会社を辞めるとき、自己都合で退職する場合がほとんどです。社宅を借りている場合、同時に引越しが必要です。また同棲・結婚や介護といった理由でも、退職すると同時に引越すことがあります。

つまり、退職と引越しはセットである場合があります。このとき、「失業保険の受給手続き」について疑問に思う人は多いです。中には引越しが忙しく、失業保険を受け取ることができるにも関わらず受給できない人も見受けられます。

そうしたとき、引越しのパターンによってどのような手順を踏んだらいいか、また失業保険を受給するにはどうしたらいいか明確になっておけば、疑問も解消してスムーズに失業保険を受け取れます。

ここでは「引越しを伴う退職の場合の失業保険の手続き」について、手続きの手順や揃えるべき書類について解説します。

失業保険の手続きに必要なもの

まず、失業保険を受けるには何が必要でしょうか。失業保険の手続きに必要なものは以下の通りになります。

  • 離職票
  • 雇用保険被保険者証
  • 証明写真(横3cm縦2.5cm)
  • マイナンバー(通知カード・番号の記載のある住民票でも可)または本人確認証
  • 印鑑
  • 通帳

以下で簡単に解説していきます。

・離職票

勤めていた会社の社会保険労務士または人事担当者が雇用条件や退職理由に従って離職証明書を作成し、ハローワークに届け出ます。ハローワークは届出内容を確認後、離職票を会社に交付します。離職票は会社から退職後に郵送されてくるので見逃さないようにしましょう。

なお、送付された書類について疑問がある場合、早いうちに勤めていた会社の人事担当者に連絡し相談しましょう。

雇用保険被保険者証

以下の写真が雇用保険被保険者証です。

雇用保険被保険者証も、就職していた会社からもらえます。離職票とセットで郵送されてきます。

・証明写真

こちらは2枚必要なので要注意です。なお、2枚必要な理由は不明ですがハローワークに来所する人物との照合にしか利用されないため、履歴書ほど気にする必要はありません。

しかし、横3cm縦2.5cmというサイズは履歴書の写真のサイズとは異なります。そのため、履歴書用の写真(縦4.0cm横3.0cm)を撮って、横3cm縦2.5cmに小さく切るという方法もあります。このほうが無駄なく利用できます。

マイナンバーまたは本人確認証

マイナンバーカード(通知カード・個人番号の記載のある住民票)または本人確認証が必要です。使用できる本人確認証には、例えば以下があります。

  • 運転免許証
  • パスポート
  • 在留カード

印鑑

確実に必要になるので忘れずに持参しましょう。

通帳

確実に必要になるので忘れずに持参しましょう。インターネットバンクや外資系の銀行の口座は使用できません。

失業保険を受給中に引越す場合の注意点

そうしたとき、退職後に引越す場合はどのような手続きが必要になるのでしょうか。失業保険の受給を受けるのは居住地を管轄するハローワークです。引越しをしたなら、引越し先のハローワークで手続きをしなければいけません。

いま失業保険を受給中の場合、引越し先のハローワークには印鑑と住民票だけ持っていけば、その他は引越し前のハローワークから自動的に引き継がれます。しかし、振込先の銀行を変更したい場合は通帳も持参しましょう。

また、失業保険を受給するのに必須なのは「求職活動」です。月に2回以上はハローワークに出向いて就職先を探したり、家でハローワークのホームページにログインして就職先を探して印刷したりしなければいけません。

このとき注意しないといけない点は、以下のことです。

  • 「就職活動をした」と分かるように求人情報を印刷する
  • ハローワークに登録してある就職先の中から自分に合った条件の求人を探す

以上の求職活動が失業保険を受給するための義務になります。これらの求職活動は引越し先のハローワークで行いましょう。

そのためにも、引越し先のハローワークに印鑑と住民票を持って速やかに登録し、受給日までに求職活動を行えるように準備しましょう。

引越してから、失業保険を受給する場合

一方で引越してから失業保険を受給する場合、引越し前のハローワークで行う手続きは何もありません。すべての手続きは、引越し先でのハローワークで行うことになります。

自己都合で退職する場合も、会社都合で退職する場合も、退職後の7日間は求職活動をしてはいけないという決まりがあります。

そのため引越しと退職がセットである場合、この7日間を引越しの期間に当てることをおすすめします。しかし、引越しは1~2日で完了するのが一般的です。新しい転職先を探したい気持ちがあっても7日間は求人活動をしないように注意しましょう。

このとき、退職後1年は失業保険を受給する資格があります。

しかし、失業保険は退職後にできるだけ早く申請し、受け取るほうがいいです。そこで新居に引越したら7日間の求職活動の禁止の決まりだけ注意して、申請できるようになったら書類を持ってハローワークに行きましょう。

ハローワークにて失業保険の申請を行い、求職活動をスタートさせます。ハローワークで仕事を探すことで、ようやく失業手当を受給できます。

自己都合退職の場合、3ヵ月は手当てを受給できない

このとき、自己都合退職の場合はさらに注意しなければいけないポイントがあります。申請をして求職活動しても、3か月給付制限の期間があるのです。つまり、3ヵ月間は失業保険を受給することができないため、収入はゼロになります。

転職は期間を開けずに行うことがベストです。ただ、「この3か月以内に就職先が決まってしまったら、失業手当はもらえないのか」と気になる人もいると思います。

しかし、条件を満たしていれば失業手当の代わりに、再就職手当を受給することができます。

再就職手当とは、失業保険の受給期間中に再就職が決まった場合、受給すべき残りの日数が3分の1以上あり、要件を満たせばまとまった金額が受給できるものです。

例えば、29歳で失業保険に加入していた期間が4年間である場合、90日間は失業保険を受給できます。失業保険を受給できる日数は失業保険に加入していた年数や、年齢によって異なります。そのため失業保険を受給できる日数は、失業保険を受給する手続きをしたときに決定しています。

この受給できる日数を考慮し、再就職手当として受給できる金額は、「残日数 × 基本手当日額 × 給付率」です。

この「給付率」について残日数により以下の通り計算されます。

  • 残り3分の2以上:70%
  • 残り3分の1以上、3分の2未満:60%

例えば「3ヵ月経過せずに転職し、失業保険の給付日数が90日全て余った」という場合は以下のようになります。

  • 90日 × 基本手当日額(6029円とする) × 70%=37万9827円

つまり、3ヵ月間のうちに転職が決まった場合は37万9827円が再就職手当として振り込まれます。

受給できる金額がすべてもらえるわけではないので、一見すると再就職手当は損をしているように見えます。ただ、就職したら当然ながら給料をもらえます。給料に加えて再就職手当ももらえるので、結果的に生活にはゆとりができます。

引越しをしたら、再就職手当を受給できるように就職活動をしたほうがいいです。さらに、早めに就職をしたほうが再就職手当の受給額は大きくなります。このように考えると、引越し後の就職活動にも精が出ます。失業保険の期間が終わるまで、転職活動をストップさせる意味はありません。

再就職手当を受給するまでの流れ

次に、再就職手当を受給するための手順を説明します。

ハローワークで紹介される就職先の中で、就職先が決まったらハローワークに報告しましょう。ハローワークや転職サイト経由の就職でなければいけません。

※ハローワークや転職サイト経由ではなく、自ら求人先へ直接応募した場合は再就職手当の対象外です。

その後、「受給資格者のしおり」に入っている「採用証明書」を再就職先に持っていって記入してもらいましょう。失業保険を受給する手続きをする際に、受給資格者のしおりが必ず配られます。以下の写真が「受給資格者のしおり」です。

なお、就職日の前日にハローワークで最後の失業認定を受ける必要があります。このとき必要なのは以下のものです。

  • 採用証明書
  • 失業認定申告書
  • 雇用保険被保険者証
  • 印鑑

これらをハローワークに持っていき、再就職手当支給申請書を貰います。その後、再就職先で「再就職手当支給申請書」の事業主欄に記入してもらい、自分自身は同じ紙の申告者欄に記入します。

この用紙をハローワークに提出または郵送すれば再就職手当を受給できます。約1ヵ月後に通知書が自宅に郵送され、その1週間後に口座に振り込まれます。

引越し後に同棲を始める場合の失業保険について

多くの場合、これらのケースを理解するだけで問題はありません。ただ、結婚する場合の退職はさらなる注意が必要です。

結婚を前提にカップルが同棲をするケースは多いでしょう。結婚&引越しを理由に退職する場合、2パターンに分かれるようになります。それは、「結婚後の退職」と「退職後の結婚(未婚の退職)」です。

結婚(籍を入れる)してからの退職と未婚の退職では、どちらも「自己都合による退職」であることには変わりありません。ただ、以下のように扱いが異なります。

  • 結婚に伴う住所変更をした離職者:特定理由離職者(正当な理由のある離職者)
  • 同棲に伴う住所変更をした離職者:一般の自己都合離職者

上記の通り、「籍を入れているかいないか」で離職者の扱いが異なる場合があります。一般の自己都合退職の場合、申請をして求職活動を行っても3ヵ月給付制限の期間があります。

一方、特定理由離職者(正当な理由のある離職者)の場合はこの3か月給付制限の期間の制限がありません。それでいて、給付される総額や日数は同じです。

「すぐには転職もできない状況なので早めに手当が欲しい」と考えている人だと、結婚を前提にした同棲であるならば、籍を入れてから退職したほうがお金の面では助かります。

ただ、会社によっては「結婚だけでは特定理由離職者(正当な理由のある離職者)に該当しない」という場合もあるので、あなたの会社の社会保険労務士や人事担当者に確認しましょう。

引越しで忙しくても最低限これをしないと失業保険は貰えない!

ここまで、失業保険を受給するための手続きについて説明しました。しかし、それだけでは失業保険を受給できません。最低限、以下のことをすることが失業保険を受給するための義務になります。

  • 雇用保険説明会に参加する
  • 月に2回は求職活動を行う
  • 認定日にハローワークに行く

それぞれ、確認していきます。

・雇用保険説明会に参加する

失業保険を受給する手続きを終えると、雇用保険説明会の日時を決められます。この雇用保険説明会に参加することで失業認定日が決定されます。以下の写真が失業認定日の例です。ピンクの〇が付いている日が認定日になります。

雇用保険説明会は1回だけ行けばいいです。引越しで忙しくても、雇用保険説明会は予定を空けておくようにしましょう。

・月に2回はハローワークに行く

雇用保険説明会で決められた失業認定日までの間に、2回以上は求職活動をする必要があります。家のパソコンで調べたハロワーク求人を印刷したり、ハローワークに出向いたりする必要があります。

前述のとおり、この求職活動は「ハローワークに登録されている職場」の中で求人を探す必要があります。インターネットで適当に探した求人を印刷するのはカウントされません。

・認定日にハローワークに行く

雇用保険説明会で認定日を決定され、同時に失業認定申告書を受け取ります。

認定日には必ず失業認定申告書を持参することになります。例えば、以下の写真のようになります。

この写真の例のように、「どのような求職活動をしたか」を申告する必要があります。

認定日にハローワークに行き、転職できていな状態であれば、約1週間後に失業保険を受給できます。引越しで忙しくてもこの認定日は逃さないように注意しましょう。

失業保険を受給することは労働者の権利

引越しを伴う転職をする人は多いです。しかし、失業保険を受給するには説明したような手続きが必要になります。また月に2回以上求職活動を行ったり、認定日にハローワークに行ったりしなければいけません。

それでも、あらかじめ受給方法を知っていれば、引越しの合間に受給のための予定を入れることは不可能ではないはずです。

「引越しが忙しい」という理由で失業保険を受給できない事態はもったいないです。またすぐに転職先が決まったとしても、再就職手当を利用することで高額なお金を受給できます。失業保険の制度を活用せずに転職するのは避けましょう。

労働者の権利である失業保険を理解し、正しい手順を学びましょう。そうして、引越しを伴う退職であっても失業保険の制度を上手に利用するといいです。

引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

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一般的に引越しの一括見積もりでは登録直後、たくさんの電話がかかってきます。こうした電話が嫌でメールだけで完結したい場合、SUUMO引越し見積もりを利用しましょう。

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