引越しをしたことがない場合、いくらくらい費用がかかるのか想像もつきません。ただ、実際に引越しを行ってみると「意外に引越しではお金がかかる」ことに気が付きます。
引越しのときに利用するものが引越し業者への依頼です。ただ、それ以外にも賃貸不動産の契約や家具の購入など、非常にお金がかかるようになります。
それでは、実際のところいくらあれば引越しできるのでしょうか。引越し金額については、引越しプランによって大きく異なります。ただ、大まかな料金目安についてはわかります。そこから、いくら貯めるようにすれば引越しが可能になるのかもわかります。
ここでは、引越しにいくら必要になるのかについて確認していきます。
もくじ
引越しでお金はどれくらい必要なのか
引越しのとき、さまざまなものに支払いが生じるようになります。そこで、事前にお金がいくらあればいいのか理解しなければいけません。
このとき、以下のようなものがあります。
- 引越し業者に支払うお金
- 不動産契約に伴って支払うお金
- 新しい家具代
それぞれについて、詳しく確認していきます。
引越し代はいくらお金がかかるのか
引越し代については、引越しプランによって変わってきます。荷物量や距離、オプション内容によって大きく変動するのです。
ただ、一般的な料金相場は存在します。以下には、近距離引越しをするときの費用目安を記します。
引越し人数 | 単身・一人暮らし | 2人 | 3人 | 4人以上 |
部屋サイズ | ワンルーム~1LDK | 1LDK~2LDK | 2LDK~3LDK | 3LDK以上 |
閑散期 | 3~4万円 | 6~7万円 | 8~9万円 | 10~12万円 |
繁忙期 | 5~6万円 | 8~10万円 | 11~13万円 | 14~17万円 |
引越しの繁忙期は3月や4月であり、この時期は値段が高いです。一方、5月から翌年2月の閑散期だと値段が安くなる傾向にあります。
上記の表が基本料金であり、ここに「ベッドの解体・組立費用」「エアコン設置費用」など、必要に応じてオプションでの追加料金が加わっていきます。また、長距離引越しで移動距離が長いと、その分だけ費用相場は高くなります。
・自力の引越しは損をする
なお、お金を節約するため、自力で行おうとする人がいます。ただ、絶対にやめた方がいいです。自分で行う場合、慣れていないので壁や床を傷つけてしまったり、運搬中に家財を壊したりしてしまうことが多いからです。
私の場合も同様に、自分でベッドを運搬しているときに床を傷つけてしまいました。傷つけるのは一瞬です。
マンション・アパート退去時は原状回復(元の状態に戻すこと)をしなければいけません。この費用が5万円になり、引越し業者に依頼するよりもはるかに高額になってしまいました。そのため、自分での作業は避けるといいです。
最初に不動産を借りるときの費用
引越し業者への費用はそれなりに高いですが、より多くのお金が必要になるものとして、不動産契約をして最初に支払うときのお金があります。どのくらいのお金がかかるかというと、初月に家賃のおよそ5倍以上の予算が必要になります。
例えば、家賃6万円の賃貸マンションに住むことを考えている場合、30万円以上のお金を貯めておく必要があります。内訳は以下の通りです。
- 敷金:家賃の1ヵ月分
- 礼金:家賃の1ヵ月分
- 仲介手数料:家賃の1ヵ月分
- 日割り家賃:家賃の1ヵ月分
- 前家賃:家賃1~30日分
- 火災保険料:約2万円
敷金や礼金を含め、どれくらいの初期費用が必要になるのかについては契約書に書かれています。また、賃貸不動産の仲介会社からも教えてくれます。
いずれにしても、非常に多くの費用が必要になるのが不動産契約です。
家具・家電製品の購入
引越しをするとなると、どうしても新たに家具や家電製品を購入しなければいけません。いくら、それまで冷蔵庫や洗濯機、ベッドなどを保有していたとしても必ず必要な家具が出てくるのです。
例えば私が結婚して新居へ引越しをしたとき、新居にエアコンがありませんでした。そのためエアコンを購入するため、10万円ほどのお金が必要でした。
また、結婚を機に一人暮らし用のベッドを捨てて新たに買うことにしました。単身用のシングルベッドではなく、「ダブルベッド×2」で新婚生活を始めるようにしたのです。そのため、ベッド代でも大きな出費になりました。
他には、旧居のカーテンは高確率で新居の窓に合わないため、カーテンを新たに購入し直す必要があります。
それまで単身者だった同士が一緒に住む私のようなケースであっても、家具や家電製品の購入費用はそれなりの額になりました。意外と出費が大きくなるのが家具・家電製品の購入です。
お金をかけない引越し方法
このように考えると、引越しをすると出費が大きくなり、お金が足りないようになってしまいます。貯金があったとしても、引越し代や不動産契約の初期費用、家具代などによってお金がなくなるのです。
そこで、できるだけお金がかからない引越しをしましょう。そのためには、できるだけ安く引越しをする方法を学び、少ない予算であっても引越しできるようにする必要があります。
このときの方法としては、以下のようなものがあります。
一括見積もりで何社もの見積もりを比較する
お金をかけない引越しを実現するとき、必須の作業として一括見積もりがあります。引越し代金は値段の相場がないため、一社だけに依頼すると確実に高額な見積もり料金になります。そこで、金額を比較することで安い引越しを実現しなければいけません。
例えば、以下は「全く同じ条件で、別々の引越し業者に見積もりを取ってもらった」ときの値段です。
5人家族で荷物量が多く、長距離引越しだったので値段は高くなりました。しかし、それでも4つの引越し業者を比較することで引越し代を半額以下にすることができました。
最高額は43万8,264円でしたが、最も金額の低い業者は19万8,720円でした。見積もり比較をすることで、約23万円ものお金を節約できたのです。
引越し時期や時間を変える
なお、引越し日や時間については柔軟に変えるようにしましょう。引越し時期やタイミングでも値段が大きく違うからです。
例えば閑散期に比べて、繁忙期では1.3~1.5倍の引越し金額になります。繁忙期だと値段が高騰し、一瞬にしてお金が足りない状況に陥ります。そのため、可能なら閑散期の引越しが望ましいです。
また、日にちによっても値段は異なります。例えば、以下は同じ午後の引越しで「2/11:日曜日」と「2/12:月曜日」での引越し料金です。
休日よりも平日の方が引越し金額は低くなります。今回の場合、1日ズラすだけで10,800円もの価格差がありました。
また、同じ日であっても時間帯によって値段は変動します。午前よりも午後の方が料金相場は低くなり、1日の中のどの時間帯で引越しをしても問題ないフリー便だとさらなる値引きを期待できます。お金がかからない引越しをするため、このように時期やタイミングまで考慮しましょう。
敷金・礼金のない賃貸物件を探す
お金がないけど引越しをしたいとき、引越し業者に支払うお金を値切るだけでなく、賃貸マンション・アパートで最初に支払う必要についても考えましょう。
大きなお金になりますのは敷金・礼金です。特に礼金は完全に無駄なので、礼金のない物件を探すようにしましょう。
より初期費用を削減したいのであれば、敷金ゼロの物件であるといいです。ただ、敷金については注意が必要です。マンション退去時、必ず原状回復費用が請求されます。敷金の中から原状回復費用が出され、敷金からこのお金が差し引かれ、後で戻ってくるようになります。
例えば、以下では原状回復費用として83,924円ほどの費用になっています。
敷金がないと、退去時の請求額が大きくなります。そのため礼金ゼロは非常に重要ですが、敷金ゼロが良いかどうかは微妙だといえます。
・仲介手数料半額の業者を通す
新たに住む場所を契約するとき、ほぼ必ず賃貸不動産の仲介会社を通すことになります。仲介手数料の相場は家賃の一ヵ月分です。
このとき、エイブルやミニミニなど「仲介手数料を半額」にしている会社を経由すれば、それだけでお金をかけずに賃貸不動産を見つけられるようになります。
・鍵交換費用など、無駄な手続きを省く
なお、最初に支払う不動産費用をよく確認すると、鍵交換費用や消毒費など無駄なものが入っていることはよくあります。これについては、仲介会社に連絡して「なし」にしてもらいましょう。私も無駄なお金はできるだけ省くようにしています。
例えば、以下は私が仲介会社に鍵交換の手続きを省くようにお願いしたときの返信メールになります。
これだけでも、42,000円とかなりのお金を節約できました。
シェアハウスを利用する
なお、それでもお金が足りなくて厳しい場合、実家で暮らしたり、友人と一緒に同居したりする方法を考えられます。恋人がいる場合、同棲する人も多いです。
ただ、実家が遠く離れていたり、一緒に住むべき友人がいなかったりしたとしても、「他の人と住む場所を共有する」という方法があります。具体的にはシェアハウスが存在するため、こうした場所に引越しをすることで、家賃や家具代などは大幅に減らすことができます。
同じ部屋を共有して寝るケース(ドミトリー)があれば、寝る場所については個室が用意されているシェアハウスもあります。キッチンやお風呂のある場所は共有部分になりますが、個室ありのシェアハウスならプライベートはある程度守られるので問題ありません。
シェアハウスにも種類はありますが、他の人がいるのにそこまで気にならない場合はシェアハウスを活用することで、お金がない状況を打破できるようになります。
引越しでお金を借りるのはやめるべき
普通に引越しをすると値段が高額になるため、「お金がなくなった」という状況に陥る人は非常に多いです。そのため、ここで述べたような格安引っ越しの方法は必ず行うようにしましょう。家具・家電製品代の購入費用を安くすることはできませんが、引越し業者の見積もり金額は半額にできますし、不動産の初期費用もかなり節約できます。
このとき、ネット上の情報を見ると「引越し費用が足りないならお金を借りればいい」などのような、非常に無責任な情報が飛び交っています。ただ、キャッシングやカードローンを含め、絶対にお金を借りることだけはやめましょう。
一般的にキャッシングやカードローンなどによってお金を借りた場合、金利は約15%です。例えば、引越し代が足りないために30万円を借りた場合、一年後には利息45,000円です。一ヵ月だけ借りる場合であっても、利息3,750円と非常に高額になります。
かなりもったいないお金であるため、「お金がないけど引越ししたい」と考えてお金を借りることだけは避けましょう。それよりも、引っ越し代を値切ったりシェアハウス利用を考えたりして、安い費用で引っ越しできないかを考える方が重要です。
引越し代はいつ払うのか
ただ、お金についてはきちんと支払わなければいけません。引越し代金の総額については、ここまで述べてきた対策によって減らすことができるものの、支払い時期を延ばすのは難しいです。
引越し業者への支払いについては、引越し日の当日に手渡し、または事前振込が多いです。クレジットカード決済が可能ではあるものの、現金での支払いがメインになっています。
また、賃貸不動産に関するお金についても請求書が送られてくるため、振込日までに支払わなければいけません。例えば、以下は賃貸マンションを借りたときの請求書です。9月25日までに支払いをするように明記されています。
実際に住むのは10月からでしたが、支払いは9月です。このように、事前にお金を振り込む必要があります。
お金が足りないからこそ、安い引越しを考える
どれほどの引越し代になるのかというと、引越し業者では一人暮らしの単身引越しであっても3万円以上になります。また、家賃になると「家賃1か月分の5倍以上」が最初に必要な賃貸不動産総額になります。
ただ、これは普通の引越しをした場合になります。見積もりを比較したり、礼金のない賃貸マンションを探したりすることで最初のお金を節約できます。それでも足りない場合、シェアハウスを含めて検討しましょう。
引越し代は安くて困ることはありません。無駄に引越し代が高いのは非常にもったいないです。そこで、お金をかけない引越しを心がけましょう。
家具の購入まで含めると、引っ越しは大きな金額になります。引越し代を少なくすることを考え、格安引越しを実現しましょう。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
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引越し価格を安くするためには、適切な方法が存在します。見積もりを比較するのは当然として、例えば休日ではなく平日の引越しにするだけで、1万円以上の値引きは簡単です。
また、同じ日であっても午前の引越しを午後にするだけでも値引きが可能です。こうした価格交渉術について解説しています。
・引越しの割引制度(早割、紹介割引、社員割引)に意味がない理由
多くの場合、引越し業者は割引制度を設けています。ただ、残念ながらこうした割引はまったく意味がありません。引越しには定価が存在しないからです。
この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。
安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備
見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。
ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。
見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか
実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。
ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。