賃貸物件への引越しでは入居審査が行われます。一般的に、入居審査では大家(不動産業者)へ提出した収入証明書などを元に書類審査と本人確認の電話が行われます。

また大家・不動産業者によっては、入居審査の一環として在籍確認を行うケースがあります。入居審査を通過しなければ申し込んだ物件に引越しできないため、在籍確認の電話で不備がないようにしたいところです。

それでは、在籍確認ではどのようなことが確認されるのでしょうか? また、審査に通過しやすくなる在籍確認のコツはあるのでしょうか?

ここでは、賃貸物件への引越しで行われる在籍確認について確認していきます。

入居審査で行われる在籍確認

大家からしてみれば、素行に問題のある人物や支払い能力の低い人を自分の物件へ入居させることには大きなリスクを伴います。そのため賃貸物件への引越しでは、事前に入居審査が行われるのが基本です。

一般的に入居審査では、勤務先や収入額など支払い能力についての書類審査が行われます。賃貸契約時に保証人を立てる場合、保証人の支払い能力も審査対象となります。

このとき、大家や不動産業者は書類審査と本人確認のみで入居審査を完了させるケースがほとんどです。

ただ中には、入居審査として書類に記入した職場への在籍確認を行う大家・業者もいます。特に新築や高級住宅などの好条件物件を契約する場合や、「あなたの信用性に問題がある」と判断されると在籍確認が行われるケースが多いです。

このとき入居審査の在籍確認は、入居申込書に記入した会社や職場電話番号へ大家や不動産業者、保証会社などから連絡が入ります。そのため、入居申込書の会社連絡先欄には在籍確認を取りやすい番号を記入しておきましょう。

例えば会社の支店で働いているのであれば、本社ではなく勤務している支店の番号を記入しましょう。また在籍確認の電話を人事部や総務部に対応してもらいたいのであれば、人事部・総務部の電話番号を別途伝えておくとスムーズです。

なお在籍確認が行われるか否かについては、事前に通知されるのが一般的です。

在籍確認の電話をあなたが受け取る必要はない

入居審査で行われる本人確認の電話については、一般的にはあなた自身が電話に対応する必要があります。入居申込書に記入した電話番号があなた本人のものであることを証明するためです。

そのため、「在籍確認の電話は必ず自分が受け取って対応しなければならない」と思っている人は多いです。ただ入居審査の在籍確認では「申込書に記載されている会社にあなたが勤務していること」が分かればいいので、必ずあなた自身が受け取って対応する必要はありません。

例えば、在籍確認の電話を受けた人が「ただいま席を外しております」「〇〇(あなた)へおつなぎしますか?」などと対応すれば、あなたがその会社に勤務していることの証明となります。そのため、在籍確認のタイミングであなたが社内にいる必要はありません。

なお賃貸契約時に保証人を立てる場合、保証人の勤務先にも在籍確認が行われるケースがあります。このような場合であっても、在籍確認が行われることは事前に通知されるので、保証人となる人にあらかじめ在籍確認の電話が入ることを伝えておきましょう。

在籍確認なしで賃貸物件への引越しは可能?

ただ中には、勤務先への在籍確認連絡を避けたい人もいるでしょう。このような場合、在籍確認なしに賃貸契約へ進むことは可能なのでしょうか?

結論からいうと、大家や不動産業者に在籍確認しないでほしい旨を伝えれば、柔軟に対応してもらえるケースがほとんどです。在籍確認する側からしてみれば、あなたが勤務先欄の会社で働いていることが分かればいいので、在籍確認以外の手段でも問題ないためです。

例えば、社名入りの社員証や勤務先が発行した在籍証明書などがあれば、あなたが入居申込書に記入した会社に勤めていることを証明できます。

そのため在籍確認の電話を避けたいのであれば、これら書類を用意して在籍確認の電話をしてほしくない旨を大家・不動産業者に伝えましょう。

なお、在籍確認を避けたい詳細な理由については確認されないのが一般的です。理由について聞かれたとしても、「社内に詮索魔がいるので、引越しする事実が社内に広まると困る」などと言っておけば問題ありません。

賃貸物件の更新では在籍確認しないのが基本

なお中には、居住中に退職や転職した人もいるでしょう。本来であれば、入居時に記入した勤務先を退職(転職)したら大家などに伝えるのが原則です。ただ実際には、退職・転職を大家などに伝えないケースがほとんどです。

このとき、もしいま住んでいる物件の更新で在籍確認が発生すると、退職・転職を伝えていないことがばれてしまいます。このような場合、「入居時の条件と異なる」として退去を求められることを心配する人がいます。

ただ結論からいうと、賃貸物件の更新で在籍確認が行われることはまずありません。そのため入居中に退職・転職していたとしても、契約更新時にばれることはないので安心しましょう。

在籍確認で入居審査に落ちる原因と対策

なお前述のように、在籍確認時にあなたが電話口に出る必要はありません。あなた自身が在籍確認の電話に出なくても審査には影響しません。

また手違いなどによって在籍の確認が取れなくても、これが原因で入居審査に落ちることもありません。ただ、在籍確認によって「あなたがその会社に在籍していない」ことが発覚すると、入居審査に落ちる可能性が高いです。

例えばすでに退職済みの会社を勤務先として記入した場合、在籍確認によってあなたが在籍していないことが発覚します。そうすると「入居申込書に嘘の申告を行った」と見なされて審査に落ちるケースが多いです。

そのため入居申込書には、退職済みの会社を記入するのは避けましょう。また内定をもらっているのであれば、転職先の会社を記入し、内定先に在籍確認の電話対応をしてもらいましょう。

在籍確認の電話を受ける部署へ事前に話を通しておく

また、現職・内定先のどちらに在籍確認してもらう場合であっても、事前に在籍確認の連絡が来ることを伝えておくのが賢明です。会社によっては用件のない電話に対応しないケースがあるためです。

一般的に、在籍確認の電話では用件を伝えずに「〇〇様(あなた)はいますか?」と取次ぎを希望します。ただ、このように電話をかけてくるのは在籍確認だけではありません。個人への営業電話が会社にかかってくるケースもあります。

当然ながら、個人への営業電話を会社が対応する必要はありません。また、個人情報保護の観点から用件を申告しない電話に対応しない会社も多いです。

このような事情で在籍確認できなくても、即座に審査に落ちることはありません。ただ在籍確認が取れるまで審査を通過できないことになるため、入居までに時間がかかることになります。

そのため入居審査で勤務先へ在籍確認が行われるのであれば、勤務先の総務や人事など、電話を受け取る可能性が高い部署へ「在籍確認の電話がくる」ということを伝えておきましょう。そうすれば、用件なしの電話に対応しない方針の会社であっても、問題なく在籍確認を済ませることができます。

あなた本人が在籍確認の電話に出たら、感じよく対応する

なお場合によっては、在籍確認の電話にあなた自身が対応するケースもあるでしょう。ただこのとき、在籍確認の電話に横柄な態度で対応すると、信用性に欠けると判断されやすい(=入居審査に落ちやすい)ため注意が必要です。

入居審査では、支払い能力だけでなく人間性についてもチェックされます。大家からしてみれば、入居者が近隣住民とトラブルになると大きな損害を被るリスクがあるためです。

そのため、本人確認や在籍確認などでの入居希望者の電話対応が悪いと、「人間性に問題あり(=近隣トラブルを起こすリスクが高い)」と見なされて審査落ちになるケースが多いのです。

在籍確認の電話に対して過度にへりくだる必要はありませんが、入居審査に落ちないためにも、忙しいタイミングであっても丁寧に電話対応するように気を付けましょう。

賃貸への引越しで行われる在籍確認を理解する

賃貸物件への引越しでは、申込時に入居審査が行われます。大家や不動産業者によっては、入居審査の一環として勤務先への在籍確認が行われるケースもあります。

このとき、在籍確認の電話にあなた本人が対応する必要はありません。その場にあなたがいなくても、電話に出た人が「席を外しております」「取次ぎしましょうか?」と言えば、会社にあなたが在籍していることの証明となるためです。

ただ、在籍確認の電話では用件を申告しないケースがよくあります。このとき個人情報保護の観点などから、用件を申告しない電話に対応していない会社があるので、勤務先によっては在籍確認を完了できない可能性があります。

そのため賃貸契約時に在籍確認が行われるようであれば、在籍確認の電話を受け取る部署へ事前に連絡しておきましょう。そうすることで、在籍確認を伴う入居審査をスムーズに完了させることができます。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

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