人によっては、かなりの長距離引越しをすることがあります。長距離の移動であると、引越し代金はかなり高くなります。たとえ単身の一人暮らしであったとしても、引越し費用だけで何十万円にもなってしまうのです。

近距離引越しだとそこまで値段は高くなくても、長距離というだけでトラック運転手の人件費がかかりますし、燃料代や高速道路代も高くつくようになるからです。

そこで、500km以上の引越しをする場合はJR貨物(電車)または貨物船を活用したコンテナ便の利用を検討しましょう。理由は単純であり、非常に遠くへ引越しをするときはコンテナ便を利用する方が値段は安くなるからです。

ここでは、コンテナ便のメリットやデメリットを含めて解説していきます。

超長距離引越しに適したJR貨物のコンテナ便

一般的な引越しでは、トラックを利用します。引越し業者に運搬をお願いするのですが、このときは引越し業者が保有しているトラックに荷物を詰め込み、そのまま新居へ運搬していきます。

以下のように、トラックを用いた運搬が一般的なのです。

ただ、JR貨物のコンテナ便になると、長距離輸送をするときにトラックを利用しません。鉄道を活用します。

JRは日本全国に鉄道を有しているわけですが、この鉄道網を活用してコンテナを輸送しています。このコンテナにあなたの荷物を積め、新居の住所まで運搬してもらうのです。貨物列車を見たことはあると思いますが、この貨物列車のコンテナを利用するのです。

例えば、以下は日通(日本通運)の公式サイトに掲載されている鉄道コンテナ輸送に関する案内です。

このように、JRのコンテナ輸送サービスを引越しに活用することができます。実際の引越しでは、以下のようにトラックにJR貨物のコンテナが乗った状態で来ることが多いです。

例えば、以下は一般的なサイズである5トン(12フィートコンテナ)が乗っている様子です。

出典:みんカラ

コンテナに荷物を詰め込み、そのままJRの鉄道網を活用して貨物列車にて荷物を運搬していきます。その後、新居にコンテナが届いて、引越し業者によって家具・家電製品が運ばれるようになるのです。

つまり、以下のようになります。

  • 引越しの作業:引越し業者がコンテナに詰める
  • 「旧居から旧居の駅」「新居の駅から新居」への移動:トラック
  • 「旧居の駅」から「新居の駅」への長距離運搬:JRの鉄道網

ド田舎であっても、近辺にはJRの線路が敷かれています。そのため、どのような地域であっても問題なく運搬することができます。

海上コンテナ便により、沖縄でも対応可能

なお、沖縄や離島などであるとJRの鉄道は通っていません。そうした場合、コンテナ便を活用することができないように思ってしまいます。ただ、沖縄や離島であっても問題なくコンテナを活用した引越しに対応できます。

これには、海上コンテナを活用します。船を用いて荷物を運搬するのです。基本的には、全国どこからでも対応しています。

海上コンテナであるため、毎日船が出航しているわけではありません。船での移動なので、それなりに日数が必要というデメリットもあります。ただ、沖縄や離島でも対応できるメリットは大きいです。

なお、海上コンテナによる運搬が可能なのは物流企業がメインになります。日通(日本通運)やクロネコヤマトなどは、引越しだけでなく物流会社として機能しています。そのため、こうした会社であると海上コンテナを利用しやすくなります。

もちろん、「アート」「サカイ」「アリさん」など他の一般企業であっても、他会社と提携することで沖縄への引越しに対応しています。

JR貨物のコンテナ便の料金相場

それでは、どのような場合にコンテナ便を利用すればいいのでしょうか。沖縄への引越しを考える場合、海上コンテナを利用すればいいことがわかります。航空便では非常に高額なので、時間はかかるものの海上コンテナを検討する人がほとんどです。

しかし、コンテナ便を利用する人の多くは海上コンテナではなく、JR貨物(電車)のコンテナ便を利用します(沖縄や離島への引っ越し以外)。つまり、通常の陸移動での引越しで活用するのです。

引越しのとき、コンテナの利用に適した人が存在します。それは、かなりの遠方へ引越しをする人です。

500kmくらいまでの距離であると、コンテナを利用するメリットはありません。それなら、トラック便を活用したほうがいいです。「東京-大阪」は約500kmの距離です。東京-大阪は長距離引越しですが、500kmくらいしかないのでトラック便を利用すれば問題ありません。

ただ、以下のような引越しだとコンテナ便の利用まで検討してみるといいです。

  • 東京-福岡:約1,100km
  • 東京-北海道(札幌):約1,150km
  • 大阪-北海道(札幌):約1,500km

コンテナ便を活用すれば、トラック移動のときの人件費や燃料代などが非常に安くなります。基本的には、どれだけ移動距離が長くなったとしても値段はそこまで変わりません。

トラック便であると、距離が長くなるにしたがって値段が跳ね上がるようになります。ただ、コンテナ便だとそういうことがなくなるため、かなりの遠方へ引越しをするときに引越し費用を大幅に抑えられるようになります。

このとき、JR貨物の輸送料金から計算すると、引越し荷物を運ぶときは以下のような料金相場になります。なお、一般的なコンテナサイズである5トン(12フィートコンテナ)で計算を行っています。

  • 東京-福岡:約60,000円
  • 東京-北海道(札幌):約60,000円
  • 大阪-北海道(札幌):約75,000円

JR貨物のコンテナ輸送は単純に「距離(km)×重さ」で算出します。JR貨物で輸送する場合、東京-福岡は1,185kmです。これに5tのコンテナを利用するので、「1,185km × 5t =59,945円 ≒ 60,000円」となります。

ここに、引越し業者の作業代金が加わります。荷物量によって異なりますが、一般的な作業代金は閑散期(5月~翌年2月)であれば2~5万円が加わるようになります。大まかな目安としては、引越し業者への作業代金まで含めると次のようになります。

  • 東京-福岡:約90,000円
  • 東京-北海道(札幌):約90,000円
  • 大阪-北海道(札幌):約110,000円

トラック便で東京-福岡を依頼するとなると、たとえ一人暮らしの単身引越しであったとしても10万円以上になります。2人暮らしでの引越しなら、15万円以上は確実です。

そのため、長距離引越しで移動距離が長くなるほど、コンテナ便による金額面でのメリットが大きくなります。その分だけ料金相場が下がるからです。

なお、コンテナ便を利用するとき、引越しの荷物を詰めたときにコンテナの中がスカスカであっても、ぎっしり詰まれていた場合であっても値段は変わりません。そのため、できるだけコンテナにたくさん詰めることを考えましょう。

ネット上の口コミでは、長距離引っ越しでコンテナ便を利用している人は意外と多いです。こうした口コミが多いのは、値段でのメリットがあるからです。

コンテナのサイズを理解する

ただ、気になるものとしてコンテナの大きさがあります。いくら値段が安いとはいっても、コンテナのサイズが小さければ荷物を詰め込むことができません。格安引越しを実現するためには、同時に「どれだけの荷物を入れることが可能なのか」も理解する必要があります。

一般的な一人暮らしであると、10m2ほどの大きさのトラック(2tショートトラック)になります。トラックの中では小さめのサイズであるため、単身引越しで多用されます。以下のような感じです。

また、これが2人暮らしとなると15~20m2の大きさのトラック(2tロングトラック)となります。荷物量がそれだけ増えるからです。

一般的なJRのコンテナであると、前述の通り5トン(12フィートコンテナ)です。これは、18.7m2に当たります。引越しでいうと、一つのコンテナで「2人暮らし分の荷物を運べる2tロングトラック」に相当します。

そのため単身引越しであっても問題なく対応できますし、2人での引越しでもコンテナにすべての荷物を詰め込むことができます。ダンボールや大型家電製品を含め、コンテナ一つで十分です。

ただ、3人や4人家族など人数が多くなると、一つのコンテナでは大きさが足りません。そうした場合、コンテナをもう一つ追加するなどして対応するといいです。例えば、以下は4人家族での引越しですがダンボールだけでもこれだけの量になります。

ダンボールだけでコンテナの4分の1を占領してしまうほどの量であり、ここに他の家具が加わるようになります。こうしたことがあるため、コンテナ輸送の代金は2倍になりますがコンテナ追加が望ましいです。

格安での長距離引越しを実現させるコツ

コンテナ便を利用できる企業としてはたくさんあります。ただ、業者によって対応していることがあれば、対応していないこともあります。JR貨物や海上コンテナを含め、業者によってサービスプランが違うのです。

少なくとも、日通(日本通運)やクロネコヤマトなどの物流企業は確実に対応できます。また、「アート」「サカイ」「アリさん」などの大手引越し業者でも対応していることが多いです。

例えば、以下はアリさんマークの引越社が出している長距離引越しプランです。

この中にはコンテナ便に関する記載があります。つまり、少なくともアリさんマークの引越社であればコンテナ輸送が可能であることがわかります。

物流企業に限らず、意外と多くの会社でコンテナ便を利用できます。そのため、必ず複数社に見積もりを取ることで値段を比較しましょう。見積もりをもらうとき、トラック便とコンテナ便で見積もりの値段をもらうだけでなく、業者別でも費用を競争させるのです。

最も確実に格安引越しをする方法が価格の比較です。引越し料金を安くするため、相見積もりを実施しましょう。

単身引越しなら単身パックを検討する

なお、一人暮らしで荷物量が少ない場合は単身パックを利用するという方法もあります。コンテナ便にも単身パックが存在します。

例えば日通の単身パックXであれば、2tコンテナを利用した鉄道輸送を行うことができます。一般的な大きさである5tコンテナに比べると、荷物を詰め込める量は半分以下になります。ただ、一人暮らしで荷物量が少ない単身引越しの場合、こうした単身パックで問題ないことは多いです。

鉄道輸送による、日通の単身パックXについては引越し代や輸送代を含めて以下のようなパック料金になっています。

  • 東京-福岡:75,500円
  • 大阪-北海道(札幌):77,500円
  • 広島-北海道(札幌):93,500円
  • 福岡-北海道(札幌):98,500円

いずれにしても、トラック便を活用するよりは大幅に引越し費用を節約できるようになります。

コンテナのデメリットは日数とスケジュール調節

トラック輸送に比べて引越し金額を安くできることから、遠方への引越しをするときにコンテナ便はおすすめです。多くの人が長距離引越しでコンテナを活用するほど、人気の引越し方法です。

それでは、コンテナ便を利用することによるデメリットはあるのでしょうか。当然ながら、メリットだけではないのでデメリットまで理解したうえで利用しなければいけません。

このうち、コンテナ便を活用するデメリットは「荷物の到着までに日数がかかる」「スケジュール調節が大変(海上輸送の場合)」の2つがあります。

・到着まで日数がかかる

遠距離の引越しであると、その日のうちに引越しを完了させるのは難しいです。航空便を使わない限り、当日中に荷物を運び入れることができません。一般的には、例えば東京-福岡であると引越しまでに2日の時間が必要になります。それに対して、JR貨物や貨物船で移動するとなると3日以上の日数になります。

貨物は時間通りに動くようになっています。ただ、必ずしも毎日動いているわけではなく、間に合わせなければ次の時間での発送になります。

また、トラック輸送のように「旧居から新居へ行く」などのように荷物を運ぶわけではありません。通常の物流に乗せるため、拠点ごとにコンテナの積み下ろしをしなければいけません。新居へ直接荷物が運ばれるわけではなく、いくつかの拠点を経て新居の近くにある駅にコンテナが到着するようになります。

JRのコンテナ便を活用する場合、3日以上はほぼ確実にかかるのはこうした理由があります。場合によっては、到着まで7日ほどの時間が必要になることもあります。船便であると、さらなる日数を要するのは普通です。

・スケジュール調節が大変(海上輸送の場合)

JR貨物による輸送であればあまり関係ありませんが、沖縄や離島への引越しなど、貨物船を用いた海上コンテナ便を考える場合、船の出航タイミングを考慮しなければいけません。好きなときにいつでも引越しできるわけではないのです。

引越しをするとき、船が出るタイミングや到着までにかかる時間などを考慮したうえで引越しのタイミングを決めなければいけません。その分だけ、スケジュール調節を考える必要があります。

長距離引越しにおすすめのコンテナ便

500kmを超える長距離の引越しを考える場合、JR貨物や海上輸送でのコンテナ便まで視野にいれましょう。500km以上でなければそこまで意味はありませんが、引越し場所の距離が遠いほど価格面でのメリットが大きくなります。

コンテナとはいっても、ひとつのコンテナには意外と多くの荷物が入ります。2人暮らしまでであれば、一つのコンテナであっても十分な広さになります。一人暮らしであっても、単身パックを活用すれば安い料金相場での引越しが可能になります。

もちろん長距離引越しになるので、コンテナ利用であっても距離面で価格が高くなりがちになるのは覚悟しなければいけません。そのため、必ず複数社の見積もりを取ることで値段を比較するようにしましょう。

引越しの荷物が到着するまでに日数がかかったり、スケジュール調節が必要だったりするデメリットはありますが、費用面でのメリットは大きくなります。コンテナ便を有効活用し、安い金額での引越しを実現させましょう。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

 引越し達人

引越し達人ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。

さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。

 SUUMO引越し見積もり

ただ、引越しの一括見積もりでは登録直後、たくさんの電話がかかってきます。こうした電話が嫌でメールだけで完結したい場合、SUUMO引越し見積もりを利用しましょう。

SUUMO引越し見積もりでは「電話番号の登録が任意」なので、メールだけで見積もりの日程調節が可能です。電話が嫌な場合、リクルート社が運営するSUUMO引越し見積もりを活用しましょう。

おすすめの人気記事

・引越し料金を値切り、最安値の引越しを実現する時期や価格交渉術

引越し価格を安くするためには、適切な方法が存在します。見積もりを比較するのは当然として、例えば休日ではなく平日の引越しにするだけで、1万円以上の値引きは簡単です。

また、同じ日であっても午前の引越しを午後にするだけでも値引きが可能です。こうした価格交渉術について解説しています。

引越し価格を安くする交渉術

・引越しの割引制度(早割、紹介割引、社員割引)に意味がない理由

多くの場合、引越し業者は割引制度を設けています。ただ、残念ながらこうした割引はまったく意味がありません。引越しには定価が存在しないからです。

この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。

引越し業者の割引は無意味

安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備

見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。

ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。

引越し業者の営業マンへの対処法

見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか

実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。

ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。

おすすめの見積もり比較サイト