引越しでは多くの荷物を短時間で新居に運びこむ必要があります。そのため効率よく荷物を運搬できるように、引越し日までには荷物をコンパクトにまとめなければなりません。
このとき、ラックの中には分解できるタイプのものがあります。ラックを解体して紐などでまとめれば、引越し荷物を減らすことができます。
ただラックを分解すると、新居で再度組み立てする手間が発生します。そのため、可能であればそのまま運び出したいところです。
それでは、引越し時にはラックをそのまま運ぶことはできないのでしょうか? またラックをそのまま運搬してもらう場合、どのような点に注意するべきなのでしょうか? ここでは、引越し時のラックの取り扱いについて解説していきます。
もくじ
ラックは解体せずに運ぶのが基本
ラックは収納スペースを増やしたり部屋を飾り付けたりするのに有用なアイテムです。特に幅や高さを変えられる物や分解・再組立が容易なタイプだと、住居環境が変わっても活用しやすいです。
このとき、引越しでは荷物の量を減らすのが大原則です。荷物の量が多くなると、その分だけ引越し料金が高くなるためです。そのため「引越し当日までにラックを解体しておかなければならない」「ラックをそのまま運ぶと、引越し料金が高くなるのではないか」と心配する人は多いです。
ただ基本的には、引越しのためにラックを分解する必要はないですし、ラックをそのまま運んでも引越し料金には影響しないケースがほとんどです。引越し業者はラックの隙間を活用しながら荷物を積載していくためです。
特に、大きめのメタルラックやスチールラックだと、荷造りしたダンボールをラックの棚に積み込むことができます。このようなラックであれば、トラックの積載スペースを圧迫しない(=引越し料金に影響しない)ため、分解せずにそのまま新居へ運ぶことができます。
分解しておく必要があるケース
なお、中には分解しないと運べないラックもあります。ただ基本的には、ラックの分解が必要になったとしても、業者が分解・梱包して運搬するケースがほとんどです。特に大手の引越し業者を利用する場合、ラックの取り扱いについて改めて確認しなくても問題ありません。
ただ中小の引越し業者の中には、顧客がラックを分解する前提で見積もり金額を出しているケースがあります。このような場合、引越し当日までにあなた自身の手でラックを分解してまとめておく必要があります。
このとき、所持しているラックをあなたが分解するべきか否かは、業者に問い合わせない限り分かりません。ただ以下のような条件に当てはまる場合、ラックの分解が必要となる可能性が非常に高いです。
- そのままだと扉を通過しない大型のラック
- 単身パックでの引越し
これらについて、以下で詳しく解説していきます。
そのままだと扉を通過しない大型のラック
ラックを分解せずに運ぶためには、室内や玄関の扉を通過する必要があります。そのため扉を通らないほど大型のラックの場合、引越し時に分解が必要となります。
例えば以下は、私の自宅にあるメタルラックです。
このラックは床と天井をツッパリ棒で固定するタイプのものです。このような高さのあるラックだと、そのまま運び出すことができないため、分解してパーツごとに運搬する必要があります。
またメタルラックの中には、部品の重量が大きいタイプもあります。このようなメタルラックだと、そのままだと重くて運べません。このようなラックを所持している場合も、分解してパーツごとにまとめる必要があります。
なお、分解したメタルラックはパーツごとに紐や養生テープなどでまとめて梱包しておきましょう。3か所ほど留めておけば、運搬中に崩れる心配がありません。
単身パックでの引越し
また、単身パックなどの格安引越しプランを利用する場合、ラックの分解は必須となります。単身パックでの引越しだと、輸送できる荷物量がかなり少ないためです。
例えば以下は、ヤマト運輸の単身パックで運べる荷物の量です。
このように単身パックを利用した引越しでは、トラック1台を貸切るのではなく専用の小型ボックスに荷物を詰めることになります。
このような専用ボックスに対して、ラックを分解せずに積み込むのは難しいです。そのため単身パックを利用して引越す場合、引越し当日までに分解可能なラックをすべて解体してまとめておく必要があります。
ラックをそのまま運ぶ際の梱包方法
なお前述のように、所持しているラックがダンボールを積み込めるサイズだったり、大手引越し業者を利用したりする場合は、あなたがラックを分解する必要はありません。
またラックをそのまま運ぶ場合、ラックの隙間に荷物を詰め込みます。そのため、ラックをビニールなどで梱包する必要もありません。
ただ当然ながら、ラックをむき出しのまま運ぶと表面に傷が付くリスクがあります。そのためラックに傷が付くのを防ぎたいのであれば、ビニールやラップなどでラック表面を覆っておきましょう。
またラックを解体せずに運搬してもらう際には、いくつかの下準備が必要です。これを怠ると新居でラックを使用できなくなるリスクがあるので注意しましょう。
具体的には、引越し日当日までに以下のような下準備を終えておきましょう。
キャスターを外しておく
メタルラックなどの中には、以下のようなキャスターがラックの下部に付いているタイプのものがあります。
このようなラックを分解せずにそのまま運ぶ場合、引越し当日までにキャスターを外しておいた方がいいです。キャスターを付けたままトラックに積載すると、キャスターがつぶれて破損してしまうリスクがあるためです。
トラックに積まれた荷物には、走行中の揺れによる衝撃が加わります。トラックが右左折する際には荷物が横に揺れますし、道路の小さな溝によってトラック内部で荷物が跳ねることもあります。
このとき、ラックに付属しているキャスターは上方向からの衝撃に強い一方で、下側からの衝撃を受け止める設計となっていません。そのためキャスターを付けたままラックをトラックに積み込むと、走行中の揺れによってキャスターが破損してしまう可能性があるのです。
そのためキャスター付きのラックを解体せずに運ぶのであれば、キャスターを事前に外しておきましょう。
メタルラックのジョイントパーツを固定する
またメタルラックの中には、以下のようなジョイントパーツで棚を支えるタイプのものがあります。
このパーツを使用したラックでは、棚に上からの重量がかかることによって固定されます。一方で棚に下からの力がかかると、棚が浮いてジョイントパーツがむき出しの状態となります。
このような状態になると、少しの衝撃でジョイントパーツが外れてしまいます。つまり、引越しトラックの走行による衝撃によって、ジョイントパーツが外れてしまう可能性があるのです。
実際、私が過去に引越しでメタルラックをそのまま運んでもらった際、運搬中にジョイントパーツが1つ無くなってしまいました。ジョイントパーツが1つ無くなっても見た目に大きな変化がないため、パーツの紛失に気付いたのは引越し作業の終了後でした。
このとき、メタルラックのジョイントパーツはメーカーによる差が少ないため、サイズが合っていれば他メーカーのパーツを流用可能です。
ただジョイントパーツを紛失すると、代わりのパーツを入手するまでラックを使えずに不便を強いられることになります。そのため引越し時にメタルラックをそのまま運ぶ際には、ジョイントパーツが外れないようにしっかり固定しましょう。
例えばジョイントパーツにラップを巻いてテープなどで固定してから棚を差し込めば、運搬中にジョイントパーツが外れるのを防ぐことができます。
また、このような作業が面倒なのであれば、棚を上からしっかり押し込んでおきましょう。
このとき、棚を下から叩いても浮かないほど押し込んでおけば、走行中の揺れによる衝撃が加わっても棚が浮きにくくなり、ジョイントパーツの紛失を防ぎやすくなります。
ラックの運搬方法を理解し、破損・紛失しないように荷造りする
引越しでラックを運ぶ際には、スタッフが棚の空間を有効活用してくれます。そのため基本的には、引越しの際にラックを分解する必要性はありません。
ただ大型ラックや重量の大きいラックだと、室内からそのまま運び出すことができません。また単身パックを利用した引越しでは、小型の専用ボックスに荷物をまとめる必要があります。そのためラックのタイプや引越しプランなどによっては、ラックを分解して運ぶことになります。
このとき大手引越し業者であれば、スタッフがラックの分解を行ってくれるのが基本です。ただ中小の引越し業者だと、自分でラックの分解を行わなければならないケースがあります。そのため中小の引越し業者を利用するのであれば、ラックの分解が必要かどうかを事前に確認しておきましょう。
またラックをそのまま運ぶ場合であっても、破損・紛失を防ぐためにキャスターを取り外し、ジョイントパーツをしっかり固定しておきましょう。これがラックを新居に運ぶ際の考え方です。
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