「引越しにお金がかかる」のは、多くの人が知っている事実です。ただ引越しの経験が少ないと、実際にどれくらいの費用がかかるのかイメージしづらいでしょう。
特に、引越しを依頼できる業者はかなりの数が存在しています。そのため「業者ごとに費用の差はあるのか?」「どの業者を選んでもサービス内容は大差ないのか?」などと悩む人は多いです。
それでは、引越し業者に仕事を依頼する際にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか? また、引越し料金は業者ごとに差があるのでしょうか?
ここでは引越しの費用相場と、お得に引越しするための業者の選び方について解説していきます。
もくじ
引越し費用の基本的な相場
一般的な引越しでは、荷物の運搬を引越し業者に依頼します。引越し業者は大手から中小まで多くの企業が存在しており、どの業者に引越しを依頼するかを選択できます。
このとき、引越し経験が少ないと「どの業者に仕事を依頼しても、引越し料金やサービス内容はそれほど変わらないだろう」と考えがちです。ただ実際には、業者によって料金やサービス内容は大きく異なります。
例えば大手の引越し業者は従業員教育が行き届いており、接客や運搬・運送の品質が安定している傾向にあります。また全国各地の引越しを取り扱っており、遠方への引越しも受注してもらえるケースが多いです。
ただ、大手引越し業者はテレビCMなど広告費に多額のお金をかけているため、引越し料金が高くなりやすいです。また厳格な社内規定が設けられており、規定から外れるような柔軟な対応については期待できません。
これに対して中小企業の引越し業者だと、営業エリア外への遠方引越しに対応していないケースがあります。一方で大手に比べて引越し料金が安い傾向にあり、営業スタッフの采配で細かな要望に対して柔軟な対応をしてもらえるケースも多いです。
このように、引越しを依頼する業者によってサービス内容や引越し料金に大きな差があります。そのため引越しの際には、料金とサービス内容を比較してから荷物運搬を依頼する業者を選びましょう。
距離や荷物量、時期によって引越し費用の相場は変わる
また引越しでは、荷物量や引越し先までの距離によって料金が変わるのが基本です。例えば荷物量が多くなると、その分だけトラックサイズを大きくする必要があります。そのため家族引越しなどの荷物量が多い引越しは、単身引越しよりも高くなりやすいです。
また引越し先までの距離が遠くなると、移動費用とスタッフの勤務時間が長くなります。そのため引越し距離が長くなる場合も、引越し費用が高くなりやすいです。
参考までに以下は、距離と荷物量別の引越し料金の目安です。
短距離(50km以内) | 中距離(200km以内) | 長距離(500km以内) | |
単身 | 3~4万円 | 4~5万円 | 5~6万円 |
2人 | 6~7万円 | 8~9万円 | 10~12万円 |
3人以上 | 8万円~ | 11万円~ | 14万円~ |
このように、荷物が少なく引越し距離が短いほど費用は安くなり、荷物が多く距離が長いほど引越し費用が高くなります。引越し費用は荷物量と引越し距離によって大きく変動するのです。
また、一般的な引越しではトラックを利用して新居まで荷物を運搬します。ただ引越し先が沖縄や離島などの場合、海上コンテナによる輸送が必要です。また場合によっては、航空便で引越しをするケースもあるでしょう。このような特殊な運送方法を利用すると、引越し費用が高額になりやすいです。
さらに、引越し料金は引越し時期にも大きく左右されます。例えば引越しする人が大幅に増加する2~4月の新生活シーズンは、引越し業界の繁忙期です。この時期は引越し業者が1日に取り扱う仕事の件数が非常に多くなるため、引越し料金が高騰します。
参考までに以下は、東京都内など短距離引越しでの時期別の引越し料金目安です。
引越し人数 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人 |
部屋サイズ | 1LDK~2LDK | 2LDK~3LDK | 3LDK | 4LDK以上 |
閑散期 | 6~7万円 | 8~9万円 | 10~12万円 | 15~18万円 |
繁忙期(3~4月) | 8~10万円 | 11~13万円 | 14~17万円 | 20~25万円 |
このように、繁忙期になると引越し料金が3~4割ほど高額になります。引越し料金はさまざまな要素によって大きく変動するのです。
引越し費用を相場よりも抑えるコツ
ただ、引越し料金は工夫次第で相場よりも安く抑えることが可能です。
例えば前述のように、引越し料金は荷物が多くなるほど費用が高くなります。そのため、引越し業者の見積もり前に断捨離を進めて荷物量を減らせば、手配するトラックサイズが小さくなって引越し料金が安くなるケースがあります。
また、引越し業者には「荷造りお任せプラン」「エアコン設置サービス」など、さまざまな有料オプションがあります。これらはどれもあなたの手間を減らす便利なオプションですが、利用には追加費用が必要となります。そのため引越し費用を抑えたいのであれば、シンプルなプラン(荷物の運搬のみ)で契約する必要があります。
ただこのとき、シンプルなプランで引越し業者と契約した場合、荷造りのすべてをあなた自身が行う必要があります。引越し当日までに荷造りを終えられないと、引越し業者に荷造りを依頼したり後日トラックを再度手配したりしなければなりません。
当然ながら、どちらを選んでも多額の追加料金が発生します。そのため引越し費用を節約したいのであれば、引越し荷造りは当日までに完了させて、追加料金の発生を防ぎましょう。
複数業者へ見積もり依頼するだけで値段が安くなる
また引越し料金を抑えたいのであれば、複数業者への見積もり依頼は必須です。見積もりを複数業者に依頼するだけで、引越し料金が安くなるためです。
まず、引越し料金は業者のスケジュール状況によって変動します。業者のスケジュールに空きがあれば安くなりますし、追加で人員を確保しなければならない状況であれば利用料金が高くなります。そのため見積もり件数を増やすと、その分だけスケジュールに空きがある業者(=引越し費用が安い業者)を見つけやすくなります。
また引越し業者からしてみれば、契約を取れなければ売上が発生しません。そのため、見積もりを依頼した見込み客からはなるべく契約を取りたいところです。
このとき、他の業者にも見積もり依頼をしている(=見込み客を他の業者に取られる可能性がある)と判明すると、引越し業者の営業スタッフは値段を下げたり、無料でオプションを付けたりなどを提案して契約を取ろうとします。つまり複数業者に見積もりを依頼するだけで、引越し料金の価格競争が起こります。
実際、「他の業者にも見積もりを依頼している」と伝えると、その場で数万円ほどの値引きを提案されるのケースはよくあります。複数業者に見積もりを取らずに契約すると、あなたは数万円の損をするリスクがあるのです。
そのため引越し料金を安く抑えたいのであれば、業者と契約する前に必ず複数の業者から見積もりを取りましょう。
即決を条件に値引き提案を受けた場合、いったん契約して後から解約しても問題ない
なお訪問見積もりを受けていると、「この場で契約してくれれば〇万円まで値引きできる」などの提案を受けるケースがあります。このような場合、「他の業者の見積もり金額が出揃っていないため即決できない」と考えがちです。
ただ引越し業者との契約では、引越し日の3日前まで解約料金が発生しません。これは国土交通省による標準引越運送約款で定められています。
そのため引越し直前での見積もりでないかぎり、営業スタッフの提案する料金でいったん契約し、他業者の見積もり金額が出揃った後に解約しても金銭的な損害は発生しません。そのため引越し料金を最低限まで安くしたいのであれば、営業スタッフの即決提案をいったん受け入れて契約するといいです。
なお解約の際には理由を聞かれることがありますが、「会社の提携業者で引越しできることが判明した」「知り合いの業者に安く作業してもらえることになった」などと言えば問題ありません。
引越し料金の目安を理解し、相場よりも費用を安く抑える
引越し料金はさまざまな要因によって変動します。例えば荷物の量が多くなると、その分だけ大きいトラックを手配する必要があります。そのため家族での引越しなど、荷物量が多い引越しでは、単身引越しよりも値段が高くなります。
また引越し料金は時期によっても大きく変わります。特に2~4月は引越し繁忙期であるため、引越し料金が高騰しやすいです。
ただ実際の引越し費用は、引越し業者のスケジュールによって大きく変わります。業者に空きがあれば相場よりも安くなりますし、作業件数が多い日だと追加で人員を確保する必要があるため引越し料金が高くなります。
そこで引越しをする際には、複数の業者から見積もりをとって業者を選びましょう。そうすることで、一般的な相場よりも安く引越しすることが可能となります。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
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・引越し料金を値切り、最安値の引越しを実現する時期や価格交渉術
引越し価格を安くするためには、適切な方法が存在します。見積もりを比較するのは当然として、例えば休日ではなく平日の引越しにするだけで、1万円以上の値引きは簡単です。
また、同じ日であっても午前の引越しを午後にするだけでも値引きが可能です。こうした価格交渉術について解説しています。
・引越しの割引制度(早割、紹介割引、社員割引)に意味がない理由
多くの場合、引越し業者は割引制度を設けています。ただ、残念ながらこうした割引はまったく意味がありません。引越しには定価が存在しないからです。
この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。
安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備
見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。
ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。
見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか
実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。
ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。