引越し当日はやるべきことがたくさんあるため、効率よく作業・手続きを進める必要があります。特に当日便での引越しでは、荷物の搬出・搬入を1日で行うことになるため余裕のないスケジュールをこなさなければなりません。

当日中に引越しを完了させられないと、追加費用や余計な手間がかかります。このような事態を避けるためにも、引越し当日の流れを理解して効率よく作業を進めていく必要があるのです。

ただこのとき、引越し当日に効率よく作業を完了させるためには、前日までのスケジュールを理解することも大切です。前日までの作業・手続きが終わらないと、予定・作業が後ろ倒しになって引越し当日のスケジュールに影響してしまうためです。

そこでここでは、当日中に効率よく引越しを終わらせるために前日までにやるべきことと、引越し当日の流れについて解説していきます。

引越し当日までに終わらせておくべきこと

引越しでは当日中に作業を完了させるために、前日までに終わらせておくべきことがたくさんあります。例えば、引越し前日までに終わらせておくべき代表的な作業の一つが荷造りです。

引越し当日までに荷造りが間に合わなかった場合、引越し業者に荷造りを手伝ってもらう必要があります。ただ、引越し業者による荷造りは有料オプションであるため、無料で荷造りを依頼することはできません。

引越し当日に荷造りを依頼するとなると、時間の都合から通常よりもオプション料金が高額になります。また引越し業者のスケジュールに余裕がない場合、業者による荷造り作業を断られるケースもあります。このような場合、業者は荷造りが完了している荷物だけ新居に運ぶことになります。

このような事態を防ぐためにも、引越し当日までに荷造りを完了しておきましょう。

ガスの閉栓・開栓作業や退去立ち合いなどを予約する

また引越し当日には、ガス閉栓・開栓作業や退去の立ち合いなどを行います。場合によっては、インターネットの撤去工事が必要なケースもあります。

これら作業・工事には事前予約が必要です。予約を入れるタイミングが遅いと、希望日に作業・工事してもらえないケースがあります。

特にガス開栓の予約が遅れると、引越し後にガスを使用できない期間が発生します。ガス調理や入浴、暖房などが使えない事態に陥ってしまうのです。

そのためガス閉栓・開栓作業や退去立ち合いの予約は、少なくとも引越しの1週間前までに済ませるようにしましょう。

ガスは引越し作業中、退去立ち合いは荷物の搬出後に行う

このとき、ガスの閉栓・開栓は引越し作業中でも行うことができます。引越し当日はスケジュールに余裕を作るためにも、ガス作業の予約は引越し業者の作業中となる時刻に予約しましょう。

一方で退去の立ち合いは部屋が空でないと行えないので、予約時間を荷物の搬出後に設定する必要があります。このとき、荷物の搬出を行ったらすぐに新居へ向かうのが原則です。新居で引越し業者を長時間待たせると、追加料金請求の対象となるケースがあります。

ただ1時間ほどであれば、引越し業者へ事前に相談することで待っていてもらえるケースが多いです。そのため退去の立ち合い時刻については、事前に引越し業者へ相談した上で、旧居の荷物の搬出終了予定時刻に設定しましょう。

遠方引越しだと、引越し前に役所手続きが必要

引越し先が市区町村内の場合、役所での手続きは引越し後のみ発生します。これに対して市区町村外への引越しでは、引越し前に役所での転出手続きが必要です。

特に引越し先が遠方の場合、引越し完了後に旧居地域へ戻ってくるのは困難です。そのため遠方への引越しでは、引越し前に転出手続きを忘れずに終わらせておく必要があります。

役所での転出手続きには、住民票やマイナンバーカードなどの手続きがあります。場合によっては、児童手当や国民健康保険の手続きが必要となるケースもあります。

役所の転出手続きでは1時間ほどあれば完了するケースが多いです。ただ、役所が混み合っていると半日ほどかかる可能性があります。引越し日の14日前から転出手続きが可能なので、時間が取れる日に役所手続きを終わらせてしまいましょう。

退去費用を節約するために頑固な汚れを掃除しておく

賃貸物件の借主には、部屋の状態を元に戻してから大家に返す義務(原状回復義務)があります。借主の過失で部屋が汚損・破損していた場合、あなたの費用負担で修繕しなければなりません。

当然ながら修繕箇所が多くなると、その分だけ修繕費用が高額になります。そのため退去費用を節約するためにも、立ち合い前に部屋の頑固な汚れを掃除しておきましょう。

例えば水回りや壁紙にカビが発生しているのであれば、塩素系漂白剤を使用してカビを除去しましょう。なお塩素系漂白剤が残っていると壁材などが傷むので、仕上げに水拭きするといいです。

またガスコンロなどに付着している油汚れや焦げ付きは、なるべく除去しておきましょう。そうすることで、退去費用が高額になるのを防ぎやすくなります。

なお部屋の状態に関わらず、入居者の退去後には業者によるクリーニングが入るのが一般的です。そのため部屋をピカピカにする必要はないので、頑固な汚れだけ除去しましょう。

引越し当日に用意する持ち物

引越し前日までの作業・手続きを完了したら、引越し当日の準備を行いましょう。当日に用意する持ち物は以下の通りです。

  • 引越し業者に支払うお金
  • スリッパや替えの靴下
  • スーツケースなど大きめのカバン
  • 掃除用品

これらのうち、引越し業者の利用料金をすでに支払っている場合(または当日にカード払いする場合)は用意する必要はありません。引越し当日に支払う場合、おつりが発生しないように指定金額を事前に準備しておきましょう。

また引越し作業を行うと、旧居・新居ともに床が汚れがちです。引越し作業後の床を歩くと靴下に埃などが付着しやすいため、靴下を汚したくない人はスリッパや替えの靴下を用意しておくといいです。

引越し当日の退去の立ち合いでは、修繕箇所や忘れ物などの確認を行います。このとき、立ち合い時に発見した忘れ物はその場で受け取って自力で運ぶことになります。

そこで引越し当日には、スーツケースや大きめのカバンを手荷物として持っていましょう。このようにすることで、退去立ち合い時に見つかった忘れ物を運びやすくなります。

またスーツケースや大きめのカバンに掃除用品を入れておけば、引越し当日にも退去前の掃除を行うことができます。引越し前日までに掃除を完了できなかったのであれば、掃除用品をカバンに入れて退去立ち合い前に掃除を済ませましょう。

当日での引越しの流れ・やること

前日までの準備ができていれば、当日は引越し業者やその他の会社(ガス会社、不動産会社など)と手続きを進めていくだけです。遠方引越しの場合、当日の流れは以下のようになります。

  1. 引越し前日までに役所での転出手続き
  2. 引越し業者の作業中にガスの閉栓作業
  3. 旧居の掃除
  4. 退去の立ち合い
  5. 宿泊先へ向かう
  6. 荷物の搬入日、朝一で新居へ向かい鍵を受け取る
  7. 荷物の搬入、ガスの開栓作業

遠方への引越だと、荷物の搬入日までホテルなどに宿泊する必要があります。事前にホテルの手配を済ませておきましょう。

なお、引越し先が同一市区町村内など近場の引越であれば、転出手続きや宿泊先へ向かう作業などは発生しません。ただ、基本的な流れは近場引越しでも遠方引越しでも同様です。

また荷物の搬入当日には、朝一で新居へ向かい、引越し業者の到着前に鍵を受け取りましょう。引越し業者が到着したら荷物の搬入を行います。その後、ガス開栓や役所の転入手続き、荷解きなどを進めていきましょう。

引越し当日の流れを理解し、効率よく作業を進める

引越し当日はやることが多く、スケジュールがきつくなりやすいです。引越し当日に効率よく作業・手続きを進めるためにも、前日までにやるべきことを完了させておくことが大切です。

このとき、引越し前日までには荷造りやガス業者などの予約、掃除などを済ませておきましょう。市区町村外への引越しの場合、役所での転出手続きも必要です。これらの作業を終えたら、引越し当日の持ち物を準備して引越し日を迎えるだけです。

引越し業者による荷物の搬出が終わったら退去の立ち合いを行い、完了次第すぐに新居へ向かいます。新居の鍵は引越し当日の朝までに受け取りを済ませ、引越し業者をなるべく待たせないようにしましょう。その後、新居で引越し業者やガス業者の対応を行いましょう。

なお翌日便以降の引越しとなる場合、退去の立ち合いを終えたら宿泊先へ向かうことになります。遠方への引越しで旧居地域での作業・手続きモレがあると非常に面倒であるため、確実に終わらせてから新居へ向かいましょう。こうして前日までの準備と引越し当日の流れを理解して、実際に引越しを行いましょう。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

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