洋服は他の荷物に比べて知らず知らずのうちに増えてしまいがちです。そのため引越しすることになって初めて服の多さに気付くケースは多いです。

当然ながら、大量の服を新居に運ぼうとすると引越し作業が多くなりますし、運搬料金も高くなります。そのため引越しを機に、着ていない洋服を処分するべきです。

また断捨離で捨てなかった洋服は新居へ運ぶことになります。このとき、引越しでの衣服の運搬方法について知識がないと無駄な作業に手を付けてしまうケースがあります。このような事態を防ぐためにも、引越しでの衣類の取り扱いを正しく理解する必要があります。

そこでここでは、引越しで洋服の断捨離を進めるコツや不要な衣服の売却方法、新居へ運ぶ衣服の梱包方法などについて解説していきます。

不要な洋服を断捨離して引越し費用を抑える

引越しでは断捨離が基本です。荷物が増えるとその分だけ引越し料金が高くなるためです。特に洋服はかさが大きいため、不要なものを捨てないと荷物量全体に影響が出やすいです。

ただ、そうとわかっていても服を捨てられない人は非常に多いです。しばらく着ていなかった服であっても、いざ目の前に出してみると「好みの服である」と感じるケースが多いです。その結果、「いつか着よう」と思って再び保管してしまいがちです。

ただ思い出が詰まっている衣服を除き、「いつか着よう」と思っている服はためらいなく処分するべきです。いつか着るつもりで保管しておいても、結局着ないケースがほとんどであるためです。

例えば「今は太ってしまったけれど、ダイエットして痩せたら着よう」と服を取っておく人は非常に多いです。

ただ、服のサイズが変わるほど体重を減らすのは簡単ではありません。大幅な体重減を実現するためには、強い意志で計画的にダイエットする必要があります。「いつか着よう」と服をタンスの肥やしにしているようでは、短期間で服のサイズを落とすことは難しいです。

「いずれ着よう」と思って服を取っておいても、結局は処分することになりやすいです。そのため、引越しを機に着ていない服は思い切って処分してしまいましょう。目安としては、1つ前のシーズンまでに着ていない服は処分してしまうといいです。

不要な服を売る方法と得をするコツ

なお衣服の処分方法には、大きく分けて「売る」「捨てる」の二択があります。引越し日が近かったり手間をかけたくなかったりするのであれば、資源化ゴミや燃えるゴミとして不要な洋服を捨てましょう。

一方で引越しの日程に余裕があったり、少しでも金銭的に得したいと考えたりするのであれば、不要な服を売ることを考えるといいです。衣服を売る方法には、大きく分けて以下の3種類があります。

  • ネットオークションやフリマアプリで売る
  • 古着屋に持ち込む
  • ネット買取サービスを利用する

それぞれのメリット・デメリットと、得をする売り方のコツについて以下で詳しく解説していきます。

ネットオークションやフリマアプリで売る

まず、衣服の売却で少しでも得をしたいのであれば、ネットオークションやフリマアプリの利用をおすすめします。

ネットオークションやフリマアプリでは、品物の写真撮りやアピールなどを自分でこなさなければなりません。そのためネットオークションやフリマアプリでの売却には手間がかかる上に、手間をかけても売れる保証はないデメリットがあります。

ただ一方で、ネットオークションやフリマアプリで洋服を売ると古着屋の買取サービスを利用するよりも高価格で洋服を処分することができます。

買取・中古販売業者は、買い取った衣服を一般の人に売らなければいけません。そのため、古着屋に不要な服を売ると買取価格(=もうけ)は低くなります。

これに対してネットオークションやフリマアプリでは、服を欲しがっている人に直接売ることができます。「服を売りたい人」と「買いたい人」の間に仲介業者が入らない分だけ、あなたが得られる利益は大きくなります。

また古着屋では、ノーブランド衣服の売却価格がかなり低くなります。場合によっては、買取額がゼロとなるケースもあります。

一方でネットオークションやフリマアプリだと、ノーブランドの洋服であっても、まとまった利益を出すことができます。そのため処分する服がノーブランド品だったり、洋服をなるべく高い金額で売ったりしたい人は、ネットオークションやフリマアプリで売却するといいです。

なおネットオークションやフリマアプリで衣服を売る際には、以下の点に気を付けるといいです。

  • 掲載する写真に気を配る
  • 衣服の情報を詳しく記載する

ネットオークションやフリマアプリで品物を売る上でもっとも大切なのが写真撮りです。ネットオークションやフリマアプリでは実物を見ずに品物を購入することになるため、写真の掲載数が多いほど買い手が付きやすくなります。

特に衣服だと、「表側の全体像」「裏側の全体像」「タグ」「ポイントデザインのアップ」の4点は必須です。可能であれば、着用時の写真もある方がいいです。

また品物の顔となるサムネイル(1枚目の写真)は、蛍光灯が正面から当たった状態で衣服の全体像を撮りましょう。日光だと光が強すぎて実際の衣服よりも色が明るく映りやすいためです。

参考までに以下は、ボルドーのスカートを右側から日光が当たる環境で撮影した写真です。

この写真だと、陰影が強く生じて赤紫色のスカートであるように見えます。これに対して以下は、蛍光灯の光がほぼ正面から当たった環境で同じスカートを撮影した写真です。

この写真だと、日光が当たった時よりもブラウンが強い印象となっています。これらのうち、元のスカートに色が近いのは後者の方です。強い日光が当たった環境だと、実物とは異なる映り方をしてしまいやすいのです。

また衣服をネットオークションやフリマアプリで売る際には、衣服の情報を細かく記載する方がいいです。具体的には「ブランド名」「購入時期」「購入価格」「衣服のサイズ」「出品の理由」の5点は忘れずに記載しましょう。

これらのうち、ブランド名や購入時期、購入価格などはわかる範囲で記載します。ブランドに詳しくないのであれば、「ブランドに詳しくない」と明記した上でタグに書いてある名前をそのまま記載しましょう。

購入時期や購入価格は、品物をイメージする上で必要な情報です。詳細を覚えていない場合でも、おおよその情報を記載しておきましょう。

また衣服のサイズは「S・M・L」の表記だけでなく、着丈・肩幅・袖丈なども記載しましょう。参考までに、以下は着丈・肩幅・袖丈の採寸方法です。

着丈は写真のオレンジ線の部分であり、背中面の襟下から裾までの長さを指します。黄色の線が肩幅であり、肩線から肩線までの距離を測ります。黄緑色の線は袖丈で、肩線から袖先までの長さです。

このような衣服の具体的な大きさを記載すると、買い手が衣服を詳細にイメージできるようになり、購入に踏み切りやすくなります。最低でも着丈と肩幅、袖丈の3つは提示し、必要に応じて身丈や袖回り、胸囲なども記載しましょう。

さらに、商品詳細の欄には「引越しの断捨離で出品するため、〇日には投稿を削除します」などと記載しましょう。購入可能な時期を限定することで、購買意欲を刺激することができます。

古着屋にまとめて洋服を持ち込む

このように、ネットオークションやフリマアプリだと衣服が高く売れやすい一方で出品に手間と時間がかかります。このような手間をかけたくない人や、ネットオークションやフリマアプリで服が売れ残った人は、不要な衣服をまとめて古着屋に持ち込みましょう。

古着屋に不要な古着をまとめて持って行けば、その場で売却を完了することができます。処分する服の量が多い場合、出張買取を依頼できるケースもあります。

ただハイブランドや発売から間もない服を除き、古着屋の買取価格はかなり低くなることを覚悟した方がいいです。

一般的な衣服だと、数十枚持ち込んでも買取価格は数百円ほどにしかならないのが普通です。場合によっては、持ち込んだ衣服を買い取ってもらえないケースもあります。

そのため古着屋で衣服を処分する場合、引越し費用の足しになるほどの買取金額にはならないのが基本です。あくまで「捨てるよりマシ」「ゴミ袋代が浮く」程度に考えていた方がいいでしょう。

衣服の宅配買取サービスを利用する

また処分する服がブランド品なのであれば、衣服の宅配買取サービスを利用する手段もあります。

衣服の宅配買取サービスでは、ネット上で申し込みを済ませてダンボールで品物を送るだけで作業を完了できます。売却作業のすべてを自宅で完了できるため、まとまった時間が取れなくても不要な衣服を売却処分することができます。

ただ衣服の宅配買取サービスでは、ブランド品しか売却できません。買い取り業者からしてみれば、売れるかどうかわからない上に販売価格を高く設定できないノーブランド品に対して、経費をかけて買取するメリットはありません。

実際、以下は衣服を宅配買取している業者のホームページです。

ここには、ノーブランドは宅配買取の対象外と明記されています。買い手の付きやすいブランド品でなければ宅配買取を利用することができないのです。

また衣服の宅配買取ではハイブランドだけでなく、カジュアルブランドも買取してくれるケースが多いです。

ただ宅配買取の利用には送料や振込手数料が発生するため、カジュアルブランドの衣服を数点送るだけだと受け取れる金額がかなり低くなります。

そのためハイブランド品を売る場合を除き、宅配買取も古着屋への持ち込みと同様に、大した利益は出ないことを覚悟した方がいいです。

不要な服を廃棄・リサイクルする方法

このような手段を取っても売れなかった服は、最終的に資源化ゴミとして出したり捨てたりすることになります。また衣服の処分に手間をかけたくない場合も、捨てる手段が有効です。

衣服を燃えるごみとして捨てる場合、地域のルールにのっとってゴミ袋で捨てることになります。ただ一度に大量のごみを出すと、回収してくれないケースがあります。

そのため衣服を含め、処分する燃えるゴミが多い場合は複数回に分けてゴミを捨てましょう。一度に出すゴミは多くても3袋程度に抑えるのが賢明です。

捨てる以外に処分する方法はあるのか?

ただ中には、要らない服であってもなるべく捨てたくない人もいるでしょう。燃えるゴミの廃棄にお金がかかる地域もありますし、まだ着られる服を捨てることに抵抗を覚えるケースもあります。

このような場合、イオンなどの大型店舗に設置してある衣服のリサイクルボックスを利用しましょう。

リサイクルボックスに入れられた衣服は、リユースに回されるほか分解されて衣服の素材となります。そのため、衣服のリサイクルボックスであれば、ほつれや破れなどがあるよう服であっても無料で処分することができます。

ただリサイクルボックスが設置されている店舗は人口の多い地域に限られるため、場合によっては利用が難しいケースがあります。このような場合、諦めて潔く捨てましょう。

新居へ持っていく洋服の梱包方法

このようにして衣服の断捨離を進めたら、必要な洋服を新居へ運ぶ準備を進めます。

このとき、衣装ケースやタンスなどに保管している洋服をダンボールに詰め直す人は非常に多いです。中には、洋服を圧縮して梱包する人もいます。

ただ基本的には、衣装ケースやタンスなどは中身が入ったまま運んでもらうことができます。そのため、これら収納に入っている衣服をわざわざ出す必要はありません。

また引越し業者の多くは、クローゼットの衣服をハンガーのままかけられるハンガーボックスを持ってきてくれます。引越し当日に衣服をハンガーボックスに移せば梱包が完了するため、クローゼットの服をダンボールに詰める必要もありません。

そのため、洋服については特に頑張ってダンボール詰めなどの準備をしなくてもいいです。

衣服をゴミ袋に梱包してもいいのか?

ただ中には、衣服をタンスや衣装ケース以外に保管している人もいるでしょう。また新居へ運ぶ洋服が多いと、業者が用意するハンガーボックスに収納しきれないケースもあります。

このような場合、中には服の梱包をゴミ袋などの大きなビニール袋で行おうとする人がいます。ただ、新居へ運ぶ衣服をビニール袋に詰めることはおすすめできません。衣服や他の荷物が汚れたり破損したりするリスクがあるためです。

引越しの荷物は業者のトラックに隙間なく詰められていきます。衣服が詰まったゴミ袋は、重ねられたダンボールの上に載せられることになります。

ただ、ダンボールの上に載せられた衣類の袋は、運搬中の揺れで落ちる可能性があります。1枚だと軽い衣類であっても、ゴミ袋に大量に詰めるとかなりの重さになります。そのため衣服の詰まったゴミ袋が落下すると、下敷きとなった荷物が破損する可能性があります。

また、ゴミ袋は爪が引っ掛かっただけでも破けてしまいます。そのためゴミ袋に衣服を梱包すると、知らない間に穴が開いて衣服が出てきたり汚れたりしやすくなります。

このようなことから、タンスや衣装ケース、ハンガーボックスに入りきらない洋服はゴミ袋ではなく業者のダンボールに梱包しましょう。

このとき、洋服をダンボールに直接入れると、洋服が汚れたり虫食いに遭ったりしやすくなります。そのためダンボールに衣服を梱包する際には、以下の写真のようにダンボールの中に袋を被せ、その袋の中に洋服を詰めていきましょう。

また、ダンボールに梱包した衣服をそのまま押し入れなどにしまうと、衣服が虫害に遭いやすくなります。そのためダンボールに詰めた衣服は、引越し後すぐに荷解きをしましょう。

洋服の引越しを理解し、お得に効率よく作業を進める

引越しの荷物が多いと、その分だけ引越し費用が高くなります。そのため引越し費用を節約するためにも、前のシーズンまでに着ていない服は思い切って処分してしまいましょう。

このとき、服をお得に処分したいのであればネットオークションやフリマアプリで売るといいです。一方で処分にかかる手間を抑えたいのであれば、古着屋や宅配買取を利用したり燃えるゴミとして捨てたりしましょう。

このようにして洋服の断捨離を終えたら、衣服の荷造りを進めていくことになります。ただ、衣装ケースやタンス、クローゼットの服をダンボールに詰め直す必要はありません。衣装ケース・タンスの洋服はそのまま運搬してもらい、クローゼットの服は引越し日当日にハンガーボックスへ詰めましょう。

なお、洋服をゴミ袋に梱包すると荷物の破損・汚損リスクが高まります。衣装ケースやタンス、ハンガーボックスに入りきらない服が発生したら、ゴミ袋ではなくダンボールに洋服を詰めましょう。このようにして洋服の引越し作業を進めていきましょう。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

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