引越しによって学生寮や社員寮など、寮へ引越しをする人は多いです。賃貸マンションを自ら借りるわけではなく、家賃の安い寮へ住むのです。
学生であれば、学生寮へ住むことになります。場合によっては女子寮かもしれません。また新卒の社会人(新入社員)であれば、独身寮へ住むようになります。家族で寮に住むこともあります。一般社員や派遣社員、看護師、期間工に至るまで、社員寮を活用する機会があります。
それでは、こうした寮へ引越しを行うとき、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。また、どのような手続きがあるのでしょうか。
ここでは、寮生活を始めるときに必要なことについて確認していきます。
もくじ
まずは入寮の審査を行う
学生寮(女子寮)でも社員寮でも、まずは寮に入る意思があることを提示する必要があります。そして学生でも新入社員でも、必要な手続きがあります。具体的に何をすればいいのかについては、大学や会社によって変わります。
例えば学生寮であれば、なぜ寮に入りたいのか理由を述べなければいけないことがあります。社員寮であっても、一般社員や看護師などで寮がほぼ埋まっている場合、入居のための審査を受けなければいけません。
そしてほとんどの場合、以下のような入寮届を提出することになります。学生寮や社員寮などで様式は異なりますが、入寮前または入寮後に出すようにしましょう。
問題なく寮に入れることが決まり、入寮届など必要な書類をどのように提出すればいいのか把握した後、次のステップに進みます。
家具・家電製品があるかチェックする
一般的な賃貸マンション・アパートであると、家具や家電製品はすべてこちら側で揃えなければいけません。一方で学生寮や社員寮であると、部屋によっては既に家具類が備え付けられていることがあります。
- 机・イス
- ベッド
- 洗濯機
- 冷蔵庫
- テレビ
- エアコン
こうしたものがどうなっているのか確認するのです。
特に寮であると、建物の中に共有スペースと個室が用意されていることになります。特に寮の場合、洗濯機・乾燥機は共有です。寮に自分の洗濯機は不要なのです。寮というのは、いわゆる社宅とは異なります。
共有スペースがある寮の場合、以下の部分が共有になっていることが多いです。
- 洗濯機
- キッチン
- トイレ
- 浴室
寮だとキッチンが共有だったり、500円ほどで食事が提供される食堂があったりします。この場合、食器類は不要になります。何が共有になるのかは寮ごとに異なります。
なお、小さい寮の場合は冷蔵庫も共有スペースになることがあります。ただ、共有スペースの冷蔵庫は好きに使えず、飲み物を飲むためだけに部屋を出る必要があります。そのため、冷蔵庫を部屋へ搬入する人が多いです。
既に単身で一人暮らしをしているなど、家具や家電製品がそろっている場合、寮へ引越しをするとき、必要ないものは廃棄処分しなければいけません。粗大ごみを出すわけですが、どのようなものが寮の部屋にそろっていて、何が必要になるのか事前に確認するようにしましょう。
寮のスペックや設備を把握する
大学生や新社会人の就職、転職での入寮を含め、寮生活を考える場合はさらに寮の設備についても確認するようにしましょう。
家賃・共益費については全員が確認します。ただ、それ以外にも確認するべき項目があります。具体的には、以下のようになります。
・水道光熱費の負担
学生寮ではほぼないですが、社員寮(独身寮)の場合は電気・ガス・水道などの水道光熱費を負担してくれることがあります。福利厚生の一環として、こうしたシステムが導入されています。
・食堂の営業時間
また、寮の中に食堂を設けていることは多く、「食費が家賃代に含まれているか」「お金が必要だとしてもいくら払うのか」などをチェックするといいです。
なお、食堂で意外と重要になるのは営業時間です。特にサラリーマンであると、就職したての新社会人であったとしても夜は遅くなります。例えば食堂の営業時間が21:00までであると、それ以降に仕事が終わるサラリーマンだと食堂の意味がなくなります。
これについては、朝食の時間も同様です。「大学の部活が朝早い」「就業の関係で早い出勤が必要」などの場合、食堂で朝食が付いていたとしても無意味になってしまいます。
例えば、以下はある大学の学生寮にある食堂の営業時間や料金です。
料金はその都度払うのではなく、なぜか前納制となっていますが、いずれにしてもこのように営業時間が存在するのです。
・インターネット回線の有無
一般的な賃貸マンションや社宅であると、個人でインターネット回線と契約する必要があります。ただ、寮であると既にインターネット回線が契約されていることがあります。そこで、個人契約にする必要があるのか、寮側で既に契約済みなのか確認しましょう。
単身による一人暮らしの状態から引越しをする場合、個人契約が必要なのであればいまのネット回線を解約せず、そのまま新居へ引越しすれば問題ありません。ただ、学生寮や独身寮で既にネット回線が備わっている場合、いまのネット回線は解約しなければいけません。
・NHK受信料の解約
特に会社員が入る社員寮であると、会社側がNHK受信料をまとめて支払っていることが多いです。NHKの人が勝手に社員寮(女子寮を含む)に入り、受信料を徴収するわけにはいきません。そこで、企業側が支払っておくのです。
これは学生寮も同様であり、場合によっては学生寮への入居者については大学側が既にNHK受信料を支払っていることがあるのです。
その場合、寮へ引越しをするときは必ずNHK受信料の解約をするようにしましょう。あなたは既に寮に住む家賃を支払っているのであり、NHK受信料はその家賃の中に含まれています。何もしなければ二重払いになるため、無駄な出費を抑えるためにも、解約をしましょう。
運搬できる荷物の量や必要なものを把握する
ここまでを理解したうえで、実際に寮へ入居するときの流れや手順について確認していきましょう。このとき、運搬できる荷物の量を把握するようにしましょう。
寮によっては、持ち運びできるダンボールの量や荷物が限られていることがあります。そうしたとき、どのような荷物が最低限必要になるのか理解しなければいけません。運搬するべき持ち物については、以下のようになります。
- 洋服:一週間分は最低でも必要
- くつ、カバンなど
- パソコン
- 生活用品:歯ブラシ、タオル、ドライヤーなど
- (女性の場合は)化粧品
これらはどうしても必要になります。こうしたものをダンボールに詰めるだけでも、3~4箱になってしまいます。例えば、以下は夏服やカバンを入れただけですが、既にダンボールひと箱分です。
洋服ゼロでない限り、ダンボールひと箱に詰めるなどは物理的に無理です。そのため、たとえ寮のように荷物の少ない引越しであったとしても、ダンボールはいくらか必要になると考えましょう。
引越し時のルールを把握する
運搬するべき荷物を把握した後は、引越しをするときのルールを寮に確認するようにしましょう。
例えば賃貸マンションの場合、引越しのときに養生を必須にしている不動産は多いです。これは、引越しのときに共用部分を傷つけたり、部屋の壁に穴が空いたりするのを防ぐためです。そのため、自力引っ越しを禁止していることがあります。
これは学生寮や社員寮でも同様です。同じ大学や会社に通う人が利用する寮だからこそ、引越しのときに養生を必要にしていることがあるのです。
また、荷物を運び入れするときに時間が決められていることもあります。その場合、引越し業者に連絡して運搬時間を調節しなければいけません。どのようなルールなのかについては寮ごとに異なるのです。
また、引越し日が決まった場合は必ず寮へ連絡を入れるようにしましょう。賃貸マンションとは異なり、寮では多くの人が共有スペースを共に利用しているため、事前の連絡が必要になるのです。
・引越しではいくつもの見積もりを取るべき
なお、寮への引越で引越し業者に依頼するときは、必ず何社もの見積もりを取り比較するようにしましょう。理由は単純であり、その方が引越し費用が大幅に安くなるからです。
業者によって提供できるプランが異なります。例えば、日通ではワンルームパックという近距離引越し(30km以内)が安くなるパック料金が存在します。
他には、サカイ引越センターであれば軽トラックを活用したコンパクトな引越しが可能です。軽トラックの場合、距離制限はありません。場合によっては、単身パックという「コンテナを利用した少量荷物の引越し」が可能になることもあります。
引越し業者によって見積もり金額が違いますし、値段は大きく変わってきます。見積もりを比較し、引越し料金を安くするようにしましょう。
たとえ社員寮に引越しをして、会社が費用負担をしてくれるとはいっても、「15万円を一律支給」のような形であることがほとんどです。それ以上の金額は自腹となるため、必ず自分の費用負担が少なくなるようにしましょう。
引越し後に行うべき手続き
一般的な賃貸マンションに引越しをするときに比べて、寮への引越しではやることが少ないです。まず、インターネット回線が通っている場合は新規契約が必要ありません。また、電気・ガス・水道は既に通っていることが多く、これらについての手続きも不要であることが多いです。
おそらく、荷造り以外に行うこととしては以下くらいです。
- 大学や会社への書類提出(入寮届)
- 郵便局の転居届
このように、非常に少ない手続きで問題ありません。
・下手に住民票を移動させるべきではない
そして重要なのは、下手に住所変更をしないことです。つまり、住民票を移動させないようにするのです。
教科書的なことをいえば、引越しに伴って住所変更の手続きが必要になります。ただ、実際のところ住民票を移さない人は非常に多いです。私も新入社員として入社したときは一人暮らしでしたが、住民票は実家に置いたままでした。
住民票を移動させると、「運転免許証の更新」「印鑑登録の再登録」「(親が自営業の学生は)国民健康保険の書き換え」など、さまざまな面倒な作業が発生するようになります。
そこで「大学生の単身引越し」「新社会人の就職」「転職や派遣での入寮」を含め、実家に住民票を置いている場合は住民票をそのままにするといいです。私も新卒で働き始めたとき、住民票は実家のままだったにも関わらず、会社から文句をいわれたことは一度もありません。
忘れてはいけない挨拶回り
通常、引越しによる挨拶は不要です。近隣住民に対して、わざわざ挨拶を行うことはありません。
ただ、これが寮になると話は別です。学生寮や社員寮であると、同じ建物にいるのは同じ大学や会社へ通う仲間となり、さらには共有スペースを使う共同で使うことになります。単なる賃貸マンションに比べると、圧倒的に顔を合わせる機会が多くなるのです。
そこで、挨拶回りをするようにしましょう。普通のスーパーであっても、500~1,000円ほどでそれなりの菓子箱を購入することができます。上下の部屋まで行く必要はなく、隣同士の部屋だけでもいいので、挨拶をするといいです。
しかし、寮によっては挨拶を不要にしていることもあります。無駄な気遣いをなくすためです。こうしたとき、例外的に挨拶回りは必要ありません。事前に確認しておきましょう。
・親が出しゃばってはいけない
なお、寮へ入るときに親が関与することがあります。特に学生寮への引越しであると、親が基本的な手続きをすることになります。
しかし、引越し準備や持ち物の確認、挨拶回りなどについて親が関与してはいけません。できるだけ自分ひとりで行い、親が出しゃばらないようにする必要があります。
寮への引越し準備を行う
寮とはいっても、学生寮、女子寮、社員寮、家族寮などいくつか種類があります。ただ、寮では共有スペースや食堂があるなど、一般的な賃貸マンションとは大きく構造が異なるようになります。
家賃は非常に安く、食費についても浮かせることができます。ただ、食堂が開いている時間を確認しないと、意外と食費を抑えられないことがあります。
また基本は個室になりますが、どれだけ室内に家具や家電製品がそろっているのか確認するようにしましょう。それまで一人暮らしをしていた場合、寮への単身引越しをするに伴って荷物を大量に捨てなければいけなくなるからです。
それと同時に、必要な持ち物を把握するようにしましょう。運搬するべき荷物を確認したうえで、引越し業者に依頼するのです。
大学生や新入社員、転職、派遣、転勤命令など、あらゆる場面で寮生活になることがあります。そうしたとき、必要な準備を理解したうえで引越し日の当日を迎えるようにするといいです。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
一般的に引越しの一括見積もりでは登録直後、たくさんの電話がかかってきます。こうした電話が嫌でメールだけで完結したい場合、SUUMO引越し見積もりを利用しましょう。
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この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。
安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備
見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。
ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。
見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか
実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。
ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。