荷物の少ない引越しとして、ワンルーム(1R)での引越しがあります。ワンルームと部屋が狭いため、引越し価格は安い料金相場になりそうなことは予想できます。ただ、具体的な費用については分かりません。
引越しとはいっても、業者ごとにさまざまなプランが用意されています。ワンルームのように荷物量が少ない場合だと、どのような引越しプランがいいのか検討しなければいけません。
また、どのように荷造りや準備を進めていけばいいのでしょうか。引越しでの作業時間はどれだけかかるのでしょうか。
たとえワンルームであったとしても、適切な引越し方法を知らなければ料金相場が高くなってしまいます。そこで、どのように引越しを考えればいいのかについて確認していきます。
もくじ
ワンルームでも意外と荷物がある
注意しなければいけないものとして、たとえ部屋が狭いワンルームであったとしても、それなりに荷物があるという事実です。生活に必要な家具や家電製品については、どれだけ部屋が狭かったとしても存在します。
例えば、以下のようなものが部屋にないでしょうか。
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- テレビ
- 電子レンジ
- 掃除機
- ベッド
- 照明器具
- 机
すべてではないにしても、一部については保有しているはずです。引越しをするとき、ほとんどの家具や家電を他の人にあげるのであれば問題ありませんが、新居にもっていくことを考えるのであれば、意外と荷物の量は多くなります。
これだけの荷物量がある場合、一般的な単身引越しとなります。
一人暮らしの人の場合、多くは以下のような2tショートトラック(たたみ三畳分)を活用します。これと同じサイズのトラックを利用するのです。
ワンルームの引越しであったとしても、実は荷物量がそこまで少ないわけではありません。多くの人は一般的な一人暮らしでの引越しになると考えてください。
引越し業者へ依頼するときの費用相場
それではワンルームの場合、引越し業者へ依頼するとはいっても、具体的にどのような価格になるのでしょうか。値段について明確に決まっているわけではないものの、一般的な金額相場は存在します。これについては、以下のようになります。
近距離(50km以内) | 中距離(200km) | 長距離(500km) | |
閑散期 | 3~4万円 | 4~5万円 | 5~6万円 |
繁忙期 | 5~6万円 | 7~8万円 | 9~10万円 |
※「東京-大阪:約500km」「東京-名古屋:約350km」「大阪-名古屋:約200km」です。
私は実際に「横浜(神奈川)-東京:50kmの近距離引越し」をしたことがあります。閑散期(11月)の単身引越しでしたが、費用は32,400円でした。
これに加えて、「洗濯機の脱着を依頼する」「ベッドの解体・組み立てをお願いする」などの場合はオプション代が加わるようになります。
荷物の少ない引越しに適したプラン
このような一般的な引越しプランを依頼する人が多いものの、予算は限られているので格安での引越しを実現したいと誰もが考えます。そうしたとき、安い料金での引越しを実現するには何を考えればいいのでしょうか。
これについては、それぞれの引越し業者が提供しているプランに着目するようにしましょう。それぞれのプランに当てはまることができれば、非常に安い値段での引越しを実現できるようになります。
具体的には、以下のようなものがあります。
- ミニ引越しプラン、ワンルームパック(近距離引越しプラン)
- 軽トラックによる引越し
- 単身パック
それぞれのサービスについて、詳しく確認していきます。
ミニ引越しプラン、ワンルームパックなど
引越し業者の中には、近距離引越しに対応したプランを用意していることがあります。近距離引越しであり、さらには荷物量が少ない場合、4時間以内に作業が終わります。
引越し業者は独自でトラックや人員を確保しているわけですが、最も嫌うのは「トラックや人員が稼働していない時間が生まれる」ことです。仕事をしなければお金を生まないため、できるだけたくさん稼働した方がいいです。
そこで、「近距離引越し」「荷物量が少ない」という条件を満たし、4時間以内に作業を完了できる顧客を対象にしたサービスが生まれています。これが、ミニ引越しプランやワンルームパックです。
・ミニ引越しプラン:アリさんマークの引越社
アリさんマークの引越社では、「新居までの距離が5km以内」「日時を指定できない」という条件でミニ引越しプランが用意されています。
- 超ミニ引越しプラン:ダンボールのみ10個まで
- 特ミニ引越しプラン:ダンボール15個&小さいテレビと椅子(たたみ一畳分)
- ミニ引越しプラン:ダンボール20個&テレビ・冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・自転車(たたみ三畳分)
プラン内容は異なりますが、たたみ三畳分(2tショートトラック)のプランもあるため、ワンルームの引越しであれば確実に対応してもらえます。
・日通:ワンルームパック
同じように、日通でも近距離引越しに対応したプランが存在します。これをワンルームパックといいます。引越し条件は以下のようになります。
- 1R~1LDKの部屋(2tショートトラック)
- 移動距離が30km以内
- 総作業時間が4時間以内
移動距離が30km以内であり、移動を含めた作業完了までが4時間以内であれば、ワンルームの近距離引越しの場合、問題なく対応できます
ダンボール10枚、布団袋1枚、テープ1本を無料贈呈してくれますし、ハンガーボックスも付くため、通常の引越しと同じようなサービスになります。なお、ワンルームパックの費用は以下のようになっています。
- 平日:~ 29,800円(税込)まで
- 土・日・祝祭日:~ 34,800円(税込)まで
長距離引越しでは無理ですが、30km以内の引越しなら当てはまる人は多いです。引越しの時間帯を選べないことは多くなりますが、こうしたワンルームパックの利用はおすすめです。
・クロネコヤマト:おまかせフリー割サービス
他にもパックは存在します。クロネコヤマトであれば、おまかせフリー割サービスという引越しパックがあります。このパックの利用条件は以下の通りです。
- 引越し希望日を5日の中から選ぶ(引越し日はクロネコヤマト側が決定)
- 家財量15m3以内(約たたみ三畳分)
- 移動距離50km以内
引越しのとき、スタッフは2人つきます。ソファーやタンス、冷蔵庫などの大型の家具や家電製品があったとしても、すべて作業スタッフが運搬してくれます。
これで2万円台での引越しも可能であり、近距離引越しをするときはかなり重宝される引越しプランです。
軽トラックによる引越し
ワンルームの中でも、より荷物が少ない人であると軽トラックによる引越しも検討しましょう。軽トラックの場合、たたみ1.5畳ほどの大きさになります。サカイ引越センターや赤帽などの会社で軽トラックによる引越しサービスがあります。
軽トラックであれば、特に距離制限はありません。長距離引越しであっても、問題なく請け負ってくれます。赤帽などの個人事業主では断られることがあるものの、大手引越し業者であれば長距離でも受け入れてくれます。
当然、軽トラックのようにトラックサイズが小さい場合、引越し代は大幅に安くなるのでおすすめです。
注意点として、軽トラックはあなたが思っている以上に荷台が狭いことがあります。以下は実際に軽トラックへ荷物を積んだときの様子です。
洗濯機と冷蔵庫を積み込んだだけで、荷台の半分が埋まってしまいました。ここに他の家具を入れ、ダンボールをいくつか積んだ時点で荷物がいっぱいになってしまいます。
そのため、軽トラックによる輸送は荷物が非常に少ない人に限られます。ワンルーム引越しの中でも、保有している家具・家電製品をすべて運び出したいと考えている場合、軽トラックでは入らないことを認識しなければいけません。
単身パック
なお、軽トラックサイズより荷物が少ない場合、単身パックという方法もあります。単身パックの場合、コンテナに荷物を詰め込むことになります。コンテナからはみ出ない限り、好きなように積んで問題ありません。
「中型冷蔵庫とダンボールを数点だけ」などのように、ほとんど荷物がないワンルームでの一人暮らしの引越しに単身パックが向いています。
コンテナを利用した引越しであるため、たとえ近距離引越しだったとしても当日中に届くことはありません。通常の配送荷物と同じ扱いになるからです。当日中の配送がいい場合、単身パックは向いていません。軽トラックを利用した引越しの方がいいです。
ただ、単身パックは長距離引越しにも対応していますし、値段でのメリットは大きいです。
・番外編:宅急便、ゆうパック
なお、ワンルームへ引越しをするときに「ダンボールを数点だけ送る」という場合、宅急便やゆうパックなどの宅配便でも可能です。この場合、費用相場は最も安くなります。
ただ新居に到着したとき、必要最低限の荷物が後に届くようになり、布団がなければ必要な家具もない状態であるため、対象者は少なくなります。
ワンルームでの荷造りや引越し準備
これらを理解したうえで、実際に引越し業者へ見積もりを依頼し、何社も比較するようにしましょう。引越し業者によって、荷物量の少ない引越しプランが異なります。そこで、複数社に見積もりをお願いして見積価格を比較するのです。
プランごとに金額が異なるため、比較することでようやく格安での引越しを実現できます。
そうして引越し業者が決まった後は、ようやく荷造りに取り掛かります。ワンルームの場合、通常の引越しと比べ荷物がそこまで多いわけではありません。そのため、ダンボール数は10枚以下で問題ありません。そこまでダンボール数は必要ないですし、食器類が少ない場合は荷造りの作業時間も短いです。
通常の引越しプランであると、引越し業者からは最大50枚までダンボールを配布してもらうことができます。ワンルームであると、どう考えても足りる枚数なので心配する必要はありません。
引越し時間はどれくらいなのか
引越し時間については、ワンルームだと短いです。やはり、1LDKなどの部屋に比べると荷物量は少ないからです。
一般的な1LDKの部屋であると、旧居の荷物をトラックに積めるために2時間ほどの時間がかかります。ただ、ワンルームであると1時間ほどで荷物をトラックの中に積み込みできてしまいます。
復習になりますが、たたみ三畳分の2tショートトラックであると以下の荷物が入ります。
- ダンボール20個
- テレビ
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- 電子レンジ
- 自転車
ベッドの解体・組み立てなどがある場合、少し時間を取られるようになりますが、そうではなく上記の荷物を運び出すだけであれば、1時間で十分なのです。これが軽トラックなど1.5畳分の荷物だと、さらに作業時間は短く、搬出は30分ほどの時間で十分です。
ワンルームパックで紹介したように、一般的なワンルームの賃貸マンションで新居まで30km以内の場合、移動時間を含めても総作業時間は4時間以内に終わります。非常に素早く引っ越し作業が終わるため、こうしたパックだと引越し代金を安くできるのです。
ただ、道路に面していない建物であったり、高層階なのにエレベーターがなかったりする場合、作業時間は長くなる傾向にあります。
初期費用を抑え、安い金額で引越しをする
たとえワンルームであっても、「家賃 × 5倍」が大家(管理会社)へ支払う初期費用の金額相場であるため、それなりに出費が大きくなります。しかし、この費用を削ることはできません。
ただ、引越し代金であれば値切ることができます。引越し業者によってプランが異なるため、見積価格を比較するだけで安い引越しになります。特に近距離引越しだと、非常に安い料金相場になります。
また、荷物量を絞れば軽トラックや単身パックの利用が可能になり、さらに値段を下げることが可能になります。単身引越しでは予算が少ないからこそ、見積もりを比較して初期費用を少なくするのがおすすめです。
引越し業者を決定したら、ダンボールが送られてきます。あとは荷造りや引っ越し準備をして、当日までに備えるだけです。
- 2tショートトラック(たたみ三畳分)を利用した通常引越しをする
- 格安プランや単身パックを利用する
見積もりのとき、引越し業者の営業マンと相談しながらこれらの引越しプランを決めるようにしてみてください。そうして、その中から格安価格を提示してくれる業者へ依頼するといいです。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
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また、同じ日であっても午前の引越しを午後にするだけでも値引きが可能です。こうした価格交渉術について解説しています。
・引越しの割引制度(早割、紹介割引、社員割引)に意味がない理由
多くの場合、引越し業者は割引制度を設けています。ただ、残念ながらこうした割引はまったく意味がありません。引越しには定価が存在しないからです。
この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。
安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備
見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。
ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。
見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか
実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。
ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。