引越しをするとき、住民票を移すなどの役所手続きが必要になります。区役所や市役所など、市区町村の役所へ出向いて手続きをするのです。
このとき、同様に手続きが必要なものとして印鑑登録(印鑑証明の住所変更)があります。住民票を移すとき、自動的に印鑑登録が抹消されるからです。以前の印鑑登録が無効になるため、住所変更した場合は印鑑登録を新たに行う必要があります。
ただ、すべての引越しで印鑑登録が抹消されるわけではありません。また、慣れていない人ではどのような書類が必要になるのかもわかりにくいです。そこで、引越しで印鑑登録が無効になったときの新居での手続きについて確認していきます。
もくじ
印鑑登録した印鑑が実印となる
日本であれば、自分の名前が彫られた印鑑をいくつも所有することができます。私自身も数本の印鑑をもっています。
ただ、これらの印鑑はネットショップなどで簡単に購入することができます。そのため、第三者が勝手に他人の名前が彫られた印鑑を使用したとしてもバレることはありません。
しかし、これでは不都合です。そこで、あなたが所有している印鑑のうち、一つを役所に登録します。これを印鑑登録といいます。印鑑登録した印鑑を「実印」といいます。印鑑登録証明書は公的な書類であり、その書類にある実印を使用し、さらには印鑑登録証明書を提出することでようやく正式な契約になる場面があるのです。
印鑑登録証明書としては、以下のようなものになります。
一つの印鑑しか登録できず、登録印が実印となります。また、家族で名字が同じであったとしても、一人につき一つの印鑑しか登録できません。
・印鑑登録証明書が必要になる場面
印鑑登録証明書が必要になるときとは、多くの人にとって馴染みのあるのは「車の購入、車の売却、車の廃車」のときです。このとき、印鑑登録証明書を取らなければいけません。当然、契約のときは実印を押します。
また、子供の大学進学で不動産を借りるときなど、未成年の不動産賃貸では親の印鑑登録証明書を提出します。成人であったとしても、不動産賃貸のときは連帯保証人として印鑑登録証明書とともに実印を押すことを求められます。賃貸契約の連帯保証人では、ほとんどで実印と印鑑登録証明書が必要になるのです。
他にも住宅ローンを組んだり、土地の売買をしたりするときも印鑑登録証明書が必要です。保険金の受取にも実印と印鑑登録証明書を用意しなければいけません。このように、意外と印鑑登録が必要になるケースは多いです。
特に自動車登録や不動産売買を考えている人の場合、早めに印鑑登録を済ませておくといいです。
印鑑証明は市区町村で管理されている
公的な手続きをするとき、実印と印鑑登録証明書(印鑑証明)を必要とする場面は意外と多いです。特に引越しで賃貸マンション・アパートを契約するときは「未成年の賃貸契約をする」「賃貸不動産の連帯保証人となる」などでほぼ確実に印鑑登録証明書が必要になります。
印鑑登録をしていないと、実際に必要になったときに慌てることになります。
ただ、多くの人は引越しに伴っていま登録している印鑑登録が抹消されます。これについては、引越しによる住所変更が同じ市区町村かどうかで判断します。
同じ市区町村での引越し
印鑑登録は市区町村の単位で管理されています。そのため、同一の市区町村(同じ市内、同区内など)で引越しをする場合、特に手続きは必要ありません。
住民票を移すのであれば所定の手続きが必要になるものの、印鑑登録については特に行うべきことがないのです。
住民票を移すとき、同じ市区町村であれば転居届を出すことになります。転居届を提出することにより、印鑑登録の住所も自動で変更されるようになります。
別の市区町村への引越し
一方で異なる市区町村へ引越しする場合、新たに印鑑登録の手続きが必要になります。
住民票を他の市区町村へ移す場合、転出届を旧居の住所地にある役所へ提出しなければいけません。転出届は役所の窓口に置いてあります。
多くの場合、「転出届・転入届・転居届」をすべて兼ねた書類になっています。役所の窓口にあるこの紙に記入し、提出すると転出届の手続きが完了します。
転出届を出し、「他の市区町村へ住所変更をする(住民票を移す)」となった時点でいま登録されている印鑑登録が廃止されます。特に抹消の手続きを取らなくても、自動で廃止されるのです。そのため、新しい市区町村の役所で新たに手続きをしなければいけません。
なお、印鑑登録のカードを保有している場合、このカードを返却するといいです。以下のようなカードです。
カードをもっているかどうかは人によって異なりますし、自治体によって対応は異なります。ただ、カードがある場合は返却したほうがいいか聞いておくといいです。
・印鑑登録に必要な物は何か
それでは、印鑑登録をするときに必要なものとしては何があるのでしょうか。これには、以下のようなものを用意する必要があります。
- 実印として登録したい印鑑
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
印鑑登録の変更を生じるとき、住民票を移動するために必ず転入届を役所で出すことになります。そこで、転入届の提出と同時に実印の印鑑登録まで済ませておくといいです。
・代理人が登録可能か
なお、役所で手続きをするとはいっても家族の分を含めて全員分を一気にするのが普通です。つまり、住所変更の手続きでは妻や子供の役所手続きまで行ってしまうのです。
印鑑登録に関していえば、妻(または夫)の分まで含めて代理人による登録が可能です。代理人での印鑑登録では、以下の物が必要になります。
- 実印として登録したい印鑑
- 委任状(申請人が自署)
- 代理人の本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- 代理人の認印(印鑑)
こうした必要書類や物を用意すれば、問題なく代理申請することができます。
・顔写真付きの本人確認書類が必要
自治体によって対応は異なりますが、基本的には顔写真付きの本人確認書類が必要になります。そのため、運転免許証やパスポート、マイナンバーカード(個人番号カード)、外国人登録証などを提示する必要があります。
一方で健康保険証には顔写真がありません。こうしたカードを本人確認書類として利用する場合、印鑑登録証明書を即日発行することができず、「後日に照会書を郵送するため、これに記入・提出が必要」など作業が増えることになります。
また、代理人による作業についても即日発行できず、同様の作業を要求されることがあります。
住民票を移動しない場合、印鑑証明の作業は不要
なお、中には引っ越し作業をして住所変更したとしても、住民票を移動しない人もいます。住民票を移すとなると、転出届の提出や運転免許証の更新を含め面倒な作業が増えるためです。
厳密にいえば、住む場所が変わったらそのつど住民票を移さなければいけません。ただ、一時的な単身赴任や大学進学の4年間だけの期間であれば、住民票を移さないことはよくあります。私も大学生のときは住民票を実家から移していませんでした。
困ることといえば「選挙に行けない」「運転免許証の更新で実家に戻る必要がある」くらいであり、それ以外に特にトラブルはありません。
このように住民票を移さないという判断をした場合、印鑑登録が廃止されることはないため、引越し先で新たな登録手続きは必要ありません。
ただ、実際に印鑑登録が必要になった場合、住民票のある旧住所で印鑑登録証明書を発行してもらう必要があります。こうした作業が面倒な場合、事前に住民票を移して新居の役所で印鑑登録を済ませておくようにしましょう。
違う市区町村への住所変更では印鑑登録の手続きが必要
印鑑登録の手続きは市役所や区役所など、役所で行います。このとき、同じ市内や同区内など、同じ市区町村への引越しであれば印鑑証明の住所変更手続きは必要ありません。
一方で住民票をいま住んでいる場所から違う市区町村へ移す場合、転出届の提出と同時に印鑑登録が抹消されます。廃止されるため、新住所の役所で新たに登録し直さなければいけません。
印鑑登録の手続きが必要になるかどうかについては、「異なる市区町村へ住民票を移すかどうか」で判断するといいです。
ただ、単身赴任や大学進学など、一人暮らしの引越しで住民票を移すのが面倒なことがあります。短期間だけの引越しであるなら、住民票を移さない方が適切であることもあるのです。住民票を移さない場合、たとえ県外の遠方へ引越しする場合であっても印鑑登録の手続きは必要ありません。
こうしたことを理解したうえで印鑑登録の手続きをするようにしましょう。役所で必要な作業を理解することで、スムーズに引越しを行えるようになります。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
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ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。
見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか
実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。
ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。