日本に住んでいる人は全員、納税の義務があります。そうした税金のうち、必ず支払うべきものとして住民税があります。

ただ、引越しをすると住んでいる場所の住所が変わります。そうしたとき、住民税の支払いは旧住所になるのでしょうか。または新住所になるのでしょうか。支払い場所が変わるため、どのような仕組みで納税するのかわかりません。

また、住所変更に伴って二重課税されるのではと心配する人も多いです。これについては、大丈夫なのでしょうか。

全員が支払っている税金ですが、その仕組みについて熟知している人は少ないです。そこで、引越しに伴い住所変更で住民税をどう扱えばいいのかについて解説していきます。

住民税は課税所得の10%を支払う

まず、住民税についてその中身について適切に理解しなければいけません。住民税とは、「都道府県民税」と「市区町村民税」の2つが合わさったものです。都民税や県民税などが都道府県民税です。一方で市民税や区民税などが市区町村民税になります。

東京都新宿区の人であれば特別区に該当するため、「都民税+区民税」が住民税です。那覇市の人であれば、「県民税+市民税」が住民税となります。

都道府県民税4%、市区町村民税6%が住民税率であり、課税所得(総所得-各種所得控除)の10%を税金として支払う必要があります(均等割を除く)。

例えば、以下は実際の住民税の納税通知書です。基本的にサラリーマンはこの通知書での納付は必要ありませんが、個人事業主などの場合はこうした書類に従って所定の額を納税しなければいけません。

上の書類では「市民税・県民税」と記載されており、ここにある金額を納めることで住民税の支払いが完了します。

二重支払い(二重課税)はない

それでは、こうした県民税や市民税などが二重支払いになることはあるのでしょうか。均等割を除き課税所得の10%なので、かなり大きな金額になります。

結論をいうと、二重課税になることはありません。

それでは、どのようにして住民税が決まるのでしょうか。また、どの自治体に税金を納めればいいのでしょうか。住民税の支払いについて理解し、二重支払いが起こらないようにどのような仕組みになっているのかを確認していきます。

・1月1日~12月31日までの前年所得に課税される

まず、住民税は1月1日~12月31日までの所得が課税対象になります。1年の課税所得の10%が住民税です(均等割を除く)。そうして12月31日を過ぎれば、その年の住民税額が確定するようになります。

このときの住民税については、次の年の6月から支払うことになります。前年の所得に対して、6月から納税するのが住民税なのです。

詳しく述べると、サラリーマンの場合は6月から翌年の5月に分けて、決められた額を納めます。また、個人事業主など納税通知書による場合は、1年分全納や、年数回の分納によって納めます。

・翌年、1月1日に住民票のある自治体へ住民税を収める

そうして1月1日~12月31日を過ぎ、翌年の1月1日になったとします。このとき、「翌年の1月1日」に住民票のある自治体に住民税を支払うことになります。

例えば、ずっと東京に住んでいたとします。その後、2月1日に大阪へ引越しをして、住民票を大阪へ移すことになりました。個人事業主などの場合、6月には住民税の納税通知書が大阪の住所に届きます。ただ、1月1日は東京に住んでいたため、住民税の支払先は東京になります。東京と大阪で重複して納税通知されることはありません。

このように引越しをした場合とき、実際に住んでいる場所と納税先の自治体が異なることはよくあります。

なお、1月1日に住民票のある住所に対して住民税を支払うことから、「1月1日に住民票を変更した場合はどうなるのか?」と考える人がいます。ただ、1月1日は元旦です。年末年始はどの自治体も窓口が閉まっているため、物理的に住民票を変更することはできません。そのため、確実に支払先の自治体が決まるようになります。

住民税の支払先はどのように変更されるのか

そ住民税の支払先は既に述べた通り、「1月1日に住民票のある住所」の自治体に支払うことになります。

ただ、引越しをしたからといって必ずしも住民票を移さなければいけないわけではありません。実際、私は大学進学や就職、転職、結婚などで何度も引越しを経験し、住む地域を移動させています。ただ、住民票を移動させていません。住民票は実家に置いたままです。

私の実家は岡山県です。そのため、転職や結婚などで東京や横浜に住んでいるときであっても、岡山県の自治体に対して住民税をずっと支払っていました。住民票は岡山県であり、書類上は岡山県民なのでこれは当然です。

このとき、住民票を移動させれば県民税や市民税(区民税)の支払先を変えることができます。住所変更をしたいとき、旧居の役所に出向いて転出届を提出してください。役所に行けば、必ず転出届の紙が置かれてあります。

転出届を提出後、今度は新居の住所で転入届を出します。つまり、「旧居の役所:転出届を出す」「新居の役所:転入届を出す」という手続きが必要になります。これが受理されたら、住所変更が完了します。正式に住民票が新たな場所へ移るわけです。

ポイントは引越しに伴って住民票を移したかどうかです。進学、就職、退職、結婚など人生の転機はありますが、住民票を移動させていなければ住民税は以前に住所に払い続けることになります。

住民税の支払い方法

実際の住民税の支払いについて、「通知が届かない」「督促状はいつ来るのか」と考えている人がいます。このとき、支払いの手続きについては会社員と個人事業主で異なります。

・特別徴収(会社員)

サラリーマンの場合、特に税金を納めた感覚がないと思います。これは、会社が代わりに支払ってくれているからです。

住民税については特別徴収と呼ばれ、会社員では税金分を「給料からの天引き」という形で支払います。実際の給料と手取り額は大きく異なりますが、これは特別徴収によって既に税金分を取られているからなのです。

そのため住民票を移動させた場合、必ず会社に報告するようにしましょう。会社が代わりに住民税の支払い手続きをするため、住所変更したことを先に伝えておけば会社はスムーズに「次の住民税支払いはここの自治体に行えばいい」と認識してくれるようになります。

もちろん、引越しのときに住民票を移さないという選択をした場合、特に会社への報告は必要ありません。

・普通徴収(個人事業主や副業をしている人)

それに対して、個人事業主の場合は特に会社に属しているわけではないため、自ら住民税を支払う必要があります。これを、普通徴収といいます。確定申告をすることで納税額が決定します。

普通徴収の場合、住民票のある住所へ自治体から税金の支払いの納税通知書が届くようになります。これに従って住民税を納付するようにしましょう。

また、副業している人も多くは普通徴収によって税金を支払います。「会社員の給料は特別徴収」「副業での稼ぎは普通徴収(自分で納付)」となるのです。普通徴収にしなければ副業が会社にバレるからです。

住民税の滞納は厳禁であり、踏み倒しはできない

普通の会社員であれば起こりませんが、個人事業主や副業している人であると住民税の滞納をしてしまうことがあります。要は、払い忘れるわけです。

このときは1ヵ月以内に督促状が届きます。督促状を無視し続けると、延滞金が発生するようになります。

中には「税金を払わずに踏み倒しはできるのか」「時効を待って逃げることは可能か」と考える人もいます。ただ、これは無理なので諦めなければいけません。

確かに、住民税の時効は5年という期間があります。ただ、時効が来る前に財産が差し押さえられてしまいます。給料や銀行口座、車などの財産を含めて差し押さえがあるため、結局のところ無駄に延滞金ばかり支払うことになります。

これは海外転勤になった場合も同様です。住民税を払わなければ、日本にある財産を差し押さえられます。

海外へ逃亡し、日本には戻らずにずっと海外で生活をし続ける覚悟のある人でない限り、納税の義務からは逃れられないと考えるといいです。

もちろん税金の支払いを滞納し、未払いの状態であったとしても引越し自体は問題なくできます。ただ、支払いの督促自体はずっと続きますし、払わないとどこかの時点で財産差し押さえがあるのです。

住民税の扱いを知り、税金を納付する

引越しに伴う住民税について解説してきました。県民税や市民税(区民税)を合わせたものが住民税であり、前年の課税所得の10%が税額になります(均等割を除く)。

年度途中のタイミングで他県へ引越しをした場合、「重複して支払うことはないのか」「どの自治体に支払うのか」と不安に思うことがあります。ただ、二重課税はないですし「1月1日に住民票のあった自治体が納付先になる」ことを知っておけば、特に心配は必要ありません。

このとき、会社員の場合は会社側が税金を代わりに支払ってくれるため、住民票を移した段階で会社へ連絡を入れるようにしましょう。

個人事業主については、滞納しないように早めに支払うといいです。海外逃亡しない限りは踏み倒しできないため、確定申告して税額が決まった後は未払いをしないように納税するといいです。


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