「引越したい」と感じる理由には騒音や間取り、日当たりなどさまざまなケースがあります。ただ、現在住んでいるマンションを気に入っている場合、居住している部屋に不満があっても引越しに踏み切りにくいでしょう。

このとき、同じマンションの別の部屋へ引越しできれば、周辺環境を変えずに部屋への不満を解決できます。またマンション内への引越しであれば、通常よりも手軽に引越しを完了できます。

それでは、マンション内の別の部屋に引越しするときの注意点は何なのでしょうか? またマンション内で引越しする際には、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?

ここでは、マンション内での引越しで必要な手続きや費用相場について解説していきます。

マンション内の別の部屋に引越しすることは可能?

同じマンションであっても、居住環境については部屋ごとに差があります。階数が高いほど日当たりがいいですし、角部屋だと騒音トラブルが少ないです。中には、間取りが異なる部屋もあるでしょう。

このとき、マンション内で引越しを済ませれば、周辺環境を大きく変えることなく引越しできます。通勤や通学の経路を変える必要がないですし、子供がいる場合だと学区が変わる心配もなくなります。

そのため同じマンションにあなたの希望を満たす別の部屋があるのであれば、マンション内への引越しで、より快適な暮らしを実現できる可能性があります。

このとき、マンション内の別の部屋へ引越しすることは可能です。基本的に正当な手順を踏めば、マンション内での引越しを断る大家・管理会社はまずいません。

ただ、マンション内での引越しについて、ホテルでの部屋移動と同じように「荷物を希望の部屋に移すだけでマンション内引越しが完了する」考えているのであれば、それは大きな間違いです。

例外的に、入居直後に設備不良などの重大な欠陥が見つかった場合、契約内容の書き換えのみで部屋移動できるケースはあります。

ただ基本的には、マンション内での引越しであっても、退去と入居の手続きがそれぞれ必要です。あなたが賃貸契約しているのは、あくまで現在住んでいる部屋です。そのためマンション内の別の部屋に引越したいのであれば、該当の部屋について新しく賃貸契約を結ぶ必要があります。

退去・入居の手続きが必要であるということは、敷金や礼金など初期費用や退去費用などの支払いも発生するのが基本です。なお大家や管理会社が同じ場合、部屋移動(=別の部屋への入居)を直接申し込むのであれば、仲介手数料はかからないケースがほとんどです。

中には、もともと分譲マンションだった場合など、同じマンションであっても部屋ごとに大家や管理会社が異なるケースも多いです。このような場合、マンション内での引越しであっても不動産仲介業者に入居申し込みをするのが一般的なので、通常の引越しと同様の手続き・費用がかかります。

マンション内での引越しだからといって、入居や退去の費用がなくなるわけではないのです。

住民票など、普通の引越しと同様の手続きが必要

またマンション内での引越しだと、「住所が一緒であるから住民票など役所の手続きは不要である」と考える人が多いです。中には、電気やガスなどライフラインの手続きも不要であると思っている人もいます。

ただマンション内の引越しであっても、居住する部屋が変われば住民票の表記は変更されます。以下は実際の住民票です。

このように、住民票にはマンションの部屋番号まで登録されています。そのためマンション内の引越しであっても、居住する部屋が変われば住民票の住所変更も必要となります。同様に、運転免許証や健康保険なども引越し手続きが必要です。

またライフラインの手続きについても、電気やインターネットなどのマンション一括契約であれば手続き不要ですが、部屋ごとの契約である場合は住所変更が必須です。マンション内での引越しであっても、費用や手続きなどは通常の引越しと大きく変わらないのです。

マンション内での引越し費用の相場

それではマンション内への引越しでは、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?

まず前述のように、マンション内への引越しであっても敷金や礼金などの初期費用が発生します。一般的に引越しの初期費用は、家賃の5倍とされています。そのため、家賃8万円の部屋へ引越すのであれば40万円ほどの初期費用になるのが基本です。

このとき通常の引越しであれば、各種初期費用のうち礼金や仲介手数料については節約可能です。礼金なしや仲介手数料なしの物件を選べば支払いの必要性はなくなりますし、礼金は交渉次第でカットできる項目であるためです。

ただマンション内での引越しで礼金や仲介手数料を請求された場合、これら初期費用を節約することは難しいです。まず入居したい部屋が確定している場合、「礼金なし・仲介手数料なしの物件を選ぶ」という節約方法を実行できません。

さらに一般的な引越しであれば、入居申し込み時に礼金カットの交渉が可能です。大家からしてみれば、礼金をカットしてでも入居者を確保できれば、その後の収入が確約されるためです。

ただ同じマンション内での引越しの場合、大家が礼金をカットするメリットが少ないです。オーナーが同じ場合、入居者の部屋移動では空き部屋が埋まらず、家賃収入が上がらないためです。

このとき、家賃グレードが大幅に高い部屋への移動であれば、大家にメリットがあるため礼金カットの交渉が成立する可能性があります。ただ、そうでなければ礼金が免除されるどころか、交渉を持ち掛けることで部屋移動を断られるリスクが高くなります。

そのためマンション内の引越しでは、一般的には節約できる初期費用の項目であっても、マンション内への引越しでは節約が難しいといえます。

引越し料金は相場より安く、複数見積もりでさらに節約可能

ただマンション内での引越しは、通常の引越しに比べて引越し料金が安くなりやすいです。同じマンション内での荷物移動だと、通常よりも引越しにかかる時間が少なくなるためです。

例えば一般的な引越しだと、旧居から新居まで荷物をトラックで運搬する必要があります。一方でマンション内の引越しであれば、トラックでの移動時間をゼロにすることができます。

引越しにかかる時間が少なくなれば、その分だけ作業員の拘束時間が短くなるため引越し費用が安くなります。一般的には、近距離での引越し相場より1~2万円ほど安くなるケースが多いです。

なお当然ながら、同じマンションへの引越しであっても、別棟などで移動距離が長くなったり荷物が多かったりすると作業に時間がかかります。このような場合、通常の近距離引越しと同等の費用がかかるケースがあります。

ただこのような場合であっても、複数業者に見積もりを依頼すれば価格競争が起こって引越し料金が安くなります。マンション内引越しでは初期費用を節約できないため、複数業者に見積もりを依頼して引越し料金を安く抑えましょう。

マンション内での引越しも、通常の引越しと値段や流れはそれほど変わらない

マンション内への引越しだと、移動先の部屋に荷物を移動するだけで引越しが完了するように思えます。ただマンション内での引越しであっても、通常の引越しと同様に入居や退去の手続きが必要です。あくまで現在入居している部屋で賃貸契約を結んでいるためです。

当然ながら、入居・退去の手続きを行えば入居費用・退去費用もそれぞれ必要となります。また、住民票や運転免許証などの住所変更手続きも必要です。

このとき、マンション内への引越しでは敷金・礼金などの節約が難しいです。そのため、大家・管理会社から提示された初期費用をそのまま支払う必要があります。

ただ引越し費用については、一般的な相場よりも1~2万円ほど安くなります。また複数業者に引越しの見積もりを依頼すれば、価格競争によって料金を安くすることができます。そのためマンション内への引越しでは、複数の引越し業者に見積もりを依頼して引越し費用を抑えましょう。これが同じマンション内で引越しする際の基本的な考え方です。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

引越し侍

引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。

さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。

SUUMO引越し見積もり

一般的に引越しの一括見積もりでは登録直後、たくさんの電話がかかってきます。こうした電話が嫌でメールだけで完結したい場合、SUUMO引越し見積もりを利用しましょう。

SUUMO引越し見積もりでは「電話番号の登録が任意」なので、メールだけで見積もりの日程調節が可能です。電話が嫌な場合、リクルート社が運営するSUUMO引越し見積もりが最適です。

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