ラジオやテレビCMなどでも宣伝している引越しの一括見積サービスとして、「引越し侍」があります。きちんとしたサービスでなければラジオやテレビCMに流すことはできないため、商品自体は真っ当なサービスであることが分かります。
ただ、実際に引越し侍を使うとなると心配になる人は多いです。こうしたサービスを利用しても問題ないのでしょうか。
引越し侍はメリットがあればデメリットもあります。そこで、実際にどのように引越し侍を利用すればいいのかについて解説していきます。インターネット上の口コミや評判だけでなく、実際の利用経験からも解説していきます。
もくじ
一括見積の予約サービスが引越し侍
まず、引越し侍とはどのようなサービスなのでしょうか。引越し侍は株式会社エイチームが運営する引越しの無料一括見積サービスになります。
引越しのとき必ず行うべきものとして、何社もの引越し業者に訪問での見積もりを実施してもらい、料金を比較することがあげられます。
引越し価格には定価がありません。引越し業者が好きなように値段を決めることができます。そのため、一社だけに依頼した場合はほぼ確実に料金相場が高くなります。そこで、必ず何社もの業者に依頼して値段を比較しなければいけません。
ただ、自ら引越し業者を調べて何社にも連絡するのは非常に面倒です。引越し価格は中小企業だと安くなりやすいですが、そうした会社を調べて3~5社に見積依頼するのは現実的ではありません。そこで、引越し侍のような無料の一括見積サービスを活用するのです。
このとき引越し侍を利用すれば、以下のような大手引越し業者を含め、代わりに問い合わせをしてくれるようになります。
- アート引越センター
- サカイ引越センター
- アリさんマークの引越社
- 日通
- ハート引越センター
- アーク引越センター
- アップル引越センター
引越し侍では最大10社へ無料で連絡してくれます。この中から3~5社を選び、訪問見積もりを実施してもらえば問題ありません。
訪問見積もり自体は10~20分ほどで終わります。これを数社に実施してもらうだけで、たとえ単身引越しでも1~2万円ほどの割引が発生するのは普通です。そのため、引越し侍などの一括見積サービスを利用することがお金の節約につながります。
申し込みをした後にしつこい電話がくるのか
ただ、引越し侍を活用するときに多くの人がデメリットに感じる点があります。それは、「申し込み直後から何社もの引越し業者から電話がくる」ことです。
引越し侍では、電話番号の入力を必須にしています。そのため、必ず電話番号を教えなければいけません。
実際に私は一括見積サービスを利用して引越し業者を依頼したことがあります。そのときの私の携帯電話は以下のような感じになりました。
「0120」のフリーダイヤルからの電話番号がいくつも表示されていますが、これがすべて引越し業者からの電話だと考えてください。一日に何度もさまざまな業者から電話がかかってくることがわかります。
人によっては、こうした電話をしつこいと考えてしまいます。引越し業者からしてみれば、当然ながら早めにアポイントを取って訪問見積もりを実施したいと考えています。そのため、このようにいくつもの電話がかかってくるのです。
・無視をすれば7日ほどで電話がなくなる
なお、実際に引越し侍を利用して3~5社のアポイントを取れば、それ以外の引越し業者からの連絡は不要になります。その場合、「既に4社の訪問見積もりを取ったのでもう大丈夫です」と電話口で伝えれば、問題なくその後の電話はなくなります。
または無視をしても問題ありません。私も一括見積を活用した直後はすぐに何社からも電話がかかってきました。ただ、ある程度の訪問見積もりを予約した後は、その他の業者からの連絡は不要になります。そのため無視をしたところ、7日ほどで連絡が来なくなりました。
メールは自動的に停止される
これについては、電話に限らずメールも同じです。一括見積サービスを利用すると、電話だけでなく引越し業者からメールも送られてくるようになります。私が実際に利用したときは以下のようなメールが送られてきました。
このように、いくつもの業者からメールが来るようになります。ただ、既に必要な見積もり予約を済ませたのであれば、こうしたメールは不要になります。これについて、メール停止することはできるのでしょうか。引越し侍を活用した後、個人情報を削除してくれたら非常に助かります。
引越し侍については、特に退会や解約などの制度はありません。引越し業者への問い合わせを代行するサービスに過ぎないからです。
しかし心配する必要はありません。電話と同じように、7~10日ほどすれば引越し業者からのメールは送られてこなくなります。引越し業者からも、以下のように最終メールであることを知らせる案内が来ることがあります。
もちろん、、個々の引越し業者に対してメール停止を依頼することは可能です。7~10日が経つ前に連絡すれば、メール配信を停止してくれます。そのため、特に心配する必要はありません。
・引越しキャンセルは業者へ連絡する
なお、引越し業者への引越し予約をキャンセルしたい場合、引越し侍へ問い合わせをしてはいけません。前述の通り、引越し侍は単に無料で業者へ連絡代行してくれるサービスになります。そのため引越し侍には会員サイトがなく、特に退会や解約という概念がないのです。
そのため、キャンセルをするときは引越し業者へ直接連絡するようにしましょう。
ネット契約やウォーターサーバーなどの勧誘が注意点
引越し侍は230社以上の業者と提携しているため、非常に幅広い会社へ訪問見積もりを依頼することができます。ただ、注意点があります。それは、引越し業者だけでなくネット回線やウォーターサーバーなどの勧誘があるということです。
引越見積サービスには、他にも引越し達人やSUUMO引越し見積もりなど、同業他社が展開しているサービスもあります。基本的には、これらの引越見積サービスを利用しても問題ありません。
しかし引越し侍の場合、引越し業者からの連絡だけではなく、インターネット回線やWi-Fi、ウォーターサーバーなどの電話勧誘が来ることがあるのです。
引越し侍自体に問題があるわけではありません。ただ、個人情報をネット回線やウォーターサーバーの会社へ知らせる仕組みになっているのです。これについては、他の一括見積サービスでは行われないため、大きなデメリットだといえます。
引越し侍経由でインターネット回線やウォーターサーバーの契約が決まった場合、引越し侍の会社(株式会社エイチーム)に紹介料が入るようになっています。そのため、こうした勧誘電話が来るようになるのです。
ネット上に「引越し侍は詐欺なのか」「口コミや評判が悪い」などを見かけることがあります。これは、ネット回線など引越し予約サービス以外の勧誘があるからなのです。
訪問見積もりの特典やキャンペーンを活用する
なお、引越し業者から訪問見積もりを受ける場合、各社ごとに特典があります。例えば、私がアリさんマークの引越社を利用したときは以下の粗品を提供してくれました。
他にはサカイ引越センターだと、米を無料贈呈されます。ネットからの一括見積であっても、引越し業者が行っているこうしたキャンペーンは問題なく利用できます。
もちろん、引越し業者から無料でダンボールをもらうことのできるサービスもあるため、引越し日の当日までに荷造りを頑張るようにしましょう。
・引越し侍独自の特典は少ない
なお、引越し侍自体も特典を用意していますが抽選となります。お祝い金の制度はなく、抽選で当たった人だけとなります。10万円キャッシュバックキャンペーンなどはありますが、全員がお祝い金などの恩恵を受けられるわけではないため、特典はそこまで手厚いわけではありません。
そのため、引越し侍独自の特典などはあまり期待せず、純粋に一括見積を行うために利用することを考えましょう。キャッシュバックは期待しないのが適切です。
ちなみに、インターネットの乗り換えサービスを引越し侍経由で利用してもいいですが、断るのが適切です。家電量販店でネット契約すれば、特に煩雑な申請をしなくても5~6万円のキャッシュバックがあるのは普通だからです。そのため、もしネット契約を新たに申請する場合は引越し侍を経由せず、自ら申し込みをするようにしましょう。
エアコン工事は引越し侍経由が安くなる
このようにインターネット回線やウォーターサーバーなどの勧誘についてはメリットがありません。一方でエアコン工事については、安い料金相場で案内してくれます。引越し侍を利用する場合、後日に電話がかかってきてエアコン工事が安くなるオプションがあるのです。
引越し費用の中でも、エアコンはオプション代金が高額になりやすいです。そのため、引越し侍を経由するのです。
引越し業者にエアコン脱着を依頼したとしても、引越し日の当日に来るのは別業者になります。つまり、いずれにしても専門業者がエアコンの取り外しを行い、新居へ運んでいくのです。
そこで、この作業を引越し侍が提携している専門業者へ個人で依頼します。このときは引越し業者経由で依頼するときとは異なり、「引越し日の当日にエアコン脱着をするわけではなく、別日になる」という注意点はありますが、より安い費用でエアコンの取り外しや取り付けをしてもらえるようになります。
なお、エアコンの引越しでは追加料金が発生しやすいため、事前にどのようなエアコン引越しをするのか詳細を伝えるようにしましょう。
後は見積価格を比較するだけ
そうして引越し侍を利用して何社もの依頼を行い、3~5社ほど訪問見積もりの予約したら、後は実際の見積もり費用を比較するだけになります。
訪問見積もりを実施してもらえば分かりますが、引越し業者によって見積価格はまったく違うことに気が付きます。例えば、以下は4月頭の繁忙期に行った家族引越しの見積もりになります。
家族引越しの繁忙期なので値段は高めですが、一方は272,063円であり、もう一方は248,400円となっています。超繁忙期で値引きが難しい時期であっても、25,000円ほどの違いが出るようになりました。
当然、単身引越しであっても同じように値段には大きな開きが起こります。大手引越し業者であっても価格にかなりの差があるため、こうした値段の比較は必須です。
そうして引越し業者を決めた後はダンボールを提供してもらい、当日までに荷造りを頑張るようにしましょう。梱包作業を進めていき、引越し日の当日を迎えるのです。
引越し侍はあくまでも、無料での一括見積の問い合わせサービスになります。このサービスを利用した後は、引越し業者とのやり取りになることに注意が必要です。
引越し侍の注意点を理解したうえで活用する
実際の利用体験から、ネット上の口コミや評判などでは載っていないことも踏まえて解説してきました。引越し侍は引越し予約サービスであり、一括見積の比較サイトになります。
必要な手続きは少なく、ネット上から申し込みをするだけになります。その後、引越し業者と連絡を取るようにしましょう。
また、引越し侍を利用する大きなデメリットは以下の2つに集約されます。
- 大量の電話がかかってくる
- インターネット回線やウォーターサーバーなどの引越しに付随した勧誘がある
引越見積の比較サイトについては、電話番号の入力を不要にしている見積もりサービスもあります(SUUMO引越見積など)。また、同じように電話番号の入力を必須にしていたとしても、ネット回線など不要な勧誘がないように配慮している見積もりサービスも存在します(引越し達人など)。
しつこい電話やネット回線などの勧誘が嫌な場合、他の一括見積サービスを利用するのが適切です。ただ、そのような勧誘があっても問題ない場合は引越し侍を活用しても問題ありません。
いずれにしても、引越し代を節約して大幅な割引を引き出すためには、いずれかの見積比較サービスを利用するのが適切です。その中の一つに引越し侍があります。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
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・引越し料金を値切り、最安値の引越しを実現する時期や価格交渉術
引越し価格を安くするためには、適切な方法が存在します。見積もりを比較するのは当然として、例えば休日ではなく平日の引越しにするだけで、1万円以上の値引きは簡単です。
また、同じ日であっても午前の引越しを午後にするだけでも値引きが可能です。こうした価格交渉術について解説しています。
・引越しの割引制度(早割、紹介割引、社員割引)に意味がない理由
多くの場合、引越し業者は割引制度を設けています。ただ、残念ながらこうした割引はまったく意味がありません。引越しには定価が存在しないからです。
この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。
安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備
見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。
ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。
見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか
実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。
ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。