引越しをしたら、多くの住所変更手続きが必要です。住所変更を行わないと、郵便物が届かなくなったりさまざまなサービスの利用を継続できなかったりなどの不都合が発生します。

このとき、銀行口座を作る際には住所を記入しています。ただ、口座を作った後、住所を再度記入する機会は少ないです。そのため引越し後に銀行の住所変更をするべきか悩む人は多いです。

それでは、引越しの際に銀行での住所変更手続きは必要なのでしょうか? また銀行での住所変更手続きを行わないと、どのようなデメリットがあるのでしょうか?

ここでは、引越し時の銀行の住所変更手続きについて解説していきます。

引越しで銀行の住所変更をしなくても大きな問題はない

引越をするとき、住所を登録しているすべての機関・契約先で住所変更手続きをするのが原則です。これは銀行も同様です。引越しによって住所が変わった場合、口座を持っている銀行の登録住所を変更する必要があります。

このとき住民票や運転免許証などは、住所変更を行わないと公的支援が受けられなくなったり身分証明書として利用できなくなったりなどの不都合が生じます。これに対して銀行については、引越し後の住所変更を行わなくても特に不都合を生じないケースがほとんどです。

そもそも、日常生活で利用する範囲だと、銀行での登録住所が利用される場面は少ないです。ATMを使用すれば書面に住所を記入しなくても入出金が可能ですし、普通口座を持っているだけだと銀行から郵便物が発送されるケースもほとんどありません。

実際、私は引越しを何度も繰り返していますが、口座を持っている銀行のほとんどで住所変更手続きを行っていません。また、住所変更手続きを行っていないことによって問題が起こったことも特にありません。

そのため引越したら銀行の登録住所の変更手続きを実行するのが原則であるものの、実際には手続きしなくても特に問題が起こらないケースがほとんどです。

銀行の住所変更を行うべきケース

ただ銀行に登録されている住所が現住所と異なることを銀行が認知した場合、登録住所の確認・住所変更手続きを求められます。

例えば何らかの事情で銀行から郵便物が発送され、それが宛先不明で銀行に返った場合、銀行が登録住所と現住所との相違を認識します。そうすると、ATMの使用時に「確認事項があるので、営業時間内に窓口へご来店ください」などと記載された利用明細が発行されるようになります。

参考までに、私が銀行でATMを使用したとき、明細に「確認事項があるので窓口へ来てください」と表記されたことがありました。窓口で事情を確認すると、「10年以上前に開設した使用していない口座についての郵便物が宛先不明で返送されたので、住所変更の手続きをしてほしい」とのことでした。

このような通知が来ても、契約している口座を直ちに利用できなくなるわけではありません。ただ通知を無視し続けていると、登録情報の相違から口座が凍結される恐れがあります。そのため、銀行から「住所変更手続きをしてください」などの通知が来たら、無視せずになるべく早く対応しましょう。

銀行のローンや銀行の保険サービスの契約がある場合

また契約している銀行でローンを組んでいる場合、引越したらただちに住所変更手続きを行うべきです。住所変更手続きを済ませないと、返済に関わる郵便物が届かなくなるためです。

銀行でローンを組んでいると、定期的に残額や金利などの通知が届きます。例えば以下は、住宅ローンの年末残高の証明書です。

この書類は住宅ローン控除の申請に必要となります。そのため住所変更手続きを怠ると、住宅ローン控除の申請を行えず、金銭的に損してしまうリスクがあります。

また、銀行ローンの金利が変動型の場合、返済期間中に支払い金額が変わるケースがあります。このとき、住所変更手続きをしていないと、金利・支払金額の変更通知を受け取ることができません。そうすると、返済金額の変動を事前に知ることができなくなります。

このような状況になると、残高不足で引き落とせない事態に陥るリスクがあります。当然ながら、残高不足でローンの返済が遅れると、その分だけ延滞金が発生してしまいます。場合によっては、銀行からの督促電話で気づくことになりかねません。

同様に、銀行で生命保険などに加入している場合、住所の変更手続きをしないと満期の通知はがきや保険金手続きの書類が届かなくなります。そうすると、満期となった事実に気付かなかったり、保険金の受け取りまでに時間がかかったりするようになります。

このような事態を防ぐためにも、銀行でローンや保険などの契約があるのであれば、引越し後すみやかに住所変更手続きを行いましょう。

定期預金などの口座の所有者・多額の引き出し予定がある場合

また銀行でローンを組んでいなくても、普通口座以外に預金がある場合は住所変更をした方がいいです。普通口座以外の預金口座では、登録されている住所が利用される場面が多いためです。

例えば定期預金口座にお金を預けていたり、日本国債を購入していたりする場合、満期になると通知の封書やはがきが登録住所に届きます。そのため引越し後に住所変更をしていないと、満期のお知らせを受け取ることができません。

また定期預金や外貨預金など、普通口座以外の預金口座だと引き出しの際に窓口での手続きが必要となるケースが多いです。同様に普通口座への預金であっても、多額のお金を引き出す際には窓口での手続きが必要となります。

窓口での手続きが必要となった場合、登録住所が古いとその場でお金を引き出すことができません。窓口での引き出し手続きでは住所の記入・確認が必要となるため、引越したら住所変更をしておきましょう。

なお銀行の中には、住所変更などの手続きの際に旧住所が必要となるケースがあります。このような場合、引越しを繰り返していると登録住所を思い出せなくなりがちです。その結果、役所で住民票除票の確認をしたり本籍地で戸籍附票を発行してもらったりなどの手間がかかります。

そのため多額の引き出し予定がある口座については、引越し後なるべく早く住所変更手続きを行った方がいいです。

銀行の住所変更の手続き方法

それでは、銀行での住所変更手続きはどのように行えばいいのでしょうか?

まず、どの銀行であっても、キャッシュカードと運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を持参して窓口へ出向けば、住所変更の手続きが可能です。手続き自体は10分ほどで完了しますし、手数料なども必要ありません。

また銀行によっては、インターネットや電話で住所変更が可能なケースがあります。例えば以下は、みずほ銀行での住所変更手続き方法です。

このように、みずほ銀行ではアプリやインターネット上で住所変更手続きが可能です。窓口へ出向くのが難しいのであれば、このような手段を選ぶといいです。

なお引越しでは役所での印鑑登録手続きが必要ですが、銀行印については引越し手続きの必要はありません。引越しによって銀行印を紛失した場合、身分証明書と新しく登録する銀行印、通帳を窓口へ持参すれば銀行印の再登録が可能なので覚えておきましょう。

使わない口座は解約するべき?

ただ、引越し先の地域によっては利用していた銀行の支店が存在しないケースがあります。銀行の支店がないと、住所変更などの各種手続きが困難になるだけでなく、定期預金などの引き出しを行えなくなります。

また利用している銀行のATMすら存在していない地域だと、お金を引き出すたびに高めの手数料が発生するようになります。そのため引越し先に支店・ATMが存在しないのであれば、主に利用するメイン銀行を「引越し先住所で店舗を展開する銀行」へ変更するのが賢明です。

このとき、中には「使わなくなった口座をそのままにしておいていいのか」と不安になる人もいるでしょう。引越しによって使わなくなった預金口座は解約するべきなのでしょうか?

結論からいうと、一般的には使わない預金口座は解約することが推奨されています。ただ実際には、解約しなくても特に支障はありません。

一般的には、所有している銀行口座を10年間使用しなかった場合、休眠口座となりATMでの取引ができなくなります。ただ、窓口で手続きすれば元に戻すことができるので、所有している口座が休眠口座となっても問題ありません。

むしろ、昔は手軽に開設できた銀行口座であっても、現在では新規での口座開設について審査・条件が厳しくなっています。そのため所有口座の解約後に再び口座が必要になったとしても、新規開設が難しいケースがあります。そのため特に事情がないのであれば、使わない口座であってもそのままにしておきましょう。

ただ銀行の中には、長期間使用されていない口座の預金額が一定以下の場合、口座の維持に手数料を課すケースもあります。このような場合、預けているお金がなくなっていくので、預金をすべて引き出しておいたり解約したりした方がいいです。

口座を作成した支店から離れた地域へ引越しても支店変更は必要ない

また銀行口座にはそれぞれ、作成した支店が登録されています。例えば以下は、預金通帳の口座情報が記されているページです。

このように口座には作成した支店が登録されています。これは表記されている支店に口座を持っていることを意味します。

このとき引越しによって居住地と銀行口座の支店が離れた人の中には、「口座に記載されている支店を変更した方がいいのか?」と悩むケースがあります。

ただ引越しによって口座を開設した支店から遠く離れた地域に居住したとしても、支店の変更は必要ありません。むしろ、口座の支店を変えると、それに伴い口座番号も変更となります。当然ながら口座番号が変わると、給与の振り込みや引き落としなどの登録情報をすべて変更しなければなりません。

このような手続きには非常に手間がかかりますし、何より必要のない作業なので時間の無駄です。引越しによって口座の支店を利用できなくなってもまったく問題ないので、そのままにしておきましょう。

普通口座を日常使いするだけなら、銀行の引越し手続きは不要

基本的に、普通口座からATMでお金のやり取りをするだけの場合、銀行で住所変更手続きをしなくても特に支障はありません。給与の振り込みや口座からの引き落としも問題なく行われます。

ただ銀行でローンや保険の契約をしている場合、引越し後に住所変更を行わないと大切な通知が自宅に届かなくなります。そうすると、ローンの返済が滞ったり保険金支払いに影響が出たりします。

また定期預金や外貨預金、国債購入などを利用していたり、普通口座から多額の預金を引き出したりする場合、窓口での手続きが必要となります。窓口での預金引き出し手続きには住所の記入が必要となるため、引越し後に住所変更をしていないとスムーズに手続きできなくなります。そのため、引越し後すみやかに住所変更手続きを行いましょう。

なお、引越し先によっては主に利用するメインの銀行を変えることが推奨されます。このような場合であっても、基本的に旧口座を解約する必要はありません。また所有口座の支店から離れた場所へ引越したとしても、支店変更をする必要はないので覚えておきましょう。これらが引越しで発生する銀行手続きの基本です。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

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