賃貸物件の中には、犬や猫などのペットを飼えない部屋があります。そのためペットを飼っている場合、ペット飼育可の物件を選ばないとペットと暮らし続けることができません。

ただ場合によっては、自由に物件を選べないケースがあります。また中には、やむを得ない事情でペット不可物件しか選べない人もいるでしょう。

それでは、引越し先でペットが飼えないことがわかったとき、どのようにすればいいのでしょうか? またやむを得ずペット不可物件に引越さなければならない場合、飼っているペットはどうしたらいいのでしょうか?

ここでは、引越し先で犬や猫などのペットが飼えないときの対処法について解説していきます。

引越し先でペットが飼えないときの対処法

ペットは大切な家族であるため、一緒に暮らせなくなるのは可能な限り避けなければなりません。特に、ペットからしてみれば飼い主は親同然の存在です。そのため、ペットのいる引越しではペット可の物件を選ぶのが基本です。

ただ中には、急なスケジュールや会社の都合などにより、引越し先が決まった後にペットが飼えないことが発覚するケースもあるでしょう。このような場合、ペット可の賃貸物件を選び直すことはできるのでしょうか?

結論からいうと、本契約前であれば賃貸契約のキャンセルは可能です。具体的には契約書を交わす前であれば、交渉次第で入居を取りやめることができます。

一般的な引越しでは、まず内見などで入居したい物件を選び、入居申込書の提出や前金などの支払いを行って入居審査を受けます。その後、入居審査を通ったら契約書を交わして賃貸物件の契約が完了となります。

つまり前金の支払いや入居申込書の提出を終えていても、契約書にサインしていなければ賃貸契約は未完了(=キャンセルが可能)となります。

そのため引越し先でペットが飼えないことがわかったら、まずは契約の進み具合を確認して物件のキャンセルを試みましょう。まだ契約を終えていないようであれば、ペット不可物件をキャンセルして改めてペット可物件を契約しましょう。

一方で賃貸契約を完了(=賃貸契約書にサイン)している場合、入居のキャンセルはできません。賃貸契約後に入居を取りやめる場合、キャンセルではなく退去の扱いとなります。

通常、退去連絡から1ヶ月以内の退去では家賃1ヶ月分(契約内容によっては2ヶ月分)の違約金が発生します。そのため契約直後の退去だと家賃1~2ヶ月分の支払いが生じます。

また居住期間が0日となるため、すでに支払った前金のうち前家賃や敷金は返金されます。ただ、礼金や仲介手数料などは返金されないのが一般的です。そのため、契約完了後の入居取りやめには家賃2~3ヶ月分かかることを覚えておきましょう。

小型の動物であれば、大家に交渉することで飼育可能になるケースがある

また、やむを得ずペット不可の物件に引越しする場合であっても、ペットの種類によっては、交渉次第で飼育できるようになるケースがあります。

例えばハムスターやウサギ、小鳥などだと、騒音やニオイなどのリスクが低いです。そのためこれら小動物であれば、交渉次第で飼育可能にしてもらえる可能性があります。

また中には、管理会社から勧められるがままに居住条件を設定しており、「ペット不可」という条件にそれほどこだわりがない大家もいます。このような場合、小犬・猫であれば大家に交渉することで飼育可能にしてくれるケースがあります。

実際に、私の知人はペット不可物件に住んでいましたが、ペット飼育について大家に交渉して猫を飼い始めました。そのためペット不可物件へ引越すことが決まっていても、まずはペット飼育について大家に相談してみましょう。

なお賃貸物件でペットを飼育する場合、敷金が通常の2~3倍(家賃2~3ヶ月分)に増額となるのが一般的です。ペット不可物件でペット飼育の許可をもらう場合も敷金の増額が求められるケースがほとんどなので覚えておきましょう。

隠れてペットを飼うことはできる?

このとき、交渉してもペット飼育の許可を得られない場合、「ニオイや音などが出ないよう細心の注意を払えば、隠れてペットを飼育できるだろう」と考える人がいます。

たしかに、ペット不可物件で隠れて犬や猫を飼っている人はいます。ただ、ペットの飼育を退去時まで隠しきるのは不可能です。

まず、どれだけニオイが少ないペットであっても、動物を飼っていない人であれば部屋の動物のニオイに気付きます。そのため大家や管理会社が何らかの理由であなたの部屋を訪ねれば、ペットを飼育していることが確実に露見します。例えば、以下は猫の爪とぎ跡です。

また、近隣住民からの通報でペット飼育が発覚するケースも多いです。ペット不可物件に住む人の中には、動物アレルギーを持っていたり動物が嫌いだったりするケースがあるためです。

このような人は「ペット不可」の物件をあえて選んでいるため、ペットの騒音やペットの散歩を目撃した場合、管理会社に通報する可能性が非常に高いです。

ペット不可物件で隠れて犬や猫などを飼育していることが発覚すると、退去を命じられたり違約金を請求されたりするリスクがあります。当然ながら、ペット不可物件でペットを飼育することは契約違反であるため、退去や違約金を拒否することはできません。そのため、ペット不可物件で隠れて犬や猫を飼うのはやめましょう。

どうしても飼えなくなったら、里親を探してペットを手放す

ただ場合によっては、あらゆる手を尽くしてもペット不可の部屋にしか住めない事態に陥ることもあるでしょう。特に大型犬だと、飼育不可の物件で交渉しても飼育許可が下りない可能性が非常に高いです。このような場合、ペットを手放す以外に手段はありません。

このとき、ペットを手放す際の代表的な手段が保健所です。ただ、保健所に持ち込んだ動物は里親募集にかけられた後、里親が見つからなければ最終的には殺処分となります。

また保健所へペットの持ち込みを相談したとしても、まずは飼い主による里親探しを求められます。中には、里親探しの実績がないと引き取ってもらえないケースもあります。そのため引越しでペットを飼えなくなったら、まずは里親探しを始めましょう。

ペットの新しい飼い主については、自分でチラシを作成したりSNSを利用したりなど、さまざまな手段によって探し出すことができます。また全国各地にある愛護団体に相談すれば、里親探しの代理やペットの引き取りを依頼できるケースもあります。

当然ながら、ペットはあなたの都合で暮らす場所を失うことになるので、最後まで責任持って新しい飼い主を探しましょう。

なお保健所への持ち込みを含め、ペットを手放すには短くても1ヶ月ほどかかるのが一般的です。入居日までにペットを手放せないようであれば、大家に短期間の飼育を交渉したり親や知人、ペットホテルに預けたりしましょう。

また動物を捨てることは道徳的な問題があるだけでなく、懲役または罰金が科せられる法律違反となります。そのため、飼えなくなったからといってペットを捨てるのは絶対にやめましょう。

引越しでペットが飼えなくなったときの対処法を理解する

賃貸物件は契約書にサインをするまでキャンセルが可能です。そのため意図せず引越し先がペット不可物件となった場合、まずは契約の進捗状況を確認しましょう。本契約前であればペット不可物件をキャンセルし、改めてペット可の物件を契約しましょう。

また、やむを得ずペット不可の物件に引越さなければならない場合であっても、ハムスターや猫など小型の動物であれば交渉次第で飼育可能になる場合があります。この場合、敷金を通常よりも多めに支払う必要があるので覚えておきましょう。

このとき、交渉してもペットの飼育許可が下りないようであれば、ペットを手放す以外に手段はありません。なるべく早く里親を探し、ペットの新しい居場所を確保してあげましょう。

なおペット不可物件で隠れてペットを飼うと、退去や違約金の支払いを求められるリスクがあります。退去時までペットの飼育を隠しきるのは不可能なので、ペット不可物件で隠れてペットを飼うのは避けましょう。これが引越しでペットを飼えなくなったときの対処法です。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

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さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。

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