いまの仕事を辞め、転職する人は多いです。このとき、同じエリアで働く場合は引越しする必要はありません。ただ、転職に伴い引越しが必要になるケースは多いです。特に県外の遠方への転職であると、必ず引越しすることになります。

「地元に帰るため、Uターン転職する」「夫が転職するため、それに合わせて引越しする」など、人によって理由はそれぞれです。

それでは、一般的に転職ではどのようなタイミングでの引越しになるのでしょうか。引越しが先なのでしょうか、それとも転職が先なのでしょうか。また、転職に伴う引越しではどのような手続きが必要なのでしょうか。

ここでは、「転職による引越しタイミング」「就職に当たってのやること」を含め、どのように引越し作業を進めていけばいいのかについて解説していきます。

引越しと転職では、転職活動の方が先になる

まず、最初に思い浮かべる疑問として、引越しと転職ではどちらを先に行えばいいのかということがあります。結論をいうと、転職活動をして内定をもらうことを優先させてください。理由は単純であり、どの会社に就職することになるのかわからないからです。

同じ市内であっても、会社が違えば通勤時間がまったく異なります。例えば同じ東京でも、品川と池袋では最短でも電車で30分ほどかかります。大阪であっても、新大阪と難波では20分ほどかかります。

多くの場合、会社の近くに住む人がほとんどです。通勤時間を短縮できるからです。もちろん、「仕事とプライベートは別」と考え、会社から遠くに住みたい人も存在します。

ただ、明確な勤務地が決まらなければ引越し場所を決定するのが難しいです。そのため、在職中に転職活動をして内定先を決めるのが先決です。

なお、転職先が決定した場合、辞めることを現在の会社に報告しなければいけません。このときの日数としては、少なくとも一ヵ月前までには報告するようにしましょう。

住む地域が決まっている場合は先に引越しが可能

しかし、中には「この地域に住みたい」と明確に決まっている人がいます。特にUターン転職では、「昔から住み慣れた場所に住み、親の近くにいたい」と考える人は多いです。また、東京や大阪への転職であっても、特定の地域に愛着をもっている人がいます。

このように既に住みたい地域が決まっている場合、先に引越しを済ませても問題ありません。

特に遠方への引越しでは、先に引越しをしてしまった方が楽です。県外での転職を考えている場合、面接のために何度も往復しなければいけません。「地方から都内へ出向く」など、転職したい場所が離れている場合は面接を受けるのすら難しいため、この場合は先に会社を辞めて引越ししてしまっても大丈夫です。

ただ、全国展開の会社へ就職する場合、東京や大阪などに本社があるものの、実際の勤務地はまったく別の地方になることはよくあります。その場合、転職のために引越しをしたものの、働くためにまたすぐ引越しをするという事態に陥ります。

また、転職先の会社では多くの場合、借り上げ社宅があったり、住宅手当の支給制度があったりします。寮をもっている会社もあります。

こうした社宅や住宅手当、寮を活用すれば、非常に安い値段で賃貸マンション・アパートを利用できます。そのため、会社の家賃補助制度を活用しながら引越し先の住所を決めるのが一般的です。

ただ、既に賃貸マンションを契約していて住んでいる場合、ほとんどのケースでこうした福利厚生を活用することができません。そのため、「既に住む場所が明確に決まっており、勤務地も決まっている会社(転勤のない会社)で働く」「借り上げ社宅や寮の制度は使わない」ことを決意している場合のみ、転職前に引越しをするといいです。

引越しをスムーズに進めるための確認事項

就職先を決定した後、次の行うべきことは引越しになります。ただ、引越しのタイミングを理解していないとスムーズな引越しを実現できません。

このとき、確認するべきことがあります。転職先の会社の人事や総務に事前に必要事項を聞いて、どのような手続きを取ればいいのか理解しておきましょう。

入社日が決まったら、それより前に引越しをする

内定をもらった後、いつから働くことになるのか(入社日)が決定します。このとき、入社日までに引越しを済ませるようにしましょう。入社して働き始めた後に引越しをするのは非常に大変なため、先に入社日までに引越しを完了させておくといいです。

いまの会社については、有給休暇が大量に残っていると思います。いくら有給休暇を取得しても文句を言われない会社に勤めていたのであれば、ほとんどのケースで有休を消化します。会社を辞めるとき、有給消化をするのが一般的なのです。このとき、有給消化中に引越しを済ませるようにしましょう。

なお、中には「転職先の会社で最初に本社で研修があり、その後に配属先が決定される」というケースがあると思います。

このときは会社が用意するウィークリーマンション(またはマンスリーマンション)に、1~2ヵ月などの短期間だけ住むことができます。そうして研修後、ようやく新居(新たな配属先の住所)に引越しをすることになります。

この場合、大手引越し業者を利用すれば荷物の一時預かりサービスを利用できます。「アート」「日通」「サカイ」「アリさん」「クロネコヤマト」など、多くの引越し業者がトランクルームへの一時保管サービスを提供しています。

例えば、パンフレットでは以下のように明記されています。

引越し業者から、見積もりをもらうときに荷物の一時保管について聞くといいです。引越し料金とは別に費用が必要になるものの、こうしたサービスを利用すれば研修期間のある会社であっても問題なく引越しできるようになります。

引越し費用の補助

既に引越しを完了してしまった場合は関係ないですが、会社の福利厚生を利用すれば引越し費用を負担してくれることがあります。福利厚生であるため、会社によってある場合とない場合があります。

ただ、転職先によっては明確な勤務地がまだ決まっていないことがあります。入社後に「この地域で働くように」という具合に勤務地が決められ、そこで働くようになる場合は会社都合による引越しになります。この場合、ほぼ確実に引越し費用を会社負担してくれます。

引越し費用の会社負担については、全額負担や一部負担など会社によって規定が異なります。参考までに、私がかつて勤めていた会社は引越し補助が一律で10万円(単身引越しの場合)でした。

単純に引越し業者の利用料金や単身で住むための支度料(家電製品の購入費用など)を含めての10万円です。一人暮らしをするには、引越し料金を含めても10万円では足りませんでしたが、支給される料金相場としてはこれが一般的です。

※敷金・礼金を含め、不動産を借りる費用はすべて会社負担です。

また、私の兄のケースでは引越し業者を会社側で決められたものの、引越し費用の個人負担はありませんでした。会社によって引越しで発生する個人負担金額は異なります。

借り上げ社宅や寮の有無

借り上げ社宅や寮の有無についても、既に引越し済みの場合は関係ありませんが、先に転職活動をして内定をもらった後に引越しをする場合、就職先の会社に借り上げ社宅制度や寮が存在するかどうかを確認しましょう。

寮(いわゆる社宅)については、人によって好みが分かれます。ただ、格安で住めることには変わりないため、安い料金で住みたい場合に適しています。

また、借り上げ社宅については、社宅という名前がついてはいても、借りるのは普通の賃貸マンション・アパートです。ただ、賃料負担は非常に抑えられるためメリットの大きい制度です。どの不動産物件を借りるのかについては、総務と相談しながら賃貸マンションを決めるといいです。

私の場合、以前勤めていた会社では借り上げ社宅制度だったので前述の通り・礼金を含めすべて会社負担でした。通常、賃貸不動産を借りるためには初期費用として「家賃の5倍」が必要になります。これだけの貯金が必要になるものの、そうした初期費用が必要ないのはとても助かりました。

借り上げ社宅や寮があるかどうかについては、以下のように求人票からも判断できます。

なお、借り上げ社宅かどうかに関わらず、自分で住む賃貸マンションを自由に決めることができる場合、会社から賃貸不動産の仲介会社を紹介してもらえるかどうかを聞いてみるのもいいです。これにより、敷金・礼金を抑えたり、賃貸不動産会社への紹介手数料が少なくなったりすることがあります。

引越しをするにしても、貯金が少なくお金がないという人は多いです。転職先の会社が福利厚生によってこうした補助をしてくれることを考えると、お金がないからこそ先に転職活動を頑張るべきだといえます。

内定がある場合、賃貸契約に有利となる

ちなみに、賃貸マンションを借りるときは必ず入居審査があります。このとき、無職であると賃貸契約の審査に通過しにくいですが、退職が決まっている場合であっても内定が既に出ているときは問題なく入居審査に通過します。

賃貸不動産の審査では、「継続して家賃を支払うだけの能力があるか」を確認されます。転職活動をするとき、「既に退職して無職の状態」であると引越し先を探そうとしても入居審査で落とされることがあります。ただ、就職先が決まっている場合は賃貸マンションの審査に怖がる必要はありません。

安定収入があるかどうかが賃貸契約の入居審査に通過するポイントです。実家へ戻ったり持ち家があったりするときは関係ないですが、こうした事情があるので在職中に転職活動を済ませ、その後のタイミングで住む賃貸マンションを決めて入居する方がスムーズです。

退職時に必要な書類や手続き

引越しのとき、以上のように順番を決めて作業を進めていきます。一般的な流れとしては「在職中に転職先を決め、その後に引越しをする」ことがあげられます。家賃補助や引越し補助などを利用することで、最もお金を節約でき少ない資金で生活できるようになります。

また、特別な理由がある場合は先に引越しをしても問題ありません。ただ、間違っても転職と引越しを同時にしてはいけません。

しかし、転職するときは引越しだけでは終わりません。他にも必要な手続きが存在し、辞める会社から書類をもらったり、就職先の会社へ必要書類を送ったりしなければいけません。このとき、どのような作業が必要になるのでしょうか。

退職先から受け取るもの

まず、転職するにあたって退職先から受け取らなければいけないものを確認しましょう。これには、以下のようなものがあります。

・雇用保険被保険者証

サラリーマンとして働く場合、全員が雇用保険に加入しています。多くの場合、雇用保険被保険者証を会社が保管しています。雇用保険に入るため、退職する会社に連絡して雇用保険被保険者証をもらうようにしましょう。

その後、入社する会社へ雇用保険被保険者証を提出します。これにより、雇用保険が継続されるようになります。

もし、紛失した場合はハローワークで再発行が可能なため、近くのハローワークまで出向くようにしましょう。

・年金手帳

日本国民である以上、厚生年金や国民年金などに加入しなければいけません。このうち、会社員が加入している年金が厚生年金です。

年金手帳についても、多くのケースで会社が保管しています。年金手帳は厚生年金に加入していることを証明するものなので、就職先の会社へ提出するようにしましょう。紛失による再発行については、年金事務所や地域にある市区町村の役所で再発行可能です。

・源泉徴収票

日本で働く以上、税金を支払わなければいけません。そのために年末調整や確定申告を行いますが、このとき必要になる書類が源泉徴収票です。

退職後、年内に就職する場合は就職先の企業が税金に関するすべての手続きを代行してくれます。このときは退職先から受け取った源泉徴収票を就職先に提出し、会社から要求される年末調整の書類を記載すれば問題ありません。転職活動をした後に引越しをする場合、このパターンになります。

一方で、退職後すぐには就職せず年をまたぐ場合、自分で確定申告しなければいけません。国税庁が出している確定申告の作成ツールを活用すれば、退職先から受け取った源泉徴収票に書かれている数字を入力するだけで簡単に書類を作成できます。

確定申告をする場合、自分で所得税や住民税を収める必要があります。これについては、後で「税金が〇万円になるため、〇月〇日までに△△まで振込ください」という通知が家に送られます。

確認するべき健康保険証

なお、転職のときに重要な手続きとして健康保険があります。サラリーマンでは全員が社会保険に加入していますが、会社を辞めた他の会社へ就職する場合、いま持っている健康保険証を返納しなければいけません。

社会保険証を見ればわかりますが、ここには以下のように事業者名(会社名)が記載されています。これは、この会社の社員でないと使えないことを意味しています。

いまの会社を辞めて無職になる期間がある場合、国民健康保険(通称、国保)に加入する必要があります(厳密には社会保険の任意継続の選択が存在する)。ただ、転職先が決まっているので無職の期間がない人の場合、国民健康保険には加入せずそのまま社会保険を継続することになります。

ただ、新たな会社が発行する社会保険証を使用する必要があるため、今までの社会保険証を返納し、新たな健康保険証を受け取る手続きをしましょう。内定先の総務(または人事)に連絡すれば、すべての段取りをしてくれます。

住民票の変更など、一般的な手続き

会社を辞めて引越しをするとなると、住民票について考える必要があります。

単身・一人暮らしの人で住民票が実家にある場合、特に住民票の手続きは必要がありません。私もサラリーマン時代に実家から赴任先へ引越しをするとき、住民票を移していませんでした。困ったことは「選挙に行けない」「運転免許証の更新で地元に戻る」くらいです。

ただ、家族がいるケース(特に子供を育てている家庭)で転職に伴い全員が引越しをする場合、住民票の移動は必須です。自治体からの補助や保育園・学校の手続きを含め住民票を移動させないと不都合な事態が起こるからです。

また、一人暮らしの人であっても現在の住民票が実家にない場合、単身引越しのタイミングで住民票を移すようにしましょう。

役所に出向けば、窓口に転出届が存在します。異なる市区町村へ引越しをする場合、転出届を提出しましょう。多くの場合、戸籍課が住民票を取り扱っていまう。ここの窓口へ行けば転出届を入手できます。

その後、引越し先の住所地にある役所で転入届を提出すれば住民票の移動が完了します。住民票の移動については、一般的な引越しと手続きは変わりません。

なお、同じ市区町村の場合はいま住んでいる役所へ転居届を出すだけになります。

転職で必要な引越しの流れを理解する

ここまで、転職に伴う引越しでやるべきことや一般的な流れについて解説してきました。転職と引越しを同時でするのは、やるべきことが非常に多くなり、最も向いていません。そこで同時ではなく、転職活動か引越しのどちらか一方を先に行いましょう。

転職のタイミングとしては、在職中に転職活動するのが最も適切です。

もちろん、在職中での転職活動は大変ですしストレスもかかります。ただ、新たな賃貸マンション・アパートを借りて住むためには、一般的な初期費用の相場として家賃の5倍以上が必要になり、すぐに貯金が底をつきます。

そこで借り上げ社宅制度や家賃補助などの福利厚生を活用し、安い引越しをして生活費資金を浮かせるといいです。そのためには内定後の引越しがいいのです。

そうして引越しをした後、入社日までに必要書類をもらったり、住民票の移動など必要な手続きを済ませたりしておくようにしましょう。退職後にどのような流れで準備すればいいのか理解しておけば、転職に伴う不安やストレスを軽減することができます。

転職時は優先順位をつけ、順番に引越し準備を進めていきましょう。新たな就職先の総務や人事と相談しながら、準備期間を多めにとってどのような段取りにすればいいのかを確認し、新たな会社でスタートを切るといいです。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

 SUUMO引越し見積もり

一般的に引越しの一括見積もりでは登録直後、たくさんの電話がかかってきます。こうした電話が嫌でメールだけで完結したい場合、SUUMO引越し見積もりを利用しましょう。

SUUMO引越し見積もりでは「電話番号の登録が任意」なので、メールだけで見積もりの日程調節が可能です。電話が嫌な場合、リクルート社が運営するSUUMO引越し見積もりが最適です。

 

 引越し侍

引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。

さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。

おすすめの人気記事

・引越し料金を値切り、最安値の引越しを実現する時期や価格交渉術

引越し価格を安くするためには、適切な方法が存在します。見積もりを比較するのは当然として、例えば休日ではなく平日の引越しにするだけで、1万円以上の値引きは簡単です。

また、同じ日であっても午前の引越しを午後にするだけでも値引きが可能です。こうした価格交渉術について解説しています。

引越し価格を安くする交渉術

・引越しの割引制度(早割、紹介割引、社員割引)に意味がない理由

多くの場合、引越し業者は割引制度を設けています。ただ、残念ながらこうした割引はまったく意味がありません。引越しには定価が存在しないからです。

この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。

引越し業者の割引は無意味

安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備

見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。

ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。

引越し業者の営業マンへの対処法

見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか

実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。

ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。

おすすめの見積もり比較サイト