同じ家に住んでいると部屋の家具移動をしたり、模様替えをしたいと考えたりすることがあります。家具移動をしたい理由としては、新しい家具を購入したかったりピアノの場所を移動させたかったりと、人によってその理由はさまざまです。リフォームが必要なため、家具移動を希望する人もいます。

そうしたとき、一人で家具移動を実施しても問題ありませんが、大きな家財となると100kg以上するので非常に重いです。運搬中にケガをする危険性が高いですし、壁にぶつけて傷や穴を作ってしまうことも多いです。

そのため、家具移動や模様替えの代行会社として「引越し業者へ頼むことはできないのか」と考える人は多いです。実は引越し業者であっても家具の移動に対応しています。そこで、そのサービス内容や料金相場などを踏まえて確認していきます。

多くの人が業者へ模様替えを頼む

荷物が小さく、簡単な家具移動であれば一人だけで行うことができます。ただ、冷蔵庫やベッド、食器棚、タンス、ソファ、ピアノなど大きな家具が存在します。

自分で行う場合、男性であれば他の人に手伝ってもらっての家具移動を考えます。100均(100円ショップ)へ行けば、移動用キャリーを含め大きな荷物を運ぶのに便利なアイテムが多く発売されています。こうしたものを利用しながら、自分で家具移動を完了させるのです。

ただ、女性であったりお年寄りであったりする場合、重い家具を自ら移動するのは現実的ではありません。また、お年寄りであればそのために離れて住んでいる息子を呼ぶなどは気が引けてしまいます。

また、たとえ力のある男性であったとしても、「家の1階にある大型家具を2階にもっていきたい」「大きなピアノを隣の部屋に運びたい」などのときは、自分たちだけで運搬するのは難しいです。

例えば、以下のベッドを1階から2階へ運搬したいと考えたとき、実現は不可能に近いです。そのままの状態ではベッドが階段を通ることができないからです。

そうしたとき、業者を活用することで重い家具を代わりに移動してもらうのです。家具移動を代行してもらうことで、自分が重い荷物を運ばなくても運搬が完了します。

家具移動サービスには2種類の業者がある

まず、家具の配置換えサービスを実施している会社としてはどのような業者があるのでしょうか。これには、便利屋と引越し業者の2種類があります。

これらは何が違うのでしょうか。また、どちらの業者へ依頼したほうがいいのでしょうか。

便利屋(何でも屋)の家具移動サービス

便利屋とは、部屋の掃除や片付け、庭の手入れ、水漏れ修理など生活回りのことであれば何でも請け負ってくれる業者のことを指します。いわゆる、何でも屋のことです。

便利屋は基本的にどのような困りごとであっても請け負うため、家の模様替えなどにも対応しています。実際に便利屋へ依頼するとなると、安い金額で家具移動や模様替えを実施することができます。

便利屋は基本的に時給換算で料金が計算されます。家具移動となると、スタッフ2名で1時間ほどの作業をする場合、13,000~15,000円ほどの値段になります。このとき養生を希望する場合は費用が加算され、プラス4,000円ほどです。

比較的費用が安く、気軽に頼むことができるのが便利屋です。

引越し業者の家具移動サービス

ただ、実際のところ便利屋へ家具移動サービスをお願いするのはあまりおすすめできません。彼らは家具移動の専門家ではないため、家財を移動させるときに手間取ることが多く、さらには家具移動に対応できないケースもあります。

例えば、大きな荷物を2階へ運ぶとき、吊り上げなければいけません。そうしたとき、引越し業者であれば何度も実施していて経験も豊富です。一方で便利屋であると、どのように吊り上げればいいのか理解していないことがあります。

また、便利屋では養生で追加料金が必要になるものの、引越し業者であればそうした壁の保護を含めすべてサービス内に含まれています。下手に便利屋へ頼んで壁に傷がついたら困るため、多くの人は引越し業者へ依頼するのです。

それだけではありません。便利屋に比べて、引越し業者へお願いするときの価格は実はそこまで高くないのです。引越し業者は家具保険にも加入していることを考えると、引越し業者へ家具移動をお願いする方が正しいです。

引越し業者には、家具移動サービスが存在する

通常の引越しだけでなく、引越し業者は「家具移動だけをしたい人向けのプラン」を用意しています。

例えば、以下はクロネコヤマトのサービスですが、このように家具・家電移動サービスのプランがあります。

引越し業者というのは、引越しだけでなく単なる家具移動であっても問題なく依頼できるのです。「引越しではないから」と考え、依頼をためらう必要はありません。

それでは家具移動や模様替えを引越し業者へお願いするとき、どのような業者が適切なのでしょうか。これについては、大手の引越し業者であれば問題ありません。例えば、以下のような業者があります。

  • アート引越センター
  • 日通
  • サカイ引越センター
  • アリさんマークの引越車
  • ヤマトホームコンビニエンス(クロネコヤマト)
  • アーク引越センター

引越し業者の中でも、個人事業主である赤帽は家具移動や模様替えに適していません。赤帽の利用では格安で引越しできるものの、あなた自身が荷物の運搬を手伝う必要があるなど、完全おまかせでの引越しにはなりません。また、クレーンでの吊り上げなど難しい運搬はできません。

こうしたことがあるため、赤帽は家具移動サービスに適していません。必ず大手の引越し業者へ依頼するようにしましょう。

リフォームによる家具移動や、模様替えをする事前準備

引越し業者へ家具移動を頼むとき、必ず事前に確認するべき項目があります。具体的には、「家具の解体・組立が必要か」「廃棄処分は必要か」「家具の吊り上げ・吊り下げは必要か」になります。

何点の家具移動を希望するのかについては、事前に把握しているのは当然だといえます。

しかし、配置換えをするときは単に荷物を運ぶだけで終わるとは限らないため、こうした項目が必要になるのかどうか事前に確認しておくのです。

家具の解体・組立が必要か

特にベッドを運ぶときに必要になってくるのが解体・組立です。一人暮らし用のシングルベッドであったとしても、ベッドは非常に大きいです。そのままの状態では廊下やドアを通らず、部屋から出せないことが多々あります。

また、そのままの状態で1階から2階(または、2階から1階)へ運び入れるのは不可能に近いです。そうしたとき、ベッドは分解して運ぶのが基本です。

例えば、以下は私が引越しをしたときに業者へお願いしたときの様子であり、ベッドがバラバラに解体されています。

このように分解して持ち運びできるサイズにした後、運びたい部屋へ運搬するのです。

廃棄処分は必要か

部屋の模様替えに伴い、家具の廃棄処分を検討していることがあるかもしれません。引越しのときと同じように、部屋を一新するときも同様に必要ないものがたくさん出てくるため、どうせなら不要な家具の廃棄処分を考えるのです。

特に家のリフォームをするときなどであれば、いっそのこと部屋の不用品を捨ててしまった方がいいです。

家具を捨てる場合、基本的には粗大ごみとなります。粗大ごみを捨てるためには手間が必要ですし、自治体の面倒な手続きに従わなければいけません。

ただ、引越し業者の中にはそれら不用品を引き取ってくれる会社があります。そうした引越し業者へ家具移動サービスをお願いすれば、ついでに必要ない家具の廃棄処分まで可能になります。

家具の吊り上げ・吊り下げは必要か

また、1階から2階など大きな荷物を他の階へ運ぶとき、階段を通らないことがあります。そうした場合、吊り上げや吊り下げが必要になります。

基本的に吊り上げ、吊り下げは人力で行います。以下のように人の手で大きな荷物を運搬するのです。

出典:離島引越しレスキュー隊

また、高層階などではクレーンが必要になることがあります。タワーマンションで高層階すぎるとクレーンでも無理ですが、通常のマンションやアパートであればクレーンまで使えば窓から搬入できるようになります。

重い荷物の移動を依頼するときの料金相場

ただ、気になるものとして価格があります。引越し業者へ室内の家具移動サービスをお願いする場合、どのような料金相場になっているのでしょうか。

これについては、実際の家具引っ越しサービスの価格を見ながら確認していきます。

・クロネコヤマトの場合

クロネコヤマトの場合、家財を1点運搬するために必要な費用は6,000円からになります。大きいタンスやソファ、ベッドなどを運びたい場合はこの値段になります。

ただ、他にも配置換えをしたい家具がある場合、家具2点目以降は1点につき3,000円ほど料金が加算されます。基本的には、室内の移動をお願いするときの価格相場は1万円ほどになると考えてください。これには養生代も含まれているため、便利屋よりも安い値段になります。

しかし、ベッドの移動で解体・組立が必要になる場合は7,500円の追加料金が必要です。

他には、荷物の吊り上げ・吊り下げをするときはオプション費用として10,000円です。クレーンでの吊り上げが必要になると2~3万円ほどの料金相場になります。

室内移動だけであれば、格安でお願いすることができます。ただ、これに加えて解体・組立や吊り上げ・吊り下げなどが必要になる場合、価格が少し高くなると考えてください。

ただ、いずれにしても便利屋や赤帽(個人事業主の引越し屋)よりもお得であるといえます。

・便利屋より、引越し業者が優れている

また、便利屋が解体・組立をする場合、それだけ時間がかかるので便利屋ではそれなりの料金が加わるようになります。吊り上げ・吊り下げに対応できないことも多く、養生に追加料金が必要になり、作業にも慣れておらず、保険にも加入していません。

こうした事実を考えると、値段的にも内容的にも大手の引越し業者への依頼が適切だと分かります。

ただ、引越し業者によって見積価格は異なります。一括見積もりを含め、業者ごとに配置換えの見積もりを出してもらうといいです。

ちなみに、配置換えの一括見積もりをする場合は「現在の住所」と「引越し先の住所」には、同じ住所を記入するといいです。そうすれば、通常の引越し一括見積もりと同じように配置換えサービスを依頼できるようになります。

・何社もの見積もり依頼が必要な理由

なお、たとえ同じ家での家具移動や模様替えであったとしても、見積もり依頼は複数の業者にする必要があります。単純に業者ごとに引越し価格が大きく異なるからです。

業者が違えばサービス内容が違います。例えば、以下はアリさんマークの引越社が行っているサービスですが、たとえ荷物の吊り上げ・吊り下げがあったとしても無料で行ってくれるようになります。

荷物によって運搬方法が異なります。引越し業者ごとに「どれだけ柔軟に対応してくれるのか」「値引きがいくらまで可能なのか」は違うため、これを認識したうえで複数社に見積もり依頼を出すようにしましょう。

大型家具の運搬に便利な引越し業者

楽に引越しをしたい場合、自分で行うよりも専門家の力を借りるといいです。下手に自力で運搬作業をして壁に傷をつけたり、足に重い荷物を落としてケガしたりすると、引越し業者へお願いする料金(室内移動の費用相場は1万円)よりも高くついてしまいます。

小さい家具であれば、節約するために自ら運んでも問題ありません。ただ、冷蔵庫やベッド、食器棚、タンス、ソファ、ピアノなどの大型家具を運ぶ場合、少しでも難しそうな場合は引越し業者を頼るといいです。

解体・組立が必要であったあり、分解できないのでクレーンでの吊り上げが必要であったりしても引越し業者なら問題なく対応することができます。さらに、業者によっては廃棄処分が可能なので部屋を片付けるときにも便利です。

引越しだけではなく、リフォームによる室内の家具移動や、模様替えにも活躍するのが引越し業者です。比較的安い金額で依頼できるため、引越し業者での配置換えを検討してみてください。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

引越し侍

引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。

さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。

SUUMO引越し見積もり

一般的に引越しの一括見積もりでは登録直後、たくさんの電話がかかってきます。こうした電話が嫌でメールだけで完結したい場合、SUUMO引越し見積もりを利用しましょう。

SUUMO引越し見積もりでは「電話番号の登録が任意」なので、メールだけで見積もりの日程調節が可能です。電話が嫌な場合、リクルート社が運営するSUUMO引越し見積もりが最適です。

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