の口コミや評判ではわからないことが多いです。そこで、ここでは実体験を踏まえて率直な体験を述べることにしました。アリさんマークの引越社を利用したときの感想として、見積もりでかなり良い提案をしてもらえましたし、作業も迅速でかなり良かったです。

ただ、こうした良い提案を引き出すことができたのは複数社からの見積もりをもらっていたからです。この相見積もりをしないと引越し金額を値切るのは非常に難しいですし、良い提案もしてくれません。

そのため、引越しをするとき、ネット上の一括見積もりは必須です。今回も複数社から相見積もりをもらうことで、結果としてアリさんマークの引越社から良い提案をもらって適正価格で引越しを実現することができました。

あなたも一括見積もりによっていくつもの引越し業者から相見積もりをもらい、値引き交渉や引越し内容の改良を含め、良い提案をもらうようにしてみてください。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

引越し侍

引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。

さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。

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一般的に引越しの一括見積もりでは登録直後、たくさんの電話がかかってきます。こうした電話が嫌でメールだけで完結したい場合、SUUMO引越し見積もりを利用しましょう。

SUUMO引越し見積もりでは「電話番号の登録が任意」なので、メールだけで見積もりの日程調節が可能です。電話が嫌な場合、リクルート社が運営するSUUMO引越し見積もりが最適です。

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