引越しの中で家電・電化製品は運びにくく、壊れやすい上に高価です。そのため、家電を運ぶときは引越し業者に依頼するのが必須です。
ただ引越し業者に家電を運ぶ依頼をしようとする前に、「そもそも新居に家電を全部もっていくべきか」と迷う人もいます。家電が古くなっていたり、最新の家電が気になっていたりすると、「引越しを機に買い替えよう」と思う人は多いのです。
しかしそうなると、処分・廃棄しなければならず手間がかかります。そのため、買い替えるにしても面倒に感じてしまいます。
そこでここでは、「引越しを機に家電は買い替えるか、持っていくか」について、迷ったときに後悔しない方法を説明します。
もくじ
引越しで家電・電化製品を買い替える場合のメリット・デメリット
引越しを機に家電・電化製品を買い替えるのはタイミングとして最適です。その他の大型な家具と一緒に、業者や自治体に引き取ってもらうことができます。また、業者に依頼する家電を少なくすれば、引越し費用を節約できます。
さらに、新しい家電に買い替えることで電力の消費を少なくさせ、将来的な節約を望むことも可能です。事実、エコ家電として国を挙げて節電に力を入れています。
具体的に「どれぐらいエコな家電か」という指標は、経済産業省よる「省エネラベル」を確認することで分かります。エアコンなど古い家電から買い替えることで電気料金が年間半分以下になるケースもあるのです。
引用:経済産業省
上のようなラベルが「省エネラベル」です。年間の電気料金が記載されているので家電量販店に新しい電化製品を見に行く際に現在使っている製品と比べる指標になります。
- 引越しで家電・電化製品を買い替えるデメリット
それに対して引越しで家電を買い替えるデメリットは、忙しい引越しがさらに忙しくなることです。引越し当日に、新しい家電を搬入する時間を割かなくてはいけません。
事前に家電を選んで当日に運んでもらうにしても、引越し業者と家電業者の両方を相手に調整する必要があるのです。
古い家電で寿命なら買い替えどき!家電の寿命を知る
参考までに、一般的に家電の寿命は約10年です。ただ、家電の中でも、電気ポットやトースターは約5年と短めです。
また、家電の状態を見て買い替えどきを判断するのもいいでしょう。例えば冷蔵庫は冷凍部分から壊れることが多いため、氷がくっついていたり、冷凍食品が柔らかかったりするときは替えどきのサインとなります。
他にも電子レンジは温めムラが生じたら買い替えどきです。また、炊飯器は炊いていてムラが生じるようなら買い替えどきです。
このように、家電・電化製品は使用していて劣化に気付けることもあります。現在使用している家電の具合は今すぐチェックできるので、買い替えどきではないかチェックしてみてください。
また、電気ケトルや湯沸かしポットは長年使用していると落ちないほどカルキが付着してきます。以下のような感じです。
これは、衛生的によくないためカルキの付き具合を見て買い替えを検討しましょう。
一般的に家電は使用年数が長くなると、頑張って稼働するため、音が大きくなってきます。いつもと違う音がしたら買い替えのサインである可能性が高いです。
引越しで古くなり、壊れた家電を処分するときのおすすめ方法
ただ引越しを機に家電を買い替えたい場合、考えなくてはいけないのは古い家電の処分方法です。
家電は一般的に「家電リサイクル法」により回収され、回収費用もかかります。そのため、家電の処分のコストを抑えるか、手間を抑えるか、場合に合った処分方法を考えなくてはいけません。
家電リサイクル法の対象は自由に廃棄できない
家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)の存在により、テレビ、冷蔵庫(冷凍庫)、洗濯機(衣類乾燥機)、エアコンの4品目はリサイクル処理が義務付けられています。つまり、粗大ごみとして廃棄することはできません。
回収の依頼には家電リサイクル券が貼ってあることが条件です。
また、家電リサイクル券が貼っていない対象家電を廃棄することは処罰の対象となります。家電リサイクル券は郵便局に行き、郵便局にリサイクル料金を支払うことで発券されます。家電リサイクル券は家電を処分するときに必要になってくるので、知っておくと便利です。
家電回収は引越し業者、家電量販店、不用品回収業者、地方自治体から選ぶ
家電リサイクル法対象外の家電の回収は引越し業者や、家電量販店、不用品回収業者、地方自治体のいずれかに依頼することになります。
そうしたとき、引越し業者や家電量販店は家電を引き取ったり買い取ったりしてくれる場合があります。
これについては私も頻繁に利用しており、引越し業者によっては無料で家電を引き取り、捨ててくれることがあるのです。これだと、特に手間はいらず非常に楽です。このときは以下のようにバツのマークを付けられ、引越し業者のトラックに運ばれていきました。
また、家電量販店は新しい家電を購入することで古い家電を下取りに出せる場合もあります。そうすると、新しい家電を割引価格で購入できることになります。
このような「引取・買取・下取りという例外」もあるため、一概に「家電は自分で地方自治体発行のリサイクル券を購入して廃棄する方法が安い」ともいえません。
一方で不用品回収業者の利用には、このような例外は一般的には望めず、業者によりますが回収費用は割高です。しかし、確実に素早く処分してもらえるため手軽さの点は優れています。
そのため、「引越し業者、家電量販店を利用しての家電引取や家電買取が可能か」について先に検討しましょう。この方法が無理な場合は、リサイクル券を購入して地方自治体に回収してもらうのが、最も安く家電を廃棄できる方法になります。
その他、家電・電化製品をリサイクルする方法
また家電・電化製品を廃棄・回収しない方法もあります。それは家電を売ってしまうことです。引越し業者の中には、家電のリサイクル業者と提携していることがあるため、確認してみるといいです。
私についても、引越しのときにエアコンをリサイクル業者へ売ったことがあります。以下が実際の様子であり、引越し前にエアコンを取り外してもらうことになりました。
参考までも、エアコンをリサイクル業者に売ることで3000円になりました。本来、エアコンの取り外しは高額な費用が発生するにも関わらず、むしろプラスとなったわけです。
他にも家電・電化製品を売る方法としては、フリマアプリである「メルカリ」やネットオークションを利用して売る方法もあります。「家電を送る送料も節約したい」と考えている方には「ジモティー」など、地元に特化したアプリで家電を売るのもおすすめです。
また販売アプリを利用するとき、「引越し期間内に売却されない」というケースももちろんあります。そういった場合は、家電をまとめてリサイクルショップに持ち込んでいいです。ただ、一般的にリサイクルショップで売る場合はネットで売るよりは安い値での買い取りになります。
引越しで家電を買い替えない場合は引越し業者を利用する
ただ、引越しで古い家電・電化製品を新居に持っていくのは、新しく家電を買い替えるよりは節約になります。
そうしたとき、家電の移動作業は必ず業者に依頼したほうがいいです。特に、家電の中でも、冷蔵庫や洗濯機は小さくても自力で運ぶと故障する危険性が高いです。そのため、冷蔵庫や洗濯機を運ぶときは引越し業者に依頼しましょう。
しかし、このとき引越し業者に依頼する前に家電では特有の作業があります。
引越しでの家電の扱い方を理解する:霜取り、水抜きなどのやり方
引越しで家電を業者に運んでもらうのは「家電が壊れることを防ぐ」という大きな理由があります。では、私たちは家電の引越しをすべて業者に丸投げしていいかというと、そうではありません。
家電を運ぶにあたって前もって準備しておく必要のある家電はあります。それは、冷蔵庫です。引越しをするとき、冷蔵庫は前もって霜取りと水抜きをしなくてはいけません。自動霜取り機能を備えた冷蔵庫もありますが、一応は霜取りと水抜きはやっておいたほうが無難です。
冷蔵庫内にある湿気や食品の水分が蒸発したものが、冷蔵庫全体を冷やしている冷却器に霜となって付着しています。
引越しをする前には、冷蔵庫の中身を空にしておかなくてはいけません。そして、霜取りのために冷蔵庫の電源を切ります。
冷蔵庫の霜が溶ける時間は夏場なら10時間、冬場なら15時間ほどかかります。製氷皿や自動製氷機が付いている冷蔵庫であれば、給水機の水を捨てる必要があります。水抜きの方法としては、蒸発皿にたまった水を捨てるだけです。
下の写真のように、蒸発皿は冷蔵庫の後ろの部分についている場合が多いです。
また下の写真のように自動製氷機が付いている場合の冷蔵庫は、給水機の水を捨てるようにしましょう。
他にも冷蔵庫の中の掃除をしないと、冷蔵庫から食べ物が腐った臭いがする場合があります。霜取り、水抜き、さらには冷蔵庫の掃除の作業に要する時間を考えると、引越しの2日前には冷蔵庫の中を空の状態にしておいたほうがいいです。
引越しにおける家電・電化製品の梱包方法
なお、引越しにおいて家電・電化製品の梱包に迷う人は多いです。ここでは、「どこまで、自分で梱包するべきか」を説明します。
まず、引越しにおいてすべての家電を梱包する必要はありません。家電は大きなサイズのものが多く、素人が梱包をすると失敗する可能性が高いです。実際のところ、大型家電は引越し業者が当日にすべて包んで運んでくれます。
大型家電としては以下のものが該当します。
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- テレビ
- エアコン
一方、「ダンボールに入るサイズの家電は梱包する」と考えておきましょう。例えば、湯沸かしポットや電気ケトルなど小さな家電はダンボールに入ります。
これらの家電は自分でエアーキャップ(プチプチ)などの緩衝材を用いて梱包しても手間になりません。
大型家電は引越し業者が当日に梱包し、ダンボールに入る家電はあなたが梱包すると考えれば問題はありません。
引越しは現在の家電を見直すいい機会である
引越しを機に家電・電化製品を買い替えれば、タイミングとしては最適です。一方、古い家電を持っていけば出費がすくなく、引越しのコストを抑えることができます。
このとき、買い替えたり壊れたりして不要な家電を廃棄しなければならないときには、引越し業者や家電量販店に依頼すれば安上りです。さらにはスムーズに処分できることもあります。
一方で新居に運ぶ場合、引越し業者を利用しましょう。このとき、大型家電については業者に任せ、小さい家電だけダンボールに詰めるといいです。
家電・電化製品は生活する中で非常に高価な品物です。また、生活を便利で豊かにしてくれるアイテムでもあります。そのため、「買い替えを選択するべきかどうか」はよく考える必要があります。これらを理解したうえで、引越し作業を進めるようにしましょう。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
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また、同じ日であっても午前の引越しを午後にするだけでも値引きが可能です。こうした価格交渉術について解説しています。
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この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。
安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備
見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。
ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。
見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか
実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。
ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。