これから引越しをするとき、必須になるものとして一括見積もりがあります。複数業者に一括見積もりを依頼して訪問してもらうだけで、近距離の単身引越しであっても引越し料金が1~2万円以上は簡単に安くなるからです。

非常におすすめな一括見積もりですが、値段が安くなるというメリットがあれば、デメリットもあります。一番のデメリットは複数業者から非常に多くの電話がかかってくることです。それでは、このような迷惑電話を回避しながら一括見積もりのメリットを生かす方法はないのでしょうか。

もちろん、適切な方法を取れば迷惑電話を回避しつつ、引越し業者からの訪問見積もりの日程を決めることができます。一方で、何も深く考えずに訪問見積もりを依頼をすれば、業者から非常に多くの電話がかかってきます。

ここでは、引越しでの一括見積もりをどのように活用し、準備を進めればいいのかについて解説していきます。

ネット上の一括見積もりは電話がうざいのか

通常の流れでネット上から一括見積もりを行うと、「迷惑電話なのではないか」と思うほどたくさんの電話がかかってきます。これは、一括見積もりの最大のデメリットです。昼でも夜でも、電話がかかってきます。

基本的には、申し込みをして5分以内に電話がかかると考えてください。深夜でも電話がかかってきます。

例えば、以下は私が一括見積もりに依頼してかかってきた電話になります。普通の電話も混じっていますが、この中で「0120から始まる電話番号」が一括見積もりに依頼した後に引越し業者からかかってきた電話と考えてください。

このように、申し込み直後の数日は一日に1~3件は引越し業者から電話がかかってきます。日中で忙しい時間帯であっても電話があるため、人によっては「迷惑電話がうざい。失敗した」と感じてしまいます。電話に関する多くの悪い口コミや評判も存在するほどです。

迷惑電話を回避する方法

私は電話を受けるのがものすごく嫌いなわけではないですが、それでも何度も電話がかかってくるのは嫌です。日中は仕事で働いており、仕事に集中していたのにその時間に電話が来ると集中力が途切れてしまいます。

そこで、電話を受ける時間を指定するようにしましょう。ネット上から一括見積もりを依頼するとはいっても、どのような一括見積もりであっても基本は要望を出すことができます。

例えば、以下はある一括見積もりの応募フォームですが、「詳しい情報を記載するための項目」をクリックできるようになっています。

ここを開くと、業者への要望を出せる欄があります。ここに、業者への希望を記載するのです。

記載するべき項目としては、「電話可能な時間帯」「問題ない日時」となります。

例えば私の場合、昼は仕事をしているのでそうした仕事時間の電話は迷惑です。ただ、夜であれば23:00に電話があっても問題ありません。また、休日は朝寝ているので起こされたくありません。

そのため、以下のような記載が適切です。

  • 平日:19:00~23:00で電話可能
  • 土日:14:00~18:00で電話可能
  • 上記の時間帯以外に電話をかけてきた業者には依頼しない

人によって希望時間や要望は異なると思います。そのため、自分用にアレンジして記載するといいです。

電話なし(メールのみ)は可能か

人によっては、メールのみでやり取りをしたいと考えるケースがあります。電話なしで日程調節するのです。

電話は、すぐに連絡を取ることができるメリットがあるものの、かかってきた電話が出ると仕事への集中力が途切れてしまいますし、何をしようとしていたのか忘れてしまいます。そのため、メールのみのやり取りを希望するのです。

その場合も簡単であり、要望欄に「電話での連絡は不可。メールだけで訪問見積もりを依頼したい。電話してきた業者には依頼しない」などのように記載すれば問題ありません。これにより、電話なしで日程を調節することができます。

・「SUUMO引越し見積もり」であれば電話入力が必要ない

なお、引越しの一括見積もりサイトの中でもSUUMO引越し見積もりを活用すれば、電話番号を入力することなく引越し業者へ依頼することができます。

SUUMO引越し見積もりの場合、以下のように電話番号の入力が任意になっています。必ずしも電話番号を入れなければいけないわけではありません。

見積もりを依頼できる業者についても、「アート」「日通」「サカイ」「アリさん」「クロネコヤマト」など大手が存在するため安心です。どうしても電話番号の入力が嫌であり、メールのみで済ませたい場合はSUUMOの引越し見積もりを活用しましょう。

訪問見積もりは必須

なお、中には訪問見積もりなしを考える人がいます。ただ、これは絶対に行わないようにしましょう。理由は単純であり、引越し価格が非常に高くなって大きく損をするからです。

メールだけの見積もりは最悪であり、電話なしを希望するにしても訪問見積もりは必ず行ってもらう必要があるのです。

実際の引越しのとき、訪問見積もりの実施がないと「荷物量が多かった」「追加のオプションが必要になった」などによって、引越し日の当日に追加料金がたくさん上乗せされる可能性が高くなります。訪問見積もりであれば、訪問時に値引き交渉が可能であるものの、訪問見積もりなしでの引越しでは、引越し当日の追加分が正規料金で計算されていきます。

なお、ネット上の一括見積もりを依頼したとき、業者によっては概算見積もりを出してくれることがあります。例えば、以下のような感じです。

しかし、このときの金額は最安値です。こうした満足のいく金額で引越しを実現できることはまずありません。これはメール見積もりでも同様です。メール見積もりは最安値となるものの、実際の引越しで追加料金がたくさんかかるようになります。

本来、訪問見積もりを実施してもらったうえで正確な引越し金額を算出してもらい、業者ごとに見積もり金額を競わせ、比較するのが正しい方法になります。

キャンセルや断りは問題ない

一括見積もりを依頼した後でも、「引越し自体をやめることにした」ということはあり得ます。そうしたとき、引越し依頼をキャンセルするのは問題ありません。

また他にも、これ以上多くの電話がかかってくるという事態を避けるため、新たに電話がかかってきた業者に対して断りの電話を入れるのも大丈夫です。「既に4社へ見積もり依頼をしたため、もう結構です」などのように、これ以上の電話を断るのです。

相手に悪いと思い、断ることをしなければ無駄に電話が続くようになります。これでは、あなたの貴重な時間が奪われてしまいます。業者にしても、依頼する気のない人へ電話を掛けるという無駄な労力が発生し、双方にとって良いことがありません。

これを避けるため、キャンセルを生じたりこれ以上の電話が必要でなかったりする場合、遠慮なく断るようにしましょう。

ちなみに一括見積もりを依頼した後、業者からの電話を無視し続けていると10日ほどすれば電話がかかってこなくなります。最も電話がかかってくるのは、一括見積もりのフォームに入力して5日までとなります。

そのため強く主張できない人の場合、複数社へ見積もりを依頼した後は他の業者からの電話はすべて無視するようにするといいです。または、メールだけの見積もりが可能な一括見積もりサイトを利用しましょう。

デメリットはあっても、一括見積もりは重要

ネット上からの一括見積もりは必須です。私も引越しのときは必ず利用しています。理由は単純であり、一括見積もりをするだけで何万円ものお金を節約できるからです。

多くの人は一社だけにしか依頼しませんが、これでは高額な見積もりを提示されてしまいます。また、見積もりを依頼するとはいっても、たくさんある会社の中から自分に合った業者をわざわざ探して依頼するのは面倒です。

そこで、希望条件を入力して依頼すれば何社からも見積もりをもらうことのできる一括見積もりが最適です。

「荷物が少ないため、単身パックも検討している」「家族の引越しで荷物量が非常に多い」「すぐに引越しを依頼したい」など人によって要望が異なり、対応できる業者も違ってきます。

例えば、単身パックを使えるのは日通やヤマトホームコンビニエンス(クロネコヤマト)など、物流業と引越しの両方を行っている会社であり、引越しメインの会社は基本的に単身パックがありません。このように、業者ごとに特徴が異なるのです。

フォームに入力して送信すれば、その要望に対応できる業者からのみ連絡がくるようになります。

業者指定しても問題ない

大手から中小まで、一括見積もりでは多くの業者が登録しています。例えば、一括見積もりでは以下のような大手業者にも依頼できます。

  • アート引越センター
  • 日通
  • サカイ引越センター
  • アリさんマークの引越車
  • ヤマトホームコンビニエンス(クロネコヤマト)
  • アーク引越センター

このとき、「アート、サカイ、クロネコヤマト」からの依頼のみ受け付けるなどのように業者指定しても問題ありません。一括見積もりサイトによっては、以下のように業者を選ぶことができるのです。

ただ、誰もが名前を知っている大手よりも、中小の方が安い値段で良い提案をしてくれることもあるため、特定の業者名を指定するのはあまりお勧めしません。

それよりも、業者指定するときは「粗大ごみの廃棄を代行してしてくれる業者に依頼する」「大きなタンスがあり、吊り上げ作業が必要になる可能性があるため、これをオプション無料で行ってくれる業者がいい」などのように、要望欄に細かく引越し内容を記載することで、業者選定するといいです。

例えば、以下は「アリさんマークの引越社」に記述がある引越し内容ですが、吊り上げは無料で行ってくれます。

引越し会社によって特徴やサービス内容は異なります。これを自ら一つずつ調べるのは現実的ではないため、ネット上からの一括見積もりを行うと効率的です。

一括見積もりをするときの流れ

ネット上からの一括見積もりについて、その口コミや評判は人によって分かれます。中には、「電話番号を入力するため、非常に多くの電話がかかってきてうざい。一括見積もりをするべきではない」という評価を下す人もいます。

ただ、それは一括見積もりの正しい方法を理解していないだけです。電話なし(メールだけ)で依頼することは可能ですし、詳細に内容を記載すれば対応できる業者から連絡がくるため、引越しでの失敗を避けることができます。

それでいて、複数業者からの訪問見積もりによって引越し代金を大幅に節約できます。一括見積もりをしない方が損をします。

あなたが一括見積もりを依頼している時点で、業者側は「複数の会社に見積もりを依頼している」ことがわかるため、最初から適正金額をできるだけ提示しよ卯うとします。そこから見積もり金額を比較することで、良い内容の引越しになるのです。

そこで、一括見積もりをするときの流れやポイントについて以下で確認していきます。

フォームに住所や名前を記載する

一括見積もりのサイトに飛んだ後、フォームにはできるだけ詳細に記載するようにしましょう。失敗しないためのコツは「曖昧に記載するのではなく、具体的に書く」ことです。

「引越し日がかなり近いが問題ないか」「旧居だけでなく、実家にも立ち寄って荷物をもっていきたい」「転職で引越しをするが、新居の住所は未定」など、思いついたことはすべて記載するといいです。

このとき、多くのケースで最初に住所情報や名前を入力します。

引越し先の住所が未定の場合、適当に記載しても問題ありません。実際のところ、「転職で社員研修があり、一ヵ月だけ東京のマンスリーマンションに住むことになるが、勤務地はわからない」など、引越しはするものの新居がまったくもってわからないケースがあります。

新居の住所が不明の場合、適当でも問題ありません。「いま住んでいる住所を「引越し先の住所」に記載しても大丈夫です。引越しのコメント欄に事情を記載すれば引越し業者は納得してくれます

家財情報や要望を記載する

一括見積もりのフォームによって異なりますが、住所や名前、電話番号などを記載した後は引越し内容に移ります。このとき、「引越しの家財はいくつか」「何人家族での引越しか」などを入力していきます。

ここは思いつくまま、ザックリと入力すれば問題ありません。詳細な金額は訪問見積もりのときに算出されるため、悩みながら厳格に入力しなくてもいいのです。

また、コメント(要望)を記載できる欄(項目)があるため、ここにどのような引越し内容になるのか詳細に記入しましょう。

同時に引越し業者からの大量の電話が嫌な場合、電話を受けても問題ない時間を記載したり、「電話なし(メールだけ可能)」と記入したりするといいです。その後、「完了」のボタンを押せば一括見積もりを依頼できます。

複数社から訪問見積もりを頼む

実際に一括見積もりを依頼すれば、何社からも電話やメールがきます。それらすべてに対応するのは無理なので、3~4社くらいに訪問見積もりを依頼したら、後の業者は無視をするといいです。前述の通り、10日も過ぎれば電話もメールもこなくなります。

また、電話に出て断りの言葉を伝えれば問題ありません。

ちなみに、一括見積もりによって引越し業者に訪問見積もりを依頼したとき、引越し業者からの特典(キャンペーン)を受け取ることができます。引越し業者によってはキャンペーンがあり、見積もりのときに粗品を持ってきてくれることがあるのです。

例えば、以下はアリさんマークの引越社に訪問見積もりをしてもらったとき、営業マンからもらった粗品です。

引越し業者によって特典やキャンペーンは異なりますが、一括見積もりであってもこうした特典を問題なく受け取ることができます。

失敗しないための注意点を理解する

このようにして一括見積もりを行いますが、当然ながら失敗したくはありません。そこで、失敗を回避するためのポイントを確認していきます。

・電話を取れる時間に依頼する

「電話なし(メールだけ)」で依頼する場合は関係ないですが、基本はやはり電話での見積もり依頼になります。電話を受け取り、その場で訪問見積もりの日程を決めるのです。

このとき、仕事の空き時間などに何気なく訪問見積もりの依頼をすると、すぐに何社からも電話がかかってきて「失敗した」と感じるようになります。そこで、一括見積もりを依頼するのは問題なく電話を取れる時間帯にするといいです。

・入力内容を正確にする

人によって引越し内容が異なるため、詳細な引越し内容や条件を記載するようにしましょう。もちろん、家具情報などはザックリで問題ないですし、すべて完璧に記入する必要はありません。訪問見積もりのときに引越し内容の詳細を伝えれば、問題なく正確な金額を算出してくれます。

ただ、内容が判明している部分についてはきちんと記載するといいです。「引越し日は未定だが、6月の下旬になる」「新居の住所がまったく決まっていない段階だが、引越しだけは決定している」など、あなたの状況や希望する引越しプランを思いつくまま記入するのです。

引越し業者ごとに対応できることが異なるため、これらを記載することで適切な業者から連絡がくるようになります。

一括見積もりサイトはメリットが大きい

ネットからの一括見積もりはデメリットがあります。それは、何社からも連絡がくるという点です。このため、中には「一括見積もりは微妙」のような悪い口コミ・評価を下している人もいます。

しかし、これは一括見積もりを正しく実践しなかったからです。正しい方法で見積もりをすれば、電話なしを実現することは可能ですし、適切な時間にだけ電話をかけさせることもできます。さまざまな口コミや評判はあるものの、きちんと一括見積もりをすれば問題ないのです。

これらに注意したうえで一括見積もりを依頼すれば、非常に多くのメリットを受け取ることができます。一番のメリットは引越し代を大幅に節約できることであり、単身引越しでも1~2万円以上は値引きできます。家族など荷物の多い引越しなら、引越し業者によって5万円以上も値段に開きがあるのは普通です。

この中から値段や引越し内容を比較して、最も良い提案を出してくれる業者に依頼するのがポイントです。あなたは業者を選べる立場にあるのです。

一括見積もりは非常におすすめできる方法であるものの、やり方を間違えれば「迷惑電話がきてうざい」と思ってしまいます。そこで、正しい方法を理解したうえで一括見積もりを活用しましょう。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

引越し侍

引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。

さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。

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