引越しをする際、旧居の荷物を搬出したら新居へ向かうことになります。当然ながらペットを飼っている場合、ペットも一緒に引越し先へ移動する必要があります。

ただ、ペットの種類やサイズなどによっては、選択できない移動手段もあります。また適切な移動手段を選ばないと、ペットにストレスがかかったり体調不良を起こしやすくなったりするため注意が必要です。

それではペットとの引越しでは、どのような移動手段があるのでしょうか? またペットと一緒に引越し先へ移動する場合、どのような点に注意すればいいでしょうか?

ここでは、引越しでペットと新居へ移動する方法について解説していきます。

ペットとの引越し移動の基本

引越しする際、ペットを新居まで輸送する手段はいくつかあります。このとき犬や猫、ウサギなど、哺乳類のペットであれば、自家用車で飼い主と一緒に新居へ移動するのがもっともペットへ負担がかかりにくいです。

公共交通機関だと多くの他人と乗り合わせることになるため、ペットが強いストレスを感じやすいです。また場合によっては、飼い主から離れて知らない場所で過ごさなければいけなくなるケースもあります。

このようなストレスの多い環境だと、ペットが体調不良を起こしやすくなります。ペットの体力や輸送環境などによっては、深刻な事態に陥る可能性もあります。

一方で自家用車で新居へ移動すれば、移動中も家族と一緒にいることができるためペットが安心しやすいです。また他人がそばに来る機会が少ないため、ペットへの負担が少ないメリットもあります。

そのため可能であれば、ペットとの引越し移動は自家用車で行いましょう。そうすることで、ペットの移動ストレスを減らすことができます。

爬虫類や魚類などは業者に輸送してもらう

一方で爬虫類や魚類などは、自家用車での移動だと移動中の温度や水温などの管理が難しいです。そのため、これら種類のペットは動物輸送を取り扱う専門業者に依頼するのが基本です。

このときペットの輸送の依頼先については、ペット輸送の専門業者または引越し業者の2つがあります。ただ引越し業者にペット輸送を依頼した場合であっても、ペット輸送の専門業者に業務を委託されるのが基本です。例えば以下は、アート引越センターのホームページに記載されているガイドです。

このようにアート引越センターにペットの輸送を依頼してもペットを輸送するのは専門の業者となるのです。

いずれにしてもペットを輸送するのであれば、ペット輸送を依頼できる専門業者または引越し業者を利用するのが手軽です。複数の業者にペットの輸送を含めた訪問見積もりを依頼して、最適な引越し業者を選びましょう。

ペットをケージに慣らしておく

なお、どのような移動手段であっても、移動中はペットをケージに入れておく必要があります。自家用車での移動であっても、安全な運転のためにペットをケージに入れて運ぶのが基本です。

このとき自家用車での移動であれば、大きめの鞄などにペットを入れて移動しても問題ありません。一方で交通機関を利用する場合、専用のケージを使用する必要があります。そのため交通機関を利用して引越し先へ移動するのであれば、なるべく早くペット用ケージを調達しましょう。

またペットがケージでの移動に慣れていないと、ケージに入るのを嫌がったりケージ使用時に強いストレスを感じたりしやすくなります。

ケージによるストレスがペットにかかると、移動中に吠えたり糞尿したりしやすくなります。このような状況になると、交通機関の利用を断られる可能性が高くなってしまいます。

そのため引越しが決まったら、まずは引越し移動時に利用するケージに慣れさせておきましょう。お気に入りのおもちゃやタオル、毛布などをケージに入れるとペットが安心してケージに慣れやすくなります。

なお、交通機関で利用できるケージの基準は各社異なります。利用する予定の交通機関の基準について、あらかじめ確認して準備しましょう。

哺乳類のペットの場合、動物用の酔い止めを入手しておく

また犬や猫など哺乳類の動物は、人間と同じように乗り物酔いを起こすことがあります。特に、犬は乗り物酔いを起こしやすいことで知られています。

動物が乗り物酔いを発症した場合、震えや吠え、嘔吐などの症状が起こります。このような状況になると、ペットのストレスが強くなるだけでなく、スムーズな移動が難しくなります。

そのため引越しが決まったら、なるべく早く乗り物酔い薬を用意しましょう。乗り物酔いの薬にはいくつか種類があるので、かかりつけの動物病院でペットに合った薬を処方してもらうといいです。

また移動前に食事を多く摂ると、胃腸に負担がかかって乗り物酔いによる嘔吐が起こりやすくなります。そのため、移動前には食事を控えたり食事量を減らしたりしましょう。

近距離引越しでペットと一緒に移動する方法

このとき、引越し先が近距離の人の中には「歩いていける距離だから、ペットと一緒に歩いて新居へ向かおう」と考える人もいるでしょう。たしかに徒歩で新居へ向かえば散歩感覚で移動できるため、ペットへの負担は少ないです。

ただ当日中の引越しの場合、徒歩で新居へ向かうのは避けた方がいいです。引越し業者を新居で待たせてしまうことになるためです。

新居で荷物の搬入を行う際には、あなたが新居の鍵を開けて立ち会わなければなりません。ただ引越し業者はトラックで旧居から新居へ移動するため、徒歩で新居へ向かうと引越し業者より遅れて新居に到着することになります。

引越し業者の待機時間が長くなると、その分だけスタッフの拘束時間が長くなります。つまり徒歩で新居へ向かって業者を新居で待たせる時間が長くなると、追加料金を請求される可能性があるのです。

このような事態を避けるためにも、徒歩圏内の引越しであっても、当日中に荷物の搬入・搬出が行われる場合は徒歩で新居へ向かうのを避けましょう。

なお単身パックなど混載便での引越しだと、近距離の引越しであっても荷物の搬入が搬出日の翌日以降になるケースが多いです。このような場合、荷物の搬入時間までに新居へ到着すればいいので、新居へ徒歩で向かっても問題ありません。

タクシーでの移動はペットに負担がかかりにくい

なお近距離引越しで自家用車以外の交通機関を利用するのであれば、タクシーでの移動がおすすめです。

タクシーで新居まで移動する場合、ペットが接する他人は運転手のみとなります。またタクシーで移動すれば飼い主と同乗できるため、慣れない環境でもペットが安心しやすいです。

また中には、ペット輸送を専門に行うペットタクシーなどもあります。ペットタクシーであればスタッフが動物の扱いに慣れているため、ペットへの負担はかなり少なくなります。例えば以下は、関東や中部などでサービスを展開しているペットタクシー業者です。

このように、ペットタクシーは一般的なタクシーに比べてペットを乗せることに特化しています。そのためペットタクシーを利用すれば、ペットの移動ストレスを軽減しやすくなります。

またペットタクシーであれば、一般的な交通機関には乗車できない大型犬であっても引越し先へ一緒に移動することができます。そのためペットへのストレスをなるべく軽減したいのであれば、ペットタクシーで引越し先へ移動しましょう。

小型のペットであればバスや電車、新幹線での移動も可能

また小犬や猫、小動物など、小型のペットであればバスや電車、新幹線での移動も可能です。例えば以下は、バス会社のホームページです。

このバス会社では、ペット用の専用ケージに入っていれば、手荷物として一緒にバスへ乗り込むことができます。また以下は、JRのホームページに記載されているペットとの同乗についての記述です。

このようにJRの電車では、既定のサイズ以内のケージに入ったペットであれば、手回り品きっぷを購入することで電車にペットと一緒に乗り込むことができます。

電車やバス、新幹線などの利用料金はタクシーに比べて安価です。そのため電車やバス、新幹線を利用してペットと移動すれば、引越し費用を抑えることができます。

ただ、ペットを手荷物として車内へ持ち込める条件は各社で異なります。そのため、利用する予定の公共交通機関のペット持ち込み条件について、あらかじめ確認しておきましょう。

中長距離引越しでペットと一緒に移動する方法

一方で引越しが中距離または長距離の場合、さまざまな移動手段から最適な方法を検討する必要があります。

例えば運転手とペットが旅行などの「自家用車での長距離移動」に慣れているのであれば、中長距離の引越しであっても自家用車で移動して問題ありません。この場合、ドッグラン併設のサービスエリアなどを利用して定期的にペットを休ませてあげましょう。

一方で運転手・ペットが長距離ドライブに慣れていないのであれば、長時間の運転による移動は飼い主・ペットともにストレスとなります。そのため、このような場合は自家用車以外の選択肢を選ぶのが賢明です。

飛行機での移動はペットが貨物室に入る

また一般的に、長距離引越しでの移動で最初に候補に挙がるのが飛行機での移動です。飛行機を利用すれば、陸路では行けない地域にも短時間で向かうことができます。

ただ国内便の飛行機では、ペットを荷物として預けることになります。そのためペットは貨物室で過ごすこととなり、飛行機搭乗中は飼い主と離れることになります。

また貨物室は狭く、エンジンの音が響く環境です。また貨物室には空調が整備されていないのが基本なので、ペットにとって快適な室温ではないケースが多いです。貨物室はペットに強いストレスがかかりやすい環境なのです。

そのためペットと一緒に飛行機を利用する際には、ペットが入るケージを過ごしやすい環境に整えてあげる必要があります。

例えばケージに給水器をセットしておけば、移動中にもペットの水分補給が可能となり、熱中症などの体調不良を防ぎやすくなります。

また季節に応じて毛布や温熱・冷却マットなどをケージに入れておけば、空調がない環境でも過ごしやすくなります。

このようにしてペットが過ごしやすい環境を整えてから飛行機に搭乗しましょう。

なお、ブルドッグなどの短頭犬は呼吸困難を起こしやすく、飛行機搭乗による死亡事故の事例があるため受け入れていない航空会社が多いです。またペルシャなど短頭種の猫も、飛行機搭乗による悪影響を受けやすいので注意しましょう。

フェリーのペット用施設を利用すれば、快適に長距離移動できる

ただ、大きな音が苦手だったり飼い主と離れると強い不安を感じたりするペットだと、飛行機での移動が難しいです。このような場合、陸路であれば電車・新幹線を選ぶのが好ましいです。

また新居が陸路では向かえない地域だったり、電車や飛行機などを利用できない大型犬などだったりする場合、フェリーで新居へ向かう手段があります。

フェリーであれば、大型犬との乗船も可能であるケースが多いです。またフェリーの種類によっては、ペットと泊まれる個室やペット専用の施設などが完備されている場合があります。例えば以下は、太平洋フェリーのサイトに記載されているペット用施設に関するページです。

このフェリーであれば、移動中にペットと同じ個室で過ごすことができます。またペットと泊まれる個室がないフェリーであっても、ペット用の散歩スペースなどの施設が完備されているケースが多いです。

そのためペットと快適に長距離移動したいのであれば、ペット用の施設を完備したフェリーで新居へ向かいましょう。

ペットとの移動方法を理解し、スムーズに引越しを進める

爬虫類や魚類などのペットは、専門の業者に新居まで輸送してもらうのが基本です。一方で犬や猫など哺乳類のペットの場合、自家用車での移動がもっともストレスがかかりにくいです。そのため可能であれば、自家用車で新居へ移動するのが好ましいです。

自家用車での移動が難しい場合、電車やバス、飛行機などの交通機関を利用することになります。ただペットの種類や大きさによって利用できる交通機関は異なるので、あらかじめペットとの乗り入れ条件を調べておきましょう。

なお、どの移動手段を選ぶ場合であっても、ペット用のケージに入れて運ぶのが基本です。そのため、引越しが決まったらなるべく早くペットをケージに慣れさせましょう。

また動物も乗り物酔いを起こすことがあるので、事前に動物病院でペット用の乗り物用薬を処方してもらいましょう。これらがペットとの引越し先への移動の基本です。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

引越し侍

引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。

さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。

SUUMO引越し見積もり

一般的に引越しの一括見積もりでは登録直後、たくさんの電話がかかってきます。こうした電話が嫌でメールだけで完結したい場合、SUUMO引越し見積もりを利用しましょう。

SUUMO引越し見積もりでは「電話番号の登録が任意」なので、メールだけで見積もりの日程調節が可能です。電話が嫌な場合、リクルート社が運営するSUUMO引越し見積もりが最適です。

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