引越しで頭を悩ませやすいのが家具の取り扱いです。例えば引越し費用の節約のために荷物を自分で運ぼうと考える人は多いですが、家具を自力で運ぶのは難しいです。
また、家具の配置に悩む人も多いです。大型の家具は部屋の雰囲気を大きく左右する上に、自力での移動が難しいです。そのため不適切な場所に家具を置いてしまうと、せっかくの新居での生活を満喫できなくなります。
さらに、家具の大きさによっては新居に入らないケースもあります。そうなると、お気に入りの家具であっても処分せざるを得ません。これに加えて家具は通常のごみではなく粗大ごみとなるため、捨てる際にはお金がかかります。
ただ、このような家具の悩みは、工夫次第で解決できるケースが多いです。そこで、家具の運搬方法や配置のコツ、費用のかからない処分方法などについて解説していきます。
もくじ
家具だけの引越しはできるのか?
引越しにはお金がかかります。そのため多くの人が、何とかして引越し費用を抑えたいと考えます。
このとき、引越し時に運ぶ荷物を少なくできれば、その分だけ引越し費用が安くなります。そのため中には、小さな荷物は自分で運び、自分で運べない家具家電だけ引越し業者に頼みたいと考える人がいます。
それでは、引越し時に家具家電の運搬だけ業者に依頼することは可能なのでしょうか? 結論からいうと、引越し時に家具家電のみ業者に運んでもらうことは可能です。
例えば以下は、大手引越し業者のホームページに記載されている引越しプランです。
このプランは大型の家具・家電のみを業者が運ぶプランであり、通常よりもお得に引越しが可能です。引越し費用を抑えるために家具家電の運搬だけ業者にお願いするのは、費用を抑えるのに効果的だといえます。
引越し前に家具の配置を決めるのは基本
それでは実際に家具を転居先の家に置くとなったとき、どのようにして配置を決めればいいのでしょうか。
このとき家具のおおよその配置は、物件の内見時に決める人がほとんどです。内見しながら「ここにあれを置こう」などと自然と考えることでしょう。
ただ中には、家具の配置を決めないまま引越し日を迎える人がいます。特に内見なしで引越しをする場合では、引越し当日に家具配置を決めようとするケースが多いです。
ただ家具の配置を決めずに新居へ荷物の搬入を始めると、引越し作業に時間がかかって終了時間が遅くなりやすいです。またスムーズな作業の妨げになるため、引越し業者に嫌な顔をされることが多くなります
しかし内見なしで引越しをする場合であっても、間取り図などから家具のおおよその配置を事前に決めることは可能です。そのため最低でも、家具を運び込む部屋だけは引越し当日までに確認しておきましょう。
実際に、私は内見なしで家族引越しを実行したケースが何度かあります。転勤による引越しだったため準備期間が短く、さらには引越し先が遠方だったので、内見せずに物件を決めざるを得なかったのです。
ただこの場合であっても、新居の間取り図や不動産業者のホームページで公開されている物件のパノラマ画像などを参考にして、家具の搬入部屋を決めました。実際に置いてみるとイメージと違うことはあるものの、同じ部屋内であれば自力でも家具を移動できるため、大きな問題はありませんでした。
内見をする場合は当然のことながら、内見なしで引越す場合であっても、間取り図などから家具のおおよその配置を事前に決めておくようにしましょう。
大きい家具を短い辺の壁際に配置すると部屋を広く使える
また可能であれば、家具の具体的な配置も事前に決めておくといいです。引越し作業がスムーズに進みやすくなるためです。
このとき、家具は大型の物から位置を決めていくと効率よく配置できます。また部屋の壁際のうち、短い辺について、ベッドやソファなどの大きい家具で埋めていくことを意識するといいです。部屋が広く使えるようになるためです。
例えば以下は、1LDKの間取り図です。
この部屋のリビングにソファを置くことを考えたとき、青枠とオレンジ枠だと後者(オレンジ枠)に置いた方が部屋を広く使えます。そのため家具の配置に迷ったら、部屋の壁際の短い辺の方に大型家具を置くようにしましょう。
・家具の配置換えアフターサービスを利用する
ただ家具の搬入時にはベストな位置だと思っても、いざ住み始めてみると暮らしづらかったり使いづらかったりすることはよくあります。このような場合、家具の配置換えを検討することになります。
このとき引越し業者の中には、引越し後の家具の配置換えを1度だけ無料で実施してくれるケースがあります。このようなサービスを利用すると、引越し後に実際に暮らしやすいように家具を配置しなおすことができます。
また、このようなアフターサービスを実施していない引越し業者であっても、家具の模様替えを依頼することは可能です。配置換えには1回あたり6,000円(2つめ以降は3,000円)ほどの利用料金がかかりますが、引越し後でも家具の配置換えを依頼できることを覚えておきましょう。
新居に入らない家具を入れる方法
ただ家具のサイズが部屋に置ける大きさであっても、扉や階段などの幅が狭いと希望する部屋へ家具を搬入できないことがあります。場合によっては、家そのものに家具を運び込めないケースもあります。
このとき家具が分解可能であれば、分解・組み立てを行うことによって部屋内へ運搬可能です。例えばベッドをそのまま新居へ運ぶことは困難ですが、分解・組み立て直しによって運搬することが可能です。
ただ一部のベッドや食器棚、本棚などの組み立て家具の中には、再組み立てを想定していない物があります。特に、木ねじや接着剤などで組み立てた家具は基本的に分解不可能であり、分解後に再度組み立てすると強度が著しく落ちてしまいます。
そのため購入時に自分で組み立てた際に木ねじや接着剤を使用したのであれば、新居に分解・組み立てして入れられず処分しなければいけないことを覚悟する必要があります。
大手引越し業者に搬入を依頼する
ただお気に入りだったり高額だったりする家具だと、何とかして家へ運び込みたいと考えるでしょう。
このとき格安業者や便利屋、自力の引越しではなく、大手の引越し業者に搬入を依頼することで家具を家に入れられる可能性があります。大手の引越し業者は大型荷物の搬入研修を充実させており、搬入技術が高いためです。
また大手引越し業者であれば、吊り上げ・吊り下げによって窓からの荷物搬入も可能です。窓からの搬入が可能になると、階段幅が狭い部屋であっても家具を運び入れることができます。実際に以下は、2階の部屋へ大型荷物を搬入している様子です。
このように、便利屋や個人の引越し業者では搬入できない荷物であっても、大手の引越し業者であれば写真のように搬入が可能なケースがあるのです。
そのため格安業者などによる引越しで大型家具を部屋に入れられなかったのであれば、大手引越し業者に依頼することによって搬入が可能になるケースがあることを覚えておきましょう。
なお、家具の搬入のみであれば数千円ほどで実施してくれる業者が多いです。ただ業者や依頼時期などによって料金は異なります。また実際に家具を搬入できるかどうかは、訪問見積もりを受けるまで分かりません。
そのため家具の運搬をお願いする場合であっても、複数の大手引越し業者へ訪問見積もりを依頼しましょう。
お金をかけずに家具を処分する方法
ただ当然ながら、大手の専門引越し業者であっても搬入できなかったりクレーンの利用などによって搬入費用が高額になったりするケースがあります。このような場合、家具の処分を検討することになります。
このとき捨てる家具が木製であるなら、燃えるごみや粗大ごみなどで処分することになります。木製家具を粗大ごみとして捨てる場合、基本的には役所などに連絡して粗大ごみ回収を依頼します。捨てるゴミには、コンビニエンスストアなどで買える粗大ごみシールを貼り、指定日に指定場所へ出します。
また、自治体によっては「家具を壊して有料のゴミ袋に入るサイズまで小さくできれば、有料の燃えるごみとして捨てられる」というケースがあります。
実際に以下は、カラーボックスを分解して生じた木板です。
このようにしてゴミ袋に入るサイズまで小さくできれば、棚であっても燃えるごみとして出すことができます。燃えるごみとして捨てれば粗大ごみとして捨てるときに比べて1/5ほどの費用で済むため、家具の処分費用を抑えることができます。
また家具が金属製である場合、ゴミとして処分する以外にリサイクルに出すという手段があります。金属は再利用しやすいため、リサイクル業者が回収しているケースが多いです。
実際に以下は、リサイクル業者のホームページです。
このようにリサイクル業者だと、金属を回収してくれるケースがあります。そのため金属製の大型家具を捨てるのであれば、リサイクル業者へ回収を相談するといいです。
・新しい家具なら売ることができる
また木製家具であっても、家具が新しかったりブランド家具であったりする場合、リサイクルショップで売ることができます。具体的には、購入から5~6年以内で目立つ傷などがないことが条件となります。
また引越し業者の中には、引越しに付随するサービスとして大型家具の買取をしているケースがあります。実際に以下は、大手引越し業者の不用品買取サービスです。
このようなサービスを利用すると、お得に家具を処分することができます。不用品のみの買取は行っていませんが、引越し時に家具を処分する予定でいるのであれば、このような業者の利用を検討するといいです。
引越し時に引き取ってもらう
ただ、家電に比べて家具は買取が厳しいのが実態です。少しでも傷があったり使用感があったりすると買取してもらえないですし、古くなったものはまず引き取ってもらえません。そのため、それなりに使った家具であれば売れないことを覚悟した方がいいです。
しかし引越し見積もりの際、事前に相談すると大型家具を無料で引き取ってくれるケースがあります。特に、複数の引越し業者へ見積もりを依頼していると、家具の無料処分を引き受けてくれる業者を見つけやすいです。そのため、引越し前に家具の処分を考えているのであれば、引越し見積もり時に業者に相談してみましょう。
引越し業者によって対応は異なり、「不用品の引き取りは不可」としているケースがあれば、問題なく無料処分に対応してくれる業者もあります。実際、過去に私は無料処分が可能な引越し業者に依頼したことがあり、実際の引越し時には以下のようにバツのマークを付けられ、他の家具と区別していました。
このとき当然ながら、引越し当日に家具を引き取ってもらおうとすると、断られたり有料になったりする可能性が非常に高いです。そのため家具を無料で処分したいのであれば、複数の引越し業者に見積もりを依頼し、家具の無料処分を事前に相談しましょう。
また見積もり・契約時に家具の処分を無料で引き受けてくれることになった場合、必ず契約書などにその旨を記載してもらいましょう。営業スタッフとの口約束だけだと、業者スタッフ間の連絡不徹底などにより、当日に有料処分扱いになる危険性があるためです。
例えば私が引越しをしたとき、このときは引越しを機に古くて壊れそうな大きなタンスを処分しました。このとき複数の引越し業者に訪問見積もりを依頼しており、その中でも引越し費用が最も安く、しかも家具(タンス)を無料で引き取ってくれる業者と契約しました。
ただ引越し当日、タンスの無料処分について運搬スタッフに伝わっていなかったらしく「タンスの処分に費用がかかる」と言われました。
このとき、契約時にタンスを無料で引き取ってもらう約束だったことを伝えると、営業スタッフに確認を取り、無事タンスを無料で処分することができました。
ただタンスの無料処分は営業スタッフとの口約束であり、契約書などに記載してもらっていませんでした。そのため営業スタッフにしらを切られたら、私は有料にて引き取りとなるところでした。
このような事態を防ぐためにも、見積もり時に家具を無料で処分してもらえることになったら、契約書にその旨を忘れずに記載してもらいましょう。
地域のリサイクルシステムを活用する
ただ、私が家具を無料処分してもらった引越し業者は中小企業であったため、融通を利かせてもらいやすかったのが実態です。また引越しをしたタイミングが閑散期であったため、有利な条件を引き出しやすかったこともあります。
そのため業者によって対応は異なりますが、引越し業者に家具を引き取ってもらう場合、有料となることも覚悟する必要があります。特に大手の引越し業者に依頼する場合、家具を無料処分してもらえるケースは少ないです。
このとき引越しまでに期間があるのであれば、地域のリサイクルシステムを利用して家具を無料処分する手段があります。例えば以下は、大手の地域コミュニケーションサイトです。
このようなサイトを利用すると、あなたの持っている家具を欲しがっている人に無料で譲ることができます。
また地域によっては、不用品リサイクル掲示板などがあります。例えば以下は、役所内に掲示されているリサイクル情報です。
このようなリサイクルシステムと地域コミュニケーションサイトを併用すると、あなたが処分したい家具を欲しがる人に出会いやすくなります。
実際、私は転勤族で引越しが多いのですが、どうしても毎回家具などの不用品が発生します。すべてゴミとして処分すると費用がかさむため、リサイクルショップなどで買取してもらえなかったものについては、早めに地域リサイクルに出すようにしています。
当然ながら毎回すべて譲渡先が見つかるわけではないです。ただ、「これは引き取り先が見つからないだろう」と思っていた物でも、引き取り手が現れることもあります。
そのため不要となった家具についてお金をかけずに処分したいのであれば、地域のリサイクルシステムを活用することも視野に入れましょう。
引越し時の家具の悩みを工夫によって解決する
引越しの際、業者に運んでもらう荷物を少なくすると、その分だけ引越し費用を抑えることができます。そのため引越し費用を少なくしたいのであれば、家具の運搬だけを業者に依頼する手段が有効です。
なお、家具の配置は引越し当日までに決めておきましょう。このとき大型家具の配置を工夫すると、空く面積が一緒であっても部屋を広く使えます。そのため家具の配置に迷ったら、大型家具を「部屋の短い辺の壁際」に配置するといいです。
また家具が入らない場合であっても、分解・組み立てを行えば搬入可能となるケースがあります。さらに大手引越し業者であれば、搬入技術を持ち合わせているケースがあります。
このとき、どうしても家具が家に入らなければ家具を処分することになります。基本的に家具の処分にはお金がかかるものの、リサイクルに出したり引越し業者に相談したりすれば無料で処分できるケースがあります。そのため引越しを機に家具を処分する場合は、早めにリサイクルに出して引越し費用を安く抑えましょう。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
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この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。
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見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。
ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。
見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか
実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。
ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。