海外旅行に行く機会はあっても、海外へ引越しする機会は少ないです。そのため、海外赴任などで引越しする際の持ち物について悩む人は非常に多いです。

特に海外への引越しでは、荷物のすべてを持っていけるわけではありません。これを理解していないと、引越し費用が膨大になったり税関で没収されたりするので注意が必要です。

そこでここでは、海外へ引越しする際の持ち物について解説していきます。

海外引越しでの持ち物の基本

日本国内の引越しでは、不要なものを除いて部屋の荷物をすべて持っていくのが基本です。一方で海外への引越しだと、日本国内への引越しと事情が大きく異なります。海外への引越しだと、旧居の荷物のほとんどを処分していくのが基本となります。

まず海外では、それぞれの国で持ち込みを禁止している品が設定されています。

例えばオーストラリアだと、ほとんどの食料品が持ち込み不可能です。そのためこのような国へ引越しする場合、缶詰など日持ちする食品であってもすべて処分してから渡航先へ向かう必要があります。

また自動車やバイクなども、持ち込みを禁止している国があります。持ち込みが可能な国であっても、輸送費が非常に高額となる上に関税がかけられるケースがほとんどです。そのため、海外で使用する自動車やバイクを日本から持っていくのは現実的ではありません。

さらに食器などの割れ物や壊れやすい物についても、引越し先へ輸送すること自体は可能です。一般的な船便とは異なり、これらを送っても放り投げられて割れることはありません。

ただ無駄にダンボールが多くなると、その分だけ送料の方が高くなります。現地で購入する方が安いケースがほとんどなので、こうした食器類はできるだけ捨てましょう。

輸送料金が高いため必要最低限の荷物のみ持っていく

海外への引越しでは、送料が非常に高価になります。詳細の料金は引越し先の国によって異なりますが、ダンボール10箱程度の船便輸送であっても、20万円ほどかかることを覚悟する必要があります。

参考までに、ダンボール10箱は荷物が少ない単身引越しの荷物量です。荷物が多い人だと単身でも15~20箱必要となりますし、2人分だと20~30箱ほどになるのが普通です。

当然ながら、荷物量が増えるとその分だけ運搬料金も高くなります。旧居の荷物をすべて海外の新居へ運ぼうとすると、引越し費用が非常に高くなってしまうのです。

そのため海外へ引越す際には荷物の断捨離を遂行し、持っていくダンボール量を極力少なくしましょう。思い出の品など捨てられない荷物については、実家やレンタルトランクルームに預けるといいです。

家具家電はすべて処分していくのが基本

また、海外への引越しでは手持ちの家具家電を処分していくのが基本です。日本の家電のほとんどが海外でそのまま使用することはできないためです。

まず、電源の形状は国によって異なります。例えば以下は、ヨーロッパ(ドイツ)のコンセントの形状です。

このように引越し先の国によっては、コンセントの形状が日本と大きく異なります。このような国で日本の家電を使用するためには、変換プラグが必要となります。

また日本と同じコンセント形状であっても、日本の家電をそのまま使用することはできません。海外で使用されている電気の電圧は日本よりも高いためです。

例えば、アメリカやフィリピンのコンセントは日本と同じ形状です。ただ日本の電圧が100Vであるのに対して、アメリカの電圧は120V、フィリピンの電圧は220Vです。そのため日本の家電をそのまま海外で使用すると、製品が耐えられず発火・ショートする恐れがあります。

このとき、100V用の家電(日本国内向けの家電)をそのままアメリカ(120V)で使用しても、すぐに壊れたりショートしたりするケースは少ないです。

ただ100V用の家電に上限を超えた電圧で電気を流し続けると、その分だけ家電に負荷がかかります。その結果、予期せぬタイミングでショートしてしまい、火事につながる危険性があります。慣れない海外生活で火事を起こすことは絶対に避けたいところです。

これに加えて、海外の賃貸物件には家具家電が備え付けられているケースが多いです。お金をかけて家具や家電を運んでも無駄になる可能性が非常に高いのです。参考までに、以下は入居前の状態ですが家具は備え付けです。

このような事情から、海外への引越しでは所持している家具家電をすべて処分するのが好ましいです。同様に、ベッドやタンスなどの家具類も処分してから新居へ出発しましょう。

なお日常的に使用する家電の多くは、渡航先でも購入できるケースが多いです。「日本でしか売られていない」と思われがちな炊飯器であっても、海外の家電ショップで購入できるケース多いです。

また家電製品を持っていく場合、超高額な関税を課せられることがよくあるため、現地で購入する方が安いことはよくあります。

当然ながら、現地で購入した家電であれば引越し先で問題なく使用できます。そのため、引越し先で使用する家具家電はすべて現地調達を基本にしましょう。基本的には、海外引越し業者を利用するにしても「ダンボールに入る荷物だけ」を持っていくようにするといいです。

海外引越しで持っていくべきもの

それでは実際に海外へ引越すとき、何を持っていけばいいのでしょうか。

まず渡航先の環境によって、必要となる荷物が異なります。例えば暖かい国へ引越す場合は夏服を持っていく必要がありますし、寒い国であればコートなどが必要となります。

また前述のように、国によって持ち込める品物も異なります。そのためまずは、渡航先の持ち込みルールや環境などを確認しましょう。

これらの情報は、航空会社のホームページなどに記載されています。例えば以下は、日本航空のホームページに記載されているアメリカの現地情報です。

ここには、代表的な持ち込み禁止品が記されています。このような情報を参考にして、引越し荷物を選別していきましょう。

ちなみに、持ち込み可能な品物や禁止の品物は海外引越し業者が教えてくれるので、こうした業者に聞くといいです。なお、業者によって持っていける品物が異なるため、これについては業者ごとに確認しましょう。例えば、「業者Aは食品OKだが、業者Bはダメ」などがあります。

手荷物として分けておくべきもの

また海外への引越しでは、引越し当日の荷物にも注意する必要があります。

例えば、パスポートや入国に必要な書類はあなた自身が引越し先へ向かう際に必要不可欠です。誤って引越し荷物に紛れ込ませてしまうと、再交付の手続きが必要となって非常に面倒です。そもそも、こうした貴重品は引越し業者に預けることができません。

このような事態を避けるためにも、引越し当日に手荷物として持っていく鞄をあらかじめ用意し、その中にパスポートなどを入れておきましょう。その他にも、予備のコンタクトレンズや普段飲んでいる薬なども入れておくと安心です。また引越し当日には、SIMロックが解除された携帯電話も持っていきましょう。

また、海外への荷物輸送には時間がかかります。格安の船便を使うと1~2ヶ月かかりますし、航空便であっても2週間はかかります。

引越し荷物が到着するまでの期間は、手荷物と現地調達した家具家電で過ごすことになります。そのため海外への引越し当日には、衣類や日用品などをスーツケースに入れて手荷物として持っていきましょう。以下のように、海外旅行するときのような荷物を用意すれば問題ありません。

このように生活に必要な最低限の荷物を持っていけば、日本からの荷物が到着していなくても海外での生活をスタートさせることができます。

家電を持っていきたいのであれば、変圧器と変換プラグは必須

前述のように、海外への引越しでは手持ちの家具家電をすべて処分していくのが基本です。ただ中には、美容家電など「使い慣れているものを海外でも使用し続けたい」と考える人もいるでしょう。このような場合、引越し先の国に対応した変圧器・変換プラグが必須となります。

これらのアイテムは、渡航先でも入手できるケースが多いです。ただ、現地の言語に精通していないと適切な商品を選ぶのは難しいです。

一方、日本で購入していけば以下のように日本語の説明を読んで判断できます。

また家電量販店であれば、専門スタッフに適切な製品を選んでもらうことも可能です。そのため日本国内向けの家電をどうしても海外で使用したいのであれば、渡航先の国に適した変圧器と変換プラグを購入して持っていきましょう。

引越し先の環境に適した虫対策アイテムを持っていく

また引越し先の国によっては、害虫対策アイテムを持っていくことをおすすめします。例えば北欧などの寒い国では心配ないですが、アジアなど暖かい国へ引越す場合はゴキブリ対策が必須です。暖かい国ではゴキブリが一年中活動しているためです。

基本的に、ゴキブリが発生しやすい気温の国では定期的に室内の殺虫作業が行われます。ただ、ゴキブリの被害をゼロにすることはできません。参考までに私が東南アジアの国に滞在していたとき、居住スペースすべてに定期的な殺虫剤散布が行われていました。このような環境でも、室内にゴキブリが侵入したことがあります。

同様に、暖かい国では蟻の被害も多いです。そのため暖かい国へ引越しするのであれば、日本でゴキブリや蟻などの殺虫剤を購入して持っていきましょう。なお、おすすめなのはブラックキャップとアリメツです。この2つを利用すると、日本の技術力の高さにすべての人が感謝します。

また引越し先の気温に関わらず、以下のような蚊がいなくなるスプレーは持って行った方がいいです。

蚊は暖かい地域に多いイメージを持たれがちですが、北欧やロシアなどの寒い国であっても夏場は蚊が多く発生します。また海外だと、20階以上の高層階であってもなぜか蚊が窓から室内へ侵入します。海外生活を快適にするためにも、渡航先に関わらず蚊対策を行いましょう。

海外へ持っていける持ち物を理解し、引越し荷物を選別する

世界中のどの国であっても、入国時に持ち込める荷物は制限されています。また海外で必要となる品物についても、渡航先の環境によって大きく異なります。そのため海外への引越しが決まったら、まずは渡航先の持ち込みルールや環境などについて確認しましょう。

ただ持ち込みが可能な荷物であっても、海外へ運ぶ荷物量は必要最低限に抑えましょう。海外へ輸送する荷物量が増えると、引越し費用が非常に高額になってしまいます。

特に家具家電については、輸送費用が高額なだけでなく、高額な関税を課せられるリスクを伴います。日本国内向けの家電を海外で使用すると火事が発生する恐れもあります。そのため、日本で使用していた家具家電はすべて処分していくのが基本です。

どうしても海外で使用したい家電があるのであれば、忘れずに変圧器と変換プラグを持っていきましょう。これに加えて、現地の環境に合った虫対策アイテムを持っていくと海外で快適に生活しやすくなります。このようにして海外引越しで持っていくものを仕分けていきましょう。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

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