引越しの中でも、近距離引越しをする人は多いです。同市内(同区内)で引越しをするのです。また、県外であったとしても非常に近い距離での引越しになることもあります。

ただ、同じように近場での引越しをするにしても、値段が大きく変わります。例えば単身・一人暮らしの引越しであっても、大きめのトラックを依頼すると価格相場が2倍になることはよくあります。距離が近いからといって、必ずしも引越し料金が安くなるわけではないのです。

これから引越しをするとき、よく分からないものとして引越しでの料金相場があります。これを理解することで、適切な価格で見積もりをもらうことができます。

また、「どれくらいが近距離引越しに当たるのか」「当日の流れはどうなるのか」まで理解しておくことで、慌てることがなくなります。ここでは、多くの人が経験する近距離引越しについて確認していきます。

近距離引越しでの料金相場

近距離で引越しをするのであれば、最初に費用相場がいくらになっているのか理解する必要があります。

引越し代は人によって大きく異なります。このとき、特にオプションなどをつけない安い引越しの場合、近距離では一般的に以下のような費用になります。

引越し人数 単身・一人暮らし 2人 3人 4人
部屋サイズ ワンルーム~1K 1LDK~2LDK 2LDK~3LDK 3LDK
閑散期 3~4万円 6~7万円 8~9万円 10~12万円
繁忙期 5~6万円 8~10万円 11~13万円 14~17万円

近距離引越しをする場合、どれくらいが近距離になるのかというと50km以内になります。もちろん、50kmよりも10~20kmくらい距離が伸びたとしてもそこまで金額は変わりません。

ネット上の口コミや情報を見ると、「15km以内(超近距離)」「50km以内」で金額を分けていることがあります。ただ、これはほぼ意味がありません。引越し費用が決まる大きな要素として人件費があり、引越しの距離が15kmから50kmに伸びたところでほぼ価格が変わらないからです。

もし引越し代が高くなったとしても、片道の高速料金代(約1,000円ほど)くらいなので誤差範囲だと考えてください。要は、50km以内の近距離引越しであれば同市内(同区内)や他の地域に限らず費用相場は同じなのです。

参考までに、東京駅から横浜駅までが約40kmです。また、大阪・梅田駅から京都駅までは約50kmとなります。

引越し代が決まる要素を知る

それでは、具体的に近距離引越しでの値段について確認していきましょう。例えば、以下は東京都内で引越しをしたときの領収書です。

私が友人の単身・一人暮らしの引越しを手伝ったのですが、30kmほどの単身引越しで32,400円でした。荷物量の少ない引越しであり、特にオプションも付けていなかったため、これが引越しでの最安値だと考えてください。

もちろん単身パックであればもっと安くなりますが、一般的な引越しではこのような値段になります。

荷物量が多くなり、大きなトラックになると値段が高い

ただ、たとえ単身・一人暮らしであったとしても、荷物の量が多くなって大きなトラックを依頼する必要がある場合、その分だけ値段は高くなります。

例えば、以下は私が二人暮らしの引越しを依頼したときの見積もりです。東京・新宿区から神奈川・横浜市への引越しであり、このときは約40kmの距離でした。

一人暮らしの単身引越しに比べると、当然ながら荷物量は多くなります。単純に考えると、二人暮らしなので単身引越しの2倍の荷物量です。そのため、値段はおよそ倍です。

基本的にトラックの大きさが二倍になると、引越し価格も二倍になります。そのため、上記の値段は適正価格だといえます。超近距離であっても、当然ながらトラックが大きいとそれに比例して金額は高くなります。

もちろん、単身ではなく二人や三人などの家族引越しであったとしても、荷物量が非常に少ない場合は格安での引越しを実現できます。それだけ荷物量が少なく、トラックが小さいからです。ただ、家族であると一人暮らし並みの少ない荷物を実現するのは非常に難しくなります。

オプションをつけると料金が上がる

ただ、引越しでは単に荷物を運搬するだけではありません。多くの場合、オプションをつけることになります。実家暮らしの人が初めて引越しをするなど、ほとんど家具のない状態以外はほぼ確実にオプションが発生すると考えてください。

例えば洗濯機の引越しをお願いする場合、洗濯機の設置費用がどの業者でもかかります。基本は4,000~4,500円のオプション代となりますが、以下のように見積書に明記されます。

他には、ベッドの解体・組立は別料金です。エアコンの取り外し・取り付けも別のオプション代が必要になります。基本料金からの上乗せになるため、意外とオプション代で引越し費用が高くなることは多いです。

近距離での単身引越しであったとしても、引越し代が10万円以上になることはよくあります。この原因の一つがオプション代になります。

繁忙期だとさらに値段が高騰する

引越し業者にとっての繁忙期は3月から4月です。この時期に引越し依頼が集中します。そして、3~4月だと引越し代も非常に高くなります。訪問見積もりを依頼しても、強気の見積価格を提示されます。

一般的には、その他の閑散期に比べて値段は1.3~1.5倍になります。実際のところ、どれくらい高額かというと以下のようになります。埼玉県での同市内の引越しであり、引越し距離20kmほどの四人家族での見積価格です。

4月8日の引越しであり、繁忙期の中でも最も業者にとって忙しい時期であるため、このように値段が高騰しました。

上記の見積もりは四人家族ということもあり、荷物は非常に多いです。また、エアコンの脱着や取り付け、食洗器の移設などのオプションが加わり、近場の引越しにも関わらずこうした値段になってしまいました。

閑散期であれば、上記の値段の半額から3分の2ほどに抑えることは可能であるものの、繁忙期である以上は難しかったのです。

もちろん、超近距離であっても繁忙期で荷物量が多く、オプションをたくさんつければこれくらい値段は高くなります。基本的に旧居・新居間を往復することはありませんし、往復するにしてもそれだけ作業スタッフの拘束時間が長くなって人件費が必要になるため、やはり荷物量に応じて値段は高騰します。

大型家具のみでも引越し価格は変わらない

なお、中には「大型家具のみ」「家電のみ」を考えている人は多いですが、引越しでは基本的に家具や家電の運搬がメインです。大型家具のみを運びたいというのは、要は一般的な引越しをするのと意味は同じなのです。

もちろん、荷物量が少ない場合はそれだけ依頼するトラックの大きさも小さくなるため、全体の引越し代金は安いです。ただ、冷蔵庫や洗濯機、ベッド、タンスなどの大型家具だけとはいってもそれなりの荷物量になってしまうのです。

そのため、大型家具だけであっても数点ほど運搬する必要性がある場合、普通に引越し業者へ依頼することを考えましょう。

近距離引越しに適した引越し業者

引越し業者としては、「アート」「日通」「サカイ」「アリさん」「クロネコヤマト」などたくさん存在します。この中でも、荷物量が非常に少なかったり、距離が非常に近かったりしたとき、お得な引越し料金で済む会社が存在します。

こうした特殊なプランを利用すれば、先ほどの表で示した一般的な引越し価格よりも安く抑えることができます。2万円代での引越し価格になることもあるのです。

実際にどのような引越し業者がそのようなプランを用意しているのかというと、例えば以下のようなものがあります。

・アリさんマークの引越社:ミニ引越しプラン

単身赴任や学生の一人暮らし、また大型家具のみなど特に荷物量が少ない引越しの場合、アリさんマークの引越社であればミニ引越しプランがあります。単身でも家族でも、荷物が少なく、さらには超近距離での引越しで適応できます。

利用できる条件としては、以下のようなものがあります。

  • 引越し先が同一区内・同一市内の5km以内
  • 引越し日や時間の指定はできない

こうした制約はあるものの、ダンボールを最大50個まで無料でもらえますし、布団袋など引越し準備に必要な資材の提供もあります。5km以内の超近距離なので条件は限られますが、当てはまる人には最適です。

・クロネコヤマト:おまかせフリー便サービス

ヤマトホームコンビニエンス(クロネコヤマト)が提供する引っ越しサービスとして、おまかせフリー便サービスがあります。

単身引越しや荷物の少ない家族での近距離引越しに対応したものになります。このプランの条件は以下の通りです。

  • 家具の量が15m3以下(およそ押入れ二段分)
  • 輸送距離が50km以内
  • 引越し日や時間の指定はできない(希望日を5日選択)

近場での引越しに限られますが、50km以内の距離で適応されるため、これであれば多くの人で利用しやすいプランになっています。

・単身パック

より荷物量の少ない引越しに対応したものとして、単身パックがあります。少量の大型家具だけの引越しに最適であり、より安い値段での引越しが可能になります。

単身パックでは、コンテナに家具を積み込みコンテナに入る分だけ利用できる引越しパックになっています。

引越しを専門とした業者ではなく、物流業も行っている会社で単身パックが存在します。こうした会社としては、日通やクロネコヤマトがあります。アート引越センターやサカイ引越センター、アリさんマークの引越社では、いわゆる単身パックはありません。

コンテナに荷物を詰め込むため、単なる大型荷物と同じ扱いになります。一度、物流センターに荷物が搬入され、その後に新居へ送られます。荷物として届けられるので、一般的な近距離引越しのように当日中に作業が完了することはなく、日をまたいで荷物が新居に届けられます。

引越し代を安く済ませるコツ

このように、「超近距離での引越し」「荷物が少ない場合の引越し」「引越し日を選べない引越し」などであれば、一般的な料金相場よりも安い値段での引越しが可能です。ただ、実際のところ少量の大型家具だけの引越しをする人は少ないです。

そうした場合、どのようにして引越し代の割引を引き出せばいいのかというと、いくつかコツがあります。

・複数社から見積もりを取る

必須となるものとして、複数業者からの見積もりがあります。一社だけに依頼する場合は確実に損をしますが、いくつかの業者と見積もり金額を比較することでようやく適正価格になります。

例えば、先ほど繁忙期に四人家族で引越しをした見積書を提示しました。これについて、実は複数社から見積もりをもらっており、他の業者では高い金額を提示されていました。両者を比較すると、以下のようになります。

繁忙期の真っただ中で値引きが非常に難しい時期であっても、一括見積もりをすることで値段を競わせ、このように割引を引き出すことができます。必ずいくつもの引越し業者に依頼するようにしましょう。

・平日を狙い、午後便やフリー便を考える

引越し業者が暇な時期であるほど、値引きすることができます。そのため、休日よりも平日の方が値段は安いです。平日に変更するだけで、引越し価格が1万円以上も値引きされるのは普通です。

また、午前よりも午後便の方が値段は安いです。さらに、いつ引越し作業開始になるのか分からないフリー便だとさらなる値引きを引き出すことができます。

近場の引越しであると、その日のうちにすべての作業を完了させることになります。午後からのスタートだと、作業は夜までかかってしまいます。1日で完了させ、引越し日数が2日にわたることはありません。

ただ、そうはいっても時間を少しズラすだけで5,000円以上の値引きが可能になるので午後便やフリー便まで考えるようにしてください。

自力で格安引越しをしてもいいが大変

なお、超近距離での引越しであれば、自分で台車を引いたりレンタカーを借りたりして作業をすればいいのではと考えてしまいます。以下のように、自ら準備をして車に荷物を積めて運ぶのです。

ただ、自分で引越し作業をするのは当然ながら非常に大変です。冷蔵庫や洗濯機などの重い荷物を台車に乗せたり、新居に運搬したりしなければいけません。引越し業者に頼めば無料で提供されるダンボールについても、自分で手配する必要があります。

さらに、重い荷物を運ぶので壁や床に傷をつけてしまうことがあります。実際のところ、以下のように傷がつくことは非常に多く、私の場合はこのとき修繕費用(原状回復費用)として5万円を請求されました。これだけで、引越し代をはるかに上回ってしまったのです。

また、自家用車がある場合は関係ないですが、レンタカーを借りるにしてもお金がかかります。車種によって異なりますが、普通車やトラックであると以下のような費用相場になります。

※出典:ニッポンレンタカー

賃貸マンション・アパートの床や壁を傷つけて修繕費用がかかる恐れがあり、非常に労力が大変なことから私は必ず引越し業者に依頼しています。それでも自力で行いたいという方は頑張って引越しをしても問題ありません。ただ、自分だけでの引越しはすべて自己責任です。

したがって、「一人暮らしの単身引越しであり、大型家具や家電製品がほぼない」「時間だけは余っており、何日かかっても問題ない」などの場合のみ、格安引越しを実現するために自分で作業をするといいです。

近場で引越しをするとき、当日の流れ

それでは、実際のところ当日はどのような作業になるのでしょうか。また、何時間ほどの作業になるのでしょうか。私は何度も引越しをしていますが、近場で引越しをしたときの流れについて記していきます。

その日は14:00開始予定だったのですが、引越し業者が到着したのは15:00でした。午後便だと、引越しの開始時間が遅くなることはよくあります。到着後、スタッフに挨拶をされて引越しが始まっていきます。前日までに荷造り・梱包は済ませていたため、ダンボールや大型家具を含めて次々と運ばれていきました。

このとき、ベッドの解体など荷物の運搬に関わること以外も引越し業者に行ってもらいます。こうした作業を自分で行うのは現実的ではないからです。

冷蔵庫や洗濯機などの大型家具・家電製品の運搬を含めてすべて終わったのは、作業を開始して2時間ほどでした。15:00から始まったので、トラックに積み終わった時間は17:00くらいです。

近距離での引越しなので、引越し日数は1日に凝縮させるのが基本です。

17:00に旧居を出発し、新居には18:00ごろにトラックが到着します。そこから搬入するのですが、荷物を運び入れるだけなので非常に速いです。1時間もしないうちに、すべての荷物が新居に運び込まれました。

そうして、最後に「引越しが終わった」ことの証明をするためにサインをします。これで近距離での当日中の引越しが完了しました。

近場で引越しをするときのコツを把握する

どのようにして近距離引越しをすればいいのか、料金相場やコツを含めて解説してきました。

たとえ超近距離での引越しであったとしても、50km以内であればそこまで値段は変わりません。50km以内という条件であれば、引越し料金は「荷物の量(トラックの大きさ)」「オプションの有無」「引越しの時期や時間」などに大きく左右されます。

これらを考慮しながら、近場で格安引越しを実現するために複数の業者から見積もりを取り、割引してもらうために交渉をするといいです。

評判・評価の高い引越し業者に依頼するとはいっても、実際のところ複数社に見積もりを依頼しなければ適正価格は実現できません。ここで述べた「引越し代金を安くする値引き術」について理解した後、複数業者へ見積もりをお願いするといいです。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

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