子供がいる家庭では、引越しに伴ってさまざまな手続きをしなければいけません。これは赤ちゃんも同様であり、生まれて1歳までの新生児や乳児であったり、それ以降の幼児であったりすると、病院・クリニックでの予防接種について考えなければいけません。

自分の子供にワクチンを打たなければいけませんが、予防接種を適切に行うことで、感染症から我が子を守ることができます。しかし引越しをするとなると、予防接種の途中で病院を変えることになります。この場合、どのようにすればいいのでしょうか。

また、医療機関を受診することになるため、忘れてはいけないものに医療証の手続きがあります。無料で医療を受けるためにも、医療証の手続きが必要になります。

そこで、0歳や1歳など小さな赤ちゃんをもつ人が引越しをするとき、子供の病院をどのようすればいいのかについて解説していきます。

忘れてはいけない医療証の手続き

予防接種が途中であると、ワクチンのことばかりに捉われがちです。ただ、その他にもやることがあります。特に乳幼児や新生児であると、医療費免除の小児医療証が発行されます。多くの自治体で小児医療費助成の制度があるのです。

このとき、出産後に役所で手続きをすることで以下のような小児医療証が発行されるようになります。

ただ、小児医療証は市区町村ごとに発行されます。そのため、引越しによって乳幼児の住民票を市区町村外に移す場合、医療証が使えなくなります。こうしたことから、住所変更に伴って小児医療証を再発行しなければいけません。

これについては、旧居の役所に医療証を返納し、新居の役所で新たに小児医療証を作ってもらうようにしましょう。行うべきこととしては、以下のようになります。

  1. 旧居の役所で医療証を返却する
  2. 新居の役所で医療証を発行してもらう

持参する持ち物としては、印鑑と子供の健康保険証になります。この手続きによって医療費の助成を受けられるようになり、子供の医療費が無料になります。

予防接種を受けるときを含め、医療機関を受診するときは基本的に健康保険証だけでなく医療証の提示が必要になります。そのため、忘れずに行うべきことの一つになります。

0歳の乳児からワクチン接種を開始する

こうした小児医療証の手続きを理解したうえで、引越しに伴って予防接種先を変える方法について考えるようにしましょう。

出産後、新生児(生後1ヵ月)にワクチン接種をすることはほとんどありません。多くは、生後2ヵ月からワクチン接種を開始するようになります。

このとき、特に0歳だとワクチンスケジュールがびっしりと埋まるようになります。0歳の乳児では、以下のような予防接種を受けることになります。

  • 肺炎球菌
  • B型肝炎
  • 5種混合ワクチン
  • ロタウイルス
  • BCG

※5種混合ワクチンには、ジフテリア・破傷風・百日咳・不活化ポリオ・HIB(ヒブ)が含まれています。

これらについて、スケジュールを確認しながら小児科病院・クリニックに連れていって受診するようになります。私の場合も、以下のように子供にワクチンを打ってもらいました。

また、このときはロタウイルスワクチンも打ちました。乳児や幼児であると、ほとんどの子供が罹るのがロタウイルスによる下痢です。ただ、こうしたワクチン接種を実施しておけば症状が軽くなったり、罹らなかったりします。

一度に多くのワクチンを打たれるようになりますが、定期的に通って予防接種をすることで感染症を防げるようになります。

ワクチンというのは、一種類ずつ打っても、同時接種しても副作用や感染症の予防効果に違いがないことがわかっています。そのため、できるだけ同時接種を行うことで負担を軽減するようにしましょう。

住民票を移動し、途中で病院を変わってもいいのか

このとき、引越しをするときに多くの人が疑問に思うこととして、「赤ちゃんの予防接種の予定をどのように組み立てるのか」「病院・クリニックが変わっても問題ないのか」ということがあります。

生後3ヵ月であれば、既に予防接種を1回は受けている段階になります。ただ、1歳になった段階であっても、予防接種は続いていきます。3歳などになっても、日本脳炎を含め他のワクチン接種があります。このとき、どのように対処すればいいのか分からりません。

これについては、問題なく引越しに伴って病院を移すことができます。役所で小児医療証を発行してもらった後、新居の近くにある小児科クリニックへ出向くようにしましょう。

このとき、紹介状をもらっておくとスムーズです。病院やクリニックでは、紹介状を書いてもらえます。

特に0歳や1歳などの乳幼児であると、予防接種の状況が複雑ですし、赤ちゃんごとに特徴も異なります。そうした事前情報がない場合、たとえ医師であっても初診のときは困ってしまいます。ただ、こうした紹介状があればスムーズに引継ぎができます。

紹介状は3,000円ほどで書いてもらえます。「引越しで県外へ出るため、紹介状を書いてほしい」と伝えれば問題ありません。

このとき新居の小児科に紹介状を提示するだけでなく、母子手帳や問診票(予診票)なども持参するようにしましょう。あれば、予防接種券なども持っていきます。

特に母子手帳には、以下のようにワクチン接種の記録があるため、これを見せることで予防接種がどれだけ進んでいるのか医療機関側が把握できるようになります。そのため、母子手帳の持参は必須です。

母子手帳は自治体ごとに様式が異なるものの、全国共通でどこでも利用できます。

一方で問診票については、自治体ごとに白紙の予診票が発行されます。そのため、引越しによって県外の医療機関へ変わることになる場合、再び問診票(予診票)を自分で記入しなければいけないことがあります。その場合、事前に新居にある市役所や区役所などで予診票をもらうようにするといいです。

この場合、役所に伝えることでその場で問診票をもらえたり、郵送で送られたりするようになります。以下は実際に私の家に郵送された予診票です。

こうした必要なものを事前に入手し、新居で通う小児科クリニックで確認してもらうといいです。

乳幼児健康検診も重要になる

なお、定期的に必要になる赤ちゃん関係のイベントとして、ワクチン以外に乳幼児健康検診もあります。これは、新生児(生後1ヵ月)、乳児(0歳)、幼児(1歳以上)での健康状態を確認するために行います。

自治体によって異なりますが、多くは以下の4回で検診を受けるようになります。

  • 生後3~6ヵ月
  • 生後8~10ヵ月
  • 1歳6か月
  • 3歳

どの医療機関であっても、問題なく乳幼児健康検診を受けることができます。引越しをして住民票を移していたとしても問題ありません。母子手帳を持参することで、問題なく乳幼児健康検診を受けられるようになります。

子供が乳児・幼児のときの引越しを乗り切る

出産後2ヵ月になると、子供はワクチンデビューすることになります。そのため、生後3ヵ月以降の場合は引越しをすると、予防接種の途中で病院を変えるようになります。そうしたとき、引越しをしたとしても問題なくかかりつけの小児科クリニックを変更できます。

引越しによって途中で病院を変えるのは仕方ありません。ただ、いまの病院に何も言わずに転院するのではなく、紹介状を書いてもらうなど必要な手はずを整えるようにしましょう。また、新たな病院では母子手帳を持参し、どこまでワクチン接種が進んでいるのか把握してもらう必要があります。

0歳や1歳に限らず、3歳などであっても予防接種があります。子供の予防接種は意外と長く続くため、スケジュールを把握するようにしましょう。

子供の病院関係について、赤ちゃんのいる家庭では引越しに伴って以下の手続きが必要になります。

  • 小児医療証の手続き
  • 新たな小児科で予防接種の段取り
  • 乳幼児健康検診

住民票を移動させた後、こうしたことをする必要があることは理解しましょう。そうして、スムーズに引越しをするといいです。


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