引越しは手間と労力がかかるイベントです。そのため、親や家族、友人が引越しの手伝いを申し出てくれるケースは多いです。
ただ引越しをするのはあなた自身であるため、親が手伝ってくれる場合であってもあなたが作業を指示するのが基本です。また家族・友人の間柄であっても、引越しを手伝ってもらったらお礼する必要があります。
また中には、家族・友人の手伝いの申し出を断りたい人もいるでしょう。このような場合、家族・友人の手伝いなしで引越しすることを考えなければなりません。
それでは家族や友人に引越しを手伝ってもらう場合、どのような内容をお願いしたらいいのでしょうか? また家族・友人による引越し手伝いの申し出を断りたい場合、どうすればいいのでしょうか?
ここでは引越しを手伝ってもらう際の作業の進め方や手伝いの申し出を断る方法、家族や友人以外に引越し手伝いを依頼する手段などについて解説していきます。
もくじ
親や家族に引越しを手伝ってもらう流れ
引越しをすることを親や兄弟、友人に伝えた際、手伝いを申し出られるのはよくあります。特に親であれば、子供の引越しを手伝おうとするのは普通です。
このとき、あなたが「引越し作業がつらい」「作業を手伝ってくれる人が欲しい」と思っているのであれば、遠慮なく家族・友人に引越しの手伝いを依頼した方がいいです。引越しではやるべきことが多く、一人ですべて作業すると疲労が溜まりやすいためです。
たださまざまな引越し作業の中でも、荷造りはあなた自身で行う方がいいです。家族・友人に荷造りを手伝ってもらうと、何がどこにあるのかわからなくなってしまうためです。
また引越しでは、断捨離を進めて荷物を減らすのが原則です。ただ家族・友人はあなたの荷物について取捨選択の判断ができないため、荷物を捨てずに作業を進めることになります。
その結果、貴重な整理整頓の機会を逃してしまうだけでなく、不要な物を新居に持ち込むことになり、引越し後の整頓に時間と労力がかかってしまいます。
そのため家族・友人に引越しを手伝ってもらう場合であっても、荷造りについては可能な限りあなた自身が行いましょう。
単純な梱包作業や掃除などを手伝ってもらう
ただ当然ながら、引越し直前まで荷造りが終わっていない状況だと家族に手伝ってもらった方がいいです。引越し当日まで荷造りが終わっていないと、搬出に時間がかかるだけでなく追加費用が発生するケースがあるためです。
このとき、家族や友人に荷造りを依頼するのであれば「本棚の本をすべて詰める」「食器などの壊れ物を梱包してもらう」など、取捨選択を必要としない項目を手伝ってもらいましょう。そうすることで不要な物を新居に運び込む心配がなくなりますし、家族・友人も手伝いやすくなります。
また、家族や友人に依頼しやすい引越し作業の一つが退去前の掃除です。キッチンの油汚れや水回りのカビなどをそのままにして退去すると、クリーニング箇所が多くなるため退去費用が高額になります。そのため、引越し日までにひどい汚れは落としておく必要があります。
このとき、キッチンや水回りなどの掃除は時間と労力がかかります。引越しでは荷造りや掃除以外にも役所やライフラインの手続き、引越し業者とのやり取りなどさまざまな作業が発生します。これらの作業に対して掃除は本人以外にもできるため、このような作業を家族・友人に任せましょう。
他にも、家族・友人に役所での転出手続きを依頼することも可能です。同一世帯の家族であれば、手続きに委任状も必要ありません(別世帯であれば委任状が必要)。平日に時間を取れないのであれば、家族や友人に役所の手続きを手伝ってもらいましょう。
なお、中には引越し当日に家族・友人を呼び、引越し業者による荷物の運搬を手伝おうとする人がいます。ただ業者の仕事を素人が手伝おうとしても邪魔なだけなので、荷物の運搬は引越し業者に任せましょう。
近距離で荷物が少ない場合、軽トラで自力引越しも可能
また引越し先が近く荷物が少ない場合、軽トラックを使用して自分たちで荷物を運ぶことも可能です。荷物量の少ない単身引越しであれば、男手が2人もいれば問題なく自力引越しできます。
このとき、軽トラックのレンタル料金は諸経費込みで半日1万円ほどです。荷物の梱包資材を購入して揃えても、引越し費用を1万5千円ほどに抑えることができます。親などが軽トラを所持している場合、引越しにかかるお金は数千円ほどになります。
ただ自力引越しでは素人が荷物を運ぶことになるため、荷物や内装が破損するリスクが高いです。また、業者を利用した引越しに比べて時間もかかることを覚悟しましょう。
引越しを手伝ってもらった家族・友人へのお礼
なお親や家族に引越しを手伝ってもらった際、「手伝って当たり前」「お礼は不要」と考える人は非常に多いです。確かに、あなたが学生や新社会人であり、初めての一人暮らしで引越しを手伝ってもらう際には家族へのお礼は不要です。
ただ、あなたがすでに社会人として働いているのであれば、親・家族であっても手伝いのお礼するのが礼儀です。引越しを手伝った家族は、少なくとも1日はあなたのために時間を消費しているためです。当然、友人が手伝ってくれた場合もお礼が必要です。
このとき、家族・友人の間柄だとお礼で現金を包むのは避けた方がいいです。そこで引越しを手伝ってもらった家族・友人には、食事をごちそうしてお礼しましょう。
例えば新居に家族・友人を招待して自宅で食事をごちそうすれば、引越し手伝いのお礼を兼ねてあなたの新居を紹介することもできます。出前で食事を用意すれば手間もかかりません。
新居に家族・友人を招くのが難しいようであれば、都合のいい日に飲食店で食事をごちそうするといいです。お礼の相場金額は1人あたり5,000~1万円ほどですが、手伝ってくれた人数が多く負担金額が大きくなるのであれば、トータルの出費から店舗を決めましょう。
引越し手伝いの申し出を断ることも考える
ただお礼の出費もありますし、中には「人の手を借りたくないのに手伝いを申し出られて迷惑に感じている」という人もいるでしょう。特に親・家族だと、引越しを伝えただけで手伝いを申し出られるケースが多いです。このような場合、どのようにしたらいいのでしょうか。
まず、このような場合において「親切心を無下にできないから、手伝いを断れない」と考える必要はありません。一般的に引越しは人手が要るイベントであり、手を貸す側から引越しの手伝いを申し出るのはマナーの一種であるためです。
そのため引越し手伝いを不要に感じるのであれば、その旨を素直に伝えましょう。「荷物が少ない」「期日に余裕がある」「引越しを機に荷物を整理したい」などの理由を添えて断れば、相手を嫌な気持ちにさせることもありません。
ただ中には、断っても無理やり手伝おうとする人もいます。相手がこのようなタイプである場合、あなたの心情を図らない(=好き勝手に作業を進めてしまう)可能性があるので、何としてでも手伝いを断りたいところです。このような場合、相手の心情や立場に合った言い回しで手伝いを断りましょう。
例えば「あなたの役に立ちたい」という気持ちが強いのであれば、「今後のために、今回の引越しは人の手を借りずにやりたい」と伝えれば手伝いの申し出を断りやすいです。
または「掃除用品が必要だけど探しに行く暇がないから、おすすめの掃除用品を買って送ってほしい」など、「任せられる作業」を一部だけ依頼するのもいいでしょう。
一方で、親・家族があなたの引越し先について心配しているようであれば、「引越し後に部屋へ招く」と約束すれば納得してもらいやすいです。場合によっては、実家へ顔を見せに行くだけで安心してもらえるケースもあります。
家族や友人に引越しを手伝ってほしくないのであれば、このような「納得してもらえる断り文句」を考え、手伝いの申し出を断りましょう。
プロに引越し手伝いを依頼する方法と注意点
ただ家族や友人の手を借りずに引越しする場合、あなたがこなさなければならない作業量がかなり多くなります。引越しに十分な時間をかけられるのであれば問題ないですが、忙しかったり荷物量が多かったりすると引越し当日までに準備を終えられないリスクがあります。
最悪の場合、予定していた日にちに引越しできず、別日に再度引越しを手配しなければならないケースもあります。このような事態になると引越し料金が2倍になるだけでなく、旧居の家賃について違約金などが発生することになります。
そのため引越し当日までに準備が終わらなそうなのであれば、業者に手伝いを依頼することを検討しましょう。
例えば引越し業者の荷造りオプションを利用すれば、引越しのプロがあなたの荷物を効率よく荷造りしてくれます。また引越しのプロが梱包してくれるため、短時間できれいに荷物をまとめてくれます。
ただ引越し日が近づいてから荷造りオプションを追加すると、人員の調整が必要となることから利用料金が高額になりやすいです。
また引越し直前だと、人員の空きがなければ荷造りオプションを利用できません。中には、荷造りサービスを行っていない引越し業者もあります。
ただサービスの内容や料金は引越し業者によって異なるので、「荷造りが間に合わないかもしれない」と思ったら、まずは引越し業者に連絡してみましょう。
便利屋に荷造りや掃除を依頼する
なお引越し業者の荷造りサービスを利用できない場合、便利屋(なんでも屋)に引越し作業を依頼する手段があります。便利屋であれば、規定の料金を支払えば引越しを手伝ってもらうことができます。
ただ便利屋の利用料金は作業時間あたりで発生するため、作業時間が延びるとその分だけ費用が高くなります。例えば以下は全国に店舗を展開する便利屋の料金表です。
この便利屋を利用する場合、作業員1名あたり1時間3,000円に加えて出張費が2,000円かかります。例えば作業員1名に1時間作業してもらうと5,000円、作業時間が2時間になると8,000円かかります。作業員が2名の場合、1時間で1万円、2時間で1万6,000円かかることになります。
このとき、荷造り手伝いや掃除は便利屋の代表的な仕事の一つであるため、スタッフが手馴れているケースが多いです。そのため便利屋の荷造り代行の費用は、単身引越しであれば1~2万円ほどが相場となっています。
ただ便利屋は引越しのプロではないため、中には作業に不慣れなスタッフもいます。作業に慣れていないスタッフが引越しの手伝いに来たとしても、作業員一人当たりの費用は変わりません。そのため便利屋スタッフの質によっては、お金をかけてもそれほど作業が進まないリスクがあります。
なお便利屋は引越し業者と異なり、掃除を依頼することもできます。スタッフが荷造りに慣れていないようであれば、途中で依頼する作業内容を変更して、効率よく引越し作業を進めていきましょう。
引越し作業を手伝ってもらい、あなたの負担を減らす
引越しは手間と労力がかかります。そのため引越しすることを伝えたら、家族や友人から手伝いの申し出を受けるケースは多いです。
このとき手伝いが不要なのであれば、「引越しを機に荷物をすべて整理したい」などの理由を添えて断って問題ありません。相手がどうしてもあなたを手伝いたいようであれば、掃除用品の買い出しなどの「任せられる作業」を依頼するといいです。
一方で引越し作業を一人で担うのが負担なのであれば、家族や友人に単純な梱包作業や掃除などを依頼しましょう。平日に時間が取れないようであれば、委任状を書いて役所手続きを家族に手伝ってもらうこともできます。
なお家族や友人以外に引越しを手伝ってもらいたいのであれば、引越し業者のオプションサービスや便利屋を利用しましょう。これが引越しの手伝いについての基本的な考え方です。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
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また、同じ日であっても午前の引越しを午後にするだけでも値引きが可能です。こうした価格交渉術について解説しています。
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この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。
安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備
見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。
ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。
見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか
実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。
ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。