これから引越しをするとき、引越し業者に見積もりをもらって当日に作業をしてもらいます。ただ、このときトラブルになる大きな要因の一つとして追加料金があります。引越しのときに算出してもらった料金に追加して、引越し日の当日に追加料金が必要になってしまうのです。
それでは、どのようなケースで追加料金が必要になるのでしょうか。追加料金の発生を防止にするには、どのようにすればいいのでしょうか。
当然ですが、引越し費用を節約しながら新居へ移動しなければいけません。追加料金が発生する原因を理解し、事前に対策を練っておくことで追加料金を防ぐことができます。ここでは、追加料金が発生する防止策について確認していきます。
もくじ
見積もり時にすべてを伝えるべき
なぜ、引越し日の当日に追加料金が出てしまうのでしょうか。それは、訪問見積もりのときにすべての要望を伝えていなかったときに起こります。「荷物の量を過少申告した」「廃棄処分を依頼したいが黙っていた」などです。
これらは引越し業者から見積もりをもらうとき、正確に伝えなければいけません。そうしないと高確率で追加料金が発生してしまいます。
例えば、私がかつて二人暮らしで引越しをしたとき、見積もりのときに「旧居と新居だけでなく、一度実家に立ち寄ってもらい、実家の荷物を積んだ後に新居へ行ってほしい」と引越し業者の営業マンに伝えたことがあります。
このとき、営業マンは「他への立ち寄りは二箇所積みといい、別料金になります」と伝えてくれました。二箇所積みは本来、2万円が相場です。ただ、新居と実家が近いこともあって半額の1万円にしてもらいました。
「これくらいは無料でしてくれるだろう」と考えていると、実際は別料金なので追加料金が発生することはよくあります。私の場合は事前に伝えていたので見積もりの場で割引してもらいましたが、引越し日の当日だと割引サービスなどありません。当日の追加料金では、正規料金での引越し金額になります。
見積もりのときにすべての要望を細かく伝えていれば、総額を正確に算出してくれます。そこから、複数の業者の見積書を比較して依頼する業者を決めなければいけません。
訪問見積もりなしは論外
そのように考えると、訪問見積もりを実施せずに引越し業者を依頼するのは論外だといえます。引越し現場の訪問なしに見積もりの金額を出してもらった場合、ほぼ100%の確率で追加料金が発生してしまい、結果的に大損します。
業者を家に呼ぶのは面倒ですし、訪問見積もりの日程調節をしなければいけません。そのため、写真だけで見積もりをお願いしたり、電話見積もりだけで終わらせたりしたい気持ちはわかりますが、それによって2~3万円以上の追加料金が出ることを考えると、訪問見積もりを実施してもらった方が良いのは明確です。
実際に営業マンに来てもらい、荷物の量を確認してもらってトラックの大きさを決めなければいけません。
そのとき、ダンボールの量やエアコンの有無、新居の様子を含めて詳細に伝えるようにしましょう。訪問見積もりによって、ようやく正確な引越し価格が出るのです。
追加料金が発生するケースを理解する
それでは、どのようなときに引越し日の当日に追加料金が発生してしまうのでしょうか。自分では詳細に伝えたと思っていたとしても、思わぬところで追加料金を請求されることがあります。追加料金なしにするためには、事前に「追加料金が発生しやすい場面」について理解しておかなければいけません。
どのようなときに費用が発生しやすいかというと、以下のような場面があります。
荷物のトラブル(荷物の過少申告、梱包が終わっていないなど)
追加料金が発生するケースで最もわかりやすいのは、荷物のトラブルです。運搬する電化製品や家財を過少申告した場合、追加のトラックが必要になって引越し料金が高くなってしまいます。
荷物の量が多いと、その分だけお願いするトラックは大きくなり、当然ながら見積もり金額は高くなります。ただ、引越し日の当日に追加トラックを頼んだ方が引越し代金は高額になるため、事前に正確な量の荷物を申告するようにしましょう。また、見積もり後に大型家具を買うなど荷物を増やさないようにしましょう。
なお、荷造りを自分で行うプランを選んだ場合、事前に荷物を梱包しておく必要があります。以下のように、ダンボールに詰めることができる荷物については、自ら荷造りしておくのです。
ただ、こうした荷造りが完了していない場合、引越し業者が荷物をダンボールに詰めることになります。その場合、追加料金が発生します。
引越し業者には「おまかせプラン(らくらくパック)」というサービスがあります。これは、旧居での荷造りを代行するというものです。おまかせプランを利用する場合、引越し代金の倍近くの費用相場になります。そのため、荷造りが完了していないというだけで追加料金はかなり高額になります。
もちろん、以下のように大きな荷物については引越し業者がすべての作業を代行してくれます。引越し日の当日、作業員が梱包してくれるのです。
ただ、食器や小物などそれ以外の小さな荷物(ダンボールに詰めることができる荷物)については、前日までに荷造りを完了させておくようにしましょう。
新居にエレベーターがなく、3階以上の部屋へ引っ越す
もし、新たに引越しをする賃貸マンション・アパートの部屋が3階以上の場合、エレベーターがあるかどうかを訪問見積もりのときに報告するようにしましょう。
エレベーターがある場合、追加料金は必要ありません。以下のようにエレベーターが養生され、エレベーターを活用して荷物を運搬していきます。
ただ、エレベーターがなく3階以上の部屋である場合、階段の昇り降りだけでかなり大変です。その分だけ時間もかかってしまいます。団地や社宅を含め、高層階だがエレベーターのない賃貸マンション・アパートは意外と存在します。そうした部屋に引越しをする場合、事前の報告が必須です。
1階や2階の部屋であれば特に気にする必要はありません。ただ、3階以上の場合は注意が必要です。
不用品の廃棄処分を依頼する
引越しをするとき、必ず出るものとしてゴミがあります。単なるゴミなら燃えるゴミに出せばいいですが、中には粗大ごみがあります。また、家電リサイクル法に引っかかる粗大ごみも存在します。
洗濯機や冷蔵庫、電子レンジ、ソファなど必要なくなったものを自ら廃棄処分してもいいですが、引越し業者にお願いすれば非常に楽です。
私も引越しをするときは必ず粗大ごみが出ていたのですが、いつも引越し業者に捨ててもらうようにしています。その方が楽だからです。例えば、私が電子レンジを捨ててもらったときは以下のように養生テープで「×」を書かれ、そのまま廃棄処分してもらいました。
ただ、廃棄処分をするには別料金がかかることがほとんどです。特に家電リサイクル法に引っかかる家電製品(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)については確実に別料金です。
例えば、以下は私が引越しを依頼したとき、見積書に書かれた「廃棄処分の費用」です。
私の場合は事前に「廃棄処分してほしいものがある」と伝えていたので追加料金ではなく、最初から見積書に明記されることになりました。そのため、捨てたい粗大ごみがある場合は見積もり時に伝えるか、事前に自ら捨てておくようにしましょう。
特殊作業や解体・組立が必要な家具類の運搬
家電製品や家具によっては、特殊な作業が必要になることがあります。その場合、オプションとして費用がかかります。
その中でも、おそらくほとんどの人で発生するものとして洗濯機の取り付けがあります。洗濯機の取り外し&取り付けはオプションになります。以下のように、見積書にも明記されます。
そのほかにも、ベッドの解体&組立は別料金になります。ベッドを解体し、新居で組み立てるには非常に時間がかかります。ただ、自分で行うのは現実的ではないため、引越し業者に依頼するのが基本です。しかし、オプションになることは理解しなければいけません。
なお、他にも食洗器なども特殊工事が必要になるケースはあります。
エアコンは特に追加料金が発生しやすい
ちなみに、特殊工事の中で最も追加料金が起こりやすいものとしてエアコンがあります。
エアコンを運搬するとき、「コンセントの形状が合っていなかった(エアコンは特殊なコンセントが必要)」「エアコンパイプの長さが足りなかった」など、新居で設置するときにトラブルがあると、その時点で追加料金が発生します。
そのためエアコンを運搬するとき、かなり細かく引越し業者へ要望を出すようにしましょう。
なお、私が友人の引越しを手伝ったとき、エアコンの取り外しや取り付け作業自体は問題なかったのですが、5年以上も使っていたエアコンだったので内部がかなり汚れていました。そのため、エアコンの取り外しをしてもらった作業員に「クリーニングしたほうがいいですがどうしましょうか」と言われました。
その友人はエアコンクリーニングをその場で依頼しましたが、クリーニング代金は15,000円とわりと高額でした。これについても、見積もりの時点で営業マンと交渉しておけば、値引きを含めて調節してくれたはずです。
住宅前にトラックを横付けできない
頻繁にあるトラブルとして、新居の前の道が狭いためにトラックを横付けできないことも頻繁に起こります。道の狭い道路の先にある新居に荷物を持ち運ぶ場合、大きなトラックでは入りません。
一人暮らしの単身引越しであれば、小さめのトラックで大丈夫です。普通の自動車が通れる道であれば、問題なく通ることができます。もちろん、軽自動車がギリギリ通れるくらいの道幅では無理ですが、多くのケースで問題ありません。
ただ、二人暮らしや三人暮らしなど家族での引越しになり、3tトラックや4tトラックを利用するようになると、通れない道が多くなります。
例えば、以下のような道は普通自動車がギリギリ通れるくらいの道幅なので、大きなトラックは通過できません。
下の写真は4tトラックですが、このように大きなトラックでは道幅の狭い場所は通れないのです。
新居へ車を横付けできないことが判明した場合、「2tトラックに荷物を積み替える」「遠い場所に横付けして運搬する」などのようになります。その場合、別料金が発生してしまいます。
訪問見積もりを依頼するとき、旧居へは訪問するものの新居の状態までは確認しません。そのため、新居の道幅についても細かく伝えるようにしましょう。これにより、用意すべきトラックが違ってきます。
吊り上げ作業の有無
賃貸マンションで2階以上の部屋であったり、新築一戸建てで2階に大きな荷物を搬入したりする場合、玄関からでは荷物が入らないことがよくあります。そうしたとき、荷物の吊り上げ作業が必要になります。
荷物の搬出・搬入で最もトラブルになりやすい第一位は大型冷蔵庫です。大型冷蔵庫が玄関から入らず、窓から搬入しなければいけないことはよくあります。
例えば、以下は玄関から大型冷蔵庫を入れようと頑張ってくれたときの様子ですが、結局ドアに引っかかって入らなかったので窓から入れることになりました。
これが賃貸マンションで2階以上の場合、吊り上げ作業が必要になります。通常、吊り上げはオプションとなって別料金が請求されます。このときは10,000円が相場であり、クレーンなど大掛かりになると2~3万円ほどの費用相場です。
このとき、「アート」「日通」「サカイ」「アリさん」「クロネコヤマト」によって吊り上げ費用は異なります。例えばクロネコヤマトの場合、2階への吊り上げは10,000円(税別)です。
ただ、アリさんマークの引越社になると吊り上げ費用は無料です。
引越し業者によってサービス内容が異なります。吊り上げ費用が無料のときがあれば、オプションとして追加料金を取られることがあります。これらも含めて、見積もりのときに尋ねる必要があります。
ペットなど、動物は別料金となる
植物については、生き物と同じように考えるので基本的には運ぶことができません。ただ、植物についてはゴリ押しすることで別料金なしで運搬してもらうことは可能です。
私の場合、以下のように運んでもらいました。
ただ、ペットの場合は確実に別料金となります。犬や猫などのペットは動く生き物であるため、専用車を活用して運ぶことになります。そのため、ペットについて考えていないと追加料金が発生します。
引越し業者のパンフレットでも、専用車が必要だと明記されています。
これはつまり、ペットの輸送で別料金が必要になることを意味しています。
ペットについては、自力で運ぶという方法も存在します。ただ、この場合は近場の引越であり、さらに自家用車を保有している場合に限られます。
追加料金なしで引越しをするべき
このように、引越しでは思わぬ追加料金が発生する場面がいくつもあります。その代表的なものをここで挙げました。
電話見積もりだけで終わらせるなど、訪問なしの場合でほぼ確実に追加料金が発生する理由は「ここまで述べてきたことを確認していない」ために起こります。トラックの中に荷物を想定通り積みこむことができなかったり、電気工事(洗濯機の取り外し&取り付けなど)が発生したりして、その分だけ値段が上乗せされるのです。
そのため訪問見積もりは必須ですし、追加料金が発生しないように引越し内容を詳細に営業マンへ伝えるようにしましょう。
また、契約内容については見積書に細かく記載してもらうようにしましょう。口頭だけの約束では証拠が残りません。見積書に記載してもらうことで、契約の内容を書面で残すようにするといいです。
すべての合計金額で見積もりを取る
これら、引越し内容の詳細を伝えたうえで「オプション代を含めた合計金額を出し、業者ごとの値段や提案内容を比較する」ようにするといいです。
当然ですが、最も重要なのは引越し代金の総額です。見積もり時点の金額が安かったとしても、引越し日の当日に追加料金を払わされてしまい、結局のところ引越し代が高額になってしまっては意味がありません。
引越しのとき、最も良い提案を業者から引き出すコツは「ネット上の一括見積もりを行い、複数業者から見積もりを取る」ことですが、このときはオプション代まで含めた総額の見積もり金額で比較するようにしましょう。
単に安い価格を提示する業者を選んではダメです。訪問見積もりを必ず行い、引越し内容の詳細を伝えたうえで良い提案を出してくれる業者を選びましょう。
追加料金が発生する場面を把握するといい
ここまで、引越しで追加料金なしを実現するために必要な要点を述べてきました。どのようなときに追加料金が必要になるのかを理解したうえで、引越し日の当日に追加料金なしになるように見積もりを出してもらいましょう。
引越し金額の総額が判明すれば、そこから値切り交渉を含めてあらゆる要望を出すことができます。また、引越し代金の合計額で見積もりを取ることで、価格を争わせることができます。
追加料金が必要になる主な場面としては、以下のようなケースがあります。
- ダンボールへの梱包が終わっていない
- 荷物を過少申告していた
- 不用品の廃棄処分をお願いしたい
- 電化製品の取付け・取外し工事や家具の解体・組立作業が必要(特にエアコン)
- 新居の前の道が非常に狭い
- 吊り上げ作業が必要になる
- ペットも含めて新居へ移動させたい
これは一部であり、前述の通り私の場合は実家で荷物を積んだ後に新居へ向かう「二箇所積み」のオプションが必要でした。そのため、引越しの詳細を必ず訪問見積もりのときに伝えるようにしましょう。
これらを理解したうえで引越しを実施することにより、当日の追加料金なしを実現できるようになります。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
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