引越しをするときは荷造り・梱包をしなければいけません。ただ、大型家電についてはダンボールに入らないため、事前の荷造りは不要です。これは、食洗器(食器洗い機や食器洗い乾燥機)も含みます。

ただ、大型家電では引越しのときに特別な注意をしなければいけないことが多いです。事前の荷造りは必要なくても、引越し日の当日に行うべきことがあるのです。特に食洗器は注意点が多く、余計に引越し費用がかかったり、後で取り外し・取り付け工事が必要になったりします。

場合によっては、いまある食洗器を捨てなければいけないケースに遭遇することもあります。

それでは、具体的に食洗器の引越しではどのような点に注意しなければいけないのでしょうか。食洗器で重要となる分岐水栓や料金相場について確認していきます。

卓上型の食洗器は分岐水栓が必須

冷蔵庫や洗濯機を含め、これらの家電製品は引越しをした後に置いて電源を入れるだけで問題ありません。運び方に多少の注意は必要であるものの、家の中に入るのであれば問題なくそのまま使えるようになります。

一方で食洗器であると、引越しをして新居に運び込んだとしても、ほとんどのケースでそのままの状態では利用することができません。食洗器には分岐水栓が必要になるからです。

例えば、以下は私が使っていた卓上型の食洗器(パナソニック)です。

私は単身・一人暮らしのころから食洗器を使っており、当然ながら結婚して家族ができたいまも食洗機は必需品です。単純に洗い物の作業が面倒だからです。

ただ、食洗器を取り付けるためには分岐水栓が必要です。以下のように、通常の水道の蛇口とは別に水が出る場所を設ける必要があります。

通常、最初から分岐水栓が設置されている賃貸マンション・アパートは存在しません。単に水が出るだけの設定になっています。そのため、食洗器の引越しでは必ず分岐水栓を取り付けるための工事が必要になります。

このとき、分岐水栓を取り付けるとはいっても、「以前の賃貸不動産で使っていた分岐水栓を取り外し、それを活用すればいい」と考える人は多いです。しかし、残念ながら以前に使っていた分岐水栓が新居の水道に合う確率は限りなく低いです。

まず、分岐水栓は規格が統一されておらず100種類以上あります。メーカーよって異なりますし、型番によっても違います。水道の形や水栓の形状によって、当然ながら選ぶべき分岐水栓が変わってくるのです。適切な分岐水栓を選ぶ必要があるため、賃貸マンションのキッチンごとに適切な分岐水栓を選ばなければいけません。

自分で分岐水栓の工事をしてもいいですが、「100種類以上ある分岐水栓の中から、最適なものを選んで注文しなければいけない」「専用の器具を用いての工事が必要」という作業が必要になります。そのため、多くの人は業者を活用して分岐水栓を選んでもらい、さらには取り付け作業をしてもらいます。

賃貸で食洗器を設置するまでの流れと料金相場

それでは、賃貸マンションへ引越しをするとき、どのようにして水道の分岐水栓の取り付け作業を行い、食洗器を設置すればいいのでしょうか。

・分岐水栓の発注を行う

最初に行わなければいけないものとして、水道に取り付ける分岐水栓の注文があります。これについては、賃貸不動産の管理会社に問い合わせるようにしましょう。

賃貸マンション・アパートに住むとき、ほぼ確実に管理会社が間に入っています。管理会社に問い合わせをすることで、専門の人にキッチンの水道を確認してもらい、どの分岐水栓を発注すればいいのか調べるのです。

当然、このときは大家に対して事前に「分岐水栓を取り付けても問題ないか」を確認する必要があります。そのため、管理会社に問い合わせをして分岐水栓の工事をしたいことを伝えるとともに、どの分岐水栓を発注すればいいのかついでに聞いてしまいましょう。

または、自分で既存水栓の品番を調べて適切な分岐水栓を注文するという方法もあります。キッチンの水栓については、ほとんどのケースで水栓や蛇口のどこかに品番が記載されています。例えば、以下のようになります。

その後、既存水栓の型番から最適な分岐水栓を選びます。「パナソニックの公式サイト」にいけば、調べた既存水栓の型番を入力することで、どの分岐水栓を購入すればいいのか教えてくれます。

また、パナソニックでは「キッチン水栓の写真から適切な分岐水栓を教えてくれるサービス」も行っています。こうしたサービスを利用しても問題ありません。

食洗器のほとんどはパナソニック製です。そのため、多くの人で活用できるサービスになります。

必要な分岐水栓が判明した後、家電量販店かネットショップ(Amazonなど)で注文するようにしましょう。分岐水栓は意外と高く、1万円ほどすることもあります。一般的な分岐水栓の料金相場は5,000~13,000円です。

・分岐水栓を取り付ける

多くの場合は引越し業者に分岐水栓の取り付け作業を依頼します。このとき、分岐水栓がなければ取り付け作業をすることができません。そのため、必ず事前に分岐水栓を注文して用意しておくようにしましょう。

引越しのとき、「旧居で食洗器の分岐水栓を取り外す作業」と「新居で分岐水栓を取り付ける作業」が必要になります。このときの料金相場としては、旧居での取り外しと新居での取り付けを含め、10,000~15,000円ほどの工事費用が必要になります。

例えば、以下では12,000円のオプション代となり、見積もりのときに別料金で工事費用が発生しました。

引越しをするとき、別料金を発生する家電製品は多いです。洗濯機、エアコンなどが代表ですが、食洗器の工事費用も別途費用が必要になるのです。

ビルトイン食洗器なら工事不要になる

このように食洗器では分岐水栓や工事費用が発生するため、引越し代金は必然的に高くなってしまいます。引越し業者に工事を依頼するのが普通ですが、必ず工事代金を請求されるようになります。

ただ、賃貸物件によっては食洗器がシステムキッチンの中に備え付けられているものがあります。これをビルトイン食洗器といいますが、以下のようになります。

ビルトインでは食洗器が既に備え付けられているため、分岐水栓や工事費用などの心配をする必要はありません。卓上型の食洗器で心配するべきことをすべて排除できます。

もちろん、ビルトインが備わっている賃貸マンションは少ないです。数は少数ですが、ビルトイン食洗器付きの賃貸マンションであれば食洗機に関わるすべての問題を解決できます。

引越し前に行うべき水抜き

食洗器の引越しをするとき、必ず事前に確認するべきものに分岐水栓があります。分岐水栓がなければ、食洗器を使うことができません。

ただ、引越し前までに行うべきものが他にもあります。それは、食洗機の水抜きです。

食洗器では、必ず庫内に水が残っています。これは、排水ホースから発せられる臭いを封じるためです。ただ、引越しのときにそのままの状態で運搬すると水漏れが起こってしまいます。そこで、事前に水抜きをしておきましょう。

引越し前の水抜きでは、「乾燥だけの運転」を2~3分ほど行ってください。そうすれば、食洗器の中に溜まった水を排出できるようになります。

また、排水ホースの中に水が溜まっていることがあります。そのため食洗器内の乾燥だけでなく、排水管(排水ホース)にある水についても事前に出しておくといいです。

手順は簡単であり、コンセントを抜いてホースを外すだけです。これにより、排水ホース内の水抜きが完了します。

実際の工事工程

旧居から新居に食洗器を運搬する場合、食洗器につながっている分岐水栓の取り外しをしなければいけません。こうした作業は専門の業者が行うことがあれば、引越し業者が行うこともあります。

たとえ見積もりのときに引越し業者経由で食洗器の運搬をお願いしたとしても、食洗器の取り外しと設置作業については、専門の業者が行うことがあるのです。

食洗器の引越では、最初に以下のように分岐水栓を取り外すための工事をしていきます。

その後、分岐水栓だけを取り外し、元通りにすれば完成です。

なお、今回は5年ほど住んでいた家だったため、かなり力を加えないと分岐水栓を取り外せず、工事業者から「もしかしたら曲がるかもしれませんがいいですか」と言われました。ただ、取り外さないとどうしようもないため、そのままお願いすることにしました。

そうして新居へ食洗器を運搬してもらった後、同じように分岐水栓の取り付けを行います。まずは水道の蛇口を分解していきます。

その後、あらかじめ購入しておいた専用の分岐水栓を取り付けます。

あとは水道の蛇口を元の状態に戻し、食洗器を設置すれば完了です。

引越し日に荷物を運搬するのと同時に食洗器も設置してもらいますが、このように特殊な工事をしての運搬になります。

賃貸マンションによっては食洗器を設置できない

なお、どの家であっても食洗器を設置できるわけではありません。賃貸マンションのキッチンに備え付けられている水栓によっては、食洗器を設置できないことがあります。

水栓の中には、分岐水栓の取り付けが不可能なものが存在します。こうした水栓を採用しているキッチンの場合、分岐水栓を取り付けるために「キッチンの水栓ごと取り換え工事をする」という大掛かりなことをしなければいけません。

実際、私が引越しをしたときにこうした事態になってしまいました。

以前に住んでいたマンションですが、ビルトイン食洗器が備わっていて卓上型の食洗器を置いていませんでした。ただ、そこから新たな場所に引越しをすることになったので、家電量販店に出向いて新たに食洗器を購入することにしたのです。

食洗器を購入して工事をするのですが、このときは家電量販店から依頼を受けた専門の業者が新居まで来て「どの分岐水栓を発注すればいいのか確認する」という作業が必要でした。ただ、このとき工事業者の人に家のキッチンを見て確認してもらったとき、「この水栓は分岐水栓を取り付けられない型です」と言われました。

つまり、どの分岐水栓にも対応していないキッチン水栓だったわけです。このときの水道は以下です。

一見すると分岐水栓を取り付けられそうですが不可能でした。また、先ほど紹介したパナソニックの公式サイトを活用して水栓の型番を入力しましたが、確かに合致する分岐水栓がゼロでした。

非常に高額な取り付け代を請求される

ただ、既に食洗器は購入しています。そこで、仕方ないので食洗器の運搬を先延ばしにしてもらうことにしました。

その後、管理会社に問い合わせをしてキッチンの水栓ごと取り換え工事することが可能かどうか確認してもらいました。大家さんに確認してもらった後、管理会社の工事担当の人に家まで来てもらい、水栓の取り換え工事の見積もりをしてもらったのです。

このときの見積書が以下になります。

このように、63,000円以上の高額な見積書が届きました。食洗器の購入費用や引越し業者へお願いする費用よりも高い値段を提示されました。

しかも、これには「将来、引越しをするときに元の水栓を戻す費用」は含まれていません。賃貸マンションなのでいつかは引越しをすることになりますが、このときは工事した水栓の取り外し作業が必要です。これを原状回復工事といいますが、原状回復のためには別途28,500円(税別)が必要です。

つまり、水栓を新たなものに取り換えて食洗機を使えるようにするだけで総額9万円以上になります。そのため、さすがに新居で食洗器を使うのを諦めるようにしました。家電量販店には購入した食洗器代を返金してもらい、工事を含めすべてキャンセルしたのです。

なお、食洗器は設置できなかったものの、食器乾燥機については設置できます。乾燥機能だけで洗浄機能はありませんが、仕方なくこちらを購入することにしました。

賃貸マンションのキッチンによっては、分岐水栓の問題で食洗器を設置できないことがあります。食洗器を利用したいと考えている場合、必ず事前に分岐水栓を設置可能かどうか確認するようにしましょう。そうしなければ、私のように住んだ後に後悔する可能性があります。

賃貸マンションを事前に確認し、食洗器を設置する

引越しをするとき、食洗器について考えている人は少ないです。大型家電の一つではあっても、洗濯機や冷蔵庫、エアコンのような注意を払わないのです。

ただ、食洗器があると思いもよらず高額な引越しになってしまうことがあります。ほぼ確実に分岐水栓の発注が必要ですし、取り外しや取り付け工事もしなければいけません。

また、引越し先にあるキッチン水栓によっては、そもそも分岐水栓を取り付けることができないケースがあります。その場合、高額な取り換え工事を実施するか、食器乾燥機を購入する(食洗器の乾燥機能だけを利用するのも問題ない)かのどちらかを選択しなければいけません。

食洗器は非常に便利です。私も単身・一人暮らしのときからずっと食洗器を使い続けています。ただ、引越しのときに食洗器は注意すべきものであることを認識しましょう。

なお、分岐水栓の取り外し・取り付け工事は引越し業者が行うことになりますが、業者ごとに見積もり金額が大きく異なります。単に引越し費用だけを比べるのではなく、分岐水栓の工事費用まで含めた見積もりを比べ、安い金額で引越し可能な業者を見つけるようにしましょう。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

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