洗剤類は食品などと違い、時間が経過してもほとんど劣化しません。そのため肌に合わなかったりニオイが苦手だったりする洗剤であっても、「いつか使うだろう」と思って取っておきがちです。

ただ、引越しでは断捨離を進めて荷物を減らすのが基本です。洗剤であっても同じであり、使っていないのであれば引越しを機に捨てるべきです。

一方で現在使っている洗剤は、ダンボールに詰めて新居に持っていくことになります。ただ洗剤は形状が揃っていないため荷造りが難しい上に、運搬中に液漏れを起こさないように梱包しなければなりません。

それでは、どのように梱包すれば液漏れせずに洗剤を運搬できるのでしょうか? また、要らない洗剤はどのようにして廃棄すればいいのでしょうか? ここでは、洗剤の梱包方法や洗剤を捨てる方法などについて解説していきます。

液漏れを防ぐ洗剤の梱包方法

引越しの荷造りでは、荷物を小さくまとめるのが基本です。ダンボールの数(=引越し荷物)が増えると、その分だけ引越し費用が高くなるためです。洗剤類の荷造りでも、ダンボールの数をなるべく抑えるように工夫する必要があります。

例えば詰め替え用の洗剤は、本体ボトルに詰め替えてからダンボールに詰めましょう。そうすることで、詰め替え用洗剤の体積分だけスペースを節約することができます。

また、液漏れを防ぐために洗剤ボトルを立てて梱包するのが基本です。ただ、洗剤ボトルの大きさ・形状は商品によって大きく異なるため、ボトルを立てて荷造りすると多くの隙間を生じます。

そこで、このような隙間にはボトルに補充しきれなかった詰め替え洗剤を配置しましょう。例えば以下のようになります。

このようにして洗剤ボトルの隙間に詰め替え用洗剤を配置すると、詰め替え用洗剤が緩衝材の役割を果たしてくれます。その結果、緩衝材を用意する手間が省けるとともに、洗剤類をコンパクトに荷造りすることができます。詰め替え用洗剤を配置しても隙間がある場合、要らないタオルや新聞紙などを詰めましょう。

なお洗剤類を大きなダンボールに詰めると、重くて持てなくなったりダンボールの底が抜けたりするリスクがあります。そのため洗剤類は、小さなダンボールに詰めるようにしましょう。

ダンボールに袋をかぶせてからボトルを詰める

また洗剤の荷造りでは、運搬中に液漏れを起こさないように工夫する必要があります。運搬中に洗剤が漏れてダンボールに染み出ると、ダンボールが破損するリスクがあるためです。染み出る洗剤の量が多いと、他の荷物を汚してしまうケースもあります。

そこで洗剤を荷造りする際には、ダンボールの内側にゴミ袋をかぶせ、その中に洗剤を詰めていきましょう。例えば以下の写真のようになります。

このように、ダンボールの内側へ袋をかぶせてから洗剤類を詰めていき、袋上部を結ぶことでダンボールを閉じるようにします。このようにすることで、洗剤の液漏れによるダンボール汚損を簡単に防ぐことができます。

液漏れを完全に防ぎたい場合、洗剤のキャップ部分を袋やラップで包装する

ただ中には、袋の中への洗剤漏れについても避けたい人がいるでしょう。袋内に洗剤がこぼれると、荷解き時に洗剤ボトルを一つ一つ洗わなければならなくなり、手間が増えるためです。

このとき、洗剤の荷造りでは注ぎ口部分を洗浄してキャップをしっかり締めるのが基本です。注ぎ口に洗剤が付着していると、キャップがしっかり閉まらず液漏れしやすくなるためです。

ただ使い古した洗剤ボトルだと、注ぎ口部分を洗浄してもキャップが開きやすくなっているケースがあります。そこで袋内への洗剤漏れも防ぎたいのであれば、以下の写真を参考に、洗剤ボトルの注ぎ口部分にラップやビニール袋を巻き、輪ゴムで止めましょう。

このようにラップなどでキャップ部分を包み、上から輪ゴムで止めておけば、運搬時にダンボール内で荷物が動いても洗剤が液漏れする心配がなくなります。

ただ注ぎ口を引っ張るだけで開くタイプの食器用洗剤ボトルは、運搬中の衝撃で栓が開いてしまうケースがあります。栓が開いてしまうと、ラップなどではカバーしきれない量の液漏れを生じる可能性が高いです。そのため食器用洗剤は注ぎ口を洗浄してふたを閉めた後、別途袋に入れて詰めましょう。

このように食器用洗剤だけ別に包んでおけば、運搬中に洗剤の注ぎ口が開いてしまっても他の荷物を汚さずに済みます。使いかけの食器用洗剤ボトルを梱包する際には、ビニール袋に入れた上でダンボールに詰めましょう。

残っている洗剤を捨てる方法

なお、引越しで洗剤類の荷造りをしていると、使っていない洗剤が棚の奥から出てくることがあるでしょう。残量のある洗剤(=まだ使える洗剤)を捨てることに対して罪悪感を覚え、使う予定がなくても棚の奥にしまったままにする人はかなり多いです。

ただ劣化していない使用可能な洗剤であっても、現在使用していないのであれば潔く捨てるべきです。

使わずに残っているということは、「肌に合わない」「ニオイが好きじゃない」「汚れが落ちない」などの使いたくない理由があるはずです。このような場合、洗剤を保存しておいても使う機会はまず訪れません。

また服などであれば他人に譲ることが可能であるものの、使いかけの洗剤を譲渡することは難しいです。特に、いつ購入したか分からない洗剤を欲しがる人はいません。

つまり、使わない洗剤を取っておいても、引越しの荷物が増えるだけなのです。そのため「使わないけどもったいないため捨てられなかった洗剤」は引越しを機にすべて処分してしまいましょう。

洗剤を大量に捨てる場合、紙などに吸収させて可燃ごみとして捨てる

なお残量が少ないのであれば、洗剤の種類に関わらず、排水溝に流し捨てて問題ありません。このとき、水を流しながら洗剤を捨てれば、排水溝が傷んだり詰まったりすることもありません。

一方で洗剤の残量が多い場合、一度に排水溝へ流し捨てると詰まってしまう可能性があります。

特に濃度が高くドロッとした洗剤を一度に流すと、水を流しても希釈されず、排水溝が詰まりやすいです。そのため濃度の高い洗剤や大量の洗剤を廃棄する際は、紙などに吸収させて可燃ごみとして捨てましょう。

このとき要らない服やタオルなどがある場合、これらに洗剤を吸わせるといいです。服やタオルなどの繊維は紙よりも洗剤を吸収しやすいためです。

また洗剤を服やタオル、紙類に吸収させる際には、まずビニール袋に服や紙などを詰め、その中に不要な洗剤を入れるといいです。例えば以下のようになります。

このように捨てることで、周囲を汚すことなく簡単に洗剤を捨てることができます。空になった洗剤ボトルは水で洗い、地域のルールに従って捨てましょう。

塩素系漂白剤は排水溝に捨てる

一方でキッチンブリーチやカビ取り剤などの塩素系漂白剤は、量が多くても排水溝へ捨てることが推奨されています。塩素系漂白剤に含まれる塩素は揮発性があるため、可燃ごみとして捨てようとすると、塩素ガスを吸い込んで体調を崩してしまう可能性があるからです。

また塩素系漂白剤が肌に付着すると、かゆみや痛み、肌荒れなどを生じてしまうリスクもあります。

一方で塩素系の漂白剤は水に溶けやすく、髪の毛や皮脂汚れなどを分解する作用があります。そのため塩素系漂白剤は、排水溝へ流しても詰まりの原因になりにくいです。むしろ排水溝の汚れを落とし、退去時の掃除を簡単に済ませることができます。

ただ、塩素系漂白剤を排水溝へ捨てる際には、酸性漂白剤(洗剤)と混ざらないように細心の注意を払う必要があります。塩素系漂白剤と酸性漂白剤が混ざると、大量の塩素ガスが発生してしまうためです。

このとき注意が必要な漂白剤・洗剤には、以下の写真にように「塩素系」「酸素系(酸性)」などの記載があります。

ボトルに「酸性」と記載されている洗剤は、塩素系漂白剤と混ざらないように注意しましょう。また液体であっても、「酸素系」と記されている洗剤・漂白剤は酸性です。

そのため塩素系漂白剤を捨てる際には、前後で酸性の洗剤・酸素系の液体漂白剤を捨てないように注意しましょう。これら洗剤を排水溝へ流す際には、塩素系漂白剤の廃棄から1日以上経過してから捨てるようにしましょう。

不要な洗剤を捨て、コンパクトに梱包する

洗剤類の荷造りでは、液漏れが起こらないように工夫する必要があります。荷物の運搬中に洗剤類が漏れ出ると、ダンボールや他の荷物が汚損・破損するリスクがあります。そのため洗剤類の荷造りでは、液漏れが起こらないように工夫をする必要があります。

例えば洗剤をダンボールに詰める際には、ダンボールの内側へゴミ袋をかぶせてから洗剤を詰めるようにします。また洗剤ボトルのキャップ部分をラップやビニール袋などで覆えば、液漏れするリスクを限りなく減らすことができます。

このとき棚奥に眠っていた、使っていない洗剤は「もったいない」と感じても捨てるべきです。取っておいても使う機会は訪れないためです。洗剤の残量が多いのであれば、いらないタオルなどに洗剤を吸わせて可燃ごみとして捨てましょう。

一方で、少量の洗剤や塩素系漂白剤などは排水溝へ流して捨てることができます。ただ、塩素系漂白剤が酸性洗剤と混ざると有害なガスを生じてしまいます。そのため塩素系漂白剤を捨てる際には、酸性洗剤と混ざらないように細心の注意を払いましょう。このようにして洗剤類の荷造りを進めていくといいです。


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