夏休み期間の引越しを考えるとき、気になるのは費用です。特に子どもがいる家庭の場合、夏休みの間に引越しの需要が集中し「値段が高くなるのではないか」と考える人は多いです。
このとき、夏休み中で引越し費用が安い日はあるのでしょうか。また少しでも料金を安くするコツはあるのでしょうか。
さらに夏休みといっても、7月と8月のどちらがおすすめなのでしょうか。また、同じ時期に引越しをするとはいっても曜日によって金額が異なることも頻繁にあります。
そこで今回は、夏休み中の引越し費用の相場や料金を安くするコツ、さらにはおすすめの時期について解説します。
もくじ
夏休み期間の引越しは7月より8月がおすすめ
引越し費用は、主に荷物の量や移動距離、オプションの有無、道路環境、日柄などを考慮して業者ごとに設定されています。
定価が存在しないため、正確にシーズンごとの相場を算出することは難しいです。しかし年間を通してみると、引越しの値段が高い繁忙期と値段が安い閑散期は明らかです。
一般的に引越しの繁忙期は3月と4月です。ただ通年では、夏休みに当たる7月と8月の料金は平均的といえます。
しかし、どちらかというと7月の方が料金はわずかながら高いです。また7月の夏休み期間は、大幅な割引が適用されない場合が多いです。参考までに以下は、大手引越し業者のカレンダーです(赤色部分で料金が安くなりやすいです)。
これを見ると7月の夏休み期間は割引の対象になっておらず、通常料金です。
逆に値引きのある時期は、7月前半の平日(月〜木)です。7月の前半は後半に比べて引越し件数が少ないため、安くなるのです。
夏休みの引越しは、8月の前半にするといい
では8月に引越しをするとき、特に安い日はあるのでしょうか。基本的に引越しはどの業者でも、平日が安いです。
当然ながら、土日だと引越しが混みあうため料金が高くなるのです。
しかし平日でも、8月下旬は9月の新学期スタートに向けて引越しが増えるため、価格は上がります。このため8月の平日を選ぶ場合、前半を優先的に考えるといいです。
8月の引越し料金相場やお盆の料金
では8月引越しの料金相場は、どれほどなのでしょうか。荷物の量、オプションの有無で変わりますが、一般的には以下の通りです。
【8月の料金相場】
引越し人数 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人以上 |
部屋サイズ | 1LDK~2LDK | 2LDK~3LDK | 3LDK | 4LDK以上 |
閑散期 | 6~7万円 | 8~9万円 | 10~12万円 | 15~18万円 |
繁忙期 | 8~10万円 | 11~13万円 | 14~17万円 | 20~25万円 |
ただ上記の料金もお盆になると少し変わります。実際のところお盆については引越しの件数が毎年大幅に変動するため、年によって引越し費用も変わります。
お盆中の方が安いケースもありますが、一般的には引越し料金が高くなるのがほとんどです。このため夏休み期間の引越しでは、可能であれば8月のお盆を避けた日程で組むといいです。
ちなみに我が家はお盆前の平日に引越しをしました。費用を抑えられるうえ、引越し後にお盆休みに入り荷解きにも時間を使うことができました。
良くない?仏滅に引越しをすると安くなる
そのほか仏滅などの日柄を選ぶと、引越し費用が安くなることがあります。参考までに以下は、引越し業者のアーク引越しセンターのカレンダーです。
これを見ると費用が最も安い「超特割(30%オフ)」は、平日の中でも「赤口(しゃっく)、先負、仏滅」が設定されています。特に仏滅は土日であっても「特割(20%オフ)」です。
逆に平日でも、引越しに良い日とされる「友引・大安」は値引率が低いです。実際、前述のサカイ引越しセンターでも、大安は割引の対象から外れていました。
ただ我が家の場合、引越しはお盆前の大安(平日)に行いました。理由は、家族が「日取りは吉日がいい」、「仏滅など日取りが悪いのはダメ」など縁起を気にしたからです。
このようなこともあるため、引越しの日は家族と相談して決めたほうがいいです。しかし良くないとされる日柄でも気にしないのであれば、仏滅や赤口は料金が安くなる可能性があるため、引越し業者に確認してみるといいです。
夏引越しで荷物を減らすために、整理するべき
また暦を選ぶ以外にも、荷物を整理することで、運搬量を減らさなければなりません。特に夏場の引越しでは、以下のポイントを意識して処分しましょう。
①冬物の服を処分する
夏場の引越しでは、冬物のコートやセーターなどかさばる衣類を思い切って処分するといいです。数年着ていないものは、処分の対象になります。
このとき引越し直前は暑くて作業も進みにくいため、引越しをすると分かった時点で少しずつ処分していくのがコツです。
またすべて捨てるのではなく、人に譲ったり自治体のリサイクルなどを活用したりしてみるのもいいです。
③冷蔵庫の食材は処分する
夏場の引越しでは、トラックの中の温度は50度以上になることもあります。このため冷蔵庫に入っている使いかけの調味料や食材は当日までに使い切るようにして、トラックには載せないようにしましょう。
どうしても引越し先に持って行く場合は、クーラーボックスに入れて自分で運ぶようにします。ただし引越し後も冷蔵庫はすぐに使えません。したがって要冷蔵のものは基本的に処分することをおすすめします。
ただし食材は処分しても、お茶などの水分は引越し当日も携帯しておいたほうがいいでしょう。
④必要ない夏用家電は、リサイクルショップを活用する
使わなくなった家電製品(製造から5年以内)があれば、リサイクルショップで売るといいです。
このとき扇風機や除湿機、冷房専用エアコンなどの季節家電は、需要の高まる前に売ると高く売れやすいです。具体的には、夏物家電の高価買い取り時期は4〜6月頃です。
ただし傷みや汚れ、破損があると減額になったり、買い取ってもらえなかったりします。仮に処分する場合、扇風機や掃除機などの小型家電は、燃やせないゴミとして捨てることができます(ただし自治体によって扱いが異なります)。
一方でエアコンや洗濯機などの大型家電は、自治体に収集を依頼、もしくは指定の場所に持ち込む必要があります。
ちなみに私の住む自治体では、一度に引き取ってもらえる粗大ごみは3個までです。予約制となっているため、たくさん粗大ごみがある場合は早目に計画するようにして下さい。
また業者によっては不要品引取のサービスがあるため、確認するといいです。
このように必要なものとそうでないものを見極め、使う見込みのないものは譲ったり売ったりして荷物を減らすと費用も抑えられます。
⑤燃料を処分し、暑さ(熱)に弱いものは自分で運ぶ
冬に使ったストーブの中に、夏まで灯油が残っているケースもあるでしょう。燃料が残っていると引越し業者に運搬してもらえません。
燃料が残っている場合は、外でストーブを焚いて使い切るようにします。ポリタンクの中に灯油が残っているようであれば、ガソリンスタンドで捨ててもらえるため、確認してみるといいです。
また夏場の引越しでは暑さに弱いものは、自分で運ぶようにしましょう。例えばあまり大きくない鉢植えや観葉植物は業者で運搬可能ですが、暑さでしおれたら困るものは、自分で運搬したほうがいいです。
同じくカメラや時計などの精密機器も業者で運搬できますが、熱に弱いパーツもあるため心配な場合は自分で持っていくといいです。
引越しの時間を業者に任せるか、午後にする
荷物を減らすほか、引越しの時間を業者に任せると、値引きしてもらえるサービスがあります。実際、以下はアーク引越センターに記されている文言です。
引越し時間が自由であれば、業者にとってみると空いた時間に引越し作業を行うことができます。
利用者の口コミを見ると、引越しの開始時間は朝一番の8時頃、または14時以降が多いです。したがって近距離や単身引越しなど、午後の引越しになっても問題ない場合は検討してみるといいです。
また時間指定なしは無理でも、引越し開始時間を午後に指定すると、引越し費用がおよそ20%安く済みます。
これらは「午後便」や「フリー便」と呼ばれ、その分だけ金額が安くなります。引越しの終了が夕方以降になるケースも多いですが、夏場だと日差しが和らいで逆に都合の良い場合もあります。
ただ「何時から引越し作業が始まるか」は当日にならなければ分かりません。また午前中の引越し(他の客の引越し)の終了時間次第では、あなたの引越し作業が大幅に遅れることもあります。
この点を考慮した上で、少しでも引越し費用を安くしたい場合は、「午後便」「フリー便」を検討してみるといいです。
一括見積もり請求サイトを活用して、一番安い業者を選ぶ
ただ引越し費用を少しでも安くしようとするとき、一番重要なのは必ず複数の引越し業者から見積もりを取ることです。
引越し費用の基礎運賃は国土交通省の規定があるためどの業者も変わりません。しかし実際には、引越し料金はいい値なので一つの業者だけに依頼すると金額が高くなってしまいます。
例えば、以下はまったく同じ条件であるものの業者によってまったく金額が違った例です。
このように一方は27万円であり、もう一方は19万8,720円でした。あいみつをとるからこそ、最適な値段が分かるようになるのです。
ただ、複数の業者に見積もりを請求するのはとてもめんどうです。そこで一括見積もりサイトを活用しまよう。30秒ほどで入力が完了し、大手や中小の引越し業者を含め複数社へ一気に依頼できるようになっています。
時期や時間で見積もりを比較し、格安引越しを実現する
夏休み中の引越しを考えるとき、7月よりも8月の方が安いです。また8月でもお盆を除く平日に行うと引越し料金を節約できます。また月の後半よりも、前半のほうが安い傾向にあります。
時間については、午後便を利用したりや時間を業者に任せたりすることでも費用を抑えられるケースがあります。日柄については大安だと料金は上がりますが、そのほかの日柄については安くなるケースがあります。
また必要のない家電を売ったり、冬物の衣類を処分したりして荷物を整理するのをおすすめします。
このとき一番安い業者見つけるため、一括見積もり請求サイトを活用し複数の業者を比較しましょう。引越し準備時間の節約にもなるため、賢く活用してみて下さい。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
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・引越し料金を値切り、最安値の引越しを実現する時期や価格交渉術
引越し価格を安くするためには、適切な方法が存在します。見積もりを比較するのは当然として、例えば休日ではなく平日の引越しにするだけで、1万円以上の値引きは簡単です。
また、同じ日であっても午前の引越しを午後にするだけでも値引きが可能です。こうした価格交渉術について解説しています。
・引越しの割引制度(早割、紹介割引、社員割引)に意味がない理由
多くの場合、引越し業者は割引制度を設けています。ただ、残念ながらこうした割引はまったく意味がありません。引越しには定価が存在しないからです。
この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。
安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備
見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。
ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。
見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか
実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。
ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。