引越しには多くの作業や環境の変化を伴うため、ストレスを溜めやすくなります。これはペットにとっても同様です。引越し前後にはペットがストレスを感じやすく、場合によっては下痢や脱毛などのストレス症状が出るケースもあります。

ただ当然ながら、ストレスを与えるからといって引越しを取りやめることはできないでしょう。そのためペット同伴の引越しでは、ペットのストレス対策を実施する必要があります。

それでは引越しの際、どのようなことがペットにとってストレスとなるのでしょうか? また引越しによるペットのストレスには、どのように対応したらいいのでしょうか?

ここでは、ペットの引越しストレスの原因と対策について解説していきます。

引越しによる環境の変化でのストレス

引越しは人間の意思で行うイベントであり、引越しすることを事前にペットに伝えることはできません。そのためペットにとって引越しとは、普段過ごしている空間を突然変更させられる事態になります。そのため、引越しによる住環境の変化はペットにとって強いストレスとなります。

また引越し先の環境によっては、ペットのストレスがさらに増大します。

例えば、大きな音はペット動物の多くが苦手とします。人間にとっては問題のない音量であっても、聴覚の優れている動物にとっては騒音に感じるケースは多いです。

そのため交通量が多かったり騒がしかったりする地域へ引越しすると、ペットは騒音によるストレスを溜めやすくなります。そのため引越し前後で周辺環境が変わるようであれば、ペットが部屋で静かに過ごせるように対策を行いましょう。

具体的にいうと、引越し後しばらくはエアコンを活用して窓は開けないように注意しましょう。また、部屋のカーテンを防音タイプに変更すると外からの騒音を防ぎやすくなります。

家具家電・ペット用品の買い替えを控える

なお、一般的に引越しは家具家電の買い替えタイミングです。特に結婚などライフステージの変化によって引越しする場合、新しいスタイルに適した家具家電が必要となります。

ただペットを飼っているのであれば、引越しのタイミングで家具家電やペット用品を買い替えるのを控えた方がいいです。普段から使用してい家具家電・ペット用品には、飼い主やペットなどが安心できる「自分や家族のニオイ」が付いているためです。

引越しによって住居が変わっても、旧居の家具家電を使用し続ければ「慣れ親しんだニオイがする部屋」となります。その結果、ペットが新しい家に慣れやすくなります。

そのためペットを飼っているのであれば、引越しのタイミングで家具家電やペット用品を買い替えるのはやめましょう。ペットが新居に慣れたら、少しずつ買い替えていきましょう。

また可能であれば、家具や家電を旧居と同じように配置するのも効果的です。住居が変わっても家具家電のレイアウトが同じであれば、ペットが新居を「自分の家である」と認識しやすくなります。

犬の場合はペットとの時間を確保し、少しずつ慣れさせる

このとき引越し直後はやることが多く、かなり忙しい毎日を過ごすことになります。ただ飼っているペットが犬の場合、忙しくても愛犬との時間を長く確保することが大切です。

飼い主が忙しそうにしていると、その様子を感じ取った愛犬は不安を覚えます。その結果、引越しによるストレスがさらに増してしまいます。

一方で愛犬との時間を増やすと、愛犬がストレスを感じにくくなります。また飼い主と一緒にいる時間が長くなることにより、新しい住居にも慣れやすくなります。

さらに可能であれば、積極的に愛犬を散歩に連れていきましょう。散歩に連れていくことで周辺地域を覚えますし、引越しによるストレスそのものを解消しやすくなります。

このように、愛犬との時間をしっかり確保してスキンシップや散歩の機会を増やすことで、愛犬が引越し後の環境に慣れるだけでなく、引越しストレスを解消しやすくなります。そのため引越し後の荷解きを急いで完了しようとせず、愛犬との時間確保を最優先に考えましょう。

猫や小動物は一部屋から慣れさせる

一方で飼っているペットが猫やハムスター、うさぎなどの場合、新しい環境に置かれることによるストレスが非常に大きくなりやすいです。

特に部屋がいくつかある新居に猫を解放すると、慣れない環境に置かれたストレスから隠れて出てこなくなったり脱走したりしやすくなります。そのため猫や小動物などとの引越しでは、一度に住居全体を解放せず、一部屋ずつ慣れさせていきましょう。

例えばハムスターやうさぎであれば、寝室など静かな部屋にケージを設置します。その後、ケージに布を被せて閉ざされた空間を作ってあげましょう。このときケージの1面だけ開けておくと、ペットが部屋を覗けるようになるため新しい環境に慣れやすくなります。

一方で猫であれば、猫が過ごす部屋に旧居から持ってきた家具を設置し、隠れる場所を作ってあげると安心しやすいです。可能であれば引越し前から大きめのケージで暮らすことに慣らしておき、引越し後しばらくはケージの中で過ごしてもらいましょう。

また猫の場合、またたびやフェロモン剤を使用してストレスを解消し、部屋に慣れさせるという手段もあります。

効き目には個体差がありますが、場合によってはすぐに新居に慣れてもらうことができますので覚えておきましょう。

引越し作業による騒がしさはストレスとなる

またペットにとっては、引越し中の騒がしさもストレスの原因となります。ペットからしてみれば、引越し業者(=自分のテリトリーを出入りする存在)であるためです。特に静かな性格の犬や猫、小動物などは引越し業者の出入りに強いストレスを感じやすいです。

そのため引越しの際には、あらかじめ荷物を置かない部屋を確保し、引越し作業中はその部屋で過ごしてもらうようにしましょう。ハムスターやうさぎなど、普段ケージで飼っているペットであれば、ケージに布をかけて暗くしてあげるといいです。

また実家やデイケア、動物病院など、ペットの預け先があるのであれば、荷物の搬出・搬入のときだけ預かってもらう手段もあります。このようにすると飼い主であるあなたが引越し業者とのやり取りに集中できるため、作業をスムーズに終えることができます。

引越し先への移動ストレスはどうする?

また、ペットの引越しストレスの要因として大きいのが新居への移動です。一般的に引越しの際には、車や公共交通機関を利用して新居へ向かいます。

ただ、これら移動手段はどれもペットにとってストレスとなります。そのため引越しの際には、ペットになるべく負担がかからないように引越しでの移動方法を工夫する必要があります。

このとき、さまざまな移動手段の中でもペットがストレスを感じにくいのは自家用車での移動です。自家用車だとペットが他人と接する機会が少なくなるため、ペットへの負担が少ないです。

また自家用車で移動すれば、移動中にペットが飼い主のそばで過ごすことができるため、安心しやすいです。そのため可能であれば、自家用車で新居まで移動しましょう。

なお、犬や猫など哺乳類のペットは人間と同様に乗り物酔いを起こすケースがあります。あらかじめ動物病院に相談して、酔い止めをもらっておきましょう。

ペットタクシーであればペットのストレスが少ない

ただ当然ながら、車を持っていなければ自家用車での移動は不可能です。また車の運転に慣れていない場合、引越しでの長距離運転が難しいケースもあります。

このような場合、ペットへのストレスをなるべく抑えたいのであれば、ペットタクシーを選ぶのがおすすめです。ペットタクシーであれば動物の扱いに慣れたスタッフがペットを輸送してくれるため、ペットへの移動負担が小さいです。

またペットタクシーであれば、飼い主とペットが同じ車で移動することができます。中には、ケージなしで乗り込めるタイプのペットタクシーもあります。参考までに以下は、関東や中部でペットタクシー事業を展開している業者のホームページです。

この業者はペットと飼い主が同乗可能です。このような環境であれば、ペットへの移動ストレスはかなり少なくなります。そのため引越しによるペットのストレスを軽減したいのであれば、ペットタクシーで新居まで移動しましょう。

ペットのケージを過ごしやすい環境に整える

一方でバスや電車、飛行機などの交通機関を利用する場合、ケージの利用が必須となります。ペットがケージに慣れていないと、引越しでの移動中に吠えたり鳴いたりしやすくなります。そのためスムーズに引越し先へ移動できるよう、引越しが決まったらなるべく早くケージに慣れさせていきましょう。

このとき、ケージにお気に入りのタオルやおもちゃなどを入れておくと、移動中のストレスが軽くなりやすいです。またバスや電車だと多くの人に囲まれることになるため、ケージに布を被せて視界を遮ってあげましょう。

また飛行機でペットと一緒に移動する場合、ペットが貨物室に入ることになります。貨物室には空調が完備されていないので、季節によっては過ごしづらい室温となります。

そのためペットと一緒に飛行機に乗るのであれば、季節に応じてケージに毛布や冷却マットなどを入れておきましょう。

また移動中の脱水を防ぐためにも、ペットが水分を補給できるように給水器をセットしておくと安心です。

ペットとの引越しで気を付けること

これまでに述べたように、引越しはペットにとって大きな負担となります。そのためペットのストレスサインを見逃さないように、忙しい中でも気を付けて観察してあげることが大切です。

例えば、引越しによるストレスでは以下のような症状が出るケースが多いです。

  • 落ち着かない
  • 留守番できない(分離不安)
  • トイレを失敗する
  • 元気がなくなる
  • ごはんを食べない
  • 便秘や下痢、嘔吐などの胃腸症状
  • 過度なグルーミングによる皮膚症状や脱毛
  • 過度に鳴く・吠える・唸る
  • 夜鳴き

このような症状が引越し前後で起こっているようであれば、引越しが原因でペットが強いストレスを感じている可能性があります。なるべく早くストレス原因を取り除き、ペットが過ごしやすい環境を整えましょう。

新居から通える動物病院をあらかじめリサーチする

また引越しによるペットのストレス症状は、引越し後に起こるケースが多いです。

このとき、体調不良が生じてから病院を探すと対応が遅れてしまいやすいです。ペットのストレス症状を放置すると、最悪の場合死亡に至るケースがあります。そのため引越しが決まったら、なるべく早く引越し先で通えそうな動物病院を見つけておきましょう。

可能であれば、新居から通えそうな動物病院をいくつかピックアップし、口コミなどを参考にしながら、あなたとペットに合った動物病院を探すのがいいです。

またペットに現在治療中の病気や持病がある場合、いま通っている動物病院に引越しする旨を伝え、紹介状を書いてもらいましょう。そうすることで新しい動物病院でもスムーズに治療を再開できます。

引越しによるペットのストレス要因を理解する

引越しによる住環境の変化は、ペットにとって強いストレスとなります。このとき、旧居の家具家電やペット用品にはペット自身や家族のニオイがついています。そのためこれらを新居でも引き続き使用すれば、ペットが安心して新居に慣れやすくなります。

また、引越し作業中には多くのスタッフが住み慣れた部屋に出入りするため、ペットは強いストレスを感じやすいです。そのため引越し時には荷物を置かない部屋やスペースを確保しておき、引越し作業の現場からなるべく遠い場所で過ごしてもらいましょう。

さらに、引越し先への移動もペットにとってはストレスとなります。可能であれば自家用車やペットタクシーで移動し、バスや電車、飛行機などを利用する際にはペットに負担がかからないように工夫しましょう。

引越しによるストレス症状が出たら、動物病院にかかることになります。引越し後に慌てることがないよう、事前に通えそうな病院を探しておきましょう。このようにしてペットにストレスがかかりにくい引越しを進めていきましょう。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

引越し侍

引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。

さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。

SUUMO引越し見積もり

一般的に引越しの一括見積もりでは登録直後、たくさんの電話がかかってきます。こうした電話が嫌でメールだけで完結したい場合、SUUMO引越し見積もりを利用しましょう。

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