引越しの準備をするとき、引越し業者へお願いするにしても荷造りについては自分で行う人が多いです。その方が安い料金を実現できるからです。
ただ、荷造りではわからない場面がいくつか出てきます。その一つが衣装ケースや洋服タンスです。衣装ケース・タンスには洋服が入っており、その中身はそのままでもいいのか、それともダンボールへ入れるべきなのか迷ってしまうのです。
また、そのままの状態でも問題ないのであれば、洋服がクッションになっているので食器などを中に入れてもいいのではと考える人もいます。これについては問題ないのでしょうか。
多くの人が梱包で悩む一つが衣装ケース・タンスです。ここでは、引越しの荷造りで衣装ケースや洋服タンスをどのように扱えばいいのかについて解説していきます。
もくじ
衣装ケースの中身はそのままで問題ない
一人暮らしであれ家族であれ、家に住んでいる以上はほぼ確実に存在するのが衣装ケースやタンスです。自分の服を入れるためにプラスチックの衣装ケースや洋服タンス(整理タンス)が必要になるのです。
私も一人暮らしのときからプラスチックの衣装ケースや洋服タンスを活用していました。洋服だけでなく、下着や靴下などを収納するためにも利用しています。
例えば、以下のようなプラスチック製の衣装ケースはいまでも重宝しています。私の場合はズボンやシャツを入れていますが、多くの人がこのようにして収納していると思います。
また、洋服や下着を入れるためのタンスについて以下のようなものを使っています。タンスの上が少し乱雑になっていますが、これは引越し前の様子です。
家族用の大きなタンスではなく、単身用のタンスです。たとえ一人暮らしであっても、これくらいのタンスであれば多くの人がもっているはずです。
それでは、引っ越しのとき衣装ケースや洋服タンスの中身をどのように整理するべきなのか迷う人は多いですが、そのままの状態で問題ありません。わざわざ服をダンボールに詰め直す必要はないのです。
・洋服(衣類)
・下着
・帽子
・カバン
・靴
これらファッション系の製品であれば、洋服ダンスに詰めたまま引越し日の当日を迎えるといいです。
そのまま運ぶとき、ガムテープを貼ればいいのか
プラスチックの衣装ケースや洋服タンスはそのままの状態で運べばいいことがわかりました。ただ、服を入れたままで運搬するとはいっても、何もしない状態では運ぶときに引きだしが出てしまいます。
運搬中に引き出しが飛び出るとケガしたり、タンスが壊れたりしてしまいます。これを防ぐため、ガムテープを貼るようにしましょう。
私の場合、引越しのときは以下のようにガムテープを貼りました。
衣装ケースも同じようにガムテープを貼るといいです。
ただ、このとき注意点があります。それは、通常のガムテープをタンスに貼ると、はがすときに「タンスの柄」まで一緒にはがれてしまい、残念な見た目になってしまうことがある点です。新居に行って荷解きをするとき、急にガムテープをはがそうとするほど粘着部分が残ったり、タンスの柄を剥いだりするようになります。
例えば、先ほどの収納タンスについてガムテープを貼った後、はがすことで以下のように見た目が悪くなってしまいました。
こうしたことは避けなければいけません。プラスチックの衣装ケースも同様にガムテープの粘着部分がくっついてしまい、はがすのに大変です。上の写真ではガムテープを貼ってしまっていますが、まさに私はそれによって失敗したわけです。
そこで、引き出し部分を止めるときはあらかじめ養生テープを購入しておくといいです。
養生テープは緑色や白色のテープになっており、ガムテープよりも粘着力が弱く剥がしやすいという特徴があります。
養生テープはホームセンターで売っていますし、ネットショッピングで購入することもできます。ガムテープでも問題ないですが、大切な家具の見た目を悪くしたくない場合は養生テープがおすすめです。
実際の梱包、運搬はどのようになるのか
大手の引越し業者へ依頼する場合、事前の準備としては写真で示したように引き出しをガムテープ(可能なら養生テープ)で止めるだけで問題ありません。
その後、引越し日の当日になれば、引越し業者がさらに荷物を梱包して運んでくれます。このような大手の引越し業者としては、例えば以下のような会社があります。
- アート引越センター
- 日通
- サカイ引越センター
- アリさんマークの引越車
- ヤマトホームコンビニエンス(クロネコヤマト)
- アーク引越センター
実際に運ぶときは以下のような手順です。まずは、前日までに次のように自分たちでタンスをガムテープ(養生テープなら、なお良い)で止めておきます。
その後、引越し業者が荷物を運んでくれます。
私が頼んだ引越し業者(アリさんマークの引越社)は非常に丁寧に梱包してくれる会社でしたが、以下のように毛布でくるんだ後、専用のクッションをかぶせていきます。
あとは業者がもっている養生テープで固定し、「注意」とペンで書かれました。
引き出しの中身は入れたままですし、上下を何度も逆転させるなど乱雑に扱うと引き出しの中がぐちゃぐちゃになる恐れがあるからなのでしょう。
なお、衣装ケースや収納タンスを運ぶとき、できるだけ中に洋服類を詰め込むようにしましょう。
下手にスペースがあいていると、引き出しの中で衣装がぐちゃぐちゃになります。また、衣装ケースに洋服を入れるほど、使用するダンボールの数が少なくなります。一石二鳥であるため、引っ越し準備の荷造りでは収納ケースの中へ積極的に服を入れるといいです。
衣装ケースに入れてはいけないもの
基本的には衣装ケースに入れたままの状態で運べばいいですし、できるだけ服を詰め込むようにした方が効果的です。
ただ、何でもいいので収納ケースの中に荷物を入れればいいわけではありません。ファッション系の荷物以外を入れると、後で大変なことになったり、運搬を断られたりすることがあります。
例えば狭い階段や廊下を通るとき、通過するためにケースをたてにしたり横にしたりすることがあります。このとき、中の荷物が大きく動くことになります。そのため、中に入れるべきではないものとしては以下のようなものがあります。
・食器類を入れてはいけない
多くの人が犯すミスとして、衣装ケースの中に食器類を入れてしまうことがあります。服がクッションになってくれるため、収納ケースの中に入れれば面倒な食器の梱包を省けるのではと考えるのです。
ただ、食器を収納ケースの中に入れてはいけません。理由は単純であり、運搬中に食器類が破損する可能性が非常に高いからです。
洋服が中に入っているとはいっても、実際に運ぶときはわりと揺れるため、中でカチャカチャと音が鳴って割れるリスクが高いです。
割れ物については、収納ケースの中に入れてはいけません。面倒でもそれぞれを梱包して、ダンボールの中に入れるようにしましょう。
・本を入れてはいけない
収納ケースの中に入れてもいいものとしては、軽いものがあります。洋服など、重くないものに限られます。
一方で本はどうかというと、非常に重たいです。衣装ケースのスペースが空いているからといって本を詰め込むと、衣装ケースが非常に重たくなってしまいます。この状態では、運搬を断られることがあります。
以下のように、本は小さめのダンボールに入れて運ぶようにしましょう。書籍類は衣装ケースや収納タンスに入れてはいけません。
・電化製品
食器や本と同じくらい、引き出しの中に入れてしまいがちなものとして電化製品があります。例えば、ドライヤーやパソコンを入れてしまうのです。
しかし、食器類が割れてしまう可能性が非常に高いのと同じように、運搬中に引き出しの壁に何度も当たって電化製品が壊れてしまうことがあります。
たとえ故障したとしても補償の対象にはなりません。ケースの中に入れている人の方が悪いからです。そのため、電化製品を衣装ケースに詰めることはしないようにしましょう。
宅急便もありだが、破損の危険性は高い
ただ、中には一人暮らしで荷物が少ないので「透明の衣装ケースだけ引越し先に送りたい」と考える人もいます。
郵送(ゆうパック)では、中身を取り出してダンボールに詰めなければいけません。ただ、クロネコヤマトなどの宅急便なら衣装ケースに入れたままの状態で送ることができます。
このときの料金は数が2~3個になっても2,000~3,000円ほどと安いため、低価格での引越しをしたい人はこれでも問題ありません。ただ、プラスチックの衣装ケースは運搬に弱く、通常の宅急便では破損リスクが高いです。
到着時に破損が見つかったとしても補償の対象にはならないため、これを了承できる単身者は宅急便を利用するといいです。
ハンガーにかかっている衣装類はそのままもっていく
そのままの状態で運べるため、衣装についてはダンボールを使うことが実はあまりないです。あるとすれば、靴をダンボールに詰めるくらいになります。
これは、ハンガーにかかっている洋服についてもそのままの状態で問題ないからです。アートや日通、サカイ、アリさん、ヤマトなど大手の引越し業者に依頼する場合、ハンガーボックスを貸してくれます。ハンガーボックスとは以下のようなものを指します。
私の場合、2人分の引越しをするときに業者側がハンガーボックスを3つ用意してくれました。どれくらの数が必要なのか伝えるといいです。
なお、上の写真からわかる通り、ハンガーボックスには15着ほどであれば入れることができます。当然ながら、コートなどの厚い服を入れると収納できる数は少なくなります。
基本は衣装ケースの中に入れるといいですが、コートなど「収納タンスに詰め込んでいたり、ダンボールの中に入れたくなかったりする服」が存在します。そうしたとき、ハンガーボックスを用意してくれる引越し業者へ依頼するといいです。
引越し日の当日、業者がボックスを組み立ててくれるのでハンガーにかかったままの衣装を移動させるだけで問題ありません。
見られたくない荷物は別に詰めておく
なお、例外的に衣装ケースの中身をダンボールに詰め直した方が良いケースもあります。それは、下着などを入れている場合です。
男性であれば、引越し業者にパンツを見られても何も感じないためそのままでも問題ありません。
ただ、女性の場合は気にする人が多いです。洋服タンスに入っている服は外から見えないため、ガムテープ(養生テープ)で止めればいいです。しかし、透明のプラスチックケースに下着を入れている場合、事前にダンボールへ移しておくといいです。
引越しをする人は当然ながら基本的に男性スタッフです。女性スタッフだけによる引越しも可能ですが、当然ながら値段は高くなりますし作業も遅くなります。そのため、事前に別のダンボールへ移しておくのをお勧めします。
衣装を詰めたままの引越しを断る業者もある
なお、中には引き出しの中に荷物を入れた状態で運ぶのを断る業者がいます。私はこれまで何度も引越しをしてきましたが、実際にそういう引越し業者がいたのも事実です。
そうした業者に依頼すると無駄にダンボールの数が多くなり、面倒な荷造りの作業が増え、荷解きのときも大変になります。そこで、そのような業者は見積もりのときに断れば問題ありません。
もちろん、引き出しの中に食器や本を詰めている場合はどの引越し業者でも基本的には運搬を断ります。これについては、指摘されたときに引越し業者の指示に従って荷物をダンボールへ詰めなければいけません。ただ、洋服や下着、靴、カバンなどであれば入れたままで問題ないです。
そもそも、きちんとした業者であれば、先の写真で示した通り毛布や専用のクッションで包むことで、引き出しが飛び出ないように梱包し、ガムテープ(養生テープ)でとめた状態で運びます。引き出しの中に洋服を入れた状態で運ぶのを断る引越し業者はあまり良い運搬をするとはいえません。
梱包作業を減らし、素早く引越しをする
海外へ引越しする場合であれば、「荷物の盗難」「服が汚れる」などの理由があるため、衣装ケースやタンスから衣類をすべて持ち出し、ダンボールへ詰める必要があります。ただ、海外ではなく国内の引越しであるなら、衣装ケースに入れたままの状態で運搬が可能になります。
下着など見られたくないものについてはダンボールへ詰め込めば問題ありませんが、それ以外のものはそのままの状態で引越し日の当日を迎えるといいです。
ハンガーにかかった服についてはハンガーボックスを活用しますし、衣装ケースの中身もそのままです。つまり、洋服類については事前の準備がほとんどないと考えてください。
ただ、引越し業者によって対応が異なるため、これについては見積もりのときに「洋服は衣装ケースに入ったままでも問題ないか」「ハンガーボックスの数をどれだけ用意してくれるのか」などを確認するといいです。
単身の引越しでも家族の引越しでも、多くの洋服が存在するのは普通です。そうしたとき、ここまで述べてきた注意点を理解したうえで引越しの準備を行い、当日になって引越し業者に衣装ケースや洋服タンスの梱包をしてもらうといいです。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
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ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。