引越しはとても面倒な作業です。しかし、必要な物がそろっていないと引越しの作業に支障が出たり、引越し後の生活が困難になったりします。

ただ、引越しが面倒だからといって引越し作業に便利なアイテムを全てそろえていたのでは費用と時間がかかってしまいます。

引越しでは事前に必要なものが何なのかを見極めなければいけません。また同時に必要ないものを理解し、引越しを機に積極的に捨ててしまうことをおすすめします。

そこで、引越しで最低限必要なものについて説明します。物を絞ることにより、引越し作業の負担を減らすためです。また同時にいらないものを考える必要があり、どのように考えて引越し準備を進めればいいのかも含めて解説していきます。

これから行う引越しに必要な物

引越し前に「これだけは欠かせない」という最低限の物をそろえておくと、引越し作業がとても楽になります。これについて、以下のようなアイテムが該当します。

  • ダンボール
  • ガムテープ
  • 新聞紙や緩衝材となるエアーキャップ(通称プチプチ)
  • ビニール袋
  • ビニールヒモ
  • ハサミやカッター
  • マジック
  • 工具類(ドライバーなど)

それぞれ、以下のようになります。

・ダンボール

ダンボールは引越しをする際のリストには欠かせません。たまに、ごみ袋などに服を詰め込む人がいますが引越しの梱包は基本的にダンボールです。そのほうが、運び手が持ちやすいからです。

ダンボールは単身だと平均20個必要であり、家族の場合は平均40個以上は必要だと考えたほうがいいです。

ダンボールの入手先は引越し業者がおすすめです。足りない場合は、引越し業者に催促し、追加でもらいましょう。

・ガムテープ

ダンボールを閉じたり、荷物を固定したりするのに使います。50mが1巻あれば充分です。ただし、100円ショップの物はおすすめできません。

以下のような布製で粘着力が強い200円前後のテープをおすすめします。

ただガムテープについても、引越し業者に依頼すれば用意してくれるため、業者からもらうようにすれば問題ありません。

・新聞紙や緩衝材となるエアーキャップ(通称プチプチ)

緩衝材として使用するアイテムになります。食器など割れやすいものを梱包するときに使用します。ガラスや陶器類は新聞紙にくるんでおけば、まず割れることはないでしょう。目安として1~2週間分の新聞紙を用意しておきましょう。

新聞紙の入手ができない場合は、代用品としてエアーキャップ(通称プチプチ)を使用してもかまいません。ホームセンターなどで、約1000円で購入できます。

・ビニール袋

液体の調味料、洗剤などの液漏れを防ぐためにビニール袋を使用します。液体が入った容器をそのままダンボールに入れてしまうと液漏れして、あとで後悔することになるからです。

液漏れを防ぐために使用するだけなので100円ショップで購入できるもので充分です。

・ビニールヒモ

傘や物干しざお、ほうきなどダンボールに入らないものを一つに束ねるのに便利です。また、本を縛るのにも使用します。こちらも、100円ショップで購入できるもので充分です。

・ハサミやカッター

ガムテープやビニール紐を切るために必要になります。

・マジック

ダンボール側面にダンボールの中身を書き込むために必要です。ダンボールの中身を記入する作業をしておかないと、引越し後の荷解きで困ることになります。ダンボールに荷物を入れるとき、中に何が入っているかを分かりやすいように記入しましょう。以下の写真が記入例になります。

また、赤のマジックを用意して「ワレモノ注意」など引越し業者に注意してもらいたいポイントを書き込んでもいいです。他には、以下の写真のように100円ショップに売られているシールを貼っても分かりやすくて便利です。

このように引越し業者とのやり取りを円滑にできる工夫をすることが引越しでは重要になります。

・工具類(ドライバーなど)

家具を運びやすくするために必要になるケースがあります。ただし、引越し業者に依頼する場合、基本的にはすべて業者側で家具の運搬・解体を含めて実施してくれます。

引越し後、すぐに必要な物も確認するべき

こうして引越しをした後、今度は日常生活を過ごすために必要なものを取り出さなければいけません。つまり、必須となる日用品を確認するようにしましょう。

そうしたとき、1日の中で必ず使用する日用品は以下の通りです。

  • 生活必需品(トイレットペーパー・洗面用品・お風呂セット)
  • ベッドまたは布団
  • 照明
  • ライフライン

引越し中と引越し後では、用意するものの目的が異なります。引越し後で注意するべきことは、引越し完了後に1日を寝て過ごす必要があることです。

朝起きて寝るまでを過ごすために必要最低限のものがそろっている必要があり、これを真っ先に考えましょう。「テレビを見る」「ゲームをする」「加湿器」といった娯楽関係・生活を快適にするアイテムや器具類は、引越し後に少しずつ充実させていけばいいです。

引越し前は当日であっても問題なく荷造りできますし、必要最低限の生活を考えることはないと思います。しかし引越し後は、「とにかく当日残りの時間を快適に過ごし、寝ることができるか」が大切なのです。

そこで、以下のものが揃っている状態にしましょう。

・生活必需品

生活必需品というと、日用品を思い浮かべる人は多いと思います。しかし、日用品の中でも「毎日使用しないもの」「使用しなくても生活できるもの」があるため、本当の意味で必要なものを引越し後にそろえるようにしましょう。

このとき日用品であれば、トイレットペーパー・洗面用品・お風呂セットが必須になります。この3点は引越後には欠かせません。ホテルに宿泊するとき、必須なものは何かを考えるといいです。

しかし、この3点は24時間営業のコンビニエンスストアでも買いそろえることができるので念頭に置いておくだけで充分です。

ただ、うっかり忘れているとトイレに行って「トイレットペーパーがない!」という状態だと非常に困るので頭には入れておきましょう。

・ベッドまたは布団

寝具は1日生活するために必ず必要です。特に、冬は寒くて寝具がないと寝ることはまずできません。そのため、寝具の搬入は必ず新居で生活する当日には済ませておきましょう。

・照明

照明器具は新居にあらかじめついている場合もあるので確認しておきましょう。新しく購入しなければいけない場合、新居に住む前に旧居のものを搬入するか、新しいものを購入しておくようにしましょう。

特に照明については、天井にあるので取り付けが大変です。そこで事前に買っておけば、引越し時に業者に依頼することで取り付けしてくれます。

・ライフライン

引越し後にライフラインの準備ができていないと生活できません。事実、電気や水道、ガスがないのは考えられません。そのために、新居に住む前にライフラインに関する手続きを済ませておきましょう。

ライフラインに関する手続きを忘れてしまうと、不便な生活に陥ってしまいます。

特にガスについては、新居での開栓作業に立ち合いが必要です。つまり、新居への引越しと同時にガス会社の人に来てもらわなければいけません。

私の場合についても、賃貸物件に荷物を運んでもらいながら、引越し日の当日にガス会社の人に来てもらって新居でガスの開栓作業を実施してもらいました。

このように立ち合いが必要になるので、急に連絡してもガス会社との都合がつかなければ開栓作業を行えません。ガスが通らない場合、お湯が出ずに温かいシャワーも浴びられません。以上の注意点を踏まえて、ガスの手続きを早めに行うようにしましょう。

一方で、ライフラインの手続のうち電気や水道は、ガスとは違って立ち合いは不要です。そのため、電話連絡での手続きのみで使用開始が可能です。

このとき、例えば電気の申し込みが完了すると同時に、電力会社へ供給開始日を確認しましょう。その後、申し込み後に引越し先で行うのはブレーカーを上げる作業のみです。これをすることで、電気を使用できるようになります。

なお水道については、基本的に手続きをしていなくても、ひとまず水道を使えます。ただ、ずっと手続きをしないでいると「突然水が使えない」という事態に陥ります。

そのため、新居のポストの中などにある「水道使用申込書はがき」に記入して投函するか、インターネットにて使用開始の手続きを行うようにしましょう。もちろん、電話で依頼しても問題ありません。

また水道について、建物全体で水道局とまとめて契約している場合もあります。その場合、個人での契約は不要なので確認が必要です。

以上のライフライン手続を必ず新居で住む前に済ませておきましょう。

新居で暮らすために最低限必要な物

引越しをするためには、ここまで述べた必要最低限の物を全て揃えておかなければなりません。

ただ実際のところ、これだけで生活をする人などいません。「初めての一人暮らし」「家族での新居への引越し」を含め、家具が必要ですし家電製品がなければ生活できません。そこで、新居での暮らしを継続していくために必要な最低限のものを確認しましょう。

ずっと暮らしていくために必要なものリストを作成する

ビジネスホテルのように数日暮らすだけなら不要でも、継続して暮らしていくとなると必要になるものは増えていきます。そのために今度は「ずっと暮らしていく」ために最低限必要なものを確認していきます。

これには、以下のようなものがあります。

  • 家電(冷蔵庫・洗濯機・炊飯器・エアコン・電子レンジ)
  • 洗剤類
  • キッチン用品(食器・スポンジなど)
  • タオル類
  • お風呂用品(シャンプー・ボディソープなど)
  • 掃除用品

それぞれについて、将来に確認していきます。

・家電(冷蔵庫・洗濯機・炊飯器・エアコン・電子レンジ)

普通の引越しの場合は旧居の物品を引越し先に搬入すればいいですが、独り暮らしを始める場合などは家電を購入しなければいけません。

家電の中でも、冷蔵庫・洗濯機・炊飯器・エアコン・電子レンジは引越し後すぐに必要になるので早めに購入しましょう。できれば、引越し後すぐに必要な物リストに入れておきましょう。

・洗剤類

洗濯用洗剤や食器洗い用洗剤、掃除用の洗剤は比較的すぐに必要になってくるものです。これらも当然、そろえる必要があります。

・キッチン用品(食器・スポンジ・調理器具など)

キッチン用品は引越し後、数日なら必要ないでしょう。しかし、生活していくに連れて最低限のキッチン用品は必要になってきます。

・タオル類

お風呂に入ったりシャワーを浴びたりする場合や手を洗ったときは必ず必要になります。雨の日が続く場合などを考えて多めに(20枚ほど)用意しましょう。

・お風呂用品(シャンプー・ボディソープなど)

新居に住むまでには用意しておきましょう。シャンプーやボディソープやボディタオル、バスタオルはそろえておきましょう。生活必需品です。

・掃除用具

掃除用具も引越し後に必ず必要になります。生活していると必ずゴミが出てくるので新居での暮らしを始める前に用意するといいです。

上記のものが新居での暮らしで最低限用意しなければならないものです。例えば、これが新しく独り暮らしを始める場合などだと、当然ながら費用がかかります。

そこで、以下の写真のように「独り暮らし用の家電3点セット」について家電量販店や通販などで購入できます。

さらに、コストを安く済ませたいならばフリマアプリでも3点セットが出品されています。質は落ちますがだいたい2万前後で送料無料、設置までが相場です。これは1例ですが、だいたいこれくらいの相場で出品されています。

このように、必要な物をリスト化することによってセットで購入できる物品も発見できます。セット購入によってお得に入手可能な物品は、できる限りセット買いをおすすめします。

予算や生活スタイルを把握する

しかし新居でずっと暮らすといっても、必要最低限なものだけでは生活は潤いません。そこで、自分の趣味や生活スタイルを把握して「自分らしい生活」ができるようなものを予算内で購入するようにしましょう。

例えば「映画が好き」な場合は大きめのテレビを買ったり、プロジェクターを買ったりすると私生活が潤います。

このように必要最低限を考えたあとで、「さらに何を足せば生活が潤うか」を考えましょう。この場合はリスト化するのではなく、欲しいと思う欲求が大きいものから予算内で購入すればいいです。

ただ生活していれば勝手に物が増えてくるため、これについてはそこまで深く考える必要はありません。

引越しは「本当に必要な物」を判断するチャンス

なおここまで、引越しにおいて必要な物について説明しました。引越しでは、必然的に「必要な物」に焦点が当たるので、「本当に必要な物」を判断するチャンスでもあります。

本当に必要な物が何なのかが見えてくると、相対的に「必要でないもの」を判断できるようになります。引越しは断捨離するのには最適な機会でもあるのです。

断捨離することのメリット

引越しで断捨離することにはメリットがあります。例えば以下のようなことです。

・引越し費用の節約

引越しする際には物は少ないほうが費用は安くなります。引越し業者に依頼するとき運搬物は少ないほうが、費用が安くなるのは当然です。

・新居での生活空間が広くなる

新居で物が散乱していたら、せっかくの新生活が台無しです。新居はすっきりしていたほうが心機一転、快適な新生活をスタートできます。

特に雑誌や本類は「引越しを期に捨てたものとして一番多い」というアンケート結果が出ています。電子書籍化が進んでいるので引越しを期に捨てて電子版を購入し、新居をすっきりさせたいと考える人も多いです。

そのためにも、断捨離は引越し前に行うのが最適でしょう。

・引越し作業が楽になる

引越し作業は物が少ないほうが断然楽です。梱包、荷造り、荷解きをする必要がなくなり、事前に捨てておけば全てが楽になります。「引越し作業を楽にしたい」と考えているならば、引越しをきっかけとして断捨離しておいたほうがいいでしょう。

「いらないもの」と判断する目安

それでは何をもって「いらないもの」と判断すればいいでしょうか。目安にすると便利な考え方が2つあります。

・1年以内に使用したか

過去1年を振り返ってオールシーズン使用しなかったものは「無くても生活できるもの」と判断していいです。「手に取ったものを最後に使用したのはいつであったか」を考えてみましょう。

ただし、工具類や裁縫道具などは必要となる場面があり得るので、1年以内に使用していなかったとしても、いらないものには該当しません。

・思い出があるか

手に取ったものに「思い出があるか」というのも断捨離のポイントです。思い出があるものは例え使用頻度が少なくても取っておきましょう。思い出はお金では買えないからです。

例えば私の場合、以下は結婚式のときに利用したぬいぐるみです。

確かに部屋に飾っているだけであり、使っていないといえば使っていませんが、まさか捨てるわけにはいきません。

引越し作業と断捨離は別に考える

ちなみに引越し作業と断捨離を同時並行して行おうとすると、効率よくありません。作業もうまくいかないケースが多いです。これは、引越し作業と断捨離は別物だからです。

引越しの場合、一つの荷物を詰めるにしてもダンボールのセッティングや梱包、荷解きまでを行います。また実際に準備し始めるのは引越し日の数日前(または1週間前)などです。

一方で断捨離は特別な作業をするのではなく、単に捨てるだけです。さらに引越し日の前に限らず、思いついたときにいつでも行えます。

引越しと断捨離は別の行為であり、忙しい引越しの中に断捨離という工程を入れる必要はありません。忙しい引越しがさらに大変になり、引越し作業も断捨離もうまくいかなくなる事態になりかねません。

そこで、まずは断捨離で物を少なくしてから引越し作業に取り掛かりましょう。そのほうが全体の作業はスムーズです。

引越しをチャンスに本当に必要な物に目を当ててみる

ここでは、引越し作業中や新生活に「最低限必要な物」に注目して説明しました。引越しをするとき、必ずいるものが存在します。特に引越し後の当日、1日快適に寝て過ごすために必要なものは何か考えるようにしましょう。

一方でいらないものにも着目する必要があります。不要なものに囲まれて生活していては、暮らしはどんどん堕落していきます。物をできるだけ少なくしたほうが、新居で快適に過ごせるのです。また物を少なくすれば引越し業者へ依頼するときの費用が安くなり、引越し作業は簡単になります。

引越しをきっかけに必要なものをリスト化して引越し作業を行うと、自然と物は少なくなります。さらには、新生活を快適にスタートできるようになるでしょう。

ここで説明したポイントを参考にして、引越し前や引越し後に必要な物を準備しましょう。さらにはいらないものを次々と捨てていけば、引越し作業と新生活をスマートに行えるようになります。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

引越し侍

引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。

さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。

おすすめの人気記事

・引越し料金を値切り、最安値の引越しを実現する時期や価格交渉術

引越し価格を安くするためには、適切な方法が存在します。見積もりを比較するのは当然として、例えば休日ではなく平日の引越しにするだけで、1万円以上の値引きは簡単です。

また、同じ日であっても午前の引越しを午後にするだけでも値引きが可能です。こうした価格交渉術について解説しています。

引越し価格を安くする交渉術

・引越しの割引制度(早割、紹介割引、社員割引)に意味がない理由

多くの場合、引越し業者は割引制度を設けています。ただ、残念ながらこうした割引はまったく意味がありません。引越しには定価が存在しないからです。

この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。

引越し業者の割引は無意味

安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備

見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。

ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。

引越し業者の営業マンへの対処法

見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか

実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。

ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。

おすすめの見積もり比較サイト