家に自転車がある人の場合、引越し先でも自転車を活用したいと思う人は多いです。家からスーパーへ出かけるときなど、徒歩ではなく自転車に乗った方が楽ですし時間の節約になるからです。
特に単身者や学生であると自転車を活用する人の割合が多くなります。例えば私の実家では坂がほとんどない地域であるため、非常に多くの人が車ではなく自転車を使って通勤・通学しています。その場合、自転車の利用は必須です。
それでは、引越しのときはどのように自転車を運搬すればいいのでしょうか。そこで、料金体系を含めどのようにして自転車を引越しすればいいのか確認していきます。
もくじ
引越し業者に自転車を運んでもらうのが最も確実
非常に近場の引越しであるなら、自分一人だけの力で何とか頑張ることができます。自転車に乗って新居まで移動すれば、問題なく自転車を運ぶことができます。
ただ、通常の引越しでは距離が離れるので、自ら自転車に乗って引越し先の住所に行くのは現実的ではありません。自転車を車に入れて運ぶにしても、自転車はかなりの場所を取ります。
そこで、引越し業者に依頼する必要があります。引越し業者であれば、問題なく自転車の配送を手伝ってくれます。このときは「アート」「日通」「サカイ」「アリさん」「クロネコヤマト」「赤帽」とあらゆる会社で対応しています。
もちろん、引越し業者に見積もりを頼むときは事前に自転車があることを伝えておきましょう。その後、引越し当日になって業者が自転車を運搬してくれます。
基本的に自転車を梱包することはありません。梱包なしでそのまま他の荷物と一緒にトラックに積まれることになります。例えば、私が引越し業者へ依頼したときは以下のようにそのまま自転車が運ばれました。
自転車はいったん、トラックの近くに停められます。その後、梱包された荷物やダンボールが次々とトラックに運び込まれます。
そうして、最後の方に自転車が積まれました。おろらく、最初に自転車を積み込むと上に他の荷物を乗せることができないため、都合が悪いのでしょう。
いずれにしても、あらゆる引越し業者が自転車の運送に対応しています。そのため、引越し先へ自転車を運搬することについては問題なく行うことができます。
もし、クロスバイクやロードバイクなど高価な自転車を運搬する場合、梱包してくれるかどうか引越し業者と相談するといいです。梱包可能であるなら、見積もりのときに営業マンと交渉を済ませておくようにしましょう。分解して運ぶのかそのまま運ぶのか、業者と要相談です。
なお、自転車は「荷造りした他の荷物とは別の場所に置いてあるケース」がほとんどです。そのため、引越しのときに「運送するのを忘れた!」ということがないようにしましょう。
単身パックで自転車を輸送料安く送ることはできるのか
ただ、中には荷物の少ない人がいます。一人暮らしなのでトラック一台は必要なく、単身パックなど安い値段で引越しをしたい人たちです。
残念ながら、自転車の配送で単身パックを利用するのは向いていません。単身パックを利用できなかったり、利用できたとしても値段が高くなったりするからです。
まず、一般的な自転車(ママチャリ)であると、「縦105cm × 横180cm」の大きさです。
そして、単身パックの中でもかなり大きいサイズを提供している日通の「単身パックL」であっても、コンテナの大きさは「横108cm × 奥行104cm × 高さ175cm」です。
単身パックはコンテナの中に入ることが絶対条件です。日通の単身パックLであれば、斜めに自転車を倒せばギリギリ入ることができます。
ただ、意外とサイズが大きいので自転車だけでコンテナがいっぱいになってしまいます。単身パックLの料金相場は東京から大阪への運搬で23,000円です。引越し先が近場であり、あらゆる割引を適応させても16,000円以上です。これなら、自転車を廃棄処分して新たな自転車を購入したほうがいいです。そのため、単身パックの利用は向いていません。
また、他の引越し業者が提供する一人暮らし用の単身パックであると、そもそも自転車が入らないので配送できません。
もちろん、これはママチャリやロードバイク、クロスバイクなどあらゆる自転車に当てはまります。折りたたみ自転車などサイズを小さくできるものであれば単身パックを利用しても問題ありませんが、一般的には単身パックで自転車を運送しようとすると費用が高くなると考えてください。
宅配便という方法もあるが現実的ではない
なお、折りたたみ可能な自転車であったり、ロードバイクやクロスバイクなどを自分で分解してダンボールに詰めることができたりする場合、自転車をダンボールの中に入れて引越し先の住所へ送るという方法でも問題ありません。
この方法であれば、自転車だけを送るのは格安です。クロネコヤマトや佐川などを活用すれば、送料3,000~5,000円ほどで輸送することができます。
ただ、格安で自転車を送れるとはいっても自分で自転車を元通りに戻せるくらいの知識や技術がなければいけません。そうした知識や技術があるなら何も問題ありませんが、そうでない場合は「部品の紛失」「元通りに戻せないリスク」などを考えると、結果的に引越し業者に依頼したほうが安い金額での引越しを実現できます。
もちろん、分解・解体せずそのままの状態でも大きなダンボールを頼んで輸送することは可能です。ただ、この場合は単身パックと同じように値段が非常に高くなるため、値段のメリットがなく引越し業者に依頼したほうが他の荷物まで運べて全体の料金は安くなります。
単身パックや宅配であると、どうしても料金相場が高くなってしまいます。安い送料で自転車を引越し先に送りたい場合、「トラックを活用して他の荷物と一緒に送る」ことを考えてください。その方が全体の金額は安いです。
不要な場合、自転車の廃棄処分を行う
一人暮らしで単身パックを利用したいと考える場合、ママチャリなどであれば、かえって廃棄処分して新たな自転車を購入した方が費用は安くなります。また、東京都内へ引越しするので自転車を使う機会がない場合、いま持っている自転車を処理したいと考える人もいます。
そうしたとき、自転車を無料で引き取ってもらったり、買取してもらったりすることを考えましょう。このとき、廃棄処分業者・リサイクル業者を活用するのが基本です。
最もダメなのは、いま住んでいる場所に放置したまま引越しをすることです。これは犯罪であり、廃棄物処理法によって罰せられます。具体的には「1,000万円以下の罰金刑または5年以下の懲役刑」となります。
引越しによって犯罪者にならないよう、自転車の廃棄を検討している場合は放置せず、必ず事前に処理しましょう。
廃棄処分業者・リサイクル業者で処分してもらう
廃棄処分業者であれば、無料で処分してくれることがあります。こうした業者に依頼すれば、本来は必要だった粗大ごみ代が無料になります。
また、クロスバイクやロードバイクなどの高価な自転車の場合、無料で引き取ってもらうのはやめましょう。そうではなく、リサイクル業者に買取をしてもらうのです。これにより、いくらかのお金を手にすることができます。
例えば、以下のリサイクル業者のチラシにはクロスバイク・ロードバイクの写真が掲載されています。つまり、こうした高価な自転車は買取可能なことがわかります。
さすがにママチャリの買取は難しいですが、高価な自転車であれば問題なくリサイクル業者にお願いすることができます。
粗大ごみとして出す
最も一般的な処分方法は粗大ごみとして出す方法があります。
自転車をどのようにして粗大ごみに出すのかについては、自治体によって方法が異なります。一般的な手続きとしては粗大ごみ用のシールをコンビニなどで購入し、指定の場所に出せば問題ありません。
ただ、この方法であると自治体によって異なりますが500~1,000円ほどの費用が必要になります。また、粗大ごみを出せる日は限られているので決まった日を狙い撃ちしなければいけないという手間がかかります。(自治体によりますが、自宅まで引き取りにくるところもあります)
引越し業者に処分してもらう
廃棄処分の業者を探すのが面倒な場合、引越し業者に依頼するという方法もあります。私も以前、ソファーなどを引越し業者に処分してもらったことがあります。
自転車も同じように処分してくれますが、廃棄処理してくれるかどうかは引越し業者によって異なります。そのため、見積もりのときに処理してもらえるかどうか事前に聞いておくといいです。
私の場合、最初に訪問した業者は「法律で廃棄処分は禁止されている」と営業マンからいわれました。ただ、二番目に来た業者の営業マンは「うちでは問題なく廃棄できますよ」と言ってくれました。業者によって対応が大きく異なることを理解しておくといいです。
自転車引越しでの注意点
なお、「新居へ自転車を配送するからこそ」の注意点が存在します。どのような注意点が存在するのかを理解しておかなければ、後で大きな失敗をしたことに気づくことになります。
自転車を引越し先へ送るとき、注意点としては主に「防犯登録の変更」「新居での自転車置き場の登録」があります。
盗難のため、防犯登録を変更する
現在、自転車を保有するためには盗難のための防犯登録が義務化されています。忘れているかもしれませんが、自転車を購入するときに購入店舗へ必ず500円を支払って防犯登録しているはずです。
自転車のサドルの下には防犯登録のシールが貼られており、ここには防犯登録番号が記載されています。これが、「この自転車はきちんと防犯登録されています」というサインになります。
もし、実際に自転車の盗難にあった場合、防犯登録時にもらった防犯登録カード(自転車の所有者であることを証明する書類)を警察に届け出れば、盗難された自転車が返ってくる可能性があります。もし、防犯登録カードを無くしたのであれば購入店舗へ出向くともらえます。
ただ、「登録者の住所、氏名、電話番号」が変わった場合は防犯登録の変更手続きが必要になります。引越しで住所が変わったときに防犯登録の変更手続きをしていなければ、盗難があったときに自転車が戻りにくくなるのです。
安いママチャリなので盗難されても痛くない場合、面倒な防犯登録の手続きをしなくても問題ありません。ただ、クロスバイクやロードバイクなど高価な自転車で愛着がある場合、必ず防犯登録の変更手続きを済ませておくといいです。
このとき必要な書類は以下になります。
- 所有者(登録者)の住所を確認できるもの:運転免許証、パスポート、健康保険証、学生証など
- 自転車の所有・防犯登録番号を確認できるもの:防犯登録カード「お客様控え」など
防犯登録カードを紛失している人は非常に多いです。引越し先でもきちんと防犯登録の変更手続きしておきたい場合、事前に自転車の購入店舗へ出向いて防犯登録カードを入手しておきましょう。
事前に自転車登録置き場の登録を済ませておく
もう一つ注意すべきものとして、自転車置き場の登録手続きがあります。
安いアパートでどこでも自転車を駐輪できる場合は関係ありません。ただ、自転車置き場があらかじめ決められているマンション・アパートは非常に多いです。この場合、事前に自転車置き場を新たに契約しておく必要があります。
引越し先の賃貸マンション・アパートが決まった場合、事前に自転車置き場がどのような形態になっているのか確認しておきましょう。そうしたうえで、賃貸契約とは別に自転車置き場の契約が必要な場合は先に書類を書いて出しておくのです。
これについては、私も失敗経験があります。新居へ自転車をもってきたものの、自転車置き場の契約を忘れていたので、新たな自転車置き場の契約が完了するまでの約2週間、家の中に自転車を置いていたことがあります。
実際の様子は以下のようになります。
ろうかに仕方なく置いていたため、非常に狭いです。2週間ほどは新居の狭いろうかで過ごすことになってしまいました。
こうしたことを避けるためにも事前に自転車置き場の状況を確認し、契約が必要な場合は先に書類を書いて申請するようにしましょう。
自転車の引越しを円滑に進める
引っ越し作業をするとき、自転車は特別な荷造りや梱包作業が必要ありません。引越し業者にお願いすれば、すべての作業を行ってくれます。
ただ、単に荷物として運べばいいだけではありません。防犯登録の変更手続きが必要だったり、自転車置き場の契約を新たにしなければいけなかったりするなど、他の荷物では発生しない注意点が自転車の引越しでは存在します。
また値段についても、単身パックや宅配便などでの輸送するとなると、無駄に送料が高くなってしまうという特徴があります。自転車は意外とかさばるため、自転車だけの引越しはあまり向いていません。
こうした自転車の引越しでの注意点を理解したうえで、自転車を運搬するか廃棄処分するかまで踏まえて検討してみてください。
もし引越し業者を利用する場合、一台のトラックを利用した通常の引越しが適切です。その場合はあらゆる荷物を詰め込むことができるため、その中の一つとして自転車を運んでもらうようにしましょう。
引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。
例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。
ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。
・引越し侍
引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。
さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。
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引越し価格を安くするためには、適切な方法が存在します。見積もりを比較するのは当然として、例えば休日ではなく平日の引越しにするだけで、1万円以上の値引きは簡単です。
また、同じ日であっても午前の引越しを午後にするだけでも値引きが可能です。こうした価格交渉術について解説しています。
・引越しの割引制度(早割、紹介割引、社員割引)に意味がない理由
多くの場合、引越し業者は割引制度を設けています。ただ、残念ながらこうした割引はまったく意味がありません。引越しには定価が存在しないからです。
この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。
安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備
見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。
ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。
見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか
実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。
ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。