住んだことのない地域だと土地勘がないため、どのようにして居住エリアを選べばいいかわかりません。遠方に住んでいれば、引越し先の地域を下見することも難しいです。

特に、日本の首都である東京には交通網が複雑に入り混じっており、駅の数も多いです。そのため駅ごとのエリアの特徴を把握することが難しく、地方から引越す人はなかなか候補を絞ることができないでしょう。

それでは東京へ引越す場合、どのような基準で居住地を決めればいいのでしょうか? また、東京でおすすめの引越し場所はどこなのでしょうか?

ここでは家賃相場やエリアの特徴などを踏まえ、東京のおすすめの引越し場所について解説していきます。

東京都内の人気エリアは家賃が高い

東京はお金を出せば快適で便利な生活が手に入る地域です。そのため金銭的に余裕があるのであれば、住みやすさ・快適さを追求した居住地選びが可能です。例えば「都心3区」と呼ばれる千代田区や港区、中央区などは、東京の主要エリアへのアクセスが良く治安も良い地域です。

ただ、このような地域は人気が高く、家賃相場がかなり高いです。都心エリアの家賃相場は、単身向け物件であっても10~13万円となっています。1LDKや2DKになると20万円を超える物件ばかりになります。そのため、このような地域に住むことが難しい人は多いです。

しかし同じ東京23区内であっても、江戸川区や葛飾区、練馬区などの他県に近い地域であれば家賃相場が低めです。具体的には、7~10万円ほどで単身向け物件を見つけることができます。そのため23区内で安い賃貸物件に住みたいのであれば、このような地域を選ぶといいです。

また23区以外の地域であれば、東京都心部に比べて家賃がかなり安くなります。具体的には、23区外の単身向け物件の相場は5~7万円となっています。そのため職場・学校へ電車1本で行ける23区外の市部へ引越すと、家賃を抑えながら快適な東京生活を送ることができます。

目的地まで電車1本でいける場所を選ぶのが基本

また東京で居住するエリアを決める際に重視しなければならないのが、職場や学校などの「よく行く施設」へのアクセスが良い地域を選ぶことです。特に、地方に住んでいて東京へ行く機会が少なかった人は、偏った東京のイメージが出来上がっているケースが多いので注意が必要です。

例えば東京は、他の都道府県よりも狭いイメージを抱えている人が多いです。また、東京だと数分に1本の間隔で電車が来るため「東京都内の移動であれば、それほど時間がかからない」と思っている人はかなり多いです。

ただ東京では地下鉄で何度も乗り換えが必要になる事は多いですし、人口が多いため朝や夜の混雑時は「敢えて次の電車に乗る」なども普通です。

また東京の主要駅はかなり広く、改札からホームまでの距離が長めです。そのため目的地までの道のりで電車の乗り換えが発生すると、かなりの時間を要します。電車の乗り換えで次のホームへ歩くとき、距離が遠く10分ほどかかるのは普通です。

例えば新宿駅には無数に出口が存在し、JR以外にも地下鉄や京王線、小田急線といくつもの鉄道会社が入り混じっていてすべて改札口や駅名が異なります。そのため新宿駅の中には複数の駅名があり、「JR新宿駅を目指していたら、新宿西口駅に着いた」などは普通です。こうして、東京の人でも迷子になります。

地方の距離感覚で東京での居住地を決めてしまうと、通勤・通学に長い時間を要してしまいます。そこで乗り換えをなくすため、東京では職場や学校まで1本の電車で行けるエリアから居住地を選択するようにしましょう。

東京に引越すとき、おすすめの引越し地域の選び方

なお、東京にある主要路線の一つである山手線は、東京や渋谷、新宿、池袋など東京の主要駅に停車します。そのため山手線沿いの駅近くに住むと、東京のさまざまな地域へ出向きやすくなります。

ただ山手線沿いは交通の便が良い分だけ人気が高く、家賃相場が高めです。具体的には、1Rや1Kなどの単身向け物件で9~13万円ほどとなります。

そのため家賃出費を抑えたい単身・2人暮らしであれば、他県に近い区や山手線外の快速・急行が停まる駅付近がいいでしょう。例えば渋谷に会社があるのであれば、東横線や田園都市線などの路線上にある物件が候補に挙がります。

東横線は渋谷と神奈川県(横浜)をつなぐ電車です。東京都内であっても、この路線上であれば、渋谷まで20~30分ほどの駅付近であっても単身向け物件7~8万円、2人暮らし向け物件13万円ほどで住むことができます。

また新宿に会社があるのであれば、総武線上や大江戸線上などで探します。例えば総武線沿いの23区外だと、一人暮らし向け物件6~8万円、二人暮らし向け物件10万円ほどで見つけることができます。

また東京でなくても、神奈川や埼玉、千葉なども候補に入れていいです。これらのエリアについても、快速に乗れば30分以内に都内に出ることができます。もちろん、家賃は安めです。

最も利用する駅と住む候補の路線を決めれば十分

なお地方であれば、目的地までの直線距離が近ければ、その分だけ目的地に着くまでの所要時間が短くなります。そのため職場・学校から近く、家賃相場や治安など条件から居住地域の候補を絞って引越し場所を決めるのが基本です。

当然、東京であっても学校・職場周辺に家賃や治安などの希望条件を満たす物件があれば、そこを選んで問題ありません。ただ山手線沿いやその内側のエリアでは、家賃が高すぎるので金持ち以外は基本的に住みません。これら「職場や学校の近く」で居住地を探すと家賃が高くなるとき、東京では主に利用する路線で居住地を絞ります。

特に新宿や渋谷、池袋、東京、品川、上野、六本木などの東京中心部に職場や学校などがある場合、一般人では暮らせない家賃の物件しかありません。東京だとエリア単位で居住地を探すのが現実的ではないのです。]

ただ東京では、電車1本で行ける場所であれば直線距離が離れていても30分以内に目的地に着くことができます。東京中心部から離れるほど家賃相場が安くなるため、よく使う路線沿いで物件を探すと希望条件を満たした部屋を見つけやすくなります。

そのため東京で家を探す際には、何度も行くことになる駅を基準にして、そこを通る路線沿いで部屋を探しましょう。具体的にはまず職場・学校の最寄り駅を調べ、そこを通る路線を洗い出しましょう。その後、賃貸物件サイトで「〇〇線沿い」というキーワードで不動産業者へ相談したり、賃貸物件サイトで検索をしたりするといいです。

家族引越しで東京に住む地域選び

ただ単身や二人暮らしではなく、子供のいる家族引越しだと、治安の良さに加えて子育てのしやすさが重視されます。基本的には、子育て支援に力を入れている自治体を選ぶのがいいでしょう。

子育て支援に力を入れている自治体だと、治安が良く子供が遊ぶところが多い傾向にあります。また保育園の待機児童が少なかったり、産後サポートが充実していたりする自治体も多いです。

ただ東京で子育て世帯に人気の高い3~4LDKの賃貸物件を探そうとすると、家賃がかなり高くなります。特に東京23区内だと、3LDKでは20~30万円の家賃は覚悟しなければなりません。

例えば杉並区や世田谷区は公園が多く、待機児童が少ないのでファミリー世帯に人気がある地域ですが、3LDKの家賃相場は20万円ほどです。そのため1馬力の世帯や収入の低い仕事に就いている子育て世代だと、家賃による経済的負担が重いです。

しかし東京都内であっても、23区外や他県近くの区であれば安いファミリー物件を見つけることができます。例えば立川市などでは、3LDK以上の子育て世帯向け物件を10万円ほどで借りることができます。以下のような感じです。

立川から新宿まで、JR中央線快速で35分ほどなので特に問題ありません。また23区内であれば、葛飾区や江戸川区なども家族向け物件の家賃相場が安く、子育て世帯が住みやすい地域です。

葛飾区は子育て支援制度が整っており、子育て世帯の経済的負担が軽くなる地域です。また江戸川区は自然が多く、子供を遊ばせる場所に困りません。

ただ、どちらも家賃相場は3LDK以上で15万円ほどです。もっと安い家賃であれば、2LDKなどにグレードを落とすことも考慮しましょう。

いずれにしても、東京都内で家賃を抑えながら広めの物件に暮らしたいのであれば、このような他県に近い区や23区外の場所から職場に通いやすい路線上の駅付近を選びましょう。

東京近郊の他県に住むのは基本

また家賃を抑えながら広い住宅に住みたいのであれば、東京近郊の他県への引越しも検討することをおすすめします。そもそも、東京に通うにしても神奈川や埼玉、千葉に住み、毎日片道30分ほどかけて会社や学校に行くのは普通であり、大多数の人がしている首都圏での住み方です。

つまり東京に毎日通えればいいわけであり、東京に住むことにこだわる意味はありません。例えば千葉や埼玉だと、東京都内に通える路線沿いであっても10万円ほどでファミリー向け物件を見つけることができます。

例えば私の場合、以前は家族で長津田駅(横浜)の周辺に住んでいました。渋谷まで乗り換えなしで行くことができますが、渋谷と長津田は以下のように非常に距離が離れています。

ただ地図上では遠いものの、急行電車に乗ることで長津田-渋谷は片道30分です。そのため、特に困ることはありませんでした。以下の通りです。

東京に出るにしても、地図上では離れていたとしても通勤時間はわりと短いです。そのため家賃を安くしたい家族引越しでは、東京近郊にある他県(神奈川、埼玉、千葉)の主要駅近くも候補に入れて物件を探しましょう。

「最も利用する駅」と「住みたい沿線」を決めた後は、ある程度広いエリアの中から最適な物件を見つけるのが東京への引越しのコツです。

東京への引越しは、職場・学校に通いやすい場所を探す

東京は道や交通網などが入り組んでおり、移動に時間がかかります。特に職場や学校までの道のりで乗り換えが発生する場合、通勤・通学にかなりの時間を要することになります。

このとき千代田区や港区などの人気のある都心エリアだと、通勤に便利な一方で家賃がかなり高くなります。一方で他県に近い区や23区外、さらには東京周辺の県であれば、東京近辺であっても安い物件を見つけることが可能です。

そのため家賃を抑えながら東京で暮らすのであれば、職場や学校などへ電車1本で行ける路線上の駅のうち、予算や希望条件の中から引越し場所を選びましょう。

また子育て中の家族引越しであれば、子育て支援に力を入れている自治体から候補を絞っていくといいです。特に広い部屋に安く住みたいのであれば、23区外や東京近郊の県まで候補を広げると、希望条件を満たした物件を見つけやすくなります。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

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