夫婦やカップルでの同棲など、男女二人で暮らしている人はたくさんいます。そうした二人暮らしをするとき、転勤や家庭の事情など引越しをしなければいけない場面が出てきます。
ただ、一人暮らしの単身引越しではないため、当然ながら荷物は多くなりますし、その分だけ引越し料金は高くなります。また、ダンボールの数も必要になります。
それでは、どのようにして引越し費用を抑えることができるのでしょうか。また、単身ではなく相手がいるので喧嘩が発生しやすくなりますが、どのようにすればスムーズな引越しを実現することができるのでしょうか。
ここでは、夫婦やカップルを含め二人暮らしの引越しで重要となる引越しの料金相場や段取りのコツについて解説していきます。
もくじ
二人での引越しで必要な料金相場を知る
まず、夫婦やカップルで引越しするときの引越し費用について理解しなければいけません。一人暮らしの単身引越しとは異なり、荷物が多くなるので当然ながらその分だけ価格相場は高くなります。
このとき、引越し費用は「距離」と「時期」によって大きく異なります。大まかな目安として、以下に「近距離から長距離まで」での料金相場を載せています。
・一般的な荷物量での二人引越し
近距離(50km以内) | 中距離(200km) | 長距離(500km) | |
閑散期 | 6~7万円 | 8~9万円 | 10~12万円 |
繁忙期 | 8~9万円 | 10~12万円 | 14~16万円 |
引越し料金を計算するとき、トラックの大きさで考えます。例えば、10m2の2tトラックショートは単身引越しで頻繁に活用されるトラックですが、近距離引越しであると3万円ほどが値段相場になります。
ただ、面積が倍の20m2の2tロングトラックになると、値段が倍になります。面積が倍になったため、価格相場も倍になるのです。
二人での引越しとなると、一人暮らしのときに比べて荷物量が確実に増えるため、単身引越しのような小さいトラックで運べるケースはほとんどありません。よほど荷物の少ない家でない限り、単身用トラックではなく、より多くの荷物を運搬できる二人用のトラックをお願いすることになります。
このときのトラックの値段相場が近距離引越しでは6~7万円(単身引越しの2倍)なのです。
ただ、これは平日の午後に引越しをするなど、安い値段で見積もりを出したときの金額を想定しています。休日に引越しをする場合などであれば、平日引越しよりも値段は高くなることは覚悟しなければいけません。
オプションをつけると値段は高くなる
参考までに、私が結婚するときに二人暮らしでの引越しをしたのですが、このときの実際の見積もりを記します。このときは、東京から横浜への近距離引越し(50km以内)で75,000円でした。平日での引越しです。
「市内(都内)で引越しをする」「東京都内から横浜へ引っ越す」など、先ほど近距離引越しの値段相場は閑散期で6~7万円と記しましたが、これはオプションをつけないで引越しをしたときの金額です。
ここに「洗濯機の引越し」「ベッドの解体&組立」「粗大ごみの廃棄処分」などのオプションをつけていくと、その分だけ引越し費用は高くなります。
例えば、ベッドを自ら分解して組み立てるのは現実的でないため、以下のように引越し業者に依頼します。
私の場合も同様に、最初の見積価格である6万円に加えて、オプションをつけることで75,000円になりました。
このとき、旧居から新居へ向かうときに「妻の実家に立ち寄って荷物を積む」という二箇所積み(二ヵ所で荷物を積むこと)をお願いすることになり、これが1万円のプラスで大きな負担になってしまいました。
なお、私は結婚前のカップルだったときから同棲していましたが、そこまで荷物量が多かったわけではありません。それでも単身用のトラックでは無理だったので、2tトラックを頼むことになって6万円となりました。もちろん、荷物量が多い場合はその分だけ引越し料金は高くなります。
繁忙期ではさらに料金が跳ね上がる
引越しが活発になるのは3~4月です。この時期は繁忙期であり、引越しをしたい人が多く、需要が増えるのでその分だけ値段が高くなります。
急な転勤などによってすぐに引越しをしなければいけないなど、どうしても繁忙期に引越しをしなければいけない場合は仕方ありません。ただ、そうではなく引越しをいつしても問題ないのであれば、引越し代を安くするために繁忙期を避け、閑散期に引越しをするといいです。
繁忙期というだけで引越し料金は2万円以上も上がってしまいます。
いつ、引越しをしても問題ないのであれば、3月や4月の引越しはやめましょう。繁忙期を避けるだけでも大きな金額を節約できます。
遠距離になると値段が高くなる
既に示した通り、近距離での引越しよりも、中距離や長距離など遠くなるほど引越し代金が高くなります。これは、近距離なら一日で引越しが終わるものの、遠方になると一日で作業を終えることができないからです。
例えば同じ東京都内で引越しをする場合、特別な理由がない限りはその日のうちに引越し作業が完了します。
一方で東京から大阪に引越しをする場合など、遠距離での引越しになると、その日のうちに引越しを完了するのは物理的に不可能です。必ず「旧居から荷物を運搬する日」「新居へ荷物を入れる日」の2日間にわけて引越し作業を実施しなければいけません。
その分だけ人件費を含め、さまざまな費用が必要になります。具体的には、以下のお金がかかるようになります。
- 人件費
- 高速道路代
- ガソリン代
遠方への引越であるほど引越し代金が高いのは、こうしたものが加算されるからなのです。
参考までに、東京から大阪まで約500kmであり、遠距離引越しになります。一方で「東京-名古屋:約350km」「大阪-名古屋:約200km」のため、中距離から遠距離に分類されます。
夫婦やカップルの引越しで必要なダンボール量
先ほどの見積書は、それまで1LDKの部屋に住んでいた状態から引越しをしたときのものです。部屋の大きさは夫婦やカップルの同棲であれば普通だと思います。子供ができたら部屋は狭く感じるものの、二人暮らしなら問題ないレベルでした。
このとき、引越し業者に頼むと大小のダンボールを提供してくれますが、合計で15箱くらい利用しました。15箱というと少ないように思えますが、それでも実際に荷造り・梱包をして積み上げると以下のようになります。
このときは引越し業者から20箱のダンボールを提供してもらいましたが、「必要となる一般的なダンボールの数」は以下のようになります。
引越し人数 | 単身・一人暮らし | 2人 | 3人 | 4人以上 |
部屋サイズ | ワンルーム~1LDK | 1LDK~2LDK | 2LDK~3LDK | 3LDK以上 |
ダンボール数 | 10~15箱 | 15~25箱 | 25~35箱 | 35~50箱 |
なお、二人暮らしの引越しで私が引越し業者を頼んだとき、実際に来たトラックは以下になります。
単身用のトラックであると、トラックサイズはこの半分になります。今回は二人分の荷物を積むことになりましたが、それなりにトラックのスペースは余っていました。ただ、単身用のトラックではさすがに狭くて荷物を積めないため、このサイズのトラックになります。
なお、二人暮らしであっても単身者並みに荷物が少ない場合、引越し料金は単身引越しと同じくらい安くできます。
また、新居や旧居の部屋が大きくて運搬する荷物が多い場合、その分だけ価格相場は高くなります。基本はダンボールの数が多く、大きな荷物が増えるほど引越し料金が高額になると考えてください。
引越し代金を安くするためのコツ
それでは、こうした引越し料金はどのようにすれば安くすることができるのでしょうか。
最初の方で「一般的な荷物量での二人引越し」の価格相場について提示しました。実は、これらの値段は「引越しに必要な金額を値下げするため、対策をきちんと実施したときの値段」になります。もし、対策なしで一社だけに引越しを依頼する場合、引越し費用はかなり高くなります。
二人暮らしの引越しでは、わずかなことを実践するだけで2~3万円ほど引越し費用を値切ることができます。適切な手順を踏むことで、引越し費用を節約することができます。
一括見積もりを頼む
最も確実に引越し料金を安くして、さらには優良な提案を引き出す方法に一括見積もりがあります。ネット上からあなたの地域に対応している引越し業者へ一括見積もりを依頼するのです。
これにより、複数社から見積もりを提示してもらうことができます。その結果、価格や提案面を含めて競争が起こるため、かなり良い条件を引き出すことができます。
例えば、私が結婚に伴う引越しをしたとき、最初はアート引越センターの営業マンが来たのですが、提示価格は8万円でした。ただ、このときは「他にも見積もりを依頼している業者がいるので、その場では決めない」と伝えたところ、その場で6万円まで値段が下がりました。
要は、「他にも見積もりを依頼している」と一声かけるだけですぐに2万円ほど値段が下がったのです。
先ほど述べた通りオプション(洗濯機の引越や二箇所積みなど)をつけたので、実際には74,800円になりました。このときの条件は15m2のトラックで作業員は2人です。
その後、他の日にも引越し業者が来て見積もりを出してもらったところ、「75,000円と200円高くなるが、引越しのトラックを20m2と大きくして、作業員を2人ではなく3人にする」と提案されました。要は、条件が良くなったのです。
他にも見積もりをもらいましたが、結局この業者が最も良い提案をしてくれたので、この業者に依頼することになりました。「アート」「日通」「サカイ」「アリさん」「クロネコヤマト」など、大手から中小を含めさまざまな業者の見積もりを取るようにしましょう。
安い日や時間を選ぶ
引越しには安い日や時間があります。そのため、同じように引越しをするのであれば、引越しする日や時間帯を考えるようにしましょう。
通常、土日よりも平日の方が値段は安いです。同じ市内(都内)の近距離での引越しであっても、1~2万円以上の値引きがあるのは普通です。また、休日の中でも土曜日よりも日曜日の方が金額は低いです。そのため、いくつかの日程(引越し候補日)を選び出し、値段を比較するといいです。
また、引越し料金は時間帯で変わってきます。午前の方が値段は高く、午後の引越では料金相場は低いです。時間をズラすだけで、価格が違ってくるのです。
意外と重要な夫婦喧嘩の問題
こうして、引越しをするときの値段相場を理解したうえで、最適料金での引越しを実現するようにしましょう。
ただ、実際に引越しをするときは「業者に依頼する」だけではありません。その他にも大切なことがあり、夫婦やカップルにとって意外と重要になるものとして喧嘩があります。引越しがきっかけとなり、離婚や別れに発展することすらあります。
私の経験上、むしろ引越し料金を心配するよりも、喧嘩をしないようにケアをする方が重要だといえます。
引越しの段取りを話し合う
引越しをするとき、人によってペースが異なります。夫婦やカップルとはいっても、まったく異なる環境で育った同士なので、考え方が違うのは当然です。そのため、「仕事で忙しいのに、嫁が引越しで文句を言ってくる」「うちの旦那は引越し日が迫っているのにまったく準備をしない」などのように、イライラしてしまうのです。
そこで、事前に引越しの段取りを話し合うようにしましょう。
例えば私の場合、妻が妊娠していたので基本は私が引越し準備をすることになりました。ただ、当然ながらいつもは自分の仕事で手一杯なので「準備を少しずつ進めてはいくけど、引越し日の2日前から本格的に荷造りを進める」とあらかじめ伝えておきました。
そのため、引越し日が近くなっても「まったく片付いていない」という状況に対しても、妻から文句を言われることはありませんでした。
また、妻に対しては「妊娠しているので基本は私が引越し日の2日前から作業をするが、自分の服や化粧品など、私がどのように扱えばいいのかわからないものについてはダンボールを用意するので、その中に入れて梱包するように」と伝えておきました。そのため、妻は2週間前から少しずつ準備をすることになりました。
このように事前の話し合いをしておけば、喧嘩となる状況をあらかじめ回避することができます。
処分するものを事前に分けておく
一人暮らしの単身引越しに比べて、夫婦や同棲カップルの引越しではどうしても荷物が多くなります。その分だけ引越し代金が高くなるため、すべての荷物を持っていくのではなく処分できるものは早めに捨てておくようにしましょう。
このとき、相手の荷物や捨ててもいいかどうかあいまいなものについては残しておくようにしましょう。まずは自分の荷物だけ処分していきます。
相手の荷物などの場合、自分にとっては不要だと思っていたとしても、相手にとっては思い出の詰まった大切な物であることは多いです。そうしたものを勝手に処分されると、当然ながらパートナーは怒って喧嘩に発展します。
「自分の持ち物だと明らかなものだけ処分し、あいまいな物は取っておいて相手と相談する」ことを徹底してください。これだけで喧嘩に発展する確率を大幅に下げることができます。
二人暮らしの引越しは計画的に行うべき
単身引越しであれば、自分のペースで作業を進めることができます。ただ、これが夫婦や同棲カップルなどのように二人暮らしでの引越しであると、あなただけが関わるわけではなくなります。
まず、荷物量が増えるので引越し料金は高くなります。基本的には、単身引越しの2倍ほどの金額になると考えてください。もちろん、荷物量が多ければそれに比例してさらに費用は高くなります。
そのため、複数社へ見積もりを依頼したり、引越し日を変えたりして引越し料金を値切るようにしてみてください。引越し代には定価が存在せず、業者の言い値ですべてが決まるため、少しの作業を実践するだけで引越し価格は簡単に値引きされます。
また、引越しの場面で起こりやすい喧嘩ですが、これを避けるためにどのような引越し準備を進めていくのか事前に配偶者へ伝え、不要なものについては早めに処分するようにしましょう。このときは自分の物だけ先に処分し、よくわからないものは捨てずに取っておくといいです。
こうしたことに注意して引っ越し準備を進めていけば、適正価格での引越しを実現でき、さらには喧嘩をすることなく引越しを完了することができます。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
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安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備
見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。
ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。
見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか
実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。
ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。