持ち家への引越しは多くの人の夢であり、人生での大きな目標の一つです。そのため引き渡しによって持ち家の入手が目前となると、新生活への期待感で頭がいっぱいになる人が多いです。
ただ引き渡しによって新築物件があなたのものとなっても、引渡し完了後の引越し時期を誤ったり、引き渡しから引越しまでの期間にやるべきことを完了させておかなかったりすると、新生活を気持ちよく開始できなくなります。
そこでここでは、引き渡し後の最適な引越し時期と、引き渡しから引越しまでにするべきことについて解説していきます。
もくじ
引き渡しから入居までにかかる期間
購入した新築物件の引き渡し日については、注文時に判明するケースが多いです。注文住宅など新しく家を建てる場合であっても、遅くても完成の1ヶ月前には引き渡し日を確定できるのが基本です。
このとき、引き渡し日が確定したら引越し日を決めて引越し業者を手配しなければなりません。それでは新築物件の引き渡し後、いつから引越しできるのでしょうか?
結論からいうと、引き渡しが完了すればどのタイミングでも引越し自体は可能です。引き渡しが完了すれば、その物件はあなた(または家族)のものであるためです。
当日や翌日の引越しは避けた方がいい
ただ、引き渡しの当日や翌日などに引越し予定を立てるのは避けるのが無難です。
まず、引き渡しでは住宅ローンの決済や登記の手続きなどが発生します。これら手続きには、少なくとも半日ほど必要です。
また引越し当日には旧居荷物の運搬だけでなく、業者によるガスの開栓作業なども発生します。これに加えて、荷物の運搬が完了したら生活に必要なものだけでも荷解きしなければなりません。
このような作業・手続きを1日ですべて完了させようとすると、余裕のない日程をこなさなければならなくなります。少しでも計画通りに進まないと、引越し作業を完了できなくなる可能性もあります。
また購入した新築物件の状態については、引き渡し前の内覧会でチェックしていることでしょう。ただどれだけ注意深く観察しても、不具合や汚れなどを見逃しているケースはよくあります。
このとき入居前の部屋が空っぽの状態であれば、不具合・汚れなどが施工不良として認められるケースがほとんどです。ただ引越しが完了した後だと、入居前から存在する不具合であっても施工不良として認められないのが基本です。つまり、引越し前は施工不良を指摘できる最後のチャンスなのです。
このとき引き渡し後すぐに引越しを完了してしまうと、施工不良を指摘できる機会を逃すことになります。不具合・汚れに気付くのが引越し後になってしまうと、仮に施工不良だとしても自費で対応しなければなりません。
このように、引き渡し直後の引越しにはリスクを伴います。そのため、引き渡しの当日や翌日の引越しは避けるのが基本です。
引き渡し後、1~2週間ほど期間を空けて引越し日を設定する
ただ、引き渡しから引越しまでの日数が空きすぎる場合も注意が必要です。引き渡し後しばらく居住しないと、住宅にさまざまな問題が発生しやすくなるためです。
例えば引き渡しから入居までの期間が空くと、排水管の封水がなくなってしまいます。封水は下水管からのニオイが室内へ上がらないようにするための栓の役割を担っています。
例えばトイレは下水管と直接つながっていますが、生活していれば下水のニオイを感じることはありません。これは、トイレを使用するたびに水が流れ、きれいな水が下水のフタとなるためです。
ただ下水のフタとなっている封水は、時間が経過すると蒸発してなくなります。そうすると排水管から下水のニオイが発生し、部屋に充満してしまいます。
このような状態が長く続くと、床や天井などの壁紙に下水のニオイが染みついてしまいます。そうなると、快適に暮らすために壁紙の張替えなどが必要となるケースがあります。
また一般的に、住宅は人が住んでいないと老朽化が進むスピードが速くなります。
まず、人が居住していないと家のメンテナンスが行われなくなります。住宅の汚れや傷みが放置されることになるため、その分だけ住宅の劣化が進みやすくなります。
また住宅の内装は、空気が流動することによって品質を維持できます。そのため居住者がいないことによって空気が動かないと、壁紙などの剥がれが生じやすくなります。引き渡しから引越しまでの日数が空きすぎると、せっかくの新築物件が台無しになってしまうのです。
このような事態を防ぐためにも、新築物件への引越は引き渡しから1~2週間以内を目安に完了させるようにしましょう。引き渡しから1週間以上の日数があれば引越しの準備をする余裕がありますし、2週間以内に引越しすれば封水切れや住宅劣化の心配もありません。
引き渡しから引越しまでにやるべきこと
それでは物件の引き渡しから引越しまでの1~2週間の間には、どのような手続きや作業を済ませればいいのでしょうか?
まず、電気やガス、インターネットなどライフラインの引越し手続きが終わっていないのであれば、早急にこれら手続きを済ませる必要があります。
特にガスについては、手続きが遅れると引越し後すぐに利用を開始できなくなります。入居早々「調理ができない」「入浴できない」などの事態に陥らないためにも、ガスの引越し手続きは早急に済ませましょう。
エアコン取り付け工事の手配を済ませる
また購入した新築物件への引越しでは、物件に合った家具や家電へ買い替えることを考える人がほとんどです。ただ家具家電の中には、エアコンやオーダーカーテンなど「注文から設置までに時間がかかる品物」があります。
特にエアコンについては、業者による取り付け工事が必要です。引越し日までに工事の予約を取れないと、入居後エアコンなしで暮らさなければいけない期間が発生します。
真夏や真冬にこのような事態に陥ることは絶対に避けなければなりません。そのため新居のエアコン設置については、引越し日までに確実に完了できるように工事の予約を入れましょう。
なおエアコンの室外機ホースはゴキブリの代表的な侵入経路の一つです。新築で快適に暮らすためにも、エアコンを設置したら使用開始前にホースへ侵入防止ネットなどを装着しておきましょう。
複数の引越し業者に対して見積もりを取り、大手業者の値引きを引き出す
また引越し業者については、引き渡し日・引越し日が確定した段階で手配するのが基本です。引き渡し完了のタイミングで引越し業者の手配が終わっていないのであれば、なるべく早く引越し業者の予約を取りましょう。
このとき、家の購入・引越しには多額のお金がかかります。そのため「引越し費用を節約するために、なるべく安い引越し業者を利用しよう」と考える人は多いです。
ただ新築物件への引越しでは、極端に価格が安い引越し業者を利用するのは避けるのが賢明です。設定料金が安すぎる業者では少ない人員で多くの作業をこなさなければならないため、作業を丁寧に行う余裕がないケースが多いからです。
購入したばかりの新築物件を引越し業者に傷つけられると、せっかくの新生活に水を差されます。そのため新築物件への引越しでは、格安の業者を利用するのは避けましょう。
なお格安業者を選ばなくても、複数の引越し業者に見積もりを依頼すれば引越し料金はかなり安くなります。大手引越し業者であっても、「他の業者にも見積もりを依頼している」と伝えるだけで数万円の値引きを提案されるのは普通です。
このとき、引越し料金の値引きを引き出すことによって作業が雑になることはありません。そのため新築物件への引越しでは、複数業者に見積もりを取って引越し料金を節約しましょう。
新築の引き渡しから引越しまでの日程とやるべきことを理解する
持ち家での暮らしは多くの人の憧れです。そのため「引き渡しが完了したら、すぐ引っ越して新居での生活を始めたい」と考える人は多いです。
ただ入居前の部屋が空っぽの状態は、施工チェックできる最後のタイミングです。また引き渡し当日に引越すとなると、スケジュールがかなりきつくなります。そのため、引き渡し直後の引越しは避けた方がいいです。
一方で引き渡しから引越しまでの期間が空きすぎると、部屋の中に悪臭が充満したり住宅が傷んだりしやすくなります。そこで、新築物件への引越しは引き渡しの1~2週間以内を目安に日程を組みましょう。
引越し日が決まったら、当日までにライフラインの引越し手続きやエアコンの手配などを完了させます。引越し業者については複数業者に見積もりを依頼し、大手の引越し業者から値引きを引き出しましょう。これらが、引き渡し後の新築物件への引越しの進め方です。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
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安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備
見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。
ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。
見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか
実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。
ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。