引越しのときに必ず必要になるものとして、トラック輸送があります。トラックに荷物を運搬することで、新居に運ぶのです。

ただ、このときどれくらいの荷物量になり、いくらの値段になるのか見当がつきません。トラックの大きさによって引越し代が大きく変わってくるのですが、そもそもどれだけのサイズのトラックになるのか素人では判断しにくいのです。

それでは、どのように考えて荷物量からトラックのサイズを確認すればいいのでしょうか。ここでは、2tトラックや3tトラックなど、トラックの大きさごとの積載量や金額の目安を含めて解説していきます。

トラックの大きさに比例して値段が高くなる

引越しをするとき、必要な費用の相場は「荷物量」「引越し時期(閑散期か繁忙期か、平日か休日か)」「距離」などを勘案して総合的に決まります。

このうち、荷物量は値段を押し上げる非常に重要な要素になります。荷物量が多いと、その分だけ大きいサイズのトラックを依頼しなければいけないからです。

一般的には、トラックサイズが2倍になると引越し代も2倍になります。

例えば、2tショートトラック(たたみ3畳分)の引越し代が3万円だったとします。この場合、2tロングトラックや3tトラックのように荷台が大きくなるに従い、価格の目安は2倍や3倍に膨れ上がるようになります。

このように、トラックの大きさが値段に大きく影響します。ただ、これらの値段は基本価格であり、実際にはこれにオプション代などが加わります。3月や4月などの繁忙期であれば、さらに大幅な加算があります。

これらを考慮すると、近距離で引越しをする場合、大まかな金額の目安としては以下のようになります。

引越し人数単身・一人暮らし2人3人4人以上
トラックサイズ2トンショート2トンロング3トン4トン以上
部屋サイズワンルーム~1LDK1LDK~2LDK2LDK~3LDK3LDK以上
閑散期3~4万円6~7万円8~9万円10~12万円
繁忙期5~6万円8~10万円11~13万円14~17万円

近距離での料金相場なので、長距離引越しになると当然ながら価格は上がります。あくまでも目安として考えてください。

もちろん、一人暮らしで荷物量が少ない単身引越しであると、軽トラックを利用するなどトラックサイズを小さくすることで引越し代を安くできます。いずれにしても、引越し価格はトラックサイズに大きく左右されると考えてください。

トラックの種類で異なる積める荷物量

多くの人は格安引っ越しを実現したいと考えます。引越し代を浮かせたい場合、小さい大きさのトラックを依頼すれば問題ありません。

ただ、トラックサイズが小さい場合、荷物がすべて入らないことがあります。荷物が乗り切らない場合、追加でトラックを依頼しなければいけません。そうなると当然ながら追加料金が発生します。当日のトラック依頼は割引がなく、結果として非常に高額な引越し代を請求されるようになります。

そこで、どれだけの荷物量であれば、どの大きさのトラックが適切なのかを把握しておかなければいけません。荷物の高さについては基本的に心配する必要はないものの、容量はかなり重要になります。何トンのトラックサイズにするのかについては、高さではなく荷物量で決めていきます。

これを理解するため、トラックサイズ別に詰め込みできる荷物量を種類別(サイズ別)に確認していきます。

軽トラック:荷物の少ない単身引越し

一人暮らしの中でも、非常に荷物が少ない場合は軽トラック(1tトラック以下の車)を利用して問題ありません。ただ、ワンルームを含め、荷造りの量がかなり少ない場合に限ります。

以下は実際に軽トラックへ荷物を運び入れたときの様子です。

冷蔵庫と洗濯機を積み込みしただけで、半分のスペースが埋まってしまいました。あとはベッドを載せたり、すき間にダンボールを積んだりしたらいっぱいになってしまいます。軽トラックを含め、1tトラック(1.5tトラック)以下は意外と狭く、そこまで荷物を積むことはできません。

スペースとしては1.5畳くらいの広さになります。あまり荷物を積むことはできないため、荷物の少ない単身引越しに向いています。

なお、赤帽などの個人事業主に依頼しなくても、サカイ引越センターなど大手でも軽トラックによる格安引越しに対応しています。個人事業主の引越し業者だと養生がなく、さらには荷物の運搬を手伝わなければいけません。適切な業者に依頼すれば、そうした作業がなくなります。

2tショートトラック:一人暮らしの引越し

一人暮らしの単身引越しをするとき、最も活躍するのが2tトラック(2tショートトラック)です。引越しでは一人暮らしの引越が最も多く、たくさんの人が活用するトラックになります。

2tショートトラックは3畳分の大きさがあります。これだけの大きさがあれば、「ダンボール20個&テレビ・冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・自転車」など、一人暮らしの引越しで必要な荷物をすべて積み込むことができます。

ワンルーム~1LDKの部屋に住んでいる人が依頼するトラックになります。軽トラックでは運べなかった荷物であっても、2tショートトラックなら対応できます。

道幅は3m以上あれば通ることができます。一般的な車が通過できる道であれば、どこであっても入れます。

2tロングトラック:二人暮らしの引越し

ただ、二人暮らしになると2tショートトラックでは荷台が狭く、すべての荷物が入らないようになってしまいます。また、一人暮らしであっても荷物量が多いと積み込みできません。特に女性だと、荷物量が多くなりがちです。

そうしたとき、2tショートトラックよりも少し大きい2tロングトラックを利用します。約4.5畳分の大きさのトラックになり、これであれば二人暮らしであっても問題なくすべての荷物を運搬できるようになります。

参考までに、私が夫婦での二人暮らしの引越しで利用したのが2tロングトラックでした。結婚時に利用したのですが、冷蔵庫2台、洗濯機、タンス、(妻の)化粧台などいろいろ積み込み、以下のように収まりました。

閑散期の近距離引越であり、オプション代を含めて引越し代は75,000円でした。

1LDK~2LDKの部屋サイズで活用されるのが2tロングトラックです。ただ、二人暮らしであっても荷物が多いと収まりきらなくなるため、荷物量が少なめの二人暮らしの引越しに適しています。

なお、道幅は4mあれば通ることができます。

3tトラック:三人家族の引越し

荷物が多めの二人暮らしだったり、三人家族だったりする場合、3tトラックになります。たとえ子供が小さかったとしても、おもちゃや遊具などでいろいろと荷物が多くなります。その場合、3tトラックを依頼することになります。

荷台の大きさは6畳ほどになります。2tロングトラックよりも、少し大きいサイズのトラックです。

以下は私の兄夫婦が引越しをしたときのトラックです。アート引越センターに依頼しましたが、既に子供のいる家庭だったので荷物量が多くなり、3tトラックを依頼することになりました。

2LDK~3LDKの部屋に住んでいる場合、3tトラックを依頼することになります。積載量はそれなりに多いため、三人家族などで荷造りの量がそれなりにある場合は3tトラックを活用しましょう。

なお、道幅については2tロングトラックと同じ4mあれば問題ありません。

4tトラック:四人家族以上の引越し

3LDK以上の部屋に住んでいたり、四人家族だったりする場合、必然的に荷物量が多くなります。たとえ3LDK以上でなかったとしても、子供や親がいて四人家族以上だと、荷物が増えて部屋の密度が高まり、どうしても荷物量が増えてしまうのです。

そうしたとき、4tトラックを活用します。9畳分の大きさをもつのが4tトラックです。

以下は4人家族で引越しをしたときの様子です。賃貸マンションから、新築一戸建てへの引越しだったのですが、荷物量が多く4tトラックを依頼することになりました。

三人家族であっても、荷物が多い場合は容量の大きい4tトラックを活用することがあります。賃貸マンションの部屋の大きさや家族の人数は関係しますが、何トンのトラックを依頼するのかについては、やはり荷物量によるのです。

今回の引越しでは、ダンボールだけでも40箱以上が積みあがるようになりました。以下のような感じです。

そのため、かなり大きいサイズのトラックを依頼することになりました。

参考までに、このときは4月頭の超繁忙期であり、エアコン取り外しや食洗器の設置を含め、オプションもかなり付け加えた引越しでした。近距離での引越しでしたが、トラックサイズが大きく、超繁忙期でオプションも加わったことがあり、引越し代は248,400円と高額でした。

閑散期であればオプション代を入れても15~18万円ほどに落ち着いたと思いますが、繁忙期だとやはり費用は高くなります。なお、道幅は6mあれば通ることができます。

より積載量の大きいトラックも可能

場合によっては、4tトラックでも容量が足りず全ての荷物が入らないことがあります。その場合、さらに積載量のあるトラックを依頼することがあります。

四人家族や五人家族であったり、賃貸マンションの一室が倉庫になっていて荷物量が多かったりする場合、4tトラックでは積み切りできないことがあるのです。そうしたとき、12畳分のトラックをお願いするようになります。

以下のようなトラックになります。

「アート」「日通」「サカイ」「アリさん」「クロネコヤマト」を含め、大手引越し業者であってもこのサイズのトラックを自社保有していないことが多いです。もし保有していたとしても、繁忙期だとトラックが余っていません。

そうしたとき、引越し業者側でこうしたサイズのトラックをレンタルしてくれます。あなたが心配する必要はなく、必要な大きさのトラックを用意してくれるのです。

なお、道幅としては8m以上が必要になります。

トラックで考えるべき道幅の問題

一般的な車と違い、トラックは大きい車に分類されます。特にトラックサイズが大きくなると、道幅がそれなりに広くなければ道を通ることができません。そのため、引越し業者に見積もりをもらうとき、新居の賃貸マンション(または新築マンションや一戸建て)の目の前にある道幅がどうなっているのか正確に伝えるようにしましょう。

旧居については、営業マンが見積もりに来るので道幅の様子が分かります。ただ、新居の様子は不明です。そのため、道幅を教えなければいけません。

もし、3tトラックや4tトラックなど大きいサイズのトラックを依頼することになり、新居の道幅が狭い場合、トラックは道を通ることができません。

その場合、かなり遠くに駐車する必要が出てしまいます。または、小さいトラックへ荷物の積み替え作業をしなければいけません。歩いての長距離運搬や荷物の積み替え作業が発生するため、このときは追加料金を取られてしまいます。

その場合、大きいトラックを1台お願いするのではなく、最初から「2tショートトラック × 2台」などで対応するようにしましょう。荷物量が多いとき、大きいトラック1台ではなく、小さいトラック2台(または3台)で対応すれば、問題なく荷物を入れることができるようになります。

例えば、以下は2tショートトラックが狭い道を通過している様子です。2tロングトラックでも通過が難しい道幅であるため、2tショートトラックでの引越しです。

トラックサイズが大きい場合、「通れない」という問題が起こります。たとえ一人暮らしの単身引越しであったとしても、荷物量が多くなると2tロングトラックになります。この場合、道幅4m以上が必要になります。

新居の道幅は意外と重要です。トラックが通れないことがあるため、訪問見積もりのときは営業マンへ道幅について伝えるようにしましょう。

駐車スペースの問題は仕方ない

なお、引越しのときに問題になりやすいものとして、駐車場があります。ただ、旧居や新居の目の前に駐車場がある家は少ないです。要は、トラックを止める場所がないのです。

そのため、ほとんどのケースで路上駐車となります。周辺住民へ迷惑をかけることになりますが、道路にトラックを停車させるのは仕方ないと考えましょう。

引越しのとき、駐車場がない場合はどの引越し業者も路上駐車することになります。そのためお互い様であり、特にあなただけが悪いわけではありません。引越し作業の数時間くらいは我慢してもらうのが適切です。

先ほどの「道幅が狭い場所への引越し」であっても、以下のように路上駐車しての作業になりました。

車が来た場合は引越し業者がそのつど移動させていましたが、いずれにしても臨機応変に業者が対応してくれます。

ちなみに、引越し業者は道路使用許可を取る必要がありません。道路使用許可を取るように、特に警察から言われることもありません。大通りをふさぐケースでない限り、道路使用許可は不要なのです。

引越し業者が駐車違反を取られることはありませんし、特に許可が必要なわけでもありません。そのため、駐車問題についてはあなたが心配しなくてもいいです。トラックを止める場所についても、すべて業者に任せましょう。

・レンタカーを借りての引越しはおすすめしない

なお、中にはレンタカーを借りて自力で引越しをしようとする人がいます。ただ、これはおすすめできません。レンタカーで借りるにしても、1tトラックあたりが限界だからです。積める荷物は非常に少ないです。

その結果、何往復もする必要が出てきてレンタカーを借りる時間を大幅に過ぎてしまい、追加料金が発生することはよくあります。

また、「積み方はどうなるのか」「ロープやブルーシートを使って縛るにはどうするのか」「荷台への固定方法はどうすればいいのか」などを考えなければいけません。

さらに引越し業者ではないため、路上駐車をして車を離れると駐車違反の切符を切られることもあります。そうなると無駄に費用が積み重なるようになり、結果的に引越し業者に依頼するよりも大幅に引越し料金が高くなります。

トラックの種類を把握し、適切な料金で依頼する

引越しをするとき、トラックなしの引越しはほぼ無理です。「ダンボールに詰めた荷物だけを送りたい」などのケースでない限り、トラックを使わないという選択はあり得ません。

そこで、トラックの種類や積載量(どれくらい積めるのか)を理解するようにしましょう。荷物量が多くなり、トラックのサイズが大きくなるほど引越しに必要なお金が増えるようになります。

いくらの費用相場になるのかについては、このページで述べてきました。部屋サイズや家族構成によって変動しますが、荷物量の目安から必要なトラックサイズや金額の目安を把握するようにしてください。

このとき、安い引越しを考えて実情よりも容量の小さいトラックを依頼してはいけません。下手に小さいトラックをお願いすると、荷物が乗り切らないようになってしまいます。大きすぎるトラックは必要ありませんが、値段だけを見て小さすぎるトラックを依頼するのも問題なのです。

これに加えて、新居の道幅まで考慮するようにしましょう。トラックの駐車や止める場所についての心配は不要ですが、道幅については重要になります。

ここまでを理解したうえで見積もりを依頼すれば、適切な大きさのトラックを選択できるようになり、見積もりを比較することで安い引越しを実現できるようになります。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

引越し侍

引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。

さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。

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