引越しをするのであれば、当然ながら安い時期に引越しをしたいと誰もが考えます。高い値段で引越しをしても良いことは一つもありません。
引越しについては、時期によって値段が大きく変わります。月が違うことで、料金相場が異なってくるのです。引越しでは安い時期があれば、値段の高い時期もあります。
必要な金額については、「引越しでの閑散期と繁忙期」「賃貸物件の値段」があります。これら2つの要素を見ていくと、どの時期が引越しにおすすめなのか理解できるようになります。ここでは、格安引越しを実現するために必要な引越し時期について確認していきます。
もくじ
引越し業者の値段を左右する閑散期と繁忙期
一年を通して、引越し代金は一律なわけではありません。引越しでは閑散期と繁忙期があります。当然、繁忙期になると料金相場は大幅に高くなります。
これは、ホテルでの宿泊や航空券などでも同様です。旅行業界はゴールデンウィークやお盆、年末年始などの大型連休が繁忙期です。非常にたくさんの人が利用するため、値段を2倍以上に吊り上げても多くの人がサービスを利用します。そのため、値段が高騰します。
需要が大きいとその分だけ、どうしても価格が高くなってしまうのです。
これは引越しでも同様です。閑散期と繁忙期を比べると、まったく同じ業者に依頼し、引越し内容が変わらなかったとしても、時期によって1.5倍の価格差になるのです。
実際、閑散期と繁忙期を比較した場合、繁忙期では1.3~1.5倍の金額になるといわれています。それだけ、高い値段になってしまうのです。
引越しでの繁忙期はいつからかというと、3月と4月です。この時期は「大学進学の学生」「新社会人」「転勤による異動」など多くの人が動く月になります。引越し案件が非常に多い時期であるため、3月から4月にかけて引越し代金が高騰します。
一方でそれ以外の時期(5~翌年2月)の引越し業者はわりと暇です。この時期が閑散期であり、引越し料金は安くなります。
引越し代は閑散期である5~翌年2月が安い
これから引越しをするとき、人によっては時期が決められていることがあります。先ほどの「大学進学の学生」「新社会人」「転勤による異動」などで、どうしても3~4月に引越しをしなければいけない場合、高い引越し代金を支払わなければいけません。
ただ、引越し時期をズラすことが可能な場合はできるだけ繁忙期を避けるようにしましょう。
例えば、以下は繁忙期に4人家族で引越しをした人の見積もりです。荷物が多かったので依頼したトラックは大きかったものの、近距離での引越しで24万円を超える金額です。
繁忙期の引越しをするとき、家族の引越しで見積もりの値段が20万円や30万円などになっても驚いてはいけません。それだけ価格は高くなるものなのです。
「アート」「日通」「サカイ」「アリさん」「クロネコヤマト」など、どの業者でも繁忙期は料金の割増があります。
それでは、一人暮らしの単身引越しではどうなのでしょうか。これについては、閑散期と繁忙期を比較すると以下のようになります。
・一般的な荷物量での単身引越し
近距離(50km以内) | 中距離(200km) | 長距離(500km) | |
閑散期 | 3~4万円 | 4~5万円 | 5~6万円 |
繁忙期 | 5~6万円 | 7~8万円 | 9~10万円 |
※参考までに、「東京-大阪:約500km」「東京-名古屋:約350km」です。
閑散期では3万円で近距離引越しが可能だったとしても、3~4月というだけで値段は1.5倍ほどに割増されます。それだけ、繁忙期の引越しは不利なのです。しかも、値段が高いにも関わらず多くの人が利用するため、トラックを確保しにくいというデメリットがあります。
繁忙期の引越しで良いことはありません。そのため、「結婚での引越し」「新築マンションへの引越し」を含め、引越し時期をズラすことができる場合は3月と4月の引越しを避けるようにしましょう。
大型連休での引越しは問題ないのか
なお、人によっては大型連休での引越し代が高くなると考える人がいます。しかし、旅行業界と引越し業界は別であり、特に連休のある日であっても引越し代金は思ったほど高くなりません。
ゴールデンウィークやお盆、年末年始に引越しをしても費用は意外と普通です。理由は単純であり、この時期は閑散期だからです。3月や4月の方が、圧倒的に価格が高騰するようになります。
実際、サカイ引越センターでは引越し代金を安くする時期をカレンダーで掲載していますが、以下のようにお盆の時期であっても安い値段で問題ないことがわかります。
「ピンク色の塗りつぶし日付」が安い引越し料金を実現できる日であり、お盆であっても関係ないことがわかります。そのため、お盆や大型連休かどうかではなく、閑散期かどうかで判断するといいです。
※もちろん、その他の平日(閑散期)に比べると大型連休での引越しは多少は値段が高くなります。
・日付(曜日)も金額に影響する
なお、先ほどのカレンダーを見てわかる通り、引越し日も値段に関わります。曜日によって引越し料金が異なるのです。基本的に土日は引越し代金が高くなります。休日や祝日に多くの人が引越しをするからです。
また、同じ平日でも金曜日に引越しを希望する人が多く、月から木曜日が最も安くなりやすいです。そのため、格安引越しを考えている人は土日ではなく平日の月~木曜の引越しを考えましょう。
賃貸物件での部屋探し時期も考慮する
引越しでのオフシーズンについては理解できたと思います。それでは、5~翌年2月に引越しをすれば最安値になるのかというと、そういうわけではありません。
引越しでは多くの場合、賃貸不動産を借りることになります。新築一戸建てに引越しをする人は関係ないですが、多くの人は賃貸不動産の価格まで考慮して不動産探しの時期を考えなければいけません。
まず、大前提としていつから賃貸マンションを見るのがいいかというと、「引越し日の1ヵ月前から賃貸不動産を探す」という基本的なルールがあります。例えば、6/1に引越しを考えている場合、その一ヵ月前である5/1から内見(ないけん:賃貸不動産を探すこと)をするようにしましょう。
内見はこれより早くてはダメです。2ヵ月や3ヵ月も前から内見して賃貸マンション・アパートを探してもいいですが、不動産の管理会社に断られます。
大家や管理会社にとってみれば、できるだけ早く入居してくれる人の方がありがたいです。そのため、何ヵ月も前からマンション・アパートの物件探しをして、良い賃貸物件を見つけたとしても引越しが先であると入居できず、他の人が優先されるようになります。
なお、賃貸マンション・アパートを借りるときは以下のような賃貸不動産の仲介会社に依頼することになります。
部屋探しをするとき、引越しの一ヵ月前に賃貸不動産の仲介会社を尋ねるようにしてください。何ヵ月も前に訪れるのは微妙ですが、引越し予定日の一ヵ月前であれば問題なく受け入れてくれます。
月ごとの引越しの特徴
こうした事実を理解したうえで、どの時期での引越しや部屋探しが最適なのかについて、月ごとに確認していきます。
・1月、2月
人の動きが少しずつ大きくなりつつある時期が1月や2月です。1月や2月は閑散期であると前述しましたが、3月が引越しの繁忙期になるため、ここに向けて物件選びをする人が多くなっていくのです。
また、「春から新社会人になる学生であり、既に卒業に必要な単位を満たしている場合」であれば、繁忙期を避けて早めの引越しをする人も多いです。先に動く人もいるため、意外と不動産業者が忙しくなりやすい時期になります。
また、その分だけ多くの不動産物件が出回るようになるものの、契約されやすい時期でもあるため、賃貸不動産の値引きは期待できません。冬の時期は意外と割引を期待できず、不利なのです。
・3月、4月
前述の通り、最も引越し代が割増されるのが3月と4月です。引越しの多い時期であるため、最もおすすめできない月です。ただ、人によっては引越し時期が決められているため、そうした場合は諦めるしかありません。
また、多くの人は3月中旬までに住む場所を決めます。そのため、3月末や4月に物件探しをしてもいいですが、基本的に売れ残った物件になることは理解しましょう。
・5月、6月
引越しの繁忙期が終わり、落ち着いた時期が5月や6月になります。5月の初めであればゴールデンウィークを使って引越しをする人もいます。4月よりもゴールデンウィークの方が安いのでおすすめです。
不動産業者も手が空いている時期であり、5月や6月であれば落ち着いて物件を探すことができます。
ちなみに、5月よりも6月の方が引越し代も賃貸不動産も安くなりやすいです。6月は梅雨なので、雨の日の引越しが苦にならない場合はこの時期が狙い目です。
・7月、8月
夏に当たる7月や8月は引越し業者も不動産業者も暇です。引越し代が安い時期であるため、狙い目の時期でもあります。
物件探しをするにしても、「礼金を少なくする」などのように、通常よりも割引をしている賃貸不動産が多くなります。家賃を低くすることはなくても、敷金・礼金の割引は普通なのです。
また、夏の暑さから物件探しや引越し作業をする人は少なくなることもあり、こうしたオフシーズンに引越し作業や物件探しを頑張れば安い時期での引越しを実現できます。穴場となるとが7月と8月です。
・9月、10月
夏が終わると、また人の動きが活発になります。実際、9月や10月では転勤が多くなります。
例えば私が以前いた会社では、人が転勤するのは4月と10月のように決まっていました。3月と9月に辞令が出て、4月と10月に引越しをするのです。会社は半年ごとに辞令を出して人の入れ替えをします。3月と4月が引越しの繁忙期になることからわかる通り、その半年後である9月と10月に慌ただしくなるのです。
しかし、3月や4月の繁忙期のような混雑はありません。秋は意外とゆったりと引越しを進めることができます。7月や8月のような割引は期待できなくても、引越し価格などは意外と普通です。
・11月、12月
7月や8月と同じように意外と狙い目なのが、秋が終わる11月や12月です。11月や12月は引越し業者も不動産業者も暇であり、夏と同じくらいの閑散期です。
年末年始では少し引越しや物件探しが活発になりますが、年末以外は11月と12月は安い時期となります。オフシーズンに物件を選んで引越しをして入居すれば、費用をかなり抑えることができます。
引越しに最適な時期を知る
基本的には、引越しに最適な時期は「あなたの希望に沿ったタイミング」になります。自分の希望を優先させて引越しをするようにしましょう。
ただ、引越しの多い時期があります。1~2月は閑散期であると前述しましたが、不動産業者に多くの人が殺到するため、敷金や礼金の割引はありません。また、3~4月は引越し代金の大幅な割増があるので費用は高くつきます。いつまで繁忙期かというと、4月末まで続きます。
そのため、引越しはいつがいいのかというと、最適なのはこれらを避けた5~12月です。5~12月の中でも、特に「7月と8月」「11月と12月」であれば最も安い値段での引越しが可能になります。
基本的には、「人の動きが停滞する時期」が引越しに最適だと考えてください。
1月や2月であると、3月4月に向けて徐々に人が動き始めます。3月や4月は人の大移動がある繁忙期です。また、9月や10月も引越し案件が多くなります。引越しをするなら、それ以外の月が最適です。何月に引越しをするのかについて、時期を選べる場合は物件探しや引越し日を含め、いつから準備を始めればいいのかを検討する必要があります。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
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・引越し料金を値切り、最安値の引越しを実現する時期や価格交渉術
引越し価格を安くするためには、適切な方法が存在します。見積もりを比較するのは当然として、例えば休日ではなく平日の引越しにするだけで、1万円以上の値引きは簡単です。
また、同じ日であっても午前の引越しを午後にするだけでも値引きが可能です。こうした価格交渉術について解説しています。
・引越しの割引制度(早割、紹介割引、社員割引)に意味がない理由
多くの場合、引越し業者は割引制度を設けています。ただ、残念ながらこうした割引はまったく意味がありません。引越しには定価が存在しないからです。
この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。
安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備
見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。
ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。
見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか
実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。
ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。