引越しには何かとお金がかかります。そのため、少しでも引越しに関わる費用を抑えたい人がほとんどです。

このとき、引越しの際にはインターネット関連の手続きが必要となります。インターネットの利用契約の中には解約金や違約金などが生じるプランがあるため、引越し時の費用を心配する人は多いです。

それでは、引越し時のインターネット手続きで違約金などの費用は発生するのでしょうか? また、インターネット手続きに伴う費用を節約する方法はあるのでしょうか?

ここでは、引越し時のインターネット手続きをお得に済ませる方法について解説していきます。

プロバイダをそのまま継続すれば違約金は発生しない

引越しには様々な初期費用が発生します。賃貸物件を借りる際には敷金礼金などがかかりますし、利用するガス会社によっては保証金が初期費用として必要なケースもあります。そのため、引越し時のインターネット手続きに費用が発生するのか気になる人は多いです。

ただ結論からいうと引越先で引越し前と同じインターネット業者を利用する場合、引越しによるインターネット手続きで違約金が発生することはありません。

引越し時のインターネット手続きとしては、まず契約している会社からレンタルしているモデムを返却することになります。

その後、引越し先の住居に合ったモデムを新たにレンタルします。このとき、モデムの返却やレンタルなどに費用は発生しません。配送料も業者持ちです。

ただ、引越し先の住居にインターネット回線が通っていない場合、引越し後のインターネット利用開始には回線工事が必要となります。

このとき、回線工事には15,000~40,000円の工事費用が発生します。工事費用は月額使用料と一緒に分割で支払うのが一般的であり、高額の工事費用を一度に支払うケースは少ないです。

なお、初回契約時であれば工事費用相当の割引特典を受けられるケースが多いですが、2度目の回線工事に割引特典が適用されるケースは少ないです。引越し先住居にインターネット回線が引かれていないと、回線工事費用を実費で払わなければならなくなるのです。

また一般的に、引越し先にインターネット回線が引きこまれている場合であっても、引越し先でインターネットを利用するためには契約業者による工事が必要です。

この場合、遠隔操作で工事が実施されるためスタッフが住居を訪れることはありませんが、数千円ほどの移転工事費がかかります。また、事務手続き費用も発生します。

そのためインターネットの転居手続きで違約金は発生しないものの、転居先のインターネット環境に応じて回線工事費や移転工事費、事務手数料などの支払いが発生することを知っておきましょう。

対応エリア外への引越しだと違約金が発生する

前述のように、引越しをしてもインターネット業者を変えなければ違約金は発生しません。ただ引越し先が現在使っているインターネット業者の対応エリア外だと、契約の継続は不可能です。

この場合、引越し時にインターネット業者を解約する必要性が生じ、違約金の支払いを覚悟しなければなりません。大手インターネット業者の格安プランのほとんどは、更新月以外の解約で解約金(違約金)が発生するプランであるためです。

例えば以下は、auひかりの契約プランです。

このプランは3年単位の自動更新プランとなっており、契約更新月以外での解約に1万5,000円の契約解除料が発生します。

このような契約は一般的に3年しばり(2年しばり)プランなどと呼ばれており、携帯電話プランにも適用されている契約方法です。

このような「〇年しばりプラン」は、期間しばりのないプランよりも月額料金が安いです。また業者は「〇年しばりプラン」を推奨するケースがほとんどであるため、このプランで契約しているインターネットユーザーがほとんどです。

このとき注意が必要なのが、エリア対象外への引越しが理由であっても、更新月以外の解約だと解約金(違約金)が発生する点です。

実際に対応エリアが限定されているauひかりとeo光に問い合わせたところ、エリア外への引越しによってやむを得ず解約する場合であっても、解約金は発生するとのことでした。

そのためいま使っているインターネット業者の対応エリアや引越し先のインターネット環境によっては、引越しによって違約金の支払いが生じることを覚悟する必要があります。

フレッツ光と契約している場合、解約時に違約金が2ヶ所に発生する

このように、解約理由が何であれ「〇年しばりプラン」で契約している人が更新月以外に解約を行うと、違約金の支払い義務が発生します。そのため「引越し先でも契約継続は可能であるが、引越しを機にインターネット業者の変更を行う」という場合も解約金を支払わなければなりません。

このとき、ドコモ光などの携帯電話系列やocn光などと契約しているのであれば、一社に違約金を支払えば問題なくインターネット業者の乗り換えが可能です。

ただ、フレッツ光と契約している場合、違約金が二ヶ所に発生するケースがあるので注意が必要です。

自宅でインターネットを利用するためには、インターネットの回線事業者とインターネットの接続事業者(プロバイダ)の2つを利用する必要があります。

回線事業者は通信を行うための物理的な回線(電気でいう電線のようなもの)を管理しています。これに対してプロバイダは、インターネット回線を通る信号を実際の通信機器(パソコンなど)で利用できる形にしています。

プロバイダを通さないと、インターネット回線があってもパソコンなどでネットを利用することはできません。そのため本来であれば、インターネットの利用者は回線事業者とプロバイダの2社と契約することになります。

例えば、日本で引かれているインターネット回線(光回線)の多くはNTTが所有しています。そのためNTTの光回線が引かれている住居でインターネットを利用するためには、回線事業者であるNTTとOCNなどのプロバイダの2社と契約しなければインターネットを利用できません。

ただ現在では、NTTの回線を使用する場合であっても回線事業者と接続事業者を別々に契約せずに済む状況となっています。これは、電力やガスなどの自由契約が進み、どの会社であっても契約できるようになった仕組みと似ています。

ocn光やソフトバンク光などは独自の光回線を所有していないため、これらと契約するとNTTの回線を使用することになります。

ただ、別途NTTと契約する必要はなく、支払いは契約している業者(ocn光やソフトバンク光)のみに発生します。また、インターネットを利用するにあたっての契約事業者が1社となるため、解約時の違約金も1社にしか発生しません。

一方でフレッツ光と契約している場合、解約時の違約金が2社に発生する可能性があります。フレッツ光と契約している人は、前述の通り別途プロバイダ業者とも契約しているためです。

フレッツ光はNTTが展開するインターネット回線事業者です。そのためフレッツ光と契約している人は、プロバイダと別途契約しなければインターネットを利用できません。

このとき、フレッツ光の契約プランの中には「にねん割」などの「〇年しばりプラン」が存在します。実際に以下は、フレッツ光の契約プランについての詳細です。

このプランだと、更新月以外に解約すると解約金が発生します。このときプロバイダとも期間しばりプランで契約していると、インターネットの乗り換え・解約時に解約金が2社に発生することになります。

そのため引越しを機にインターネット業者の変更を考えている人は、自分が契約している会社と契約プランの内容、更新月などを確認した上で乗り換え手続きを進めましょう。

解約金などの負担なしで引越す方法

それでは、解約金や工事費などの費用なしで引越しすることは可能なのでしょうか。

引越し先住居で回線工事が必要となる場合、高額の回線工事費が発生します。またインターネット業者を変更しなくても、移転工事費や事務手数料などは発生するケースがあります。これらの場合、契約会社を見直す方が費用負担なくインターネット利用を継続できる可能性があります。

そのため、まずは引越し先のインターネット環境やいま使っているインターネットの契約状況などを確認しましょう。その上で、以下の方法を検討するといいです。

引越しを機にプロバイダ乗り換えする

移転によって生じた新規の回線工事費用だと、割引を受けられないケースが多いです。また、移転時の費用も基本的には実費負担となります。

一方で、初回契約時であれば初期費用の割引を受けられるインターネット業者がほとんどです。そのため引越しに伴うインターネット手続き費用負担を減らしたいのであれば、インターネット業者を乗り換えて新規契約特典を利用するといいです。

例えば以下は、ソフトバンク光の契約特典です。

この業者と契約すると、工事費に相当する2万4,000円分のキャッシュバック・割引を受けることができます。一般的な違約金は10,000~15,000円であるため、契約しているインターネット業者によっては契約業者を変更する方が金銭的負担は少なくて済みます。

また契約条件や代理店などによっては、高額なキャッシュバックキャンペーンを行っているケースがあります。例えば以下は、ソフトバンク光の代理店サイトです。

この代理店を利用すると、契約条件によっては8万円のキャッシュバックを受けられます。これは工事費用と違約金の両方をカバーできる金額です。そのため引越し時のインターネット手続きをお得に済ませたいのであれば、いくつかの業者と代理店を比較して乗り換えるプロバイダを決めましょう。

なお現在使っているインターネット契約を更新月に解約すると、違約金を支払わずにキャッシュバックを受けられます。そのため更新月が近づいているのであれば、引越し時期を調整して違約金なしでの解約を検討しても問題ありません。

モバイルルーターなら回線工事不要でインターネットを利用できる

またインターネット環境にこだわりがないのであれば、モバイルルーターを利用する手段があります。例えば以下は、WiMAXが提供しているモバイルルーターです。

これらはどちらも、工事・事務手続き不要で利用できるホームルーターです。モバイルルーターを契約すれば、初期費用なしでインターネットを利用できるのです。

またモバイルルーター契約の中には、キャッシュバック特典があるケースがあります。例えば以下は、WiMAXのキャッシュバック特典に関する情報です。

このように、WiMAXのモバイルルーター(ホームタイプ)の契約で3万1,000円のキャッシュバックを受けられます。このような特典を利用すれば、引越し前に使っていたインターネット業者について実質的に違約金負担なしで解約し、引越し先で初期費用なしでインターネット利用を開始できます。

さらに固定のインターネット回線を利用する場合、転居後の工事または接続設定が終わるまでインターネットを利用することはできません。多くの場合、申し込みから半月~1ヶ月待つことになるため、早めに伝えていない場合は引越し先でネットなしの生活になります。

これに対してモバイルルーターであれば、自宅にルーターが届いた段階でインターネットを利用できます。そのためモバイルルーターには、引越し後すぐにインターネットを利用できるメリットがあります。

ただモバイルルーターは固定回線に比べて通信が遅く、回線が安定しづらい傾向にあります。そのため自宅で大容量のデータ通信を行ったり複数の通信機器を同時にネットにつないだりする場合、快適に利用できないことを覚悟する必要があります。

引越し時の費用負担を軽くする乗り換えプロバイダの選び方

前述のように、現在のインターネット契約状況や新居のインターネット環境によってはインターネット業者を変更する方がお得に引越しできるケースがあります。

それでは、どのような基準でプロバイダを選べばお得に乗り換えができるのでしょうか?

このとき、今後の乗り換えを考えると、違約金なしのプランで契約した方がお得であるように感じる人がいます。たしかに、「〇年しばり」のないプランで契約すれば、どのタイミングで乗り換え・解約しても違約金は発生しません。

ただ基本的には、違約金なしのプランだと基本料金が高くなり損をするケースが多いです。例えば以下は、ドコモ光の契約プランについての詳細です。

ここに記載されているプランはどれも期間しばりなし契約が可能ですが、2年しばりプランよりも月額1,000円高くなります。2年しばりで発生する解約金は1万3,000円(マンションタイプだと8,000円)であるため、14ヶ月以上利用すると2年しばりプランの方が割安となります。

また、インターネット業者のほとんどは乗り換えキャンペーンを実施しています。このような特典を利用すると、前述のように「解約時の違約金を実質負担なし」でインターネット業者を変更できます。

このようなことから、違約金が発生するリスクを負ってでも「〇年しばりプラン」で契約する方がお得になりやすいです。

また先ほど述べたように、フレッツ光と契約するとプロバイダと別途契約しなければならないため、プロバイダにこだわりがないのであれば回線事業も担っているプロバイダと一括契約する方がお得です。

携帯キャリアに合わせてドコモ光やau光、ソフトバンク光を選ぶ

なお、基本的には所持している携帯電話のキャリアに合わせてインターネットを利用するのがお得です。携帯電話とインターネットの両方を契約すると、大幅な割引があるケースがほとんどであるためです。

例えば以下は、ドコモ光の公式サイトです。

このように、ネットとスマホをドコモでそろえると、スマホ料金が月額1,000円割引されます。またNTTドコモを契約している人がドコモ光を契約すると、買い物に利用できるポイントも贈呈されます。

携帯キャリアとネット業者をそろえると、割引・特典が受けられるのです。三大キャリア以外だとこの裏技を利用しにくいですが、基本的には携帯キャリアに合わせてインターネット業者を選びましょう。

転勤族はeo光など地域型プロバイダを避ける

なお、インターネット業者の中には地域特化型の企業があります。例えばeo光は関西電力のグループ会社が運営するインターネット業者であり、関西地方でのみ利用できます。

このとき前述のように、「〇年しばりプラン」の違約金はエリア外への引越しによる解約でも発生します。

またeo光の格安契約プランは「〇年しばり」ではなく最低利用期間を設けているプランですが、最低利用期間を満たさずに解約すると、解約理由がeo光に対応していない地域への引越しであっても解約金がかかります。

このとき、前述のようにプロバイダ乗り換えを実施すると、解約金を相殺できるだけのキャッシュバックを受けられます。

ただ、このようなキャッシュバック特典を受けられるのは初回契約時のみであり、2度目以降の再契約では特典を受けられないケースが多いです。

そのため引越し回数の多い転勤族が引越しのたびにプロバイダを変更すると、特典を利用できる業者は少なくなっていきます。その結果、キャッシュバック特典を利用してプロバイダ乗り換えができなくなる事態に陥りやすいです。

そのため短期間で引越す可能性がある転勤族は、対応エリアが限定されているインターネット業者を利用しないようにしましょう。

お得にプロバイダを変更して引越し時の費用負担を減らす

引越しの前後で契約業者を変更しなければ、引越し時に高額の違約金は発生しません。ただインターネットの転居手続きに伴い、転居工事費や事務手数料などの支払いが生じます。また引越し先のネット環境によっては、引越し後に高額の回線工事が必要となるケースがあります。

さらにインターネット業者の中には、対応エリアが限定されているケースがあります。このような業者と契約している場合、引越し先の地域によっては解約せざるを得なくなります。

このとき契約期間が定められているプランで契約していると、エリア外への引越しが解約理由であっても違約金が発生します。

そのため引越し時のインターネット手続きに伴う費用負担を軽くしたいのであれば、キャンペーンを利用するなどして、お得にプロバイダ乗り換えしましょう。初回契約特典を利用すれば、引越し時の費用負担を軽減することができます。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

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