単身で引越しをするとき、荷物量の少ない人がいます。そうした場合、できるだけ安い料金で引越しできないか考えます。そうした方法の一つとして、軽トラックを利用した引越しがあります。
一般的に引越しでは、トラックの大きさに比例して金額が上昇していきます。軽トラックを利用する場合、トラックの中で最も小さい部類に入ります。そのため、引越し費用をかなり抑えることができます。
それでは、軽トラックを利用して引越しをする場合、荷台はどれくらい広さがあって、いくらの荷物量を載せることができるのでしょうか。また、格安料金で引越しをするためにどのようなことに注意すればいいのでしょうか。
ここでは、荷物の少ない一人暮らしの人が軽トラックを利用して引越しをするときのコツについて解説していきます。
もくじ
軽トラックの荷台に積める荷物量
まず、軽トラックを利用するとはいっても、軽トラ一台でどれくらいの荷物を荷台に積むことができるのか気になります。
軽トラックのサイズだと、一般的にはたたみ1.5畳ほどの大きさになります。この大きさにどれだけ入ることができるのかが重要になります。基本的に高さを気にする必要はなく、大型冷蔵庫でも問題ありません。ただ、横幅には気を付ける必要があります。
荷台に積める量は意外と少ないです。以下は実際に軽トラックへ引越しの荷物を積んだときの様子です。
冷蔵庫と洗濯機をそれぞれ荷台に乗せましたが、これだけで半分を埋めることになってしまいました。ここにベッドやダンボールなどを入れると満杯になってしまいます。軽トラックで積み込み可能な荷物量は非常に少ないと考えてください。
そのため、荷物量の少ない引越しの中でも、軽トラックを利用したものはかなり厳選して荷物を選ばなければいけません。
一般的には、以下くらいの荷物量を運べるのが軽トラックです。
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- テレビ
- 電子レンジ
- ソファー
- ダンボール5箱
積み方を工夫すれば、すき間に布団や解体したベッドなどを積み込めるようになります。ただ、いずれにしても積載量は少なくなります。
レンタカーの自力引っ越しはおすすめしない
なお、軽トラックを利用した引越しを考えるとき、真っ先に思い浮かべるものが自力での引越しです。自分でレンタカーを借り、引越し作業をするのです。軽トラックやハイエースバンなどを借り、格安引越しを考える人は多いです。
どれくらいの値段になるのかというと、具体的には以下のようになります(軽トラックではなく、一回り大きいボンゴクラスです)。
※出典:ニッポンレンタカー
ニッポンレンタカーで18時間借りたときの値段になります。レンタカーではトヨタレンタカーなど他にもありますが、レンタル料はほぼ同じです。これに保険やガソリン代が加わり、実際には一万円の費用が必要になると考えてください。
これに資材代が加わります。ダンボールやガムテープ、布団袋など、引越しに必要な資材を用意しなければいけません。一般的に資材代は5,000円ほどになるため、自分で行うとなると合計で15,000円ほどの費用になります。
もちろん、これは近距離引越しの場合の価格です。
自分で行う場合、遠距離では無理です。長距離引越しを自分でしてもいいですが、一日で引越しは終わらないのでレンタカー代は高くなります。
また、ワンウェイ(乗り捨てシステム)を利用する場合、例えば「東京-大阪:約500km(30,000円)」が加算されます。非常に値段が高くなり自力での引越しの意味がなくなります。
・友人への奢り代も加わる
そしてさらに、自分で引越しをするときは基本的に友人へ手助けを依頼することになります。そうなると、昼食や夕食を奢ることになります。
こうしたいろんな費用が加わるようになると、たとえ近距離引越しだったとしても、自力での引越しでは2万円ほどの費用相場になります。
・壁や床を傷つける恐れがある
そして自分での引越しをおすすめしない最大の理由として、荷物を運搬するときに壁や床を傷つけてしまうことがあげられます。
以下は過去、私が自分で行った引越しで床に傷をつけてしまったときの様子です。
賃貸マンションでは原状回復(元の状態に戻すこと)が必要であり、この傷の原状回復工事で5万円を取られました。自ら荷物を運ばなくて大変などころか、下手をすると工事費用が非常に高くなってしまう恐れがあるのです。
・積み方を考える必要がある
また、自力だと積み方を考えたり、ロープの結び方を調べたりとやることが非常に多くなります。荷物を固定しなければ後で大変なことになるため、作業量は多いです。
さらに屋根はないため、雨が降ったらブルーシートで覆わなければいけません。手間がかかるだけでなく、ロープ代を含めて資材代が無駄に加算されていくのが自力引っ越しです。
素人がたくさん積むと事故のもとになります。そのため荷物量は抑えながら、積み方まで工夫して事故がないように運搬しなければいけません。
便利屋や赤帽はどうなのか
それでは、業者を利用するときに便利屋や赤帽はどうなのでしょうか。まず、便利屋は引越し料金が高いです。彼らは自ら軽トラックを保有しているわけではなく、レンタルして荷物を運ぶことになります。一般的なレンタカー代に加え、人件費が上乗せされるため、便利屋に引越しを依頼するメリットはありません。
一方で赤帽については、軽トラックを自ら保有しているので安い引越しが可能になります。近距離引越しなら13,500円(半径10kmほど)から依頼でき、自力の引越しよりも値段は安いです(高速道路代は別になります)。
注意点として、赤帽は物資運送を主業務とする個人事業主なので養生などはしてくれません。以下のような壁の保護はないのです。
また、作業員は一人なので重い荷物を運搬するときにあなたが手伝う必要があります。養生がなく、専門スタッフのみで作業するわけではないため、やはり壁や床を傷つける可能性は高いです。
大手引越し業者でも軽トラックによる便がある
そこで、基本的には中小や大手の引越し業者へ依頼するようにしましょう。すべての業者ではないですが、大手引越し業者であっても問題なく軽トラックによる運搬を請け負ってくれます。
例えば、以下はサカイ引越センターのパンフレットです。保有トラックに軽トラックが記載されており、軽トラックによる輸送が可能だとわかります。
一般的な単身引越しでは、2tショートトラックを利用します。ただ、荷物量が少ない一人暮らしの場合、引越し業者が保有する軽トラックを利用できます。
軽トラックによる費用相場
それでは、軽トラックを利用しての引越しをするとき、値段はどれくらいになるのでしょうか。これについては、以下のようになります。
近距離(50km以内) | 中距離(200km) | 長距離(500km) | |
閑散期 | 15,000~18,000円 | 2~3万円 | 3~4万円 |
繁忙期 | 2~3万円 | 4~5万円 | 6~7万円 |
※「東京-大阪:約500km」「東京-名古屋:約350km」「大阪-名古屋:約200km」です。
近距離引越しで15,000~18,000円となるため、実は自力引っ越しや赤帽などを活用した場合に比べて、費用相場にそこまで大きな違いはありません。
さらに、通常の引越し業者なのでダンボールや布団袋、洋服を入れるハンガーボックスなども付けてくれます。養生代は料金の中に入っているため、荷物の運搬についても問題ありません。引越し業者がすべての作業を行うので積み方を考えたり、ロープやブルーシートの問題に悩んだりしなくてもよくなります。
もちろん、業者ごとに値段はバラバラなので引越しでの見積もり金額を比較する必要はあります。ただ、それでも格安料金での引越しを実現できます。
・長距離でも受け入れてくれる
なお、便利屋や赤帽であると基本は近距離引越しになります。ただ、中小や大手の引越し業者であると、長距離引越しであっても問題なく受け入れてくれる可能性が高まります。
長距離で格安引越しを考えている場合、ある程度の規模の引越し業者に依頼し、軽トラックを頼む必要があるのです。
もちろん、高速道路代を含め長距離引越しでは距離によって価格が大きく異なります。「東京-大阪:約500km」ですが、さらに距離がある引越しだと「東京-福岡:約1,100km」「東京-北海道(札幌):約1,150km」「大阪-北海道(札幌):約1,500km」となります。
ここまでの距離になると、JRコンテナ便を利用したほうが安いことがあります。これについては、引越し業者の見積もりで金額がどうなるのか比較してみるといいです。
雨の日であっても引越しは可能
自分での引越しや便利屋へ依頼する場合、軽トラックに屋根がないのでブルーシートで覆ってロープで固定したり、引越し自体を延期したりするのが適切です。
一方で引越し業者に依頼する場合、軽トラックの荷台には屋根があります。そのため雨の日であったとしても問題なく引越し作業を行うことができます。引越しでは日程が限られているため、確実にその指定した日に引越しできるのは非常に優れています。
また、屋根付きなのでロープで固定する必要はありませし、高さは十分なのであらゆる荷物を積み込みできます。
雨の日に自分で引越しをするのは非常に大変です。ただ、引越し業者に依頼する場合は何も問題ありません。
激安引越しを軽トラックで実現する
一般的な引越しであると、たとえ近距離で閑散期の引越しだったとしても3万円ほどの値段になります。ただ、これを軽トラックにしただけで大幅に値引きされ、より激安での引越しが可能になります。
ただ、軽トラックでの引越しで問題になりやすいのは積載量です。高さは問題ないものの、容量は意外と小さいです。荷台のサイズは大きくないため、家具や家電製品を積むとすぐにいっぱいになってしまいます。軽トラ一台での引越しを考えている場合、荷物は厳選するようにしましょう。
このとき、自分で引越しをしてもいいですが、必要な金額や手間を考えると、正直メリットがありません。引越し業者よりも値段が高くなることが多いからです。下手をしたら、壁や床に傷をつけて工事費用が異常なほど高くなることもあります。
ただ、引越し業者に依頼するとしても業者ごとに保有トラックは違いますし、サービス内容も変わります。そこで見積もり金額を比較し、格安で引越しできる業者に依頼することを考えましょう。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
一般的に引越しの一括見積もりでは登録直後、たくさんの電話がかかってきます。こうした電話が嫌でメールだけで完結したい場合、SUUMO引越し見積もりを利用しましょう。
SUUMO引越し見積もりでは「電話番号の登録が任意」なので、メールだけで見積もりの日程調節が可能です。電話が嫌な場合、リクルート社が運営するSUUMO引越し見積もりが最適です。
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